曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

【詳報】「安全保障法制は違憲、安倍政権は撤回を」〜長谷部恭男氏・小林節氏が会見

2015年06月16日 10時41分27秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

【詳報】「安全保障法制は違憲、安倍政権は撤回を」〜長谷部恭男氏・小林節氏が会見

15日、憲法学者の長谷部恭男氏(早稲田大学法学学術院教授)と小林節氏(慶應義塾大学名誉教授、弁護士)が会見を行った。両氏は、政府・与党が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について笹田栄司氏(早稲田大学政治経済学術院教授)とともに、4日に行われた衆院憲法審査会で「違憲」との認識を表明していた。

会見で両氏は、改めて法案は違憲であり、撤回すべきだと主張、安倍政権が止まらないのなら、次の選挙で政権を交代させるべきだと述べた。

ー政府は集団的自衛権を行使する場合の想定シナリオをなかなか出さない。具体的には、どういう事態を想定しているのか。なぜ出さないと思うか。

また、安全保障法制を「合憲」としている3人の学者は皆「日本会議」に属している。その意味や、「日本会議」の影響力をどう見ているか。(エコノミスト)


長谷部教授:最初の質問については私の方から。具体的な例は簡単には思いつきません。政府が果たして具体的な例を想定しているのかどうかも私にはわかりません。ホルムズ海峡の件については、ご存知のようにイランとアメリカは友好的な関係を迎えつつ有りまして、ホルムズ海峡が封鎖されることも具体的には想定しにくいと思います。

むしろ、政府の側は、集団的自衛権が行使されること、それ自体が目的なのではないかと考えております

小林教授:日本会議に沢山の知り合いがたくさんいるので私が答えますが、日本会議の人々に共通する思いは、第二次大戦で敗けたことを受け入れ難い、だから、その前の日本に戻したいと。かれらの憲法改正案も明治憲法と同じですし、今回もそうですが、日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、アメリカとともに世界に進軍したいという、そういう思いを共有する人々が集まっていて、かつそれは、自民党の中に広く根を張っていて、かつよく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメントだったひとたちの子孫が多い。そうするとメイクセンスでしょ(笑)。

ー先生方が国会で発言した際の自民党からの反応について、2つの質問があります。

山東昭子元参院副議長が、長谷部先生を招致することをを決めた方は処罰されるべきだと発言しました。この発言を聞いてどう思われましたか。

次に、高村正彦副総裁が「国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、自衛のための必要な措置が何であるかについて考え抜く責務があります。これを行うのは、憲法学者でなく、我々のような政治家なのです。」という発言をされました。これについてはいかがでしょうか。


長谷部教授:私が証言した日の憲法審査会のメインテーマはconstitutionalism(=立憲主義)について、でした。その専門家として事務局が私を選び、それを自民党が受け入れたと、いうふうに伺っております。

ですから私はconstitutionalismの専門家として呼ばれたのでありますけれども、その人間がたまたま9条について発言をしたのがけしからん、というのが山東さんの発言の主旨なのだろうと思いますが、しかし、質問があれば私は自分の思っていることを答えるだけだと思います。

それから、二番目の質問ですが、私は今回の安全保障法案は、むしろ日本の安全を危うくすると思っております。日本を確実に守りたいなら、ぜひ学者の意見を聞くべきだと思います。

ーガイドライン(日米防衛協力のための指針)で、すでに日本は米国と色々な約束してしまっています。その約束を果たすために、今安全保障法制が議論されているのだと思います。もし法制が整備されないとなると、日米の関係が悪化することが考えられないでしょうか。(ブルームバーグ)

長谷部教授:まず、できるかできないかもわからないことを先に約束してしまうということが大変リスキーな戦略だったと思っています。そして最近のガイドラインの内容は、元々の日米安保条約の枠をはみ出しているのではないかという批判もあります。

従いまして、これがうまく成立しなければ日米の関係が悪化することもあるかもしれませんが、それはもともと無理な約束をしたことに原因があるのだと思います。

小林教授:私は日米関係は悪くならないと思います。つまり、日本とアメリカの官僚は頭がいいですから、ガイドラインが法的拘束力がないことを知っていますから、勝手に夢を語り合って、ガイドラインの上に法律があって、法律の上に条約があって、条約の上に憲法があって、"あ、やっぱだめだった"、で済むんじゃないですか。(会場から笑い)

ーまだ現段階では早いかもしれませんが、数の力で強行採決することも考えられると思います。その場合、どのような法的手段で対抗できると思いますか。

もし違憲訴訟がおきたとしても、最終的な判決が出るまで法律は生きたものでになりますので、その間、どうなるのでしょうか。また、今までの最高裁判決を見ますと、明らかに違憲であったとしても"違憲状態"という判断をし、"無効"という判断をしてくれないようにも思う。(ロイター)


長谷部教授:最近、最高裁は変化をしつつありますので、今までと違う態度を取る可能性はあると思っています。

ただ他方、裁判所に頼りすぎるのも良くない。まず次の国政選挙で新しい政府を成立させ、一旦成立したこれらの法律を撤回させることを考えるべきだと思います。

小林教授:弁護団の一員として、訴訟の準備をしています。それは法律が有効になった瞬間から、今までの日本には無かった、海外で戦争をする危険が具体化するんですね。ですから、平和に生きる権利が憲法前文と9条で保証されているならば、今は海外派兵ができないからそれが守られているんですけど、法律ができた瞬間から、それが侵されたと理解して、平和が傷つけられたという政府に対する訴訟を準備しています。かなり技術的に難しいですが。

