死の商人とは、聴きなれない言葉ですが、戦争をする兵器や軍艦などを製造して販売しお金を得る人たちのことです。
これは古今東西いるということですね。
J.Pモルガンは南北戦争時に、鉄砲を製造販売することで大きな利得を得ました。
また、日本の大倉喜八郎は、大倉財閥の始祖ですが、神田にある大倉鉄砲店を開業し、明治期に大きな利得を上げました。
またノーベル賞で有名なアルフレッド.ノーベルはダイナマイトの発明で有名ですが、それの販売で大きな利得を上げたのです。
またシュナイダークルーゾーの社長であるユージン.シュナイダーはフランスの兵器トラストで大きな利得を上げました。
そして、サー.バジル.ザハロフは、この本で「死の超セールスマン」として書かれています。
その凄さは、ロックフェラーやモルガンに匹敵するほどであるといいます。
その彼と、機関銃王といわれたハイラム.マキシムが手を組んで、大きな利得を上げました。
ハイラム.マキシム
その機関銃は従来の速射砲をはるかにしのぐ性能だったようです。
そのマキシムの会社が、普仏戦争や第一次大戦、日露戦争、バルカン戦争等において、兵器や軍艦の製造と販売で大きく儲けたのです。
まさに軍需景気によってですね。
またドイツの会社であるLGファルベンがナチスの宣伝活動、新聞、ジャーナリストや政治家の買収などに投資し、その投資額が数百倍になって返ってきたということを書いています。
またデュポンは、ダイナマイトからナイロンにというように、いろんな分野で製造と販売を手掛けてきたのがわかりました。
プラスチック、ペンキ、マニキュア、塗料、香水、織物、染料といった具合にです。
この会社はエルテール.イレーネ.デュポンによって創始されました。
しかし、この会社は第二次大戦のときでさえもダイナマイトが25%を占めたくらいだったようですね。
また、三菱財閥は岩崎弥太郎氏が創始したようですが、明治時代の西南戦争時に投資をして資本金の5倍もの見返りを受けたようです。
これに挙げた、死の商人たちは、いずれも共通点があり、徹底した資本主義の精神で儲けてきた、ということですね。
当初の契約を厳守させ、たとえ商品に欠陥があってもその契約通りに裁判まで使用して払わせたというようなことですね。
大倉喜八郎は彰義隊に収める契約だった兵器を、いい値で提案があったということで、政府に売ってしまったということですね。
ユージン.シュナイダーはフランス人でありながら、宿敵であるドイツに兵器を売って侵略主義を助長させたということです。
利益のためなら敵も味方も関係ない、ということですね。
また共通点として、最初は商人から出発し、それから戦争を経ることで、資本家、そして独占資本に成長していったということです。
これらの商人たちの成長過程の詳しい内容はこの本に書かれていますし、これらのほかに死の商人の例は多く例示されていますし、その詳しい内容について読んでみたい方は、この本を買って読むのがいいでしょう。
このように、戦争をすれば儲かる業界が存在するということです。
その業界の人たちが、政府とつながって戦争を起こそうという意図を読み取らないといけませんね。
そのニュアンスをこの本からくみ取れれば読む意義が非常にあると思います。
その最たる例が、アメリカなのです。
貿易赤字を長年垂れ流し続けているアメリカは、ドルの暴落を抑えるために、無理やり戦争を起こそうとしてきたのです。 それが中東への戦争なのです。
しかしそんな倫理に反する商売が許されるはずもありませんし、そんな方法で赤字がなくせるはずはないのですし、そのことを認識したうえで、日本人はアメリカの意図を読み取らないといけないですね。
歴代の日本の政府は、アメリカに反対することなく付きしたがって来たのです。 それを繰り返さないためにも、一般国民も知的武装をしていかないといけないでしょう。
「戦争と経済」の本質を捉えた本はたくさんありますが、ここでは、この本を勧めておきましょう(笑)
これを読んでわかったのは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオだけが情報の元ではないということですね。
このような本を読んで、重要な知識として蓄えて、それを武器にして知的な武装をしていかなきといけないということですね。
それに現在はネットも発達していますから、そこも情報源にしていくことで、また知的武装になることは間違いないです。
ただし、どの場合においても、玉石混交の時もありますので、それについてはきちんと取捨選択の脳内革命を起こさなくてはならないことも断っておきましょう。
やはりお金にならなくても、いつまでも勉強は続けていってもらいたいものです。
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