岩原信九郎 『記憶力』

2020-05-31 16:06:47 | 心理学

ある学習について論じた本を読みましたが、そこには忘れてしまう脳のメカニズムについて論じてしました。

それを読んで、「なるほど、こういう覚え方だといけないんだ」と感心した次第ですが、そこには「何故、忘れてはならないのか」という部分が欠落してしました。

やはり、そこを論じないと読者は不毛に感じられてならないでしょう。

よく日本の教育に対して批判した本がありましたが、そこには「記憶力ばかりに意識が行きすぎている」「そんな膨大な知識などいらない」ということが書かれていたりしましたが、賛同する部分はあるものの、全部は受け入れられないというのが私の意見でした。

いろんな説得力のある論文を書くならば、膨大な知識が必要ですし、知識がすぐに脳内にあればすぐに書けてしまうからです。

わざわざ引き出しからそれについて書いた本なり資料なりを取り出して書くよりも、脳内に入れておいたものを出して書く方が時間の節約になりますからね。

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そういったことで、日本の教育批判のすべてを受け入れられないのですね。

私がこれまで主張してきた科学的な知識は持っている人が多ければ多いほどいい、ということは大学時代から変わっていません。

そういった知識は、社会や人間関係をよくするものであり、そういった知識を多くの人が携えて日々行動していくことでそれらが改善されるというモラルでいるからです。

私の知り合いの男性で、明大中野高校という当時70前後の偏差値のあった高校を卒業していながら、料理人の厨房に入っていた人がいました。

別に料理人の人を蔑む意味ではなく、その男性に「何故そんな凄い高校に行きながら、料理人を志したのですか?勉強は好きですか?」ときいたら「勉強なんか大っ嫌いです」と返答してました。

この人の生い立ちやそれまでの生活を詳しくきいたわけではないですが、嫌いになるメカニズムはいろいろあるようです。

よくやったことについて、親御さんなり先生なりに褒めてもらうと、それが原因でそんなに面白くなくとも、頑張るという心理てきなモチベーションが上がるようですね。

これは、何も勉強に限らず、スポーツ、仕事、その他稽古ごとでも同様です。

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ですから、褒めることは非常に大事なんことですね。

ですから、この男性が親からよくできたことを褒められれば、勉強を好きになっていた可能性もありますね。

この男性の事情はよく分からないですが。

女性というのは、脚や胸などをいやらしい目で見られるとおぞましい気分になってしまうのです。

これは男性には理解できない心理ですね。

そういう目で見る男性がたまにいますが、それはご法度であると覚えておいてほしいものです。

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そういう記憶が残っていやいのです女性は。

そういう目で見られた女性は、その男性をものすごくいやな人と認識するのです。

そしてどうしてもその男性を見るたびに、嫌悪感を催すのです。

また、嫌みな男性上司や、デリカシーのない男性上司がいると、女性はそこでも嫌悪感をもよおすのです。

ゆえにそういう上司がいる働き場では、辞める女性が男性よりも多いのです。

「この男性上司は、こういう人だけどこういう良いところがあるし、この人はサイコパスだから何を言っても無駄だから取り合わないようにしよう。」といった画然とした論理で記憶しておくことは男性は得意でも、そんなことは女性にはかなり難しいのです(笑)。

記憶の装置が違うのです。

感情がどうしても先に動いてしまうのですね女性は。

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また、動物もそうでしょう。

小さなころから可愛がってもらった犬にしろ他の動物にしろ、人間にはすぐに誰にでもなつくのです。

しかし、ほとんど可愛がられた記憶のない動物は、やはり人間にはなつきませんね。

私の家に犬がいますが、それはこのこが小さいころから家族一緒になって可愛がってきたからだと胸を張っていえましょうか?

