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ヒーローの条件~誰かが君を愛してる

2010年12月13日 | 特撮
(↓)この記事でのチャッキーさんのコメントにいろいろ思うところがあったので記事に上げておきます。
先に言っておくと僕なりの「ヒーローってなに?」という話をしているのですが、特に「君よ、ヒーローになれ!」って話でも、ヒーローでない奴はダメって話でもなくって、単に物語上のヒーローってどういう奴?って話なんで、そこらへん悪しからずお願いします。(←何か気にしたらしい)
【『とある魔術の禁書目録』 結果のヒーローの物語】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/bb16a6de87c5da6f6d8032a3c73b963f

Unknown (チャッキー)

2010-12-12 19:04:50

ヒーローにも色々ありますよね。
人々を悲しみから救いたくて救う自然体な善意のヒーロー。
特定の誰かを救おうとし時として世界の敵にもなりえる誰かのヒーロー。
誰かを救える力を持ってしまったから人々を救う使命感で動くヒーロー。
救う意思は無くとも自分のやるべき事をした結果として人々を救う事になるヒーロー。
過去に犯した過ちから自分を救いたくて誰かを救うヒーロー。
まぁ大抵はこんな単純に分類出来ず幾つもの要素を含んだヒーローですが(汗)。

あとウルトラマンってヒーローとして有名ですが、子供たちに憧れられるべき優しいヒーローじゃない場合が意外と多くありますよね。
勿論優しさもちゃんとありますが、地球人を巻き込んだ責任としてヒーローやってたりと。

(コメント欄より)

いろいろありますよねえ…。それこそヒーローの物語の数だけヒーロー像があると言っていいのでしょう。ちなみに僕はウルトラマンはヒーローの中でもかなり酷いヤツだと思っているのですがw(セブンは別、彼はヒューマンだ)まあ、そこらへんの話はまた別の機会に譲るとして…。

(↑)上の記事でもちょっと触れているように、今、僕は『結果のヒーロー』という視点でヒーローの物語を観直してみようかとしていますが、よくよく考えてみると、ヒーローって皆、『結果のヒーロー』ではあるんですよね。
…いや、ごめんなさい。混乱させるかもしれませんが、僕の『結果のヒーロー』という話はヒーローのつもりはなくても(よりネガティブにヒーローである事を否定してても)結果としてヒーローである者の話なんで、そこを取れば、皆、って事にはならないんですが(汗)…でも、みんな結果を出しているという点においては結果のヒーローなんですよね。それは“ヒーローの条件”というか、結果を出してこそのヒーロー…と言えるかもしれません。

じゃあ、その結果とは何か?どうすれば結果を出した事になるのか?って言うと、それは考えてみると結局、誰かに感謝される事かなあ…と。誰かに「ありがとう」と言ってもらえたら(想ってもらえたら)、それは小さい者でもヒーローで、たとえば負けても、悪の組織を倒せなかったりとかしても、ヒーローとしての結果は出したのかなと。
こういう条件付だと、すごい数の人が大なり小なりヒーローという事になってしまいますが(汗)まあ、それはそれでいいのでしょうw逆に自分だけが納得して、自分が自分にありがとうと思っても、それだけでは別にヒーローではない…と僕はそう思います。

…ここでちょっと『どろろ』(作・手塚治)の百鬼丸なんてキャラクターを思い出したりして。彼は時々…というかけっこうな頻度で、妖怪を退治して村を救っても感謝されず「化け物!」などと罵られてその場を去ってゆくのですが…。
彼は言ってしまえば自らの身体を取り戻すために妖怪を倒して廻る、利己の、復讐者であるので、別にヒーローとして善性の振る舞いをしているワケではない。
それでも寂しく立ち去る百鬼丸に胸を締め付けられるのは、そこにあるべき「ありがとう」という言葉が無いからなんだと思います。(…百鬼丸の話もしたいなあ…ま、別の機会に)

そんな(寂しい)ヒーローたちに贈るものとして凄く好きな歌があります。(↓)

仮面ライダー BLACK RX ED フルヴァージョン

『誰かが君を愛してる』歌:宮内タカユキ/作詞:康珍化/作曲:林哲司

たったひとりの戦いに 疲れはてて沈む時
瞳を閉じて顔上げて 耳をすませてみればいい

ロンリーロンリーハート 風がささやいてゆくだろう
ロンリーロンリーハート 一人ぼっちじゃないのさ

誰かが君を愛してる
誰かが君を信じてる
誰かが君を求めてる
どこかで どこかで

胸は傷つき膝は折れ はるかな夢を悔やむ時
振り向かないで顔上げて 明日の道を見ればいい

ロンリーロンリーハート 地球は愛が棲まう星
ロンリーロンリーハート 一人ぼっちじゃないのさ

誰かが君を愛してる
誰かが君を探してる
誰かが君を見つめてる
いつでも いつもでも

誰かが君を愛してる
誰かが君を信じてる
誰かが君を求めてる
どこかで どこかで

『仮面ライダーBLACK RX』(1988年放映)のEDですね。仮面ライダー“たち”が本当にロンリーヒーローか?というと僕はまた別の議論もできるんですが…。しかし「たった一人で戦うヒーロー像」というモチーフは昭和期の仮面ライダーシリーズを通してベースにあったテーマで、この歌はそのテーマを力強く歌い上げていると思う。僕は『仮面ライダー』のテーマではこの歌と『かえってくる仮面ライダー』が好きなんですよ。
歌詞にあるように胸は傷つき膝は折れ、たった一人で戦い抜いたライダーは、戦いが終わってしまえば、戦うために作られた改造人間はもう僕らには不用なのか?必要のない者なのか?…そんなワケないだろう!!って歌ですね。
…いや、大好きな歌です。歌詞にひたるとウルッと来てしまうんですが(汗)それは僕が仮面ライダーというヒーローにすごく“感謝”しているからなんでしょう。

世界を救ったとか、正義を守ったとか、自由と平和をもたらしたとか、そういう事じゃなくて「ありがとう」がそこにある事。それがヒーローの条件なんじゃないかな。


宮内タカユキ スーパー・ベスト~仮面ライダーBLACK RX/特警ウインスペクター~
里乃塚玲央,荒川稔久,金子みなと,加藤清美,吉田健美,山本正之,寒太郎,山川啓介,康珍化
コロムビアミュージックエンタテインメント