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「野合」でない野党再編を実現するための鉄則

2015年06月16日 10時39分49秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

「              植草一秀の『知られざる真実』」

                          2015/06/15

「野合」でない野党再編を実現するための鉄則 

          第1169号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015061512253127108
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6月12日に開催された

第2回「日本政治の行方を考える市民と国会議員の勉強会」

で、

[オールジャパン:平和と共生]

http://www.alljapan25.com/

サイトの創設について紹介させていただいた。

すでに多くの主権者に賛同者リストへの登録をいただいている。

深く感謝申し上げたい。

サイトへの賛同者リストの掲載は7月になってからを予定している。

サイトの記事更新が十分ではないが、じっくりと時間をかけて内容を充実させ
ていただきたいと考えている。

私はサイトの管理者の役割を担うが、運動そのものは組織を持たない、すべて
の賛同者がフラットな位置に立つネット上の連帯運動である。

理念を共有する同志が横につながることを目指すものである。

多くの主権者に、ぜひ賛同していただきたいと考えている。

この勉強会で孫崎享氏が、日本がいま危機に直面しているとの認識と、そのな
かでもとりわけ重大な三つの基本問題についての問題提起があった。

私の問題意識とまったく重なるものであったと同時に、

[オールジャパン:平和と共生]

の問題意識とも完全に重なるものである。



三つの重大問題とは、

原発

憲法=集団的自衛権

TPP

である。

[オールジャパン:平和と共生]

においては、これに加えて、

基地

格差

の二つの問題を加えて五つの基本問題として取り扱っているが、この点におい
ても、孫崎氏と問題意識を共有するものであると認識している。

3月11日付のメルマガ第1099号記事

「愚かな権力者が国民の未来を破壊し尽くす」

http://foomii.com/00050

に、小出裕章氏の京大原子炉実験所での最終講義の内容を紹介しつつ、次の記
述を示した。

「原発再稼働の基準は、
「絶対安全神話」
から
「規制基準」
に置き換えられた。

「絶対安全とは言えない」
と、
基本スタンスが180度転換したのである。

「原発は事故を起こす」
ことを大前提に置いて、
「事故を引き起こす確率を低下させる基準」
を設定して、
この基準をクリアした原発を稼働させるとしたのである。

安倍政権は
「安全性が確保された原発を再稼働させる」
と説明しているが、この説明は虚偽である。

原子力規制委員会は規制基準を定めて、原発がその規制基準に適合するかどう
かを審査するが、審査をクリアした原発について、原子力規制委員会の田中俊
一委員長は、

「原発が安全とは言わない」

と発言している。

安全性が確保された原発を再稼働させるのではない。

定めた基準をクリアした原発を再稼働させるのであり、事故が発生する可能性
があるとの前提で原発を再稼働させるのである。

しかも、その基準は、「絶対安全」と表現できる水準にはるか及ばない。

端的な例を一つだけ示せば、2008年に日本で観測された4022ガルとい
う地震動という水準さえ、まったくクリアしない規制基準なのである。

つまり、安全性を確保していない原発を再稼働させる路線が強行されているの
である。



集団的自衛権、TPPについても、主権者の意思に反する政策が強行されよう
としている。

主権者の多数が、この政策路線に反対であるなら、安倍政権の行動を阻止しな
ければならない。

そのための方策が検討されているのだ。

このとき、対応策として二つの案が提示されている。

ひとつは、現在の非自公勢力がひとつにまとまるという戦術だ。

現実的な選択肢ではある。

しかし、基本政策において路線の一致が実現するのかどうかが疑わしい。

もうひとつの選択肢は、安倍政権の基本政策路線に反対する主権者と議員候補
者が団結するというものである。

わたしは後者の提案を示している。

なぜなら、

原発、憲法、TPPの三大問題における政策方針をあいまいにはできないから
である。

「小異を残して大同につく」

ことを提唱するが、この三つの問題に関する路線の相違は

「大異」

であって、

「小異」

ではないからだ。

現在の民主や維新を全体として一括りにすれば、この点が曖昧になってしま
う。

それでは、主権者多数が求める政治が実現しない。

この点を明確にしておく必要があると考える。



安倍晋三氏と橋下徹氏が会談したことが報道されている。

橋下氏は大阪都構想で敗北した際に、

「政治家をやめる」

と公言したのであるから、その発言に対して責任を持つべきだ。

自分の言葉に責任を持たない人物を信用するわけにはいかない。

安倍政権は野党勢力のなかの、維新と次世代、さらに民主の一部を、安倍政権
の支持勢力に引き込もうとしている。

この三つの政治勢力のなかには、

自公補完勢力

が潜伏している。

2009年9月に樹立された鳩山政権が破壊された原動力になったのが、民主
党内に潜伏していた自公補完勢力であった。

自公補完勢力とは、

「主権者のための政治」

ではなく、

「米・官・業のための政治」

を追求する勢力のことである。

「米・官・業のための政治」

の具体的な政策方針が

原発再稼働

集団的自衛権行使容認

TPP参加

辺野古基地建設

格差拡大推進

なのである。

鳩山由紀夫政権は、民主党内に潜伏していた自公補完勢力による党内クーデ
ターによって破壊されてしまったのである。



したがって、いま求められていることは、

非自公勢力の結集

ではなく、

非自公路線勢力の結集なのである。

したがって、

党派を軸に合従連衡を行うのではなく、

政策路線の相違を軸に合従連衡を行うべきなのだ。

選挙の際に、

自公勢力の候補者と

自公補完勢力の候補者が

同一選挙区に立候補すれば、競合して票を食い合うのは、この二者である

非自公路線の候補者がただ一人に絞られれば、この候補者が勝利する確率が格
段に高くなる。

現在の議席分布で判断するのは間違いのもとだ。



非自公路線を最も明確に示している党派が共産党である。

共産党がほぼすべての選挙区に候補者を立てて、政策路線を共有する他の候補
者が同じ選挙区に立候補すると、自公統一候補が格段に有利になってしまう。

非自公路線の主権者と政治勢力による

[オールジャパン:平和と共生]

での戦いを展開するには、どうしても共産党との選挙協力を実現する必要があ
る。

共産党を排除せず、党派を超えて、基本政策路線を共有できる主権者、政治勢
力、候補者が大同団結を果たすのだ。

この大同団結が実現しなければ、政治権力の奪還は難しいと考えられる。



沖縄では[オール沖縄]の戦いによって、安倍政権に対する勝利が実現した。

これを日本全体に広げることを目指すべきである。

その実現には

「政党エゴ」

を排除しなければならない。

そして、

「主権者が主導して」

「一選挙区一候補者」

の体制を構築する必要がある。

これを実現できるのは、実は、

主権者

だけである。

主権者が主導することによって、

「一選挙区一候補者」

の体制を構築するのだ。



現状では、維新や民主が自公補完勢力である疑いが濃厚に存在する。

政策を基軸に、政治勢力の純化を実現しなければならない。

この点における妥協、あいまいさの容認は、

「小異を残して大同につく」

ではなく、

「大異を残して小同につく」

ことを意味する。

これは排除しなければならない。

 



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