曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

非民主主義国家に転落する国家の悲劇 早く気付くべき専制独裁化への道を

2015年04月26日 10時04分49秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/04/24

  非民主主義国家に転落する国家の悲劇

               第1130号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015042420053526233
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-26901.epub
────────────────────────────────────
この国の民主主義は破壊されている。

日本は民主主義とは名ばかりの非民主国家になってしまっている。

昨年4月に消費税の税率が8%に引き上げられたが、これを法定化したのは野
田佳彦政、権である。

野田佳彦氏は2009年8月の総選挙の際に、

「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」

と絶叫した、その本人である。

その人物が、シロアリを一匹も退治しないまま、消費税増税に突き進んだ

ここから日本の民主主義は根底から崩壊することになった。

2010年の沖縄知事選で、仲井真弘多氏は普天間飛行場の移設先を県外に求
めることを公約とした。

この仲井真氏が任期満了を目前に控えた2013年12月に、辺野古海岸の埋
め立て申請を承認して辺野古米軍基地建設にゴーサインを出した。

沖縄では、2010年と2014年の知事選、名護市長選、名護市議選のすべ
てにおいて、辺野古米軍基地建設反対の住民意思が明確に示された。

さらに、2013年の参院選、2014年の衆院選でも、辺野古米軍基地建設
反対の意思が明示された。

このなかで、安倍晋三政権は、辺野古米軍基地建設を「粛々と」推進してい
る。



そして、2012年12月の総選挙。

安倍晋三自民党は、

「ウソつかない!

TPP断固反対!

ブレない!

日本を耕す!!自民党」

のポスターを貼り巡らせて選挙を戦った。

その自民党代表の安倍晋三氏が、選挙から3ヵ月後の2013年3月15日、
TPP交渉に参加することを決めた。

民主主義を根底から破壊する暴挙である。

安倍首相は、そもそも、日本を民主主義国家と考えていないのだろう。

安倍晋三自民党は、総選挙に際して、TPPについて「6項目」の公約を明示
した。

その公約がこれだ。

http://goo.gl/Hk4Alg


わが党は、TPP交渉参加の判断基準を明確に示します。

TPP交渉参加の判断基準

1 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

2 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

3 国民皆保険制度を守る。

4 食の安全安心の基準を守る。

5 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。

6 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。



安倍政権は選挙の際に「TPP断固反対」と主張していたのに、TPP交渉に
参加することを決め、さらに、主権者に明示した6項目の約束を、ことごとく
踏みにじろうとしている。

これを民主主義とは言わない。

日本は非民主主義国家に転落しているのである。

安倍晋三氏は4月下旬に訪米して、議会の上下両院合同会議でスピーチを行
う。

歴史修正主義者には議会での演説機会を与えて来なかった米国議会が、安倍氏
にスピーチの機会を与えるのは魂胆があるからだ。

日本がTPP交渉で完全譲歩することと引き替えに、議会でのスピーチ機会が
与えられたのである。

日本の首相がこのような行動を取るなら、国益も国民の利益もすべてが吹き飛
ぶ。

これを「国賊」と呼ぶのである。

TPPは、大資本の大資本による大資本のための制度でしかない。

日本の一般国民は、TPPによって甚大な被害を蒙る。

このような暴挙を許してよいわけがないのである。



自民党が主権者に公約として明示した6項目を、マスメディアが一切報道しな
い。

メディアの怠慢、メディアの堕落が広がっている。

その筆頭が日本偏向協会=NHKである。

安倍政権はNHKを私物化して、NHKを偏向の塊、偏向の巣窟にしてしまっ
た。

NHK放送を受信できないアンテナが開発されたということであるから、NH
Kと放送受信契約を結びたくない国民は、このアンテナを使って、NHKとの
放送受信契約を解除するべきである。