それは誇りに思っています。

またそれは人間でも同様でしょう。

赤ん坊の時に、多くのスキンシップをもらって育つとそのこは、大きくなって誰にでも心を開くのですが、そういう経験のないまま育ったこは、大人になって孤立するようになる。

例えば、不良になったり、暴走族になったり、ひいてはやくざになったりするということを、この本で知りました。

こういう事実から、教訓を学べば、

「そういう気づかいができない人は、上司になってはいけない。親になってはいけない。動物も飼ってはいけない。」

ということがわかるでしょう。

このように、本を読むというのは、自分がこれまでに経験してこなかったことや、知らなかったことを学び、それを良き方向へ向かわせるためにあるのです。

完璧な人間などいないのですから、そういう姿勢を持つことは何よりも必要でしょう。

そういうモラルでいるものですから、私は知らないことがあったら謙虚に学びますし、できていないことがあったら素直に認めるという思いでいます。

こういった学問的な知識を忘れない方法は、この本で詳しく述べられています。

~すべきだというような命題は、自分でそのように行動することで忘れないのですね。

ダイエットにいい方法やトレーニングで効果的な方法も同様で、やはり日々その行動を重ねることでわすれないのですね。

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トレーニングジムにいって経験に裏打ちされたトレーナーの言葉はやはり信用に足りますね。

逆にいいのがわかっていても、自分が行動していない机上だけの学者や論者のいうことは信用できませんし、言うことが二転三転して信用に足りませんね(笑)

また人によって覚えやすい方法も違うということがわかりました。

見ることでわかる視覚型、聴くことでわかる聴覚型、ペンで書いてわかるなど行動によってわかる運動感覚型などがあるということがわかりました。

どのような方法が覚えやすいかは人によって違うがゆえに自分の経験だけから断定してはいけないということがわかると思います。

また言葉を片っ端から完璧に覚えようとしないで、頭文字をつなげてそれを覚える方法や1つの文にして記憶する方法も有効です。

小学校時代に、リトマス試験紙で、赤から青に変わるのがアルカリ性で、青から赤に変わるのが酸性ということを習いましたが、どちらがアルカリ性で、どちらが酸性か混乱してしまいましたが、ある時先生が、「梅は青から赤に変わるからっぱい」と覚えておくとわかりやすい、ということを教えてくれました。

これは覚えやすいですね。

今でも覚えてますもの(笑)

受験生時代に、堀辰雄の代表作の3つを覚える方法として、1つの文章にしてしまった方が覚えやすいということで、講師が以下の文章にして呈示してくれました。

菜穂子の住む美しい村風立ちぬ

『菜穂子』『美しき村』『風立ちぬ』堀辰雄の代表作なのですね。

覚えやすいですね。

この講師は大学でも教壇に立っていたということで、現代国語を読む際にいろんな知識があった方がいいということで、いろんなことを教えてくれました。

その内容を観て、かなり本を読んで教養のある人であることがわかりました。

その後、ネットでその先生の所属する大学がわかりました。

しかし、ネット書店でその先生の名を検索するも出てこないんですね。

実に残念でした。

この先生が書いた本があるなら、是非とも読んでみたいと思えるに十分でした。

しかし…。

予備校講師や大学教授でも本を出すのは至難の業なのかなと思いました。

そこの事情はよく分からないですが…。

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このように科学とは、多くの人が携えて行動していくことで良き人間関係を築き、社会をよくするものである、ということがわかると思います。

社会科学はもちろん心理学も同様です。

そういう人が多ければ多いほどいいということは自明の理です。

そういう科学を講義している大学教授が、講義で「大学の勉強など社会に出て役に立ちません。」などという例もありましたので、私は驚きました。

「この教授はこれまで何を学んできたのかな?」といぶかし気の思いがました(笑)。

しかし、記憶をただ内部にためていても意味がないのでして、それを必要に応じて利用するためには知識を体系的に学ぶことが大事ですし、それを如何に整理して取り出しやすいようにするかは「知的整理法」「知的生産法」といったたぐいの本を読んで、実生活に生かすのがいいでしょう。

こういった学問をたくさん学び、それを実行に移すことが大事でしょう。

良き人間関係、ひいては社会を築きたいと思っているのなら。

書きたいことは以上です。

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記憶力 (1976年) (講談社現代新書)