次の段階は、具体的に海外派兵の命令が下って、その部隊の一員がそこから逃げたした時、懲戒処分を受けた場合、それが違憲無効だと訴える。一番悲劇的なのは海外派兵で死んだ人が居た場合ですが、違憲な戦争で家族が殺されたと訴える。その準備を我々は既に始めています。

ー今のお話に関連しますが、日本では憲法に違反すると思われる法律が出来たとしても、実際に誰かがその法律に違反する行為を行った場合に、そもそもその法律は違憲だとして訴えるという形を採らないと違憲か合憲かを争えないということを多くの人が知りません。日本には憲法裁判所のようなものもありません。また、安保に関わるものは「統治行為論」という判断で、裁判所はそうした問題には介入すべきではないと言うわけです。
では一体、誰が違憲かどうかを決める立場にいるのでしょうか。

もう一点、このような仕組みは意図したものなのかそれとも、ある種の欠陥なのか


長谷部教授:最初の質問について、日本においては内閣法制局がこの種の問題について違憲合憲の判断を下してきまして、従来は一貫して、集団的自衛権の行使は違憲ですと、何度も何度も言ってきています。したがって、そういった法案が提案されることなかった。ところが、今の内閣の下、内閣法制局はプレッシャーに負け、解釈を変えた。そこに問題があるということになります。

二番目の質問についてですけれども、日本はアメリカと同じシステムを採っております。従って、裁判の解決にとって必要な限りでしか、裁判所は法令の違憲性・合憲性については判断を下しません。ドイツには憲法裁判所がありますが、ただドイツの憲法裁判所も、圧倒的多数ケースは、やはり事後的な、実際に事件が起きた後で合憲性の判断を下すということになっております。

小林教授:高村副総裁が勝手に引用している判決が全てを言っておりまして、戦争というのは国の存続に関わる大問題ですから、選挙で選ばれていない最高裁の15人の裁判官が決めるわけにはいけない。これはアメリカ・フランスの先例に学んだんですね。だから、あの判決の中、一次的には国会と内閣が決める、だけど最終的は主権者である国民が決めると言っているんです。さきほど長谷部教授も言われるように、狂ってしまった政治は、次の選挙で倒せばいいんです。

ー集団的自衛権に関する議論が加熱しているが、基本的な問題がその前にあるんではないでしょうか。つまり、自衛隊のそのものの存在です。私は法律の専門家ではありませんが、陸海空の戦力を保持しない、と書いてあるのは、理解できます。とはいえ、1950年代の世界情勢を考えれば、そういうものが必要になったという政治判断も理解できます。

ただ、今まで積み重なってきあ解釈というのは、政治的な要素と合わさって、新しい憲法の問題を生んできたと思います。ですから、最終的には、道徳的、倫理的な法学者が、集団的自衛権の問題だけでなく、そもそも自衛隊を持つことはどうかということを議論すべきではないでしょうか。(タイムズ)


小林教授:自衛隊については、二つの根拠がはっきりしていまして、9条には「国際紛争を解決する手段としては」という条件がついていまして、これは1928年のパリ不戦条約の文言と同じで、それ以来、国際法上の普通の標準的な理解としては、これは侵略戦争の放棄で自衛戦争を放棄していないと読むんですね。

もうひとつは、国際法上の独立主権国家の自然権として自衛権はありますから、条文の根拠が要らないんです。それに基づいて自衛隊は存在しているし、砂川判決も書かれている。

そして、終戦直後に自衛隊がなかったのは、日本が危険だったから、米軍が完全占領して持たせなかった。そちらの方が政治的な問題で、不自然です。

ーインドネシア人の私から見れば、当たり前のことですが、もし国が攻撃されたらインドネシア人は死ぬまで闘うと思います。国を守るため自衛隊があるということを憲法に書かなければ行けないと思います。専門家から見て、憲法の文言はどのように書かれるべきでしょうか。

長谷部教授:攻撃を受けた場合、反撃が出来る。憲法で個別的自衛権は認められているので、それで十分だと思います。

ー安倍政権は今回の法案を撤回すべきだと思いますか。その理由は。

長谷部教授:撤回すべきだと思います。核心的な部分、つまり集団的自衛権を容認している部分は明らかに憲法違反であり、他国軍隊の武力行使と自衛隊の一体化、これをもたらす蓋然性が高いからです。

小林教授:私も結論は撤回すべき。違憲というのはもちろんですが、恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、要するに憲法に従って政治を行うというルールが無くなって、北朝鮮みたいな国になってしまう。キム家と安倍家がいっしょになっちゃうんです(会場から笑い)。これは絶対に阻止しなければならない。そして、安倍さんの言うとおりにすると、自衛隊はアメリカ軍の二軍になってしまって、その結果日本は傷ついた上に破産してしまいます。だから何一つ良いこと無いんですね。撤回しないならば選挙で倒すべきだと思います。

ー内閣法制局について理解できていないのですが、三権分立の原則を考えると、内閣からは独立したものなければではないのではないでしょうか。

長谷部教授:日本の内閣法制局はフランスのコンセイユ・デタ(Conseil d'État)をモデルに作られましたが、これは内閣や議会に対して法的なアドバイスを行うのが役割で、その意見は尊重され、政治からも独立しているのが伝統でした。これまでは。

