淡野安太郎 『哲学の考え方』

2017-02-11 13:23:41 | 思想

前に、哲学とは何か、ということで中島義道さん『哲学者のいない国』という本を紹介しましたが、日本には哲学者がいない、哲学研究者はいても、ということでした。

そこで哲学とは何か、ということでその定義を探ってみると、中島氏の書いた「哲学の核心部分と信じるのは、固有のテーマをひたすら言葉のみを信頼して、厳密にこれでもかこれでもかと議論していく能力である」ということを鑑みるに、その道を奥深く探っていく学問であるということでしょう、人間とは何かという題で。

また、鷲田小弥太という学者によれば、「哲学とは、その人がそれまでに学んできたことの総体であり、その人独自の知識の配合によって成り立っているし、専門分野以外のことについていろいろとその人の中に入って、その人の人格を形成している。

人は誰でも、いろんな知識や知恵をもっている。

いろんな知識の配合でもって成り立っている。」

ということです。

鷲田氏いわく「哲学=濫読、雑学の総体」という定義も納得のできるものでした。

哲学のみならず、いろんなものでも、時代により、人によりその定義内容が変遷するので、今、その内容について固定しても仕方ないので、私が妥当と思われる上記2つの定義を元に話を進めていこうと思います。

この本の著者である淡野安太郎氏は、巻末の著者紹介の欄で、「哲学者」と書かれていますが、それが妥当かどうかは読んだ人に任せます。 哲学はあまりに大きい範囲を扱っているので、「哲学を学ぶ」ことはできないと考えられがちですが、この本で、「哲学的に考えること」はできるといっています。

この自分と結びついたものの起源あるいは由来をたずねずにおれない切なる要求におって生まれたのが哲学であるということです。

自分の弱さを意識し、自力精進のみでは到底自分を救うことはできないのです。 その際に、救世主としての神が心の底から生まれたのだといいます。

でも私の見解ではすぐには救いを求めてはいけないと思います。

科学的にものごとを深く探求し、解決に糸口を探り、そこから突破口を求めるべきであると思います。

その際に、やはり精神的にも時間的にもゆとりをもって眺めることが必要でしょう。

全体的に深く広く眺めることが大事でしょう。

そうでなくては、深く広く物事を探求することはできないのですから。

政治家にもこういう気質を求めるのは私だけではないでしょう。

哲学的というのは、このように深く広く眺めることのできる人のことを言うのでしょう。 ですから、哲学者=政治家という図式になっているのが望ましい状態ですね。

哲学的な人間とは、有限相対の世界の中で、安んじていることはできず、その限界を飛び越えて向こう側にある無限絶対なるものへの強い衝動に駆られずにはいられない。

信ぜられた神は、深い魂の交わりの中に常に生きているのである。

と淡野氏は書いています。

その欠点がどこから由来しているかを究めることが一層大切であるとも。

人の意見は、それぞれの主張に対して、それぞれ固有の分を守らせることで互いに侵されることのない妥当性を確保せしめることができるのです。

ですから人間存在は二重の性格を持つのです。

奥の深い話になってきましたね。

人間の偉大さ、尊厳を形作るのはまさに思想であるとパスカルは言いました。

また、「人間は考える葦である」とも。

絶対的な真理の擁護はソクラテスによって唱えられました。

弁証法が真理を生むためには愛による合一が大事であるのです。

知恵、勇気、節制それぞれのところを得て調和を実現している状態=正義であるといいました。

Calling(職業),beruf(神のお召し)この2つが結びついたところに近代社会が生まれたのです。

最も確実なものにたどり着くための方法としての懐疑=方法的懐疑なのですね。

こういうあくなき追及の心理こそ人間の社会を発展させてきた要因になったのですね。

そして自分自身を眺めて、どういう道を行ったらいいかを探すことも重要です。

こういう認識をメタ認知といいますが、そういうメタ認知は経営者にはぜひとも必要ですね。

またビジネスを展開していく人にも。

日常、普通に用いられる言葉の意味に新たなニュアンスを与えることによって少しでも深い鋭い思想をよりよく表現しようと努力してきたのがフランス哲学者のデカルト、パスカル、ルソーであるといいます。

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まず、現実をどこまでも凝視してその姿、形を明確につかもうと努力するフランス哲学者であるのに対し、浪漫主義者は形以上のもの、形を超えたものに憧れを抱いたのです。