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林周二 『比較旅行学』

2020-05-30 12:18:19 | 思想

旅行を心から楽しむ人にはうってつけの本であると思いました。

音楽を愉しむことに意義を見出せない人に、音楽の愉しみ方といったたぐいの本を出しても、何ら興味が示せないのと同じように、旅行に楽しみを見いだせない人にその愉しみ方の多様性を語っても興味がないのと同じです。

しかし、旅行に興味を見いだせて、これまで自分が体験してきていない楽しみ方があるのでは、と思っている人には絶好の本でしょう。

いろんな愉しみ方が書いてありますから。

 

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「比較」といいますと、2つ以上のものを比べるという意味もありますし、それが通常の生活での用法でしょう。

しかし比較には、もう1つの意味があって、1つのものをいろんな角度でみるという意味もあるのだそうです。

この書物で使われているのは後者の意味ですね。

それと、そんなに旅行に楽しみを見いだせていないが、ちょっと角度を変えることで旅行を楽しむことができるんじゃないかと思っている人にもいい書物でしょう。

また、単にこの本を読んでみたいと思った人にも当然面白みがあるでしょう。

いろんな人におすすめですね。

そこでここに書いてある内容の取り入れ方です。

私は釣りは好きですが、かといって始めに何の情報収集をしないで釣り場に向かうということはしません。

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ある程度、本やネットで調べて、ここが釣れるとか、何時ごろが釣れるといった前調べをしてからですね。

しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしというように、調べすぎて釣りに向かっても意味がないですね。

良き情報をえれたとしても、自分がいったときに気候が変わっているときも当然ありますし、水位も変わっています。

というかその方がホトンどですし、赴いたときにたとえネットで書かれている条件と同じであっても他の要因が働いてつれない場合もありますし、そこは過ぎないようにしていますね。

釣り好きな人のYuTuberの出した映像で、その釣り人が、「僕は釣りに行くときにほとんど前調べはしない」といってましたが、そのスタンスを自分がとるかどうか、あるいはとったとしてもどれだけとるかは人によりさまざまです。

それはお任せにします。

しかし、この著者はやはり旅行が好きだからこそ、このように本まで出しているわけですし、いろんな旅の味わい方を紹介しています。

この釣りの際の情報の採択の仕方ですが、どれだけ書かれていることを取り入れるかは、人それぞれでいいでしょう。

それはお任せしますね。

しかし大事なのは、あまり旅行せずにいる人が、忘れてしまっていること、あるいは用心すべきことですね。

それらの重要情報なども多々列挙しています。

あまりに無防備であると、やはり古今東西、犯罪や悪いことをしても気に咎めないというサイコパスという人は必ず存在するわけですから、用心すべきことは先人の経験から割り出された理論を先に学んで、それを実行に移すのがいいでしょう。

その経験によって裏打ちされた知識が=知恵になるわけです。

そういった知恵を多く身に着けて人に多く語れる、あるいは良き方法へ導けるようになったらやはり幸せですね。

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しかし、この著者は、経営についての本も出しています。

経営研究に釣りですか…いい趣味ですね。

何かロマンを感じますね。

そんなロマンスにあふれた情感をひしひしと感じることが、この本からできますね。

そういった雰囲気を味わえるのも、また読書の効用の1つであると思ってます。

この本は以下よりお求め出来ます。

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比較旅行学―理論と実際 (中公新書)

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池田潔 『学生を思う』

2020-05-29 14:13:16 | 思想

この著者は、イギリスドイツの大学に留学したがゆえに、それから帰国して日本の大学の教員に就職したので、西欧の大学生とこちらの大学生のパーソナリティや勉学に対するスタンスを、ほぼ対比の構造でとらえているのですね。

大学という最高学府にいながら、体育の課外活動にいそしんで、講義にはほとんど出席しないで4年間を過ごし、それで卒業できる日本の大学制度に疑問を感じることをつまびらかに述べています。

また、勉学にやっといそしめるようになったら、サークル活動ばかりにいそしんで、一方的になってしまいどっちつかずの状態になることをも疑問を呈しているのですね。

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その気持ちはよくわかります。

私も、大学時代にほとんど出席せずにいる周りの大学生に疑問を感じていました。 これまで多くのお金を費やして予備校に行って、ようやく大学に入ったにもかかわらず、遊び呆けている大学生の親不孝ぶりに頭にきていました(笑)