小林教授:日本の違憲審査を考えると、入り口で内閣法制局がやって、出口は最高裁が担っていたんですが、ご指摘の通り内閣法制局は単に内閣の下にある一部門に過ぎない。でもなぜそれがコンセイユ・デタのように力を持ってきたかというと、人間の力だったんですね。優秀な人がプライドを持って守ってきたんです。今回人事権を行使されて、法制局は単に内閣官房に付いている局の一つ、形式通りの弱さになってしまった。これは歴史的なことだと思います。

ー官房長官や政府の人たちは合憲という憲法学者もいっぱいいるとおっしゃいました。先生方は、日本でどれくらいの憲法学者が違憲だと言うと思われますか。また、裁判所の裁判官も含めて、法曹の方の考え方の主流が違憲なのであれば、判決にも反映されると思うんですが、それについてはいかがでしょうか(AFP)

長谷部教授:本日の夜10時からの報道ステーションが、憲法学者へのアンケートの結果を報道することになると思います。そちらをご覧いただければと思います(笑)。私の推測では95%を超える憲法学者は「違憲だ」と言うと思います。

裁判官も含めた法曹一般の中では、例えば、裁判官前の前の山本庸幸内閣法制局長官は、現在、最高裁判事ですが、就任の会見の際に「地球の裏側まで言って武力行使するのは違憲だ」と述べられておりました。

小林教授:専門家の中でどれくらいなのかは出ていまして、大学教授の95%が違憲だとするなら、それに習った人々ですから、弁護士会もそのような状態で、今運動を行っています。

弁護士会が可哀想だったのは、もうずっと1年くらい前から運動をしていたのに、メディアが問題にしてなかったんですね。ところが、こないだの憲法審査会以来、死んでいたメディアが生き返って、弁護士会の活動も取り上げてくれるようになったので、弁護士会も生き返りました。

個人的に、高いランクの裁判官や検察官からも仰るとおりだ頑張ってくれと連絡があります。やはり専門家の常識を国民が共有していなかったのが問題なわけで、それはメディアの責任だと思うんですね。

ー民主党の岡田代表が法案成立後に最高裁が違憲判決を出した場合、その時の内閣は総辞職に値すると発言しました。法の重さ、政治の責任につきまして、時の政権はどのように対応すべきだと思いますか。(ニコニコ動画・七尾氏)

長谷部教授:私は岡田代表の会見を存じ上げていないので、正確なお答えになるかわからないのですがいま、仮に法律が成立するとして、最高裁が出すまで相当時がかかるわけですね。仮に最高裁が違憲判断を出した時に、時の政権が負っている責任は、それを維持してきたというこだと思いますが、そこまでの内閣全てにも責任があるということになるだろうと思います。

小林教授:どうしてもそういう話になるので私はいらいらするんですが、つまり、最高裁が違憲判決を出すまでに大体4年かかるんですよ。それまでどうして放っておくのか。 いま世論調査が支持率が下がれば、安倍内閣は次の選挙が怖くなってやめるんですよ。やめなかったら、それは露骨にひどい事だしたとして、次の選挙で交代させればいい。参議院選挙で自民党が沈めば憲法が改正できなくなるんです。その次の衆議院選挙で自民党政権を倒せばいいんですよ。これが4年後の最高裁判決を待つよりよっぽど早いですよ。

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「首相は憲法9条と戦後体制の問題に返答できない」小沢代表

2015年06月16日 10時40分32秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「首相は憲法9条と戦後体制の問題に返答できない」小沢代表

小沢一郎代表・山本太郎代表 定例記者会見(2015年6月9日)




6月9日午後、国会内で小沢一郎代表と山本太郎代表が定例記者会見を行いました。会見概要は以下の通りです

【質疑要旨】


安全保障関連法案について

Q.小沢一郎 代表 A. Q. 先週の特別委で民主党議員が憲法学者の違憲発言を受け、政府に安保法案を撤回すべきと主張しました。法案の撤回についてと法案を成立させない方法についてお考えを伺いたい。小沢一郎 代表A.
 学者が言ったからこうだということは、国会議員として、政治家としては情けないです。 自分たち自身の考えを議論する場ですから。そこに憲法学者の第三者の方までそういう考えでいるということが、いわゆる自分たちの意見の正当性を補完する材料であるということだろうと私は思います。

今言ったように日本国憲法とくに9条と、その背景である戦後体制のことについての安倍さんの考え方、これを各党が厳しく追及すれば、多分彼は返答をすることはできなくなるのではないでしょうか。こういうことに返答できなければ、安保関連法案を論議することは、論理的には不可能なわけです。それがあって初めてのことですから。

 私が言っているように、安倍さんが本当に戦後体制を、彼流から言えば、矛盾と指摘し、「自分はこう思う」、「こうしたい」と、「集団的自衛権も一般的、普遍的に行使できるように海外派兵ができるようにしたい」と言うのならば、憲法9条の見直しの提案、国会での発議を求めるべきであって、そうすればまだ法案との整合性はできます。

 自民党案では憲法9条1項は、そのままになっているわけです。それでいて法案だけが自衛権を集団的だけではなく個別的自衛権も、日本が直接攻撃を受けた場合でない国際紛争に派兵できるというような法律を作るというのは、全くの論理矛盾、自己矛盾です。このことを野党が揃って追及すれば、私はこの法案を無理やり多数でもって可決するということは事実上不可能になると思います。

 そういう意味で、撤回しろと言ったって、出したものをすぐ撤回するわけはないのです。だから事実上おかしい、全く安倍さんの論理がおかしい、筋道が違っているということを国会の場で基本を論ずることによって明らかにする。それが事実上の撤回と同じように、法案の通過を阻止する唯一のやり方だと思います。

