首藤明敏 『ぶれない経営』

2018-10-21 23:49:49 | 成功法則

私にとって経営というものに関して興味は尽きません。

これまで、経営に関する本をこのブログでいっぱい紹介してきました。

『マネーの虎』『愛の貧乏脱出大作戦』といった経営に関するテレビに出演した経営者の本を興味深く読んでは感銘を受け、それを実際の経営に活かしては…という意味を込めて紹介してきました。

どうすれば、経営は存続していけるか?

そういった事は私にとって非常に興味深いことでした。

何故なのか、興味があるからとしか考えれません(笑)。

この本では、2008年のリーマンショック後に、アメリカから波及した不況が日本にも影響して、やはり不況になりましたが、その際にも生き残り、それだけでなく健全な経営を続けれた会社の経営について、8人の社長のインタビューをまとめたものです。

その内容を読むと、共通項があるなと感じた次第です。

まず、人とのつながりを重視していること。

人とのつながりを重視して、顧客や社員の心を重視して経営をしているということですね。

お客様がこのようなことをされたら喜ぶだろう、ということについて常に考えている。

それを現場で活かすということですね。

その内容については、やはり社長1人や会社上部の人間だけではわからないことはいくらでもあるのです。

ですから自分は長く生きているからというだけで、従業員や顧客の声をきかないというのではだめですね。

時に上から命令を下すというだけのアップダウン方式を降すことも必要でしょうが、それだけではだめということですね。

それだけでなくボトムアップを社員や顧客からしていかないと。

そういう寛容な雰囲気を社内に作り、そういう事をすぐにできるような柔軟な発想を社長がしていかないとだめですね。

これができるかどうかは、その社長の気質にかかっているのでしょう。

対人心理学などを学べばわかることですが、友人が1人か2人でいいと考えている人と、友人がたくさんいたほうがいいと考えている人。

人間社会はこの2つに二分されるようです。

やはり後者の人でないと経営は成り立たないでしょうね。

そして、その道が好きでいることですね。 サイト運営、物販、レストラン、医療といろんなジャンルの社長が、この本では登場しますが、どれも使命感を持って仕事をしていますね。

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「これが自分の天職なんだ。」「この仕事をすることが自分の人生の使命なんだ。」という思いで仕事に取り組んでいるということですね。

そういう思いに駆られるには、その仕事の内容が、自分が自ら取り組める、人と比べてどうかではなく、おのずからやる気がわいてくることでないと無理ですね。

今の花形だからとか、儲かるからといった理由で仕事をしているのではないのですね。

いくらやっても批判される、上司が自分を認めてくれない、という人は、その仕事を心から欲していない場合がほとんどではないでしょうか? 勿論、例外はありますが…。

おのずから取り組んでないものはいくらやってもダメな気がしますね。

ましてや経営などおぼつかないですね。

そして、自分の経営によって、その教えなり、利益が社会に還元することに意義を感じているということですね。 

会社の利益だけでなく、その会社の理念が多くの人を啓蒙し、その会社が自分の住む地域にあってよかったと誇りに思われる社会作りを目指しているということですね。

そういったマクロな視点に立って日々の仕事を全うしているということですね。

これは多くの人が見逃しやすい視点でしょう。

多くの人との暮らしの中で、自分がよく見本なり理念なりを提示しながら、人間だれしも生きていますね。

それを経営を通して、良き見本や理念を示さなくては意味がないでしょう、ただ仕事をし、利益を求めるだけでは。

常にいろんなものから、いろんな本から情報から意義を得たいという思いでいる人で経営に携わりたいと考えている人には是非とも心の芯においてもらいたい視点ですね。

そして常に勉強しているということですね。 やはりどんなものでもおなじですが、旧態依然とした体制ではずっと持ちこたえられるものではありません。

それでずっと栄えたらいいのですが…(苦笑)