これは宗教にはまる人もそうですね。

スコラは、教会付属の学院という意味です。

スコラ学派はイギリスでできました。

自然を本当に知ろうとするなら先入観や空想を捨てて直接観察しなくてはいけないとベイコンは言いました。

ピューリタンは個人の良心に基づく信仰の自由と礼拝の純潔を基礎としました。 役に立つかどうかによって価値が決まったのです。

これが商業に必ず必要な精神であることに違いはないですね。

この精神は実用主義=プラグマティズムです。

その真理の追究は社会の発展に非常に大事ですが、貨幣というものが生まれ、それによって発生した商業によって上がる利益を追求することが最も大事になっていったのですね。

真理の追究ばかりをしていてはやはり商業的な利益は上げられないのですね。

ニーチェは凡ゆる価値評価の転換をしたのですね。

時代に対する反抗的な叫びを本にしたのです。

キリストの愛に対し、同情は人生を頽廃に導くとしたのでした。 力の優れた者が弱者を圧倒することで、その成功を発揮する場所こそ一切の文化は進歩するとしたのです。

非常に慧眼ですね。

すべての人がこうやって超人となることを理想としたのです。

認識が正当に成功しうる範囲はおのずから経験しうる範囲であるとしたのはカントでした。

両方の側にある程度の正しさを認めようとするのは批判主義の洗礼でした。

ウェーバー哲学は、一切の当為に関する信念の漂白を断念して単にかくあること及び実際なしうることについて語るべしとしたのでした。

これは日本の梅棹忠夫氏の態度と一緒ですね。

その是非はこの際問わないとして。

ですが、その意見にヤスパースが反対したのでした。

存在と当為の分離を主張したのが新カント派です。

哲学は、科学に基礎をなすべきものである。

その哲学を学ばないのは日本の大学の弊害であるといったのは丸山真男ですが、私は手っ取り早く学べるものでいいのはカントではないかと思ったのです、カントについて書いた本を読んだら。

このブログでも、カントについての本を紹介しました。

岩崎武雄 『カント』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/441858114.html?1486366734

そして19世紀に入ると、市民社会は資本主義の目覚ましい発展を目の当たりにするのです。

商業の覇権の確立の世紀でした。

物に対する不可侵の支配権の確立もしました。

ペーパーは、法律の保証のもとに第三者に対して通用するようになると「証券」になるのです。

時と所に束縛された事実から離れて全く独立に自由に契約し自由に活動しうる新たな存在秩序を創設したのです。

代理人を選定すると無限に活動の範囲を拡大するのです。

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会社は、人間から独立して自働的に活動を開始するとき、それを自らの創意と工夫で作ったはずの人間がかえって抗すすべなくそれにひきづられ圧倒され、ついに生活を脅かされるようになりました。

事物から離反することによって独立を誇った精神かその報いとして空虚さと不自然さとに悩んでいる状態であるのがこの世紀後であるのは言うまでもないでしょう。

第一次大戦やおびただしい破壊と殺戮を見ればそのことは明白ですね。

まず、事物そのものを語るところに聴従しなければならないという言が胸に去来しますね。

時間的空間的に変化するものを事物といい、変化しないものを本質であるのです。

全のために個を全く無視する立場を全体主義です。

他の何物にも置き換えることのできない単独者であることが現実的存在にとって欠くことのできない本質的現実であるのです。

その立場がキルケゴールの実存主義です。

どうなれば実存か?

自分自身の救出、人にもたれかからない、自分を失うも取り戻すも本人次第ということです。

アウフヘーベンは廃止、持続、昂揚の3つの意味を含んだ語です。

歴史の歩みをある一定の目標に向かって進んでいくものと見る、これが目的論的歴史観ですが、これはヘーゲルが唱えた歴史観ですね。

この歴史観をマルクスは取り入れて世界的に有名な『資本論』を書いたのでした。

生活が苦しくなっていくと人々はおのずから現存社会秩序を呪うのです。

そのグッドなタイミングで『資本論』が出たので、この本のメインテーマである反資本主義が多くの人の心をとらえることができたのです。

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しかしマルクスの思想であるマルキシズムは、その背景を探っていくとドイツ哲学とフランス社会主義思想とイギリス経済学をミックスしたものだったのですね。

やはり単一の思想で壮大なビジョンを描くことはできないのですね。

奥深く広い思想が背景にないと。

本の名が哲学の考え方ですが、その名に恥じることなく壮大な視角でもって物事を見ていくことの重要性がわかったでしょう。

そうすることで、物事を理解できるのですね。

決して自分の得てきた知識や視覚だけでは哲学的な思考はできない、ということですね。

こういう哲学的視角を得れるように日々努力していきたいなと思います。

その視角を得れる本の1つとしてこの本を紹介しておきたいです。

●この本はこちらからどうぞ!