何故なら、1コマの講義の値段は、予備校のそれと変わらないか、それ以上なのは明白なのです。

1コマの講義をサボることで、2000円以上のお金が無駄になるのです。

そうことを平然として、年末の試験の時だけ勉強し、そのために友人からノートを借りて、コピーをして、それを勉強して終わり。

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実にもったいないです。

しかし、ちょっと距離を置いて考えれば、それはその人の親でない私がとやかく言うべきではなかったですし、心底自分から勉強したいという欲求がないのに無理やりさせても3日坊主になることは必至です。

しかし、大学卒業後に知ったことですが、本を読んだり、文字を書いたりするのが好きな人の割合は古今東西変わらぬ比率で、全体的に好きな人は少ない、ということですね。

これはアメリカの哲学者であるウィリアム.ジェイムズから知りました。

そういった事情で、やはり勉強にいそしむ人が少ないんだということがわかりました。

私のいった大学は中より高いところでしたが、やはりアンケート結果で、履修した教科のうちどれくらい出席しているかという質問にたいして、大体1割前後というのが大半でした。

まあこの著者が行った西欧の大学生は日本のとは違って,非常に勤勉なのは有名です。

それは、大学の勉強がその後のキャリアに直結しているからですね。

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大学院に行く、あるいは司法生になるというような感じですね。

しかし日本の場合、大学の勉強がそのまま直結しないがゆえに、そんなに勉学に励まないのですね。

その違いを認識していかないことにはやはり、危険性が伴うことは間違いないですね。

この著者は、「学業にいそしめないなら大学を去るべきである」と書いていますが、それは行き過ぎではないかと思われてならないですね(笑)。

先に挙げたウィリアム.ジェイムズのいった言葉を知っていれば、そんなに憤ることではないと思えるようになりましたし、本を読んだり、文字を書くことに楽しみを覚えないでもできる仕事はいっぱいあるわけですし、怠惰だった大学生が卒業後も怠惰かとうとそんなことはなく、やはり勤勉に仕事を全うしているのが大半です。

やはり勉強が好きな人は少数派なのです。

それは、ブライアン.カプランというアメリカの大学教授の書いた『大学なんて行っても意味はない?』という本を読んでもわかったように、日本のみならずアメリカでも事情は変わらないようです。

この『学生を思う』の著者が留学した当時とは違って今のアメリカの大学は大衆化していますから、どの大学もエリート養成の場ではなくなっているのですね。

大学での勉強を重視する立場の人の心はわかります。

そこで学ぶ内容は、世のなかをよくするための理論を学ぶわけですから。

その内容を学び、そこで得たことがらを実際の生活で行動していけばいいことに違いはないです。

そういう人が多ければ多いほどいいのはいうまでもないです。

大学で学んで、いいと思ったことは、実際の生活で今も実行しています。

洗剤の多量使用は環境に良くないですから、環境に良いものを買って使ってますし、なるべくまとめて洗浄するようにしてします。

家庭内で出た生ごみは、清掃工場で燃焼させることで大量の石油を使い、燃やすことで二酸化炭素を出しますから、すべて土に埋めています。

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そうすることで、土内のバクテリアが分解してくれた上に、栄養素になりますか環境に良いことであるに違いありません。

また、メーカーが使用している有害物質が人体によくないことを知っているわたしは、そういうものを使用しているメーカーに直接メーカーにメールをして使用することを戒めることを訴えています。

