19歳、フリーター。音楽とおしゃれが好きで、政治には関心がなかった。そんな女の子が発起人となって26日、安全保障関連法案に反対するデモが札幌で行われる。呼びかけたのは札幌市中央区の高塚愛鳥(まお)さん。「戦争は怖い。イヤだ。許せない。むかつく…。若い世代が自分たちの言葉で反対の声を上げたい」と力を込める。

 デモの名は「戦争したくなくてふるえる」。若者に人気の歌手西野カナさんの曲の「会いたくて震える」という歌詞にかけた。<戦争が始まったら自由が奪われる。バカな政治家たちに自由で楽しいあたし達の暮らしを奪われてたまるか!>。インターネット上のデモの告知には、自身の写真とともにそんなメッセージを載せた。 
 「人一倍怖がりで、戦争は特に怖い」と話す。幼稚園の時、戦争を扱ったアニメ映画「火垂(ほた)るの墓」を見て、夜眠れずにベッドの中で震えた。高校の修学旅行で訪れた広島では、原爆資料館の展示を直視できなかった。
 中学時代、熱心な教師の影響で貧しいアフリカの子供を助ける仕事がしたいと夢見た。でも、高校時代は茶髪にピアス、短いスカートで、遊んでばかりいた。
 昨年、半年で大学を中退し、札幌ススキノの飲食店などで働いた。今春、語学留学したフィリピンでは児童養護施設で子供たちと遊ぶボランティアをした。全盲の父は娘の顔を見たことがなく、子供のころはよく顔をさすってくれた。そのせいか、人と触れ合う仕事がしたいと、今は「車いすの人権活動家」として知られる安積遊歩(あさかゆうほ)さん(59)=札幌市西区=を介助するアルバイトをしている。
 戦争は怖い、イヤだと思いつつ、デモでは何も変わらないと思っていた。友達と街を歩いてデモと出くわしても「うるさい」と思った。それでも、もし戦争になったら駆り出されるのは自分たちの世代。無関心で遊んでばかりいていいのか―。少しずつ考え始めた。
 今月中旬、若者が「円山公園」でデモをすると知った。(札幌の)円山なら行こうかなと思ったら、京都の円山だった。その話を安積さんにすると、だったら自分でしたらいいと言われた。「誰かがやんなきゃ誰もしない、何も変わらない」。その日のうちに安保法案についてネットで調べ、若い友人たちにデモの企画をネットでぶち上げた。
 行動力には自信がある。デモは許可が必要と知り、翌日、警察署に申請した。遊び仲間や大学生らに共感の輪が広がり、ネットの交流サイト、フェイスブックではデモへの「いいね!」が5日間で千を超えた。
 デモは26日午後5時半に大通西8丁目集合。ススキノまで行進する。事前申し込みなしで誰でも参加できるが、特に若い人たちに来てほしいと願っている。「ススキノで遊んでる友達とか、飲み会サークルの大学生とか、あんまり関心なさそうな若者にこそ法案の怖さを知ってほしい。反対の声を伝えたい」と話す。「だって、自分たちの未来にかかわる問題なんだから」(報道センター 関口裕士)
 
※北海道新聞205年6月23日ホームページより「転載」

🔣コメント、戦争は政治家の野望と、誤った判断から起きる。あえて戦争に加担するような、安保法案は、
違憲でもあり廃案にすべきものである。いま若ものこそが立ち上がり反対しなければ、未来が暗闇になる。