財産権を保障した日本国憲法は、主権者の契約解除を合憲の行動として保護す
るはずである。

自民党が公約として主権者に明示した6項目を確認すれば、日本のTPP参加
は論理的に100%あり得ない。

メディアはこの問題を大々的に取り上げるべきである。

日本がTPPに参加できない理由は、6項目の公約のすべてにおいてあてはま
る。



1.聖域なき関税撤廃

関税撤廃の例外を設けることを自民党は公約化した。

それが「5品目」である。

コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖

の5品目は、関税撤廃の例外とする。

これが自民党の公約である。

これが破壊されつつある。

これは決して農家を保護するための対応ではない。

日本の農業が破壊されることは、日本の国民の大被害そのものなのだ。


2.自動車等の工業製品の数値目標

自民党は数値目標を受け入れないとしているが、日米両国間の事前協議で、す
でに日本政府は自動車輸入の数値目標を受け入れているのだ。

これだけで、日本のTPP参加はあり得ない。


3.国民皆保険制度

国民皆保険制度の根幹は、

「いつでも、だれでも、どこでも」

十分な医療を受けられることを保障することである。

日本がTPPに入ると、医療各分野の自由化が強制されることになる。

公的医療保険制度の財源が限られているから、医療全体を公的医療保険制度が
カバーできなくなる。

そうなると、日本の医療制度は、

「公的医療保険制度による医療」

「公的医療保険制度によらない医療」

の二本立てになる。

これが「混合診療」と呼ばれる状況なのである。

具体的にもっとも重要な変化は、

「お金持ちは十分な医療を受けられるが、お金持ちでない人は十分な医療を受
けられなくなる」

ことだ。

医療の分野に経済格差が持ち込まれる。

日本社会の安定を支えている根幹が破壊されるのだ。



4.食の安全安心の基準

日本がTPPに参加すると、食の安全安心を確保するための制度、規制が破壊
されることになる。

遺伝子組み換え食品の表示義務、残留農薬の基準等の規制が破壊される。

TPPの裁定機関が決定を下すと、国家が服従しなければならなくなる。

国の主権が奪われるのだ。



5.ISD条項

4の変化をもたらす元凶がISD条項である。

ISD条項があると、外国資本が期待した利益を上げられないと提訴し、裁定
機関が決定を下すと、国家がその裁定結果に服従しなければならなくなる。

国家よりも上位にTPPが位置し、日本と日本国民がTPPに支配される状況
が生まれるのだ。

「TPPの毒」のなかで、最強の毒がISD条項である。

毒素というよりも大量破壊兵器と呼ぶのが正確である。

安倍晋三自民党は、

「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」

ことを確約した。

いま協議しているTPPには、ISD条項が含まれている。

したがって、日本がTPPに参加する選択肢は存在しない。

ところが、メディアがこの問題すら取り上げない。

国もメディアも腐っているのである。


6.政府調達・金融サービス等

「わが国の特性を踏まえる」とは、公共事業の入札、日本郵政グループのあり
方等を決定する際に、歴史的経緯、国内事業者への配慮を行うことだ。

ところが、ISD条項が盛り込まれたTPPに日本が参加すると、この条項も
有名無実にされる。



2012年12月の総選挙で、自民党が6項目の公約を提示していないなら、
安倍自民党の暴走も理解のしようが出てくる。

しかし、6項目の公約が存在する以上、1万パーセント、日本のTPP参加は
ないのである。

こんな基本も押さえられないなら、日本は、名実ともに民主主義国家の名を捨
てるべきだ。

北朝鮮と何ひとつ変わらぬ独裁国家ということになる。

 

🔣コメント、いま、日本の民主主義がおかしな方向へと進んでいるという指摘
の内容のブログであるが、確かにその表れが起きているが、国民はなんにも
気づいていない、なぜかといえば、マスコミが一切そのような報道をすることなく、
安倍政権ヨイショという報道だけを流し続けているからである。
 一連の安倍政権の政治は、国粋主義、専制独裁政治を目指しているのである。
民主主義の国民主権を、国家主権へという動きである。立憲主義憲法を無視
していることはそれを如実に表している。憲法改正もその方向への改正を目指
すものである。マスメディアへの情報圧力は、そのための布石である。
  国民は早く気付くべきであるが、NHKはじめマスコミがヨイショという報道ばかり
であるもで、気付かないでいるのが恐ろしい。