それが受け入れられて即実行に移されることはないですから、その危険性についてブログなどで発信したりなどしています。

また、政治家に対して、盲点になっている部分に関して、直接メールして示唆しています。

その他、人間力の向上のために、常にその分野での向上を心がけています。

そういう努力を絶たないでいます。

こういった努力をする人間を作り出すことがそもそもの学問の目的であるはずです。

こういった事を書いてある本をほぼ毎日のように読んでいたからこそ、学者の人たちは、問題点が見えているはずです。

そのために多くの人が努力する、行動することが大事であると精神分析学の祖であるフロイトは感じていたのでしょう。

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 フロイト

ゆえにフロイトは、日々、社会をよくするための行動をしない人とは付き合えなかったといいます。

しかし、このような行動に国民全員を駆り立てるのはかなり難しいでしょう。

何故なら、問題点は本を読むことで初めて知ることが可能になる性質のものだからです。

しかも何十、何百という冊数をです。

そして、本を読むことの利点は社会の問題点を見つけるというにとどまらず、自分の健康や経済生活をよくするという利点もあるのです。

ダイエットや健康などは、漫然とした生活で達成できるものではありません。

やはりその分野の本を読んで、そこに書いてある内容を理解したうえで、実行に移すことで叶うものです。

食べるもの、飲むもの、エクササイズ、睡眠時間、その他すべきこと、してはならないこと…etc多岐にわたります。

それを脳内に叩き込んで、それを実行に移すことで叶うのです。

1冊の本だけでは、多角的に物事を観れませんから、その分野に関する本を人によっては20冊は読むべきだという人もいるくらいですが、その通りですね。

健康もそうです。

単に心の中で健康になりたいと願っているだけではかないませんから、やるべきこと、やってはならないことを多岐にわたって勉強し、実行することが何よりも大事なのです。

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しかし、読書家の人には信じれないでしょうが、本を1冊読むだけで、もう精神疲労を起こしてしまう人の方が多数派なのです。

そのことは、ウィリアム.ジェイムズ浅羽道夫氏の本を読んで初めて知りました。

それゆえに、大学に入ってもほとんど講義に出席しない人がほとんどなのか、ということが分かった次第です。

ですから、このような日々本を読んで、それに書いてある問題点をよく方向へ変えるための行動に、国民全員に駆り立てたせるのは無理というものでしょう。

それが可能ならば、直接民主制も可能でしょうし、官僚もいらないでしょう。

しかし、それは無理であるから、問題点は残存したまま放り置かれるのでしょうし、そういったことが可能な人を国が必要としているのです。

事、人間関係にしても、国民の全員が毎日、本を主体的に読むようになったら、人間関係で悩む人はいなくなることは間違いないでしょう。 しかし、たとえそれが叶っても、人の心に無関心なまま生涯を終える人もいますから、そんな人が人間関係改善のための本を読んでも行動に駆り立てることはないでしょう。

そして、だれもが人間関係に気を遣うようになれるのなら、そういったサイコパスな人間もいなくなるはずですが、それも不可能なことです。

ゆえに知的な武装が必要なのです。

そこでも本が必要になるのですね(笑) サイコパスの生態について書いた本を読むことが大事になります。

ですから、どの人間にも学者のような生活を期待するのは不可ですし、望まない方がいいでしょう。

たとえ、そのようなことが可能としても、多大な労力を必要とするのです。

英語の勉強は普通の人なら中学校から高校まで6年間勉強します。

それだけ勉強して、それから大学受験のための勉強をすれば、もう1度勉強すれば、ほぼ暗記状態になるだろうと思われがちですが、実際はそうではないのです。

ある外国語習得について書かれた本を読んだところ、大学の英語の先生でも、単語や文法、熟語等を忘れないように、毎日小説を読み、音読もし、レコード等を聴いていくということをしていかないといけないそうです。

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これには驚きました。

でも私も思い当たる節があります。

大学受験のために使っていた英語の初歩的な問題集を、卒業から何年も後に棚から取り出して回答したところ、正答率は30%でした(笑)

一番得意だった英語ですらこのレベルになってしまうのか、と愕然とした思い出があります。

これは極端ですが、やはり本を読むといっても、その書いてあった内容を忘れないためには、これまた多大な努力をしなくてはならないことなのですね。

読む、書くといった作業以外にも人と話す、議論を重ねるといったフィードバックが必要なのです。

ですから、そんな生態をすべての人に求めるのは無理というものでしょう。

しかし…しかしですが、それで諦めてしまっては、学問の存在意義がないのです。

その学問の重要性、いや必要性といった方がいいでしょうが、それについて体感している人がいるのならば、そのスタンスをなくしてはならないと思いますし、それは継続しないといけないでしょう。