刑事訴訟法改正案について

衆院憲法審査会で3人の憲法学者が安保法案に違憲との見解を示したことについて、小沢代表の感想をお伺いしたい。3人の憲法学者と小沢代表の意見はほぼ一致していると思いますが。

 今回、各党推薦の3人の憲法学者の方々が今の政府提案の安保関連の法案は憲法違反だというお話しをなさったということであります。これは私、かねてから申し上げていたことでありまして、何でこの件を国会もメディアも取り上げないのかと、この会見でも度々言っていると思います。

 まさにほとんどというか、まったくその点は考え方が一緒でありまして、私としては当然のことではありますけれども、「我が意を得たり」という気が致しております。いずれにしても3人の第三者的な立場、しかも憲法の専門家の人がそういう考え方を持っていた。自民党推薦の大学教授がそういう意見を申し述べたということで初めて、各党とも元気づいて「憲法、憲法」と言い始めたようであります。

 まずこの安全保障、とくに日本においては、日本国憲法第9条についてきちんと解釈し判断してからでないと論議は進まないわけであります。それがまた戦後体制、極東軍事裁判からポツダム宣言からサンフランシスコ平和条約から、そういったものまでさかのぼっての論議にもなることであります。

 私が言っても誰も耳を貸さなかったですけれども、3人の学者が言うことによって初めて、政治家も、また国民皆さんもその点に気がついたようでございます。ぜひその根本から論議を国会でもしていただいたら、必ず安倍さん自身がこのことの論戦では明確にまた答えることができず、行き詰まってしまうだろうと思います。ぜひ各党の奮戦を期待します。

Q.小沢一郎 代表 A.山本太郎 代表 A.小沢一郎 代表A.
今国会で戦争法案と並ぶ重要法案である刑事訴訟法改正案には、通信傍受の範囲拡大、取調べの一部可視化、司法取引が盛り込まれています。元々いわゆる「村木事件」に対する反省から始まった法改正の動きだと思いますが、なぜか司法官僚、警察官僚の焼け太り的な結論になっています。両代表はどのようにお考えかを伺いたい。
 これは一方的に権力の濫用と言うか、権力の執行を便利にするために色んな制度的なものを作り上げるという欲求としては権力の側にはあるでしょう。一方でやはり犯罪も高度化し、あるいは国際化していますから、その意味で色々それに対抗する仕組みを作ることも大事だという要請もあると思います。

 いずれにしろ個人の基本的人権を侵すような形の権力の執行は、許されるべきではないわけです。悪質な犯罪を防ぐという理由だけで、基本的人権の侵害になる可能性のあるやり方を新しく作る、あるいは引き続き行うということが、私はよろしくないと思います。

 一定の対策を講ずることは必要ですが、そのためには基本的な情報をきちんと国民に開示し、そして国民の基本的人権が侵されることのないような仕組みを同時に作っていくということが絶対の条件だと私は思います。

 我々ずっと前から取調べの可視化の問題とか色んなこと言ってきましたし、細かいこと言うと代用監獄から何から色んなことがいっぱいあります。基本的には対策は必要かも知れないけれども、あくまでも国民の基本的人権をきちんと守るだけの情報開示という手立てでなければならないと思います。
 今回の刑事訴訟法改正案は、無理やりいろんなものを詰め合わせセットにしたという話です。表の一番の看板が取調べの可視化ですが、(対象は全ての刑事裁判の)たった3%です。一部可視化、取調べの始まりから終わりまで、入口から入って出口から出るまでは可視化されない。どこを撮るか、可視化するのを決めるのは現場です。こんな無茶苦茶な話があるかってことです。

 出発点は何だったのか。冤罪をこれ以上増やさないと。長期拘留というか人質司法と言われるぐらいの捜査手法がずっとあって、今までも沢山冤罪事件があった。それをなくすためにという入り口だったのに、いつの間にか今回の法案は、警察権限の拡大法案だと。誰が得しているかと言えば結局警察です。警察が自分たちにフリーハンドを与えてもらえるような内容になっています。

 中でも怖いのは、盗聴法とかありますけれども、嫌だなと思うのが司法取引。お前の罪を軽くするために誰か売れ。売る人間に対しては、拘束されている本件以外でもいいという無茶苦茶なことを言っています。結局、村木さんの事件を考えても、10人取り調べに呼ばれた厚生労働省関係者の5人が、村木さんがやったと言っています。2012年のパソコン遠隔操作事件というのがあり、あれでも4人のうち、真犯人でない2人が自白しました。これは明らかに「お前がやったのだろう」という長期にわたる取り調べの結果、そのような嘘の自白をしてしまうと。

 世界的に有名な話らしいのですけれども、ノースウエスタン大学の研究によると、死刑冤罪事件の45.9%の冤罪原因が誤った情報提供者の証言であったという研究も出ています。今やろうとしていることはかなり際どいことと言いますか、片っ端から都合の悪い人たちをしょっ引いて、声を上げられないようにしてしまえるものです。

 どこまでも権限が拡大していき、盗聴だって、それぞれの警察署でできる可能性ができる。本当にやろうとしていることは無茶苦茶です。「ばらしてやれ」というのが筋なのです。もう審議が始まっている中で、すごく難しいところですが、火事場泥棒的にこのようなものが沢山ちりばめられているのが今国会の特徴でもあると思います。
 それに関してもう1つは、警察、検察の十手持ちの連中だけの話しではなくて彼らは自分で十手振りかざして何だかんだ、私もその犠牲者の1人だけれども、やるのです。

