昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

あの日に帰って秘密のデート~山下公園にて…前編

2010-10-12 | 小さな旅の思い出
【郵船クルーズ 飛鳥Ⅱ】

     *****************
      飛鳥Ⅱ
      総トン数:48621t
      主要寸法:全長241.0m×幅29.6m×喫水7.5m
      速力:最高23kt
      乗組員数:約400名
      船客定員:720名
      客室数:400室
      レストラン・ラウンジ、スポーツ・リラクゼーション、ショッピングなどの施設が充実。
      大きさは「飛鳥」の1.7倍名実ともに国内最大のクルーズ客船
      *****************
 



【スカイガーデンから山下公園方面】

過去からいきなり現在へワープしたかのように
ランドマークタワーからドッグヤードパークを巡った後
今度は過去へのタイムトラベルでした。
そして みなとみらいからある約束を果たすため西へ向ったのです。

左手に赤レンガ倉庫が見ながら懐かしい街並みを行くと
イスラム風の緑青色の丸い屋根の塔を持つ建物が現われます。


     

【横浜税関】




 
【横浜県庁舎】




 
【横浜開港記念館】




横浜税関です。
この塔はクイーンの塔と呼ばれ 横浜県庁庁舎の四角い二層のキングの塔
横浜開港記念館の 赤レンガ造りの時計台のジャックの塔とともに
親しまれています。

この3ヵ所をめぐると願い事が叶う
三つの塔が同時に見える場所に立って願い事が叶う
と言われています。 

約束をしたあの日の願いは 本当に叶うのか…
叶って欲しいような 叶って欲しくないような
もやもやとした想いを胸に抱えながら
足取りはいつの間にか速くなっていました。
頭の中ではユーミンの「あの日にかえりたい」が流れ続けていました。

               
     泣きながらちぎった写真を
     手のひらにつなげてみるの
     悩みなききのうのほほえみ
     わけもなくにくらしいのよ
     青春の後ろ姿を
     人はみな忘れてしまう
     あの頃のわたしに戻って
     あなたに会いたい~♪


   あの日にかえりたい 松任谷由実 歌詞情報 - goo 音楽

30年後の今日 山下公園にある「赤い靴をはいた女の子」像の
前のベンチで逢おうと約束したのです。
故郷に戻らず暮らしていこうとする彼と
家に戻るつもりだった私と
別れは考えたくなくてずっと話し合いを繰り返しては来たけれど
いつまでたっても平行線のままで 交わることはありませんでした。
それでも 最後に逢ったあの日
2010年の今日 この場所でまた逢い お互いが幸せでいることを
確認しようと約束したのでした。

きっと覚えていないでしょう。
そういう私だって ずっと忘れていたのです。
たまたまこの日 東京に来ることになって
ふとあの日のことが蘇って来たのでした。
「晴れたら 行こう!」迷う気持ちをお天気に賭け
やってきたのでした。




      山下公園に着き 楽しげな家族連れやカップルの姿を
      目で追いながら 「赤い靴をはいた女の子」の像はどこたっけ…
      と見回すと その像の前のベンチの見覚えのある横顔を見つけました。
      その人は ゆっくりと立ち上がりこちらを向いて
      はにかむような笑顔を見せました。

      「久しぶり・・・元気だった?」

      今も変わらない昔のままの笑顔
      野球で鍛えたがっちりとした肩 日焼けした。
      少し髪に混じった白いものと眉間の皺が離れていた時間を
      物語っていました。

      「足音ですぐにわかったよ。地球は私を中心に回っているのよみたいな 自信満々の歩き方!」
      「ひどい~!それじゃあまるで わがままで傲慢な女みたいじゃない。」
      一瞬にして時はあの日に帰っていました。
      …黒いハイヒイールを履いてきたのは あの頃のあなたが好きな靴だったからなのよ。

      「約束・・・覚えていないと思っていたわ。」
      「忘れるわけないじゃない。お前のこと忘れたことなんて無かったよ。」
      そういって 軽く自分の鼻をつまみました。
      嘘をつくときの彼の癖でした。
      この癖が無かったら 悪戯に彼を疑うことも知らず
      同じ人生を歩き続けていたかもしれません。
      「嘘ばっかり~忘れていたんでしょう?」
      「ははは・・・本当のことを言うと忘れていたときもあったよ。
       でも 家内が無くなってからはよく思い出すようになったんだ。」
      「え?奥様亡くなられたの?」
      「あぁ 3年ほど前にね。あっけなく逝ってしまったよ。」
      「どうして教えてくれなかったの?」
      「そんなこと連絡したって お前を困らせるだけだろ?」
      「それは そうだけど・・・」