環境の変化は必然的に起こりますし、その変化の中で、自分の会社はどうすればいいかを常に勉強していかなくてはならないでしょう。

それは人との会話であったり、テレビ、ラジオ、ネット、そしていろんな本を濫読しているのですね。

経営をいつまでも継続させている社長さんたちは。

『愛の貧乏脱出大作戦』に出てきた貧乏自営業者の共通する点は、メニューを作ることだけに意識を集中してしまっている、ということですね。

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メニューは作れて当然で、更にサービスをどうすればいいか、どんなメニューを加えたらいいかを常に考え、探し、自分の店に加えたらいいか、といった事はまるで意識の外にあるのですね。

ゆえに、あの番組に出演しても、閉店の憂き目にあってしまうのです。

逆に上手くいっている主演店の経営者は、そういう事が当たり前にできている、ということですね。

これはひとえに知的好奇心があるかないか、の違いだと思います。

こういう勉強といっても、義務教育を経ていれば誰でもできることですが、それをしたくないというのは、やはり文字嫌いなのでしょうね。

文字嫌いの人はやはり健全な経営者にはなれないだろうな、と思った次第です。

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そして、こだわりをもつということ。

経営方針について環境変化は必然ですが、だからといって右往左往するのではなく、きちんとぶれない軸を自分の心の中でしつらえて、それを貫くということですね。

全部が全部、顧客のニーズに合わせていれば、ただの媚び売りになってしまいますね。

その軸の基準はやはり長年培った経験の中で築きあげられたものであり、私はどうやって築くかは明確なノウハウはわかりません(笑)

それは、それぞれの社長から学んでいただきたいと思います。

以上概論を述べました。

ここまで読んで、経営とは何か、どのような人が経営者として望ましいかの各論を知りたい人にはうってつけの本であると思います。

●この本は以下よりどうぞ!

ぶれない経営―ブランドを育てた8人のトップが語る


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堀之内九一郎 『野良犬の成功法則』

2015-03-15 23:59:36 | 成功法則

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堀ノ内九一郎…この人の名を知ったのは、10数年前です。

 何しろ経歴がすごいです!  

これまで40以上の事業を、起こしてはつぶし、起こしてはつぶしを繰り返し、ついには事業で失敗してホームレスまで経験したというのだから凄いです。

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堀ノ内九一郎  

 

しかし、今は全国で200店舗以上を擁するリサイクルショップのチェーン店の社長というから、不死鳥とはこの人のことをいうのかと思います。  

どういう経緯でホームレスから現在の社長になったのかは、前作「どん底からの成功法則」に詳しいです。  

今回の、 「野良犬の成功法則」では、上に立つ人間の心や精神の在り様をえがいているのである。

「人間らしさ」の対極にあり、堀ノ内氏が提案するのが  

          「野良犬」

の生き方です。  

堀之内氏はホームレス時代、まさに野良犬のような生活であったわけで、ゴミを拾い残飯をあさっていた、といいます。

 

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 そこには、損得勘定がなく、力の限りを尽くしていかないと生きていけない状況であった。