 もう一つ大事なのは司法、裁判所です。日本では、刑事事件のほぼ九分九厘が有罪です。外国から見ると、それなら裁判所は要らない、検察だけでいいではないかという話しになってしまう。これは本当にやっぱり裁判、司法の独立と言っていますが、事実上、(司法と検察間の)人事交流などと言いながらツーカーの状況になっていて、今言ったように検察の訴えはほとんど有罪になっています。外国では、少なくても先進国ではあり得ないのが、日本の裁判の現状なのです。

 だからもう少し裁判官ももっと権威と見識をもってやらないと。裁判官が命令すれば、警察、検察のかなりの資料は提出させられるのですから。そこをしっかりしないといつまで経っても同じことです。それでもう勝手なことを、太郎さんが今言ったようなことをやるということになります。本当の意味での司法の独立。警察、検察は司法ではなく行政ですから、だから司法官にもう少ししっかりしてもらわないといけないと私は思います。

労働者派遣法改正案について

Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表 A.山本太郎 代表 A.玉城デニー 幹事長A.
労働者派遣法の改悪で、維新が自民党と同調しそうになっていることにより、法案が通過しそうになっていることについてお考えを伺いたい。
 なんかそういう噂を聞きますけれども、そんなことはないのではないかと私は思います。別に公式に維新で発表したわけではないでしょう。
新聞報道だけですが、労働問題についての弁護団が法案を通さないと緊急集会をやるとか、かなり深いところから出ているのだと思います。
新聞報道は往々にして間違いますから。私はそういうことはちょっと考えられないような気がします。それを詳しく聞いていません。
 私も噂の範囲でしか聞いていません。歯切れが悪くて申し訳ありません。
 両代表の歯切れが悪くなるのも、実は維新の国対の方から私の方に連絡がまだ正式にありません。ですから党内では一応まだその確認が取れてないということもありますのでこのようなコメントをさせていただいている次第でございます。

参院統一会派について

Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表A.
維新の党が参議院で元気会と生活に対して、参院で統一会派を組みたいというような考えを示されていることについてのお考えを伺いたい。
 それも噂の話ししか聞いていません。それ維新の方からの話しですか?
片山虎之助議員が昨日の会見で、そういうお考えを示されました。
 それはまだ聞いておりません。したがって正確にお答えすることは現段階ではできません。その事実についてはまだ良く分かりません。

2009年総選挙主党マニフェストについて

Q.小沢一郎 代表 A.
2009年の衆議院選挙での民主党のマニフェストについて、今このタイミングで改めて小沢代表自身でどういう評価をされますか。
 あのときのマニフェストについては、私は非常に良くできたマニフェストだと思っています。だからこそ国民は、あのとき民主党を支持したのではないでしょうか。政権をいただいて、その結果自分たちではなかなかできないから、マニフェストが悪いと言うのは、ちょっと論理の逆転の話しです。
 もちろんマニフェストだからと言って、その1期の政権で必ずしも全部できるということではないのです。できない点があったっていいわけです。それを国民が良しと言って判断してくれたものなのですから。それを少しでも多く実現しようというのが選挙で選ばれた政権、政党の役目だと私は思っております。そしていまだ良いマニフェストだったと思っています。

翁長沖縄県知事の訪米について

Q.玉城デニー 幹事長A.
翁長知事が訪米されたことに玉城議員はどのような感想をお持ちですか。帰国した空港でのぶら下がり会見で糸数議員が外務省の姿勢を追及していくとコメントされたことについての考えをお伺いしたい。
 糸数議員のコメントについては詳しく聞いていませんが、恐らく議員個人として、国会でも外務省などの政府の姿勢をしっかり追及していくということに関しては、私もそれはしっかりやるべきだろうと思います。

 翁長知事が今回アメリカに行かれたのは、ワシントンDCに沖縄事務所を開設して、これからは積極的に沖縄の現状を広くアメリカ国民にも伝えていきたいということも視野においての活動であると思っております。そのことに関しては、やはり一定スタートラインに立ったということだと思います。

 しかしアメリカの反応は、普天間の辺野古移設に関しては、両方の国で決めてあることだからという姿勢での返事が返ってきたということです。それも翁長知事としては、そういう返事であろうことは想定をしていたので、我々が沖縄の問題をしっかり直に伝えるということに重きをおいて、今回行ってきたのは非常に良かったと思います。

マイナンバー法改正案について

Q.山本太郎 代表A.
日本年金機構の大幹部と話したのですが、情報が抜かれるようになっていることに気づいていないのです。抜かれるべくして抜かれています。これがマイナンバーで起こったら、もっと大きな範囲で起こります。山本代表は内閣委員会でこの問題に取り組んでいますが、今後どうやって追及していきますか?
 (委員会の)現状をお話しすると、マイナンバーの審議は止まっています。風営法を先にやろうという空気観になっています。年金問題がもう少し落ち着いたところで、やろうとしているのではないかという感じです。民主党のスタンスも少しずつ変わってきています。衆議院で通ったけれども、話は変わってきたと。参議院での動き方は変わってくるという雰囲気を言われています。