      「子供さんは?」
      「娘が一人いるよ。寂しい父親をひとりおいて さっさと結婚して
       今はアメリカに住んでいるよ。」
      「そうなんだ。寂しいわね。」
      「そうでもないさ。気楽にやってるよ。」
       ほっとしたように 彼は笑いました。



【山下公園 氷川丸】

氷川丸(ひかわまる)は、日本郵船が
1930年に竣工させた日本の12,000t級貨客船。
北太平洋航路で長らく運航されました。


 
「今日は今まで何していたの?」
ランドマークタワーに登って一人でカクテルを飲んだこと
横浜美術館でドガ展を観たこと みなとみらいの辺りが
あまりに変わっていて驚いたこと・・・
そんな話をしているうちに 変わっていないところを
まるでクイズ番組のように思い出しあっていまいした。
「氷川丸は昔のままよね。」
「そうだね、でも昔は万国旗が掲げてなかったっけ」
「この公園も変わっていないな。海も・・・」
「赤レンガ倉庫は ずいぶん綺麗になって レストランやショップが
 出来たんでしょう?」
「ああそうなんだ。 そうだ!お腹空いてないかい?
 お昼はちゃんと食べたの?」
「うぅん・・・サンドウィッチを少しだけ。」
「だったら なにか食べに行こう。赤煉瓦倉庫に 美味しいソバ粉のクレープを
 出すお店ができているんだ。好きだったろ?」
「うん・・・」


  
【赤レンガ倉庫】
赤レンガ倉庫/赤レンガパーク
明治・大正の煉瓦造建築が人気の外観はそのまま。
1号館はホール、多目的スペース、2号館にはライブレストランとビアレストラ
ンの他には飲食・物販店がある。海辺の公園では芝生の広場やベンチもあり海を
眺めながらのんびりとくつろぐ事ができる。
 




【クレープ】









 
そうしてもと来た道を戻って赤煉瓦倉庫
にやって来ました。
赤レンガ倉庫(赤レンガパーク ) は明治・大正の煉瓦造建築が
人気の外観はそのままに1号館はホール 多目的スペース
2号館にはライブレストランとビアレストラン
その他には飲食・土産物店などがある複合商業施設として
生まれ変わっています。
海辺の公園では芝生の広場やベンチもあり海を眺めながら
のんびりとくつろぐ事ができる場所になっています。

その中にフランスで人気の「ブレッツカフェクレープリー」
が出店しているのでした。
より気軽にガレット料理を楽しめるセットメニューが
充実しています。
その道一筋のクレープ職人“クレーピエ”の打つソバ以外は
本物のガレットではないと本場フランスから職人を招聘し 
“アルティザン クレーピエ”を養成しています。
石臼挽きのそばを打つ技はもちろん 職人の手作りハム 
各地より空輸されるチーズ 国産の新鮮野菜など 高品質の素材だけを使用し 
ガレット発祥の地・ブルターニュ地方の伝統の味を
そのまま伝えています。

「何にする」
「そうね~ソーセージにしようかな。」
「じゃあ 俺も同じものを」
店員のお兄さんが大声でオーダーを復唱しました。
「ソーセージ ドゥー!シルブプレ~!」

「ふふふ…」
「何がおかしいの?」
「だって・・・シルブプレだって・・・」
「フランスが本場だからね。一種のパフォーマンスだよ。」
そう言って 彼もおかしそうに笑いました。
「そういえば フランス語 苦労してたわよね。」
「そうだよ~フランス語の先生に気に入られて
 毎回何度もあてられてさ。」
「・・・それでも 上達しなかった!」
「いやになっちゃったんだよ。」
「え~?巻き舌が出来なかったからでしょう?」
「いや 違うよ。ちゃんと今ではできるからさ。」
「本当かな?やってみてよ。ルゥルルルルル・・・・」
「ル・ル・ル・・・・」
「やっぱりダメじゃん!」
ふふふ・・・ははははは・・・