  ↓  

哲学の考え方

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哲学の考え方

その他おすすめの本。

中島義道 『哲学者のいない国』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/415654689.html?1486367174


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梅棹忠夫 『サバンナの記録』

2017-02-04 14:20:23 | 民族学

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今回はこれにて失礼いたします。



梅棹忠夫氏は、私が大学在学中に知り、その学問の懐の深さと広さに感銘した人の1人でもあります。

梅棹氏は、物凄い読書家であるにもかかわらず、その書いてある内容だけでは満足せず、それがすべてではないというモラルのため、読んだ内容も自分の理論の構築の一助としながらも、それだけでなく自分の足で現地に行き、そこで見聞した事実をもとにも理論を構築していく、という非常に奥の深い人でした。

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梅棹忠夫

そのモラルは私は大いに経緯を抱き、そのモラルを見本にして、これからもその姿勢を続けたいなと思っております。

この人の専門は民族学ですが、その民族学だけでなく、いろんなジャンルにも好奇心を抱き研究を重ねていった人ですから、いろんなジャンルの教授や研究家とも対談をしてそれを本にした例はホントにたくさんあります。

このページでも、その対談集の1つを紹介しました。

自分の読んだ本だけで満足しない、というのは非常に大事なことで、権威的な学者が書いた内容とは言え、それが真理と決めつける必要はないわけで、一応妥当する場面があるという設定のものと、さらに奥深く研究して更なる真理に近づこうという姿勢が大事なのではないでしょうか?

権威的な学者が書いた内容とは言え、無誤謬であるわけではないはずです。

その姿勢は、このブログでも紹介した和田秀樹さん『疑う力の習慣術』を読んでもそのことに感銘を受けました。

梅棹氏和田氏には共通する場面があるなと感じました。

そういう梅棹氏の書いた本で非常に感銘を受けたのが『日本とは何か』ですね。

これはなぜ、日本だけがアジアの中で、明治維新以降急激な経済発展をすることができたか、ということを気候、制度、知的風土、歴史などをつまびらかに分析して明らかにした内容を、講演してそれを本にしたものですが、その奥深さにものすごい感心しました。

「ここまで明晰に経済発展の理論を展開できる経済学者がどれだけいるだろう?経済学者顔負けの民族学者だ!」とあまりの見事さにため息が出て、一気に読んでしまったのです。

自分の専門に閉じこむことなく、いろんなジャンルに目を向けることで、自分の専門だけにこだわっていては見えないものが見えてくることは往々にしてあります。

また、そうすることで、自分の専門の理論の肉付けに役立つこともしばしばです。

そうすることで、梅棹氏のように、専門外のことでも、その専門家以上の唸らせることができる本も書くことができるのです。

梅棹氏に興味のある人や日本の経済発展の秘密について興味ある人はぜひとも、その『日本とは何か』を読んでほしいですね。

この『サバンナの記録』も相当にいい出来でして、梅棹氏が実際にサバンナに足を運んできたことの内容ですが、本で書かれたことだけを信用しない氏のモラルが全面に出たものですのでこれも非常に興味深く読ませてもらいました。

例えば、マンガティという牧畜種族においては人間と家畜との驚くばかりの深く強い結びつきについて描写しています。

人間は、牛なしでは生きていられないし、牛は人間によって生きているといいます。 しかも人間の子は生まれた時から牛の子とともに育つのだそうです。

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また木の根を掘ってそこから出る液で作ったハラガデチャンダという薬ができるそうですが、これがないと酒にならないのだそうです。

水とハチミツを混ぜて火にかけ、朝に火を止めて一晩おく、そうするとガムンガゲスーダという酒ができるのだそうです。

こういうことも本だけ読んでいては知ることができないことですね。 またゴマ族の某人についても書いています。

その人の女房が子供を産んで三日後に死んでしまったのだそうです。

その人もひどい病気をして死にかけたことがあるといいます。

その人の親類の中に自分の結婚に反対していた人がいた。

そのせいだと判断し、すぐ呪術師に行って反対呪術をかけてもらい、命を取り留めたというエピソードも紹介しています。

このような自分の社会にはない描写を読むと非常に興味深くなりますね。

好奇心のあまり何ページでも読んでしまう。

こういう自分の社会にはない事を知ることで、自分の社会が浮き彫りになり、自分の社会の実態を知ることができるのですね。

こういうメリットを読者にもわかってほしいものです。

梅棹氏はもう亡くなってしまいましたが、今でも尊敬できる学者であり研究者です。 ●この本は以下よりどうぞ!