システムの問題や現場のセキュリティーの問題があると思います。現場のセキュリティーの問題がある部分に行き着くと思います。それは何かと言うと、働かせ方、働き方だと思います。官製ワーキングプアと言われるものが非常に多い。いろんな役所の個人情報を扱っているような人たちが、官製ワーキングプアと呼ばれるような働き方をさせられています。長時間労働、低賃金で、生活保護の窓口で相談を受けている人たちが、生活保護を受けに来ている人たちよりも実は実入りが少ないような状況に陥っています。

マイナンバーが実際に始まったとして、全国の役所などで個人情報に触れる人たちの働き方というのが、やはり人間らしい憲法に書かれているような生き方、働き方ができなければ、おそらくこんな情報流出がどんどん出てくるだろうと思います。そこを突いていきたいなと思っています。

とにかくセキュリティーレベルは相当低いということだと思います。100%安全はないわけだからイタチごっこ。漏れることを前提でやらなければいけない。漏れることが前提だったら、100%の安全がないのだったら、統一番号を止めるべきです。共通番号をやる必要はなく、個別番号でいいだろうと思います。

野党連携について

Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表 A. Q. >小沢一郎 代表 A.
小沢代表は先日の会見で参院選に向けての野党協力について「オリーヴの木」のような協力関係を言及されました。先ほど維新の統一会派構想をまだお話しがないということでしたが、参院の野党の中で野党が統一会派を組んでいくという方向性自体について小沢代表はどのようにお考えですか。
 それは参議院に限ったことではなくて、衆議院でもそういう機運ができてやろうかということであれば、それはそれで大いに結構だと思います。いずれにしろ参議院選挙まで1年しかないのですから、その間に衆参の選挙制度も修正しておかなければならないし、何やかんや実際的な作業というのは、選挙戦そのものの作業も一定の時間がかかります。ですから各党が協力してやらなければならないという思いが強くなったとすれば、それはもうできるだけ早く実現するようにそれぞれ努力しなきゃいけないと思います。
いずれ統一会派をということなのですか。
 1つのステップとしての統一会派ということもあり得るわけですが、別に統一会派でなくてもいいのです。ただ、選挙の俗に言う「オリーヴの木」的な大同団結の連合体ができるという方向に向けばいいと思います。
先日、小沢代表は各党の代表と面会されて、岩手県知事選の連携、応援について協力を仰って回られました。現在の岩手県知事選、その野党の連携はどのような状況で臨めるのか。今後、知事選、来年参院選以降に野党の連携がもしくは合流が行われるとしたらどういった形での合流、連携が望ましいのか。そういう青写真があればお伺いしたい。 
 別に私が主体的に旗振る立場ではないので、絵を描いてやるわけではありません。参議院選挙後の話しは、今から言ったってしょうがない。まず、参議院選挙を大同団結して、野党が勝つということを目標にやるべきだと思います。
 岩手県の場合は今、民主の県連でも支持していただいていますし、維新の場合は、県連が岩手にはありませんが、支援し推薦してくださっております。社民党は自主投票と地元で決めましたけれども事実上の平和研、自治労、岩教組も推薦してくれています。

 そういう意味で各党がほぼ足並みが揃ったのではないかと思っています。まずこれで大勝利を上げて、そして次の(参院)補選も同じように皆で力を合わせてやり、来年の参議院選挙の1つのステップになればいいなと思っています。

原発事故自主避難者への住宅援助打ち切り問題等について

Q.山本太郎 代表A.
福島県から非難されている被災者の集会に出席しての感想を山本代表にお聞きしたい。自宅支援についてのコメントもお願いします。
 みなし仮設、住宅の援助についてのお話だと思います。16年度にそれが打ち切られることが濃厚で、18年度には精神的賠償も打ち切られます。18年度に精神的賠償が打ち切られるなら、16年度に住宅援助が打ち切られてもおかしくない話です。

政府は何と言っているかというと、「自立しろ」と言っています。「自立しろ。自立しろ」と言いますが、皆さんはもともと自立されていた方々です。その自立を奪ったのが原発事故であり、いったい何を言っているのだと。

 自立を奪った電力会社、それを国策として後押しした国が加害者として、被害者に対して責任を取らなければいけない。しかし今やろうとしていることは、加害者だけで話を決めてしまって、被害者側はその話し合いには入れず、(国は)一方的に線引きをして「これで終わりです。元の場所に帰ってください」という話をしています。こんな理不尽な話はないでしょう。

 安全の基準が大幅に引き上げられています。年間1ミリ(シーベルト)以下に抑えるところから20ミリ(シーベルト)までOKというところまでいっています。20ミリ(シーベルト)の土地に帰れということで、事故被害の矮小化をどんどん進めようとしています。

 考えていただきたいのはレベル7の事故が3つ起こった状況の福島東電原発。その周辺に人々を帰す。世界で一番脆弱な危険施設なのです。(事故)収束には何百年かかるか分からない。30年、40年とか言っていますが、それは普通の原発を廃炉にする期間と同じです。やり方さえ分からないところに人々を帰し、学校を建て、そして女子サッカーのキャンプ先にする。そんな状況なのです。やっていることが人間ではないです。常軌を逸しているというのはこういうことだなと。

 この状況に対しておかしいではないかという声が起こらないといけないのです。しかし残念ながら、20ミリ(シーベルト)以下の場所に人を帰すことに明確に反対を申し上げているのが我が党だけなのです。本当に優先順位が変わってしまったのです。

 みなし仮設として全国に避難されていった区域外避難者、自主避難者の方々が最初に切り捨てられるのは当然だなという状況だと思います。皆さん泣いていらっしゃいます。離婚された方もいらっしゃるし、コミュニティーを捨てて、とにかく子どもを連れて避難して、住宅援助がなければ生活が立ち行かないと。下手したら無理心中にもなりかねない状況の中、どうして加害者が逃げ切れるような状況にあるのかなということだと思います。国会で色々と追及してきたいと思います。