そば粉のクレープは彼の勧めるだけあって 
とっても美味しかった。
毎日空輸されるだけのことはあって チーズも絶品でした。
 

      「そう フランス語の授業でいつも助けてくれていた青山さんどうしているかな?
       彼女と結婚するのだとばかり思っていたのよ。」
      「まさか!卒業してから会ってないよ。」
      「そうなの?でも彼女は あなたのこと好きだったのよね。」
      「そんなんじゃないさ。」
      「そうかな?だったら2人でスケートになんか行かないと思うけどな?」
      「もう何年も経ったんだから その話は勘弁してくれよ。
       まったく女って執念深いんだな。」
      にこやかにそう語った。
      「一緒のゼミだった佐藤と久美子が結婚したの知ってるだろ?」
      「ええ 覚えてるわ。私が久美ちゃんは沢野祐一君が好きなのよって言ってた子でしょう?」
      「ああ あの時 佐藤と結婚したんだから お前の勘違いだろうっていっただろ?
       ところが2人が結婚して翌々年だったかな?年賀状が届いたんだ。
       それを見て 俺 驚いたよ。」
      「何で?何があったの?」
      「あいつらの子供の名前 祐一って言うんだ・・・」
      「・・・・やっぱり沢野君のことが好きだったのよ。」
      「でもな~昔好きだった男の名前をつけるなんて・・・女って怖いよな~。」
      「そうよ 女って怖いのよ~。」
      「だよな~。」
      ・・・・・だけど あなたは女心に鈍感すぎなのよ。
      
      そうして 彼はグラスに残ったビールを一気に飲み干しました。

      「少し歩こうか。」
      ここ数日に比べて 暑いくらいのこの日は
      潮風も心地よく 歩くには最高の陽気でした。
      街路樹のイチョウが 少し黄色に変わり始め
      秋の始まりの穏やかな日でした。 

        ~つづきは また次回にて~


最後までお付き合いしてくださってありがとうございました。

浦島花子の港町~みなとみらいにて・・・

2010-10-08 | 小さな旅の思い出
  【ランドマークタワー&オブジェ:モクモク・ワクワク・ヨコハマー・ヨーヨー】

東京滞在3日目 もし晴れたら横浜に行こうと心に決めていました。
週間天気予報では台風の接近の影響から晴れるのは翌日の日曜日からとなっていました。
ところが 朝目覚めてみると前日までの肌寒さが嘘のように眩しいくらいの青空が広がっていました。

小田急からJR そして懐かしい東急東横線に乗り換え桜木町
そして 以前は無かった「みなとみらい」の駅に降り立ちました。

学生時代 何度もやってきた横浜の街ですが
初めて降りるこの駅は 自分が何処にいるのか分からなくなりそうでした。
私の知っているこの辺りは まるで様子が変わり
浦島太郎・・・いえ花子?になったような気分でした。

ナビウォークが無ければうろうろと無駄に時間を過ごしてしまったかもしれません。
ルート案内に従って 階段を上って外に出ると 目の前に横浜美術館の姿が見えてきました。
            
                                             


【横浜美術館:丹下健三設計】

今日の一番の目的地は ここなのです。

しかしながらこの美術館を横目に まっさきにランドマークタワーへと向かいました。

 
【花と噴水とタワー】

横浜ランドマークタワーは1990年(平成2年)
3月20日に着工され1993年(平成5年)7月16日に
開業しました 。
70階建て 高さ296.33 m 高層ビルとしては
日本一の高さを誇ります。
(世界では51番目の高さだそうです。)
地上273mにある展望フロアのスカイガーデンからは
360度見渡すことが出来ます。



【カシスオレンジ】



【富士山】

雲の上から富士山の姿が~ ♪
 
 ランドマークタワーの展望台へのチケット
売り場に行くと展望台と横浜美術館のコラボチケットが
販売されていて おまけにドリンク券がついているのです。
美術館で売っていてくれたらいいのに
・・・なんて思いながら
午前中の空気の澄んでいるうちにと 
展望台「スカイガーデン」へのエレベーター
に乗り込みました。
このエレベーターは69階の展望フロアまで
なんと約70秒で到着する
日本最速のエレベーターです。
因みに下りるときは約43秒~!
ちょっとしたアトラクションのようです。

ふわ~っとそらに浮き上がるような
感覚の中 あっという間に
「スカイガーデン」に到着です。

      
【横浜スタジアムを見下ろして】

のんびりと景色を楽しんだ後は 『スカイカフェ』へ。

ドリンク券を出すと カウンターの中のお兄さんが
「ビール以外のこちらのドリンクからお好きなものをどうぞ」
と言われました。
彼の指先を見ると…
そこにはカクテル『オレンジカシス』の文字がありました。
「じゃあ これください♪
昼間からひとりでカクテルを飲んでる 変なおばさんかも! 