またしていない人ならば、今からどんどん本を読み、そこで書かれていること、あるいはそこから喚起された大事なことは、日々実行していくべきでしょう。

そんなことを私は思っているのです。

そういったスタンスが大事であると思っているのですが、諸般の事情ですべての人にその理想を課すのは無理と考えています。

でも、それに同情してくださるかたは実行しましょうということです。

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学生を思う (1966年) (講談社現代新書)

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佐伯啓思ほか 『これからの世界を考える人へ』

2020-05-28 15:35:31 | 現代社会

 毎度のことながら、佐伯啓思氏の本は、ちょっと読むだけで集中していってしまいます。

私は大学時代に政治学のゼミに所属していましたが、その担当の先生曰く、「私は、学生時代から今まで何度丸山真男の本を読んできたかわからない。もうボロボロだもの!」といっていたのを思い出します。

佐伯氏の本は、私にとってそんな本になりそうな気がします。

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   佐伯啓思

しかし私は、丸山氏の本で印象に残っているのは『日本の思想』くらいのもので、この本以外は、非常に難しく難解な表現で書かれているので、どんなことが書いてあったかわからないまま終わってしまっているのです(笑)。

加地伸行氏も、某本の中で丸山氏の本のことを「非常に難解で読みづらい」と書いているのを見て私は安堵の思いになりました(笑)。

『日本の思想』は講演の内容をそのまま本にしたので読みやすく理解ができるのですが、その他の机上で書いた本は非常にわかりにくいのです。

しかし、こと佐伯氏の本はそんなことはなく、読みやすいうえに、非常に考えさせられる内容です。 その考えさせられることで、脳で思索すると、脳内で血が循環しているのがわかります。

まさしく、その感覚は受験勉強時代を思い起され、現代文や英語の勉強をしている時代を思い起こさせるに十分なのです。

そういう脳内で血が巡るのは非常にいいことです(笑) 冒頭からいきなりですが、もう民主主義でも,資本主義でもこれからの人類は上手くやっていけない、ということを書いているのです。

これは決して、奇をてらって書いているわけではなく、実に考えさせられる真理を含んでいるのです。

そのことを示すように、は以下の本を上梓してきました。

『経済成長主義への訣別』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/451864238.html?1503236769

『さらば民主主義』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/450978583.html?1497756698

 

今の世では、大衆うけのいいことがらを並べ立て、人々の情緒を刺激することが当選するのにいいということです。

しかしそれでは大衆迎合主義になってしまうということです。

良き世の中は、やはり良薬は口に苦しということわざがあるように、苦しみをともなうことが多々あるのです。

もちろんない場合もありますが。

しかしその大衆迎合主義になると、ある人にとって苦いことでもいいとは思えないことが出てくると、これはよくないといって弾劾される危険性があるのですね。

それが民主主義にとってよくないということまで流布されることになる。

それがいいことだったか、悪いことだったのかは、その後の結果を見て判断するしかないのです。

確かに、小泉元首相は、「自民党をぶっ潰す」「改革には痛みが伴うものです」といって多くの人の支持を受けました。

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  小泉純一郎

それが本当の良薬だったかは、あとの結果をみたり、綿密な調査や結果をしてから判断するしかないのです。

すぐには判断しかねる問題なのです。

ですから、よき世の中、あるいは良き政治という結果についての判断は、このようなあいまいさを有するものであるということを忘れてはいけないのです。

しかし、私は、小泉首相のしたことは今を持っても、いいことであるとは判断しません。

このように深く考えながら政治に接している人はいるでしょう。

しかし、早急に答えを求めるのになりがちな人も多いのが現状でしょう。

だから、佐伯氏はエリートにすべてを任せる独裁制にすべきであるといっているのではないことはお断りします。

一般国民に期待を抱く一方全幅の期待はよせていない、そんな気がしますね。

その他、民主主義についてはかなり深く興味深い展開をしているので、この本を読んでもらいたいですね。

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また資本主義についても、そのままでいいという思いはないようです。