小沢代表の自立と共生政策について

Q.小沢一郎 代表A.
小沢代表ご自身が新生党から新進党、自由党と当時掲げておられた政策というのは一見、新自由主義的に見えるものも含まれています。当時、自立も共生をどう思われていたのか。転換点がもしあったとしたらどこら辺かお考えを伺います。
 自立と共生は、何も全然変わっていません。当然そうならなくてはいけません。ただ、国民が自立していくためには、それなりの経済的あるいは社会的あるいは教育的な色々な中で自立を容易にするような社会に変えていかなくてはなりません。その意味で、単に競争原理だけですべての政策をやっていこうという考え方とは全く違います。私は自由取引を否定するわけではありませんし、規制の撤廃も必要です。

 それは官僚支配を打破するためには、かなりの規制の撤廃をしなければなりません。  しかしその一方で、国民の生活を守るための規制は、きちんと制度として維持していかなくてはなりません。それは何かと言えば、1つは大きく言えば社会保障制度であり、あるいは雇用の問題であり、あるいは競争の中で経済的な弱者を保護する規制であり、あるいはとくに今TPPが問題になっていますが、生産性の低い農業、農林漁業というようなもの。とくに農業、食糧の自給の体制を作り上げるためには、それなりの規制をしなくてはなりません。

 そういう意味で小泉、安倍内閣は、国民が一定の生活を維持していくために必要な規制さえも、規制改革の名の下にどんどん縮小させようとしております。それは医療でもそうですし、雇用でもそうですし、年金でもそうです。農業についても漁業についてもそうです。これは全く近代の国家への歩みと逆行する考え方だと思います。

 これは言わば、トマ・ピケティのベスト・セラー本にも書いてありますけれども、世界的にもリーダーの間にそういう考え方が出てきています。これは非常に以前に逆戻りして、格差を是正するものであり、何とかしなければいけないというお話しです。

 とくに日本におきましては、今までずっと自民党自体が本来、配分の公平ということを本質的なバック・ボーンにしてきた政党なのです。自民党が変質したと私は思っています。今の自民党はもう旧来の自民党とは全く違うと思います。

 そういう意味で私たちは、自由な社会を作り上げると同時にすべての国民が、どこに住んでいても、どんな職業の人でも一定のレベルの生活を維持していけるシステム、すなわち規制は維持強化していかなくてはならないと思っております。
 
※生活の党と山本太郎となかまたちホームページより「転載」
 

「野合」でない野党再編を実現するための鉄則

2015年06月16日 10時39分49秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

「              植草一秀の『知られざる真実』」

                          2015/06/15

「野合」でない野党再編を実現するための鉄則 

          第1169号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015061512253127108
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-27771.epub
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6月12日に開催された

第2回「日本政治の行方を考える市民と国会議員の勉強会」

で、

[オールジャパン:平和と共生]

http://www.alljapan25.com/

サイトの創設について紹介させていただいた。

すでに多くの主権者に賛同者リストへの登録をいただいている。

深く感謝申し上げたい。

サイトへの賛同者リストの掲載は7月になってからを予定している。

サイトの記事更新が十分ではないが、じっくりと時間をかけて内容を充実させ
ていただきたいと考えている。

私はサイトの管理者の役割を担うが、運動そのものは組織を持たない、すべて
の賛同者がフラットな位置に立つネット上の連帯運動である。

理念を共有する同志が横につながることを目指すものである。

多くの主権者に、ぜひ賛同していただきたいと考えている。

この勉強会で孫崎享氏が、日本がいま危機に直面しているとの認識と、そのな
かでもとりわけ重大な三つの基本問題についての問題提起があった。

私の問題意識とまったく重なるものであったと同時に、

[オールジャパン:平和と共生]

の問題意識とも完全に重なるものである。



三つの重大問題とは、

原発

憲法=集団的自衛権

TPP

である。

[オールジャパン:平和と共生]