カクテルと言っても これぽっちで酔っ払うほど柔ではありません。
それでも ひとり展望台でカクテルを飲んでいる自分に酔うには
十分でした♪(笑)

時間はたっぷりあります。
隣に座った家族連れの 可愛い女の子に話しかけたりして
ゆっくり流れる時間を楽しみました。

次に向かった先は もちろん横浜美術館です。


 


                                        



【スカイガーデンより みなとみらいを見下ろして】


 
                                             

 
【横浜美術館】
冷静さと機知をあわせ持ち、客観的な視点で
近代都市パリの情景を描き残した
エドガー・ドガ(1834-1917)。
このたび、オルセー美術館の全面的な協力を得て
国内では21年ぶりとなるドガの大回顧展が
開催されています。

オルセー美術館所蔵の ドガの名品46点に 国内外のコレクションから
選りすぐった貴重な作品を加え 初期から 晩年にわたる約120点を
展示しています。



【ドガ展】
エドガー・ドガ《エトワール》
1876-77年 オルセー美術館

エトワールとは フランス語で星。
パリのオペラ座バレエ団の最高位の意味を持っています。

 

今回やってきたのは 中学生の頃 毎日お昼休みになると眺めていた
エドガー・ドガの《エトワール》が初めて日本で公開されると聞いたからです。

何故毎日のように眺めていたかと言えば
お弁当の蓋に 《エトワール》の絵がプリントされていたからなのです。

・・・どうしてバレリーナのような激しい動きを
   こんな風に絵に出来たのか
・・・この幕の後ろに隠れているのは誰なのか

そんなことを思いながら お弁当の蓋を開けていたのです。





歳を重ねるとともに 戦争で負傷した後遺症から
目の見えなくなっていったドガ。
室内での作品が多いのも パステルによる技法や
写真を使って作品を仕上げていったのも
視力の衰えを技法でカバーしようとしたからなのでした。

生涯を通じ新たな芸術の可能性に挑戦しつづけた
画家ドガの、尽きぬ魅力を堪能できる展覧会になっていまいた。

 


詳しくはこちらをどうぞ。
ドガ展|2010年秋。エドガー・ドガ、待望の大回顧展。傑作《エトワール》初来日!

                                             



【日本丸】

みなとみらいは三菱重工の造船所があった場所でした。
ランドマークタワーのドックヤードガーデンは造船所の第2号ドック跡地に保存のために作られまた。
現在では重要文化財に指定されています。
第1号ドックは日本丸メモリアルパークになっています。


                                             

  

【ただ今訓練中】            【歩道に貼られたタイル】

日本丸の前では レスキューが潜水の訓練をしていました。
『海猿』?『252~生存者あり~』??
思わず われらが伊藤英明くんの姿を捜してしまいました。 
なんといっても わが県出身のイケメン俳優です。
たとえ演技がどうであろうと 何がなんでも応援したくなってしまいます。(笑)

さて次に向かったのは 浦島花子になってしまう場所ではなく
見覚えのある あの場所へと向かったのでした。



※右下のマークをクリックすると写真が拡大します。

                                             
 

*********************************



アクセス
 京浜東北線(根岸線)・市営地下鉄 桜木町駅から動く歩道で徒歩5分
 みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩3分。
 横浜駅東口よりバス141系統「美術の広場前」下車
概要
■営業時間
ショッピング 11:00~20:00
カフェ&レストラン 11:00~22:00
(一部店舗により異なる)
スカイガーデン 10:00~21:00(入場は20:30まで)
■料金
スカイガーデン:大人:1000円、満65歳以上:800円、高校生:800円、小中学生:500
円、満4歳以上:200円
■所在地
横浜市西区みなとみらい2-2-1
■電話番号
045-222-5015

**********************************


最後までお付き合いありがとうございました!
 