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河野員博 『戦後日本の教育構造と力学』

2017-02-02 13:11:30 | 現代社会

この本は、私が敬愛するウォルフレン氏の教育に関する論が展開されていると知って買い、そして読みました。

大学時代からいろんな本を読んで、日本の教育事情に関する批判に関する論はよく目にしましたし、その内容の吟味と、その内容の実行はやはり日本国民が積極的にこなしていかないと思いました。

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ウォルフレン

その教育批判は、やはりウォルフレン氏もしていたのですね。

その批判内容は、以下です。

教育が果たす、また期待されている役回りは、なんといっても社会の安定と秩序維持作用であろう。

このシステムから、日本の子供や若者が求められている人物像、それは画一的、従順、服従、忠実等のキャラクターで示される扱いやすい人間タイプである。

そのためにも、生徒は考えるのではなく、指示されれば繰り返すことはできても、関連付けることはできないバラバラな事実を蓄積することを教えられる。

親たちも子供の精神的な成長を期待するというよりは、<システム>内に首尾よく参入できるよう有利な進学、就職が念頭にある。」

大学で教える側の怠慢にも責任があるという。

すなわち折角入学した大学には「高校と同様、知力を育てあげるという意味での教育はほとんど存在しないのであり、大学に入ってからもほとんど意味のない講義を受ける。 学ぶものは実に少ない。」

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これは見事な分析という思いに駆られました。

こういう日本の教育とほとんど対比の教育をヨーロッパの多くの国で見てきた氏の経験からみて、日本の教育の現状を目の当たりにしたら非常に異常に見受けられたのでしょう。

しかし、ヨーロッパの教育と日本のそれとを比較して、違うからという単純な理由で日本のを批判しているのではないことは明白ですね。

今されている教育を漫然と受けているのではなく、一度立ち止まって深く内奥を明らかに観察していく態度は大事ですね。 私はこれまでいくつもの日本の教育批判に関する本を読んできましたが、日本の教育の全批判でもないですし、全称賛でもないのです。

日本の詰め込み教育がよく批判されますが、その教育ではすぐに物事を覚えて行動に移すのはどんな社会においても必要ですし、その詰込み教育で得た知識を、融合させ、分析し、出すことで創造的な事物が生れることも事実です。

重要なのは、そこで終わってしまい、それを社会で生かすように教えられないことでしょう。

であるなら、その術を教えればいいことではないかと思います。

詰め込み教育のすべてが悪いことではないのはお断りしたいですね。

また、「大学に入ってからもほとんど意味のない講義を受ける。 学ぶものは実に少ない。」 という箇所は反対したいです。

ウォルフレン氏が見た時期の日本の大学はそうなっていたのでしょうが、私が受けた大学ではそういうことはなかったですし、社会に出てから、社会をよくするという意味で役に立つ講義をしてくれた教授たちは多くいました。

それに、意味のない教育と感じた学生は、主体的に図書館に行き、自分で本を買って読んで勉強するでしょう。

更にウォルフレン氏は、

「学校では一貫して社会への適応が教えられる。 人間の知識にとっては実に多大な損失だと言わざるを得ない。 …いじめ、不登校、校内暴力、中途退学、学級崩壊、学力低下などの教育病理がなぜ絶えないのか? それぞれに特有の説明は可能であろうが、根底に横たわる中空国家日本の<システム>を変えない限り事態の打開はありそうもない。」

ということですね。

こういう事態を把握することで、打開の方法が見えてくるわけですが、それをまず認識するためには、国民がまずそういうことが書いてある本を主体的に読まなくてはいけないのは言うまでもありません。