かといって社会主義に移行すべしということでもないのです。

グローバル化の中では、物を作る拠点が日本を含めた先進国内では、家賃や人件費などでお金がかさむ。

ゆえに海外に物作りの拠点を移すことの方が安く済むので、海外に移転してしまう。

その際に、大きなお金を持っている人が投資することで、大きな利益を得ることができる。

まさに資本が膨れ上がる=(資本)主義です。

また、グローバル化によってITやビジネスを操ることができる人間が大きな利益を得ることができるが、しかし、それで成功することができるのはほんの一握りの人間だけである。

そういう社会にやはり危惧を抱いているのです。

以前に麻生大臣によって、「老後は年金だけでは足りないから1人1人が2000万円を用意するように!」という呼びかけの後、いろんな人が株などに投資するも、あえなく借金だけが残ったという悲劇を生みだしたことは記憶に新しいです。

そして、一時期はやった仮想通貨ですが、これも億り人という1部の成功者を生み出した半面、多額の数百万などの借金だけを残した人を生み出したことも事実なのです。

それに海外に生産の場を移すからといって、その場に投資をしても、必ずしもそのリターンが返ってくるとは限らないのです。

それでうまく生産が続き、物が売れればリターンを得ることができるのですが、もしもそれらが上手くいかなかったら、撤退する事になるのです。

それでは投資金がパーになるのです。

私がある県にいったときに、ある老夫婦が経営している蕎麦屋さんがあり、そこで狸そばを食べてみるも、その材料はスーパーで買ってきたようなそばとつゆでした。

それで500円以上もするのですから参りました(笑)

おそらく年金だけでは足りないからということで、この店を始めたのでしょうが、こんな劣悪な品質ではすぐ閉店になってしまうのは目に見えているのです。

ことFXしにしろ株式投資にしろ、ただお金を投資するだけではリターンが得れるわけではないのです。

何故なら、それらの価値は上がったり下がったりするものだからです。

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ではどうするべきか?

それは抽象的ですが、そのことについてとことん勉強して行動するしかないのです。

ただお金を入れておけばリターンが得れるというものではないのです。

長期投資にするのか、短期投資にするのか、あるいはそれらを組み合わせで投資していくのがいいかといったことをとことんまで勉強したうえでスタンスを決めて、取り組んでいくしかないのです。

また不動産への投資にしろ、ただお金を出すだけではリターンを得ることはできないのです。

その不動産に住む人、使う人が撤退してしまっては借金が残るだけでなのです。

またビジネスに投資する、あるいは自営を始めるにしろ、やはりお金を出すだけではリターンを得ることはできないのです。

そこに来て物を買う、あるいは食べにくる人がいなければリターンを得ることができないのです。

もしくは来なければ借金がのこるだけなのです。

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そこで成功するにはどうすればいいか?

やはり、その道について勉強し、日々研鑽を重ねるほかないのです。

いずれも、どのパターンでも、やはり勉強を重ねることが重要ということですね。

ただお金を出すだけでリターンが得れるという魔法の小槌があればいいのですが、そういうものはおとぎ話にしかないようです(笑)

そういうものに取り組み、老後はこれまでのサラリーマンのような感覚ではいられないのは明白なようです。

定年まで一生懸命働き、老後は年金でゆっくりと暮らすというのは団塊の世代で終了したようです。

そこの脳内チェンジをする必要があるでしょう。

ここの本に書かれている佐伯氏の論文はわずか29ページですが、そんなわずかのページでこれだけの思索を私にさせてしまうのですから、私にとって佐伯氏は凄い存在なのです。

これからもそのような感じになることは間違いありません。 やはり古今東西、著作家というのは批判にさられがちなのですが、こと佐伯氏も批判にさらされる場面があるのかもしれません。

それは当然でしょう。 人によって好みや価値観が違いますし完璧な論など書ける人などいませんから、そういう事態があっても致し方ないでしょう。

しかし、それでも私は佐伯氏に対する批判する点はありながらも、大幅においては賛同するので、これからも佐伯氏の本を買って読み、勉強していく所存です。

そんな気になった人には、是非ともこの本を読んでほしいです。 ●この本は以下よりどうぞ!