華やかなりし頃を今に ~ 目黒区駒場にて・・・

2010-10-04 | 小さな旅の思い出
  【旧前田侯爵邸:洋館】

閑静な住宅街となっている目黒区駒場も古くは広大な原野で
古代から中世にかけては 良馬を産出する地であったことから駒場と呼ばれるようになったと伝えられています。
目黒という地名も 「目」は馬を表し 「黒」は畔を表していて
馬の牧場の畦道を意味していたからだともいわれているそうです。

有名な落語に「目黒のさんま」というお話がありますが
将軍が鷹狩りにやってくるような場所だったんですね。

目黒区駒場にはそんな原野だったころから残る自然を感じることのできる場所がありました。


             
                                             





  
【駒場公園入り口】

  
【ヒマラヤスギ】
 
日本民藝館を出て振り返ると
うっそうと茂る森が目に入ります。
この一画をぐるりと回りこむと見えてくるのが

駒場公園 です。





この公園は すべて加賀百万石藩主前田家の子孫
前田利為侯爵本邸の敷地でした。




約1万坪の敷地に 地上3階地下1階建ての洋館が
1929年(昭和4年)に竣工されました。
そしてこれを渡り廊下で結んだ2階建て純日本風の
和館とを相次いで竣工させたのでした。
今なお堂々たる姿を残す邸宅は マツ・ケヤキ
イチョウ・シラカシなどうっそうと茂る駒場野の
林をそのまま生かした奥庭や芝生の広場に囲まれています。

使用人も100人以上いたという侯爵邸は
当時東洋一の大邸宅といわれたそうです。 




                                        



【旧前田侯爵邸:洋館~正面より】

                                             



  

【玄関天井】        【玄関ホール】
  
【唐草模様の照明】
建築様式はイギリス・チューダー様式。
(チューダー様式とは 15世紀末から約1世紀続いたイギリスの建築様式。
この名称は、ヘンリー7世からエリザベス1世までイギリスを支配したチューダー朝(1485~1603)に由来する。
イギリス・ゴシック建築の後期の様式。)
  

【応接室】

外壁は当時流行していたスクラッチタイル貼り。
内部には イタリア産の大理石で造られたマントルピースや柱
が設けられ 壁にはフランス製の絹織物が貼られています。

イギリス製の家具が置かれていたそうですが 残念な事に現在は残されていません。

しかしながらすべてデザインの違うシャンデリアやペンダントライトは当時のまま残されており
華やかで優美な当時のようすを偲ぶことができます。

 


  

【階段ホール】





  

【階段下】

訪ねてきた客は ここで暖を取りながら 取り次がれるのを待っていたのでしょうか。

     

【サロン】
洋館でありながら 日本古来の唐草や雛菊模様があしらわれていて和の雰囲気を
仄かに感じることができ5年の歳月をかけて造られた館に対する侯爵の思いを感じることができます。

詳しいことをお知りになりたい方は ↓こちらをどうぞ。

東京都教育庁文化財保護係

                                             


【旧前田公爵邸:和館】

接客用に用いられた書院造の日本建築。
1930年(昭和5年)竣工。
設計は帝室技芸員・佐々木岩次郎。
ロンドン駐在武官であった前田利為が海外からの賓客を接待するために建てたとされ
違い棚や欄間の透し彫など日本建築の粋を集めています。

                                             

  

  


【付け書院】                       【違い棚】

    
【庭】

    

【欄間】                        【壁】



 
和館は侯爵がロンドン駐在武官であったことから 外人客接待用に建てたとも言われています。

黒い漆塗りの書院棚のある床の間や 凝った造りの欄間が設けられています。
風情のある手摺のついた濡れ縁からは 流れのある池や滝を眺められ 
優雅な暮らしぶりをうかがい知ることができます。

洋館に和のテイストを入れた侯爵は 和館でも遊び心を入れていました。
なんと壁が雲形金砂子貼張壁仕様になっていたのだそうです。



華やかな社交の場として活躍したこの屋敷も 第二次大戦中に前田侯爵が亡くなり
終戦とともに占領軍に接収されていました。

その後人手に渡り 昭和42年に東京都が公園として開園したのだそうです。  
  
                                             

気づけば 閉館時間近くになり 人影もまばらな広いお屋敷・・・

ドラマ「華麗なる一族」のロケ地にもなった場所に ひとりいると
ちょっと怖い・・・

なんだか人恋しくなってきて いつの間にか渋谷へと足が向いていました。

「悪魔がきたりて笛を吹く」のロケ地にもなっていたことは
帰ってきて来てから知ったのでした。

帰ってきてからで良かった~~~! 