  しかし、そんな生活のなかで、最低限度の動物としての、生きることの根本に帰ることが出来たと言っています。

  どんな分野においても、それ以外脇目も振らず、全力を尽くした人間が成功するという

  全力をかけている人間は強い。

  知恵を絞り、工夫する、手痛い経験のなかでどうしたらこの状況を変えれるかを人間は必死で考える。

  生きるためだけにやった体験は多ければ多いほど良いという。

 ホームレス時代に残飯あさりをしていたとき、堀之内氏は、人の蔑みの視線が心に突き刺さり、屈辱と恥ずかしさに気が狂いそうになったと供述しています。

  しかし、日々懸命に生きるうちに、蔑みの視線が気にならなくなったといいます。

 免疫ができたのだ。

 この経験から、生きていくうえで必要な抵抗力ができたというのです。

 試練は抵抗力をつけるためのチャンスなのだという見方はできないだろうか。

   人は何かをするにあたり、自分一人ではものを成就することは出来ない。

 必ず何がしか人の助けが必要です。

時間や労働の切り売り、時には金銭を援助してもらう必要もあるでしょう。

このとき何が必要か。

 人が何か借りることができるのは、貸すほうがその人の昔を見たからだ。

 最後までついてきてくれる人、金を貸してくれる人は、あくまで その人の過去を見て信頼できると思ったからにほかならないのです

 ここから、 いかに日々の積み重ねが重要かがわかる。

これまでロクなことをしてこなかった人は心配に及ばないという。

 これから信頼を醸成する行動に出て積み重ねていけばいいだけのことだ。

また、堀ノ内氏傲慢になることを戒めている。

才能のある人間は才能のあるゆえに、すぐ傲慢になる。

 これはいけません。

 物事が成就するには、自分ひとりの力だけでない、協力してくれた数多くの人の努力の上に成功という果実が実る。

 また成功するには、まわりから「こいつを助けてやりたい」と思われることが、必要だという。

 それは、相手の状況によって態度を変えないという端的な言葉に集約される。

 日ごろの付き合いが大事だといいます。

 日ごろから、「ちょっと酒でも」とか、「ちょっと食事でも」という誘いが大事なのです。

 それなくして、金が必要な時に、いきなり尋ねても断りたくなるのが人情でしょう。

 また日々の生活の中で、頭、手、足、身体そのすべてを限界まで出し切れ、使い切れという。

 出し切った人には必ず援護者が現れるのです。

 運というものは、天から降ってくるものではないという。

自分がこれまでやってきたことの周りの評価だと堀之内氏はいいます。

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最後に、成功の方程式を書いている。

 それは(知識-技術)×意欲=実績、成功というものです。

 立派な大学をでて知識や技術を持っているのに、何のために仕事しているのかわからない人がよくあるという。

 この人は実績は0です。

 いま知識や技術があまりなくとも、意欲があれば、なんとかなると堀之内氏は言う。

 この本を読んで、私が思ったのは、 成功というものに近道はないのだということだ。 

 今の世には、便利なものが溢れています。

バイク、車、洗濯機、テレビ、AV機器、オーディオ、パソコン、エアコン等スイッチ一つで自分の意のままにあやつることができる。

また、現代は豊かさにも溢れている。

 金を出せば物は何でも買える。

食べ物に困ることもない。

 生まれ出てきたときから、ご飯の時間になったらご飯を食べ、ものが必要になったらものを買ってもらう。

 勉強のときは、おしげもなくなく塾にいかせられる。

こういった利器を当たり前のように接して、豊かさに慣れすぎていれば、当然のことながら辛い事に対する免疫力はついていかないし、上手くいかないとすぐに投げ出してしまう人間ができてしまうのも頷けます。

 人のありがたみや周りの豊かさに対する畏敬の念をもてといわれても土台無理だ。

 生きていく意欲をもてなくなるのも無理はないです。

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今、私の周りに苦労知らずで、人のありがたみもわからず、欲しい物もない、意欲のない人間がいかに多いか。

 現代文明の弊といって良いです。

 昨今の格差社会の原因もこんなところにもあるのだ。

 意欲をもって困難に立ち向かっていける人間をつくる。

これは、これからの国民ひとりひとりに課された教育の課題であろうと思います。

 こういう人間は、堀ノ内氏が提案する成功の道をたどっていける人間をつくることは出来ない。

この本は、あらゆる道において成功したいと考えている人には一助になる本でしょう。

 成功したいと願っているのに、なかなか上手くいかない人には是非とも読んでもらいたいです。

 これが自分には足りなかったのかと思い知らされるでしょう。

それを、実社会の中で実践していくのが大事なのだ。

 勿論、成功の本はこの本だけですべてではないから、まだ読む本はたくさんあるでしょう。

 そのうちのひとつになるであろうことは間違いないです。

 

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