においては、これに加えて、

基地

格差

の二つの問題を加えて五つの基本問題として取り扱っているが、この点におい
ても、孫崎氏と問題意識を共有するものであると認識している。

3月11日付のメルマガ第1099号記事

「愚かな権力者が国民の未来を破壊し尽くす」

http://foomii.com/00050

に、小出裕章氏の京大原子炉実験所での最終講義の内容を紹介しつつ、次の記
述を示した。

「原発再稼働の基準は、
「絶対安全神話」
から
「規制基準」
に置き換えられた。

「絶対安全とは言えない」
と、
基本スタンスが180度転換したのである。

「原発は事故を起こす」
ことを大前提に置いて、
「事故を引き起こす確率を低下させる基準」
を設定して、
この基準をクリアした原発を稼働させるとしたのである。

安倍政権は
「安全性が確保された原発を再稼働させる」
と説明しているが、この説明は虚偽である。

原子力規制委員会は規制基準を定めて、原発がその規制基準に適合するかどう
かを審査するが、審査をクリアした原発について、原子力規制委員会の田中俊
一委員長は、

「原発が安全とは言わない」

と発言している。

安全性が確保された原発を再稼働させるのではない。

定めた基準をクリアした原発を再稼働させるのであり、事故が発生する可能性
があるとの前提で原発を再稼働させるのである。

しかも、その基準は、「絶対安全」と表現できる水準にはるか及ばない。

端的な例を一つだけ示せば、2008年に日本で観測された4022ガルとい
う地震動という水準さえ、まったくクリアしない規制基準なのである。

つまり、安全性を確保していない原発を再稼働させる路線が強行されているの
である。



集団的自衛権、TPPについても、主権者の意思に反する政策が強行されよう
としている。

主権者の多数が、この政策路線に反対であるなら、安倍政権の行動を阻止しな
ければならない。

そのための方策が検討されているのだ。

このとき、対応策として二つの案が提示されている。

ひとつは、現在の非自公勢力がひとつにまとまるという戦術だ。

現実的な選択肢ではある。

しかし、基本政策において路線の一致が実現するのかどうかが疑わしい。

もうひとつの選択肢は、安倍政権の基本政策路線に反対する主権者と議員候補
者が団結するというものである。

わたしは後者の提案を示している。

なぜなら、

原発、憲法、TPPの三大問題における政策方針をあいまいにはできないから
である。

「小異を残して大同につく」

ことを提唱するが、この三つの問題に関する路線の相違は

「大異」

であって、

「小異」

ではないからだ。

現在の民主や維新を全体として一括りにすれば、この点が曖昧になってしま
う。

それでは、主権者多数が求める政治が実現しない。

この点を明確にしておく必要があると考える。



安倍晋三氏と橋下徹氏が会談したことが報道されている。

橋下氏は大阪都構想で敗北した際に、

「政治家をやめる」

と公言したのであるから、その発言に対して責任を持つべきだ。

自分の言葉に責任を持たない人物を信用するわけにはいかない。

安倍政権は野党勢力のなかの、維新と次世代、さらに民主の一部を、安倍政権
の支持勢力に引き込もうとしている。

この三つの政治勢力のなかには、

自公補完勢力

が潜伏している。

2009年9月に樹立された鳩山政権が破壊された原動力になったのが、民主
党内に潜伏していた自公補完勢力であった。

自公補完勢力とは、

「主権者のための政治」

ではなく、

「米・官・業のための政治」

を追求する勢力のことである。

「米・官・業のための政治」

の具体的な政策方針が

原発再稼働

集団的自衛権行使容認

TPP参加

辺野古基地建設

格差拡大推進

なのである。

鳩山由紀夫政権は、民主党内に潜伏していた自公補完勢力による党内クーデ
ターによって破壊されてしまったのである。



したがって、いま求められていることは、

非自公勢力の結集

ではなく、

非自公路線勢力の結集なのである。

したがって、

党派を軸に合従連衡を行うのではなく、

政策路線の相違を軸に合従連衡を行うべきなのだ。

選挙の際に、

自公勢力の候補者と

自公補完勢力の候補者が

同一選挙区に立候補すれば、競合して票を食い合うのは、この二者である

非自公路線の候補者がただ一人に絞られれば、この候補者が勝利する確率が格
段に高くなる。

現在の議席分布で判断するのは間違いのもとだ。



非自公路線を最も明確に示している党派が共産党である。

共産党がほぼすべての選挙区に候補者を立てて、政策路線を共有する他の候補
者が同じ選挙区に立候補すると、自公統一候補が格段に有利になってしまう。

非自公路線の主権者と政治勢力による

[オールジャパン:平和と共生]

での戦いを展開するには、どうしても共産党との選挙協力を実現する必要があ
る。

共産党を排除せず、党派を超えて、基本政策路線を共有できる主権者、政治勢
力、候補者が大同団結を果たすのだ。

この大同団結が実現しなければ、政治権力の奪還は難しいと考えられる。



沖縄では[オール沖縄]の戦いによって、安倍政権に対する勝利が実現した。

これを日本全体に広げることを目指すべきである。

その実現には

「政党エゴ」

を排除しなければならない。

そして、

「主権者が主導して」

「一選挙区一候補者」

の体制を構築する必要がある。

これを実現できるのは、実は、

主権者

だけである。

主権者が主導することによって、

「一選挙区一候補者」

の体制を構築するのだ。



現状では、維新や民主が自公補完勢力である疑いが濃厚に存在する。

政策を基軸に、政治勢力の純化を実現しなければならない。

この点における妥協、あいまいさの容認は、

「小異を残して大同につく」

ではなく、

「大異を残して小同につく」

ことを意味する。

これは排除しなければならない。

 


まだ高すぎる、NNN世論調査安倍内閣支持率41,1%に下落!

2015年06月16日 10時37分15秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 NNN世論調査 内閣支持率41.1%

日本テレビ系(NNN) 6月14日(日)19時21分配信

 NNNがこの週末に行った世論調査によると、内閣支持率は41.1%で、安倍首相が二度目の首相に就任した直後の2013年1月の調査以来、最低となった。

 世論調査で安倍内閣を「支持する」と答えた人は前の月より2.4ポイント下落して41.1%、「支持しない」と答えた人は前月比1.6ポイント増加して39.3%だった。

 国会で憲法学者3人が違憲と指摘した安全保障関連法案について憲法違反の内容が含まれていると思うかたずねたところ、51.7%の人が「含まれていると思う」と答えた。16.8%の人が「含まれていると思わない」と答えた。

 また、法案を今の国会で成立させることについて「よいと思わない」が63.7%に上った。「よいと思う」と答えた人は19.4%だった。

  <NNN電話世論調査>
 【調査日】6月12日~14日
 【全国有権者】2011人
 【回答率】50.1%
 http://www.ntv.co.jp/yoron/