*********************************
竣工 1929年(昭和4年)5月
所在地 東京都目黒区駒場4-3-55目黒区立駒場公園内
設計 塚本靖、高橋貞太郎
施工 竹中工務店
構造 鉄筋コンクリート造2階建て、一部3階、地下1階、銅板葺

京王井の頭線駒場東大前駅より徒歩8分。
小田急小田原線東北沢駅より徒歩約13分。

開園時間:午前9時から午後4時30分まで(洋館は土曜・日曜・祝日のみ公開)
休園日:毎週月曜日と年末年始(月曜日が祝日の場合は翌火曜日が休園)
駐車場:なし
料金:入園無料。洋館・和館ともに見学無料。ただし和館にある茶室利用は有料。
詳細は公園事務所に問い合わせのこと。





**********************************
最後までお付き合いありがとうございました!
 


携帯片手に発見の旅~目黒にて・・・

2010-10-01 | 小さな旅の思い出
  【日本民藝館・本館】

・・・・・木造2階建瓦葺きの蔵造り風建築で 1階部分の外壁には大谷石を貼り 2階部分は白壁 総床面積685.26m² ・・・・・

今日から10月!
月は変わりましたが 引き続き旅の話題を引っ張ります。

よろしかったらお付き合いくださいね~。
             
                                             



 
【駒場東大前にて】

 
 やっとひとりになった後 
向かった先は駒場東大前!

網の目のように張り巡らされた東京の交通網ですが

携帯さえあれば 怖いものなしです!

まず行き先をWebでチェック。
アクセス方法を調べ 
「乗り換え案内」で最寄り駅
乗換駅・乗換えに便利な電車の車両の場所
時刻表を調べます。

最寄り駅に着いたら「ナビウォーク」で
ルートを調べ 分かりにくい場合は
音声案内~♪

迷うことなく目的地に到着です。

 




                                        



【日本民藝館 栃木県から移築した明治期建設の石屋根の長屋門】

                                             

最初の目的地は 目黒区駒場にある日本民藝館です。

日本民藝館は 民藝美という美の認識の普及と 新しい生活工芸品の振興によって

美の生活化を目指す民藝運動の本拠として 大正15年(1926年)に

宗教哲学者の柳宗悦 (1889~1961) らにより企画され

実業家で社会事業家の大原孫三郎氏をはじめとする多くの賛同者の援助を得て
昭和11年(1936年)に開設されました。



柳氏の思想については →美術館でアートな一日に載せています。

                                             



  

【本日の展示のお知らせ】



  

  

 
 民藝運動の指導者の一人で、日本を代表する
陶芸家・河井寛次郎の
生誕120年を記念する特別展。

柳の盟友であった河井は釉薬の名手として知られ
京都市五条坂で作陶活動を展開し、その卓抜した
芸術性は国の内外で高い評価を受けております。

本展では 柳宗悦と親交を結んで以降の実用性を
意識した 重厚で色鮮やかな河井作品約150点
が展示されています。

河井寛次郎-生誕120年記念展-
2010年9月14日(火)-11月23日(火・祝)


併設展示

濱田庄司 バーナード・リーチ 棟方志功作品
丹波の古陶 西洋の陶器 日本の絣 日本の金工・木工
朝鮮時代の諸工芸、工芸的文字等。


  
本館は 柳宗悦が自ら設計したもので
平成11年に国の有形文化財に登録されました。

  

      ~H.Pより~


日本民藝館ホームページはこちら

                                             

今回展示されている河合河井寛次郎の作品は ほとんどがこの日本民藝館の所有品なのだそうです。

他にも 囲炉裏の上に吊り下げられていた自在鍵や蜀台 蝋燭の芯切り鋏 絣の着物など
生活の中で日常使われていたであろう 名も無き職人達の知恵と鍛錬の賜物ともいえる
作品の数々が 整然と並べられていました。

作品を展示するための美術館ではなく 建物を含めてひとつの作品となるような場所にしたい。

そういった柳宗悦の言葉通りの場所でありました。   
                    ・・・つづきはまた次回にて~ 



 
*********************************
    住所   :目黒区駒場4-3-33
    問合せ先 : TEL 03-3467-4527

    アクセス :京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩7分
    営業時間 :10:00~16:30  通年
    休業日 :月曜
       祝日の場合は翌日休、展示替え期間休
    料金 :大人1000円、高・大学生500円、小・中学生200円
    駐車場 :あり 4台



**********************************
最後までお付き合いありがとうございました!