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今週の一番『AKB49』臨機に応変するワイルドカード主人公

2010年12月07日 | マンガ
【11月第4週:AKB49 第14話 ドレッシング】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10489.html#667
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



※僕はAKB48の事は名前くらいしか知らないのでそこらへん悪しからずお願いします。

『AKB49』(漫画・宮島礼吏、原作・元麻布ファクトリー)が面白いです。顔がキレイな男の子の浦山実くんが、AKBのオーディションの受ける片想いの女の子・吉永寛子ちゃんを、心配して陰ながら手助けをしようと女装してこっそり一緒にオーディションを受ける。結果、吉永は無事にオーディションを合格したが、あろう事か、自分まで受かってしまった!!…という出だしの物語。ナンテコッタ…(´・ω・`)-3
んんん…『プリティフェイス』とか?『ニコイチ』みたいな?その気はないのに計らずも女の子をやるハメになってしまったパターンの作品でしょうか。



この連載が最初スタートした時は、女子アイドル・ユニットの中に一人紛れ込んでしまった男の子が、扉を開けたら「わっちゃ~!着替え中だったよ!(=´ω`=)」とか「わっちゃ~!シャワー浴びてたよ!(=´ω`=)」とか。…そういう?感じで。あと女の子のはずなのに何故か、周りのアイドルにモテモテになってしまうとか。…そういう?ドキドキハーレムな感じの路線作品だと思っていたんですが…。(←単純)
いや、実際に、第一話は着替えに闖入するし、高橋みなみ(高みなっていうの?)は浦川みのり(浦山実の女装)にドキドキして、前田敦子も何かちょっかい出してくるって展開もあるんですよ。(ある意味、すごい展開だなあと思いますが)でも、そういう“見立て”だけでは、この『AKB49』という作品は捉えきれない所がある。

その面白さの一つは、舞台裏マンガ、アイドル応援マンガ…と言ってしまっていいのか…?一人のアイドルを目指す女の子を純粋に応援しようという視点を持つ浦川みのりが、アイドルたちの舞台に上がるまでの努力、上がってからの気力のようなものを観て、時にはげまし応援する。その視点の共感というか、楽しさですね。
女の子たちのがんばりを一番いい場所で観ているというか、まあ企画・設計時点でその意図は大きかったと思いますが、それがよく出ている。(↑)この回とか、散々、ケンカして言い争って「まだ、やる気のあるヤツだけ手ぇ上げろ!」って言うと、すっと全員手を上げるシーンとか好きなんですよね。「そんなの当たり前じゃん」という感じに胸が透くw

ちなみに(↑)研究生のケンカのシーンで、手前に大きくいる二人、白い髪(?)の方が水野さんで、黒髪が間山さん……のはず!たぶんな!(`・ω・´)両側下ろしのポニーの子はまだ名前分からないけど、きっと既に決まっているはず!(春子とか!チエとか!)奥にいる三人が研究生の主要キャラで、口を開けているのが吉永、腰に手をやっているのが主人公の浦川、一番奥が岡部さんね!そろそろ他の研究生のキャラも出てきそうな!(`・ω・´)

もう一つは、主人公の浦川みのり自身のサクセスの面白さですね。…そもそも自分自身がアイドルになる気がない。その達観がそうさせるのか?あるいは一人の女の子がアイドルになるのを支えよう、それがチーム全体を支えように変わって、ある種の献身的な姿勢がそうさせるのか?とにかく、やる事なす事上手く行ってしまうというか、ピンチもチャンスに変えて、秋元康に見出されてしまうw…男なのに!(´・ω・`)いや、そもそも女装姿のそのルックスに“華”があるみたいなんですけどね。
そのアクションの取り方に、妙に納得してしまうんですよね。過度に必死じゃないというか、こだわっていないというか、ダメもと感覚の行動なんですけど「ああ…それで“華”があったら様になっちゃうかも…」って思わされる。(ここらへん別の問題もありそうなんですが、ちょっと様子を観て、またの機会としましょう)
相手を引き立てて良し、自らをアピールして良しというか、打って良し、守って良しみたいな?オールラウンドなキャラクターとして、驚くほど上手く機能している所があります。陰ながら上手く場をまとめる役を持つキャラを僕は『キーパー』と呼んだりするのですが、主人公にして『キーパー』な所がありますね。また、要所、要所で男に戻るという選択肢も上手く使われている。なんかもう相当なワイルドカードw

また「最初にドキドキハーレムな見立てでは、この作品は捉えきれない所がある」とは言いましたが、そのカードが“無い”わけではない。実際にそのカードは振るわれているし。基本的に浦川みのりは男っぽくても、男臭さは消されていて、本線自体はその形がいいと思うのですが、これからも状況に応じてそのカードを切って行けばいい。そんな具合に、気がつくと様々な形に楽しみが切り出せて死角が見えないマンガ……という感じ。


AKB49~恋愛禁止条例~(1)特装版 (プレミアムKC)
元麻布ファクトリー
講談社