それを学べるのは、何も学校での教育だけではないはずです。

人間関係をよくするためには、笑顔で接する、挨拶をきちんとする、人を分け隔てしない、etcこういったことは、本やネットでよく教えられたものです。

大学は「科学」を学ぶところです。

その科学は何のために存在するのかといえば、社会をよくするためにあるのです。

それを在学中に発見しました。

社会にある問題点を見つけ、それを改善するためには、国民一人一人が行動に移していかないといけません、日常生活において。

例えば、生ごみは、清掃工場に出すのではなく、土に埋めるのがいいのです。

土にいるバクテリアが生ごみを分解してくれて、養分を含んだ土に変えてくれるのです。

環境に対する負担はゼロです。

しかし清掃工場に出しては、燃焼させるために燃料を使い、燃焼させたことで二酸化炭素を出すので、環境に対する負荷がかかるのです。

そうならないためには、土に埋める人が多くなればなるほどいいのがわかるでしょう。

また、水の使用も多く使うよりも少なく使ったほうがいいのです。

洗浄してきれいな水にするためには、電気や薬品を使わなくてはいけないのですから、少なければ少ないほどいいのです。

また消費財も使ってすぐに捨てるよりも、長く使ったほうがいいのです。

またアステムパームの入った清涼飲料や、フライドポテトは摂らないほうがいいのです。

なぜなら、これらは摂りすぎると発がん性の疑いがあるからです。

また煙草も吸わないのがいいのです。

発がん性があるからですね。

こういったことを知るだけでなく、それを具体的に行動していくことが重要なのです。

問題点を知り、それを改善のための行動に移すのです。

その問題点は、政治であろうが、経済であろうが、経営であろうが、環境であろうがどんな分野にでも存在しているのです。

これまでの先進国の歴史を鑑みて、その轍を踏まないように、それを経験理論として学び、予防させるように、北欧諸国では社会民主党がイニシアティヴをとって国民への環境教育を徹底させている様をいろんな本で学びました。

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それを日本の多くの人に学んでほしいなと思いました。

そういった理論を実行に移すためには、国民の教育が不可欠です。

そう思い、デンマークのグルントヴィは、「ホイスコーレ」を設立したのです。

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そのことに私は感銘を受けました。

そこで不可欠なのは、国民の主体的に学ぶ姿勢ですね。

そこで思い起こされるのは、アメリカの哲学者であるウィリアムジェイムズの以下の言葉ですね。

「この世は2つのタイプの人間がいて、1つは、この世界を多元的に捉える人。

この人は、リンゴもいいし、蜜柑もいいし、バナナもまずくはないし、パイナップルも結構だ。

その間に序列をつけるわけではないし関係をつけるのでもない。

いろんなものが並列状態にある、というふうに捉える立場の人。

もう1つは、この世界は最後は1つの絶対的な価値に収斂していって、その体系の中に諸々のモノがちりばめられている、というふうに捉える立場の人。

この2パターンに分かれる。後者の方が圧倒的に多い。」

 

前者は情報を得るのが非常に好きなのですね。

しかし、後者は情報を得るのが嫌いなのですね。

セミナーや講義を主体的に受ける人は間違いなく前者なのです。

この構図は、どの国でも事情は一緒だと思うのです。

その国がいくら高学歴化したとしてもその比率が変わることはないのではないでしょうか、そんな気がするのですね。

また高学歴=情報を得るのが非常に好きとも限らないのも事実です。

偏差値70もの高校を出ていたにもかかわらず講義にほとんど出ていなかった知人もいましたからね(笑)

本人曰く、「勉強は嫌い!」ということです(笑)。

学問は1つなのです。

科学は専門分化して日本に伝わったがために、それぞれが個別に論じられるのが大学です。

しかし、専門と違う学問を学ぶことで、得られることは往々にしてあるのです。

その結び付けや統合は非常に骨の折れる作業ですが、その作業は理解のためには必要不可欠なのです。

その科学を広く学ぶことを推奨しますが、その科学は、大学だけでなく、大学に行かない人でも、本やネットで学べる性質のものです。 そのことを理解していただければなと思います。

●この本はこちらよりどうぞ!

  ↓

戦後日本の教育構造と力学―「教育」トライアングル神話の悲惨

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戦後日本の教育構造と力学―「教育」トライアングル神話の悲惨


その他、このページの内容で関連の本の紹介ページ。

北欧の教育事情についての本の紹介

飯田哲也 『北欧のエネルギーデモクラシー』

 


ウォルフレン氏の日本の現実を憂えた本の紹介

『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』

 

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