Amazonのみで取り扱いのようです。

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これからの世界を考える人へ

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その他、佐伯啓思氏の本について紹介したページ

 ↓

『ケインズの予言』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474659998.html?1587307248

『アダム.スミスの誤算』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474626068.html?1587118718

『成長経済の終焉』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474439818.html?1586183374

『経済成長主義への訣別』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/451864238.html?1503236769

『さらば民主主義』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/450978583.html?1497756698

『反.幸福論』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/428518819.html?1445833705

『経済学の犯罪』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/426540927.html?1442938996

『西田幾多郎』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/409858456.html?1442739330

『従属国家論』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/421835004.html?1442739703

『科学技術と知の精神文化』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/418149998.html?1442739935

『正義の偽装』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/396634159.html?1442740341

『貨幣と欲望』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/375345171.html?1442740615

『日本の宿命』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/356624758.html?1442740994

『自由と民主主義をもうやめる』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/428055433.html?1445761232

『擬装された文明』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474927977.html?1588728115


加賀乙彦 『現代若者気質』

2020-05-27 21:06:41 | 思想

 この本は、昭和49年が初版といいますから、かなり古い本ですね。

しかし、この本が書かれたのは、戦争が終わってから30年近くが経っていた時のころですね。

この時代の大学生を中心に若者というカテゴリーに入る人たちの生態をつぶさに観察し、それに意味づけを与えているのがこの本ですね。

もちろん、この著者は大学の教授です。

ヒッピーだとか、レトロな喫茶店だの、アイスクリームだのといった、当時に生まれて、しかもこの著者が若い時分にはなかった文化の出現を目の当たりにし、それを批判的に論じるのではなく、しばらく観察したうえで、自分の若いころの精神性に通じるものを捉えながら、論じているのですね。

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確かに、この著者の若いころに比べて、弛んでいるのは致し方ないでしょう。

戦争というとてつもない厳しく辛いことを経験しなかった世代に、そんな厳しさを求めるのは酷というものでしょう。

そういった一連の作業の中で、当時の若者たちを肯定的にみているのがよくわかりました。

変化は必然であるというのは科学を生業にする人間ならば当然のこととして見做さなくてはならないのは当然です。

不変なものはないというのが不変であり、普遍なのですね(笑)

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それのみか、厳しい時代を過ごした人が必ずしも、すべての分野で優れているかというとそうでもないです。

私は大学生時代にかなり厳しく自分を戒めてきて、本をかなりの数読みましたし、講義もすべて出ました。

だからといって、後世に残すような研究が出せるかというとそんなことないですし(笑)、そんなに講義に出なくてもきちっとした理論を出せていた学生もいました。

それに、大学の講義にほとんどでなくても、卒業後かなりの営業成績を出して、ものすごい稼いでいる人もいます。

ゆえに、苦労してきたから必ずしも、凄いかといえばそんなことなく、人の能力を測る1手段でしかないのですね。

そこをはき違えてはならないのですね。

こんなに講義に出ない人ばっかりで、この人たちは社会に出て大丈夫なのなどと思いましたが、それは杞憂に終わっています。

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必ずしも全部大丈夫ではないですが…。

不変でないことが不変であり普遍であるということを前提として、その意味内容を探り、そこに意味付けをして、よからぬことと思ったら変えさせ、良いと思ったらそれをほめてさらに向上するように仕立てる、こんなスタンスがいいのではないでしょうか?

即刻に、すぐこれは自分たちの時代にはなかったからといって否定するのはいけないし、その人の人格を否定することになるからですね。

しかし、私は逆境に負けない主人公の漫画なり、小説なりを幼少時代に読んできた手前、どうしても村上春樹のような小説家の書くモノは好きになれなかったですね(苦笑)

また、意味不明な歌詞を歌っているビジュアル系バンドの音楽も好きになれなかったですね。

以上です。

●この本は以下よりどうぞ!

  ↓

現代若者気質 (1974年) (講談社現代新書)

 

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