小森龍邦 『親鸞思想に魅せられて』

2019-09-15 11:43:15 | 宗教と社会

親鸞宗教の信者である著者が、今は多くの派に分派してしまった現今の親鸞の思想を信奉する団体の長、総長や法主といった人たちの堕落、無慈悲、宗祖の教えの誤った曲解などの内容を批判しているのです。

人類の救済を掲げて、親鸞聖人は、浄土真宗を起こしたのですが、やはりその宗教の内容が、どんなに立派でも時を経るにしたがって、また人の口から口へと伝えることによって、曲解され、誤って伝えられてしまう宗教の弊といってもいいでしょうね。

これは親鸞の起こした浄土真宗のみならず、あらゆる仏教はもちろん、キリスト教、ユダヤ教、儒教その他あらゆる宗教でも不可避の現実なのですね。

この方は、被差別の出身者のようで、その被差別への国内の対応に対して、現今の浄土真宗の長およびその信徒たちが、いかに無慈悲に不作為を決め込んで行動しないでいるか、に大いに失望されらたようです。

また、信じて疑わなかった共産党員の不作為にも言及しいているのです。

確かに人類救済を掲げていた親鸞聖人の教えを奉ずる仏教団体が、そういうことであるのは遺憾としがたいものでもあるでしょう。

しかし、本当に心から被差別の人たちの立場にたって、それに心ある対応をできるかどうかの最大のポイントは、自分がそういった事をされたかどうかにかかっているとしか言いようがないですね。

被差別をされた経験のない人間が、そういった人たちの立場にたっていけるかどうかはなはだ疑問です。

本当にその人たちに対して思いやった、という人がいれば、それは単なる思い上がりというほかないでしょう。

例えば、親族を交通事故で亡くした人がいたとしましょう。

その人に対して、本当に思いやったといえるでしょうか? その人の心の痛みが本当に分かったといえるでしょうか?

かわいそうだな、ということでその人の心の痛みが自分にも移るのでしょうか?

そうはならないでしょう。

そこに人間の限界があるのです。

いくら科学が発達しても。

私は大学時代にバイト先で異性から、何度もアプローチされましたが、私は勇気がなくて応えれなかったです。

するとその人は、自分が嫌われていると思い、そのバイト先を辞めてしまったのです。

その人の心の痛みは、「あの人には悪いことした…」と思うくらいでした。

それから何年か後、異性に裏切られたことがあり、その大学時代にアプローチしてくれた人の心の痛みが痛いほどわかり、その人を探しに行きましたが、あえなかったですね。

このように自分が同じことを体感することで、初めてその人の立場になってわかるのです。

宗教を学んでいれば、この経文を唱えていればわかるようになる,全てが上手くいく、なんていうことにはならないのですね。

ですから、被差別の人たちの立場に100%立って理解できるようになるには、それと同じことを経験することによってなのです。

確かに、宗教に入る人たちはたいてい慈悲深い人が多いです。

礼儀正しくて、人との心の交流を積極的におこなおうという気概のある人たちばかりです。

反対に、友人が30,40,50歳過ぎても全然いなくても心に咎めを持たない人もいるのですから、そういった人たちには敬服します。

しかし、だからといってその宗教に入っていればそれでいいかというとそうではないのです。

先にも書いたように自分が体感していないことについては、自らそれを体感していこうという気概と行動がないことには、本当にそのことはわからないのですし、物事を広く深く見ていくには、その宗教で語られる内容だけを勉強していけば、それでいいかというとそんなことでは全然なわけです。

浄土真宗の信徒でも、親鸞聖人の教え以外にもいろんな本を読み、いろんな人たちと語り合い、その内容を自分の糧として、実際の生活の中で行動していかないことには、真の学びにはならないのは言うまでもないことです。

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   親鸞聖人

その聖人、宗祖のいったことが今の世で、100%正しいとは限りませんから、その教えについてアレンジしなくてはならないことも出てくるでしょうし、またそうしてしかるべきでしょう。

そのことを分かったゆえにか、そして慈悲心を持ち合わせたゆえにか、この著者は、多岐にわたる学びを実践し、現今の浄土真宗の団体の堕落ぶりを批判し、それから良き方向へ行くように、この親鸞聖人の思想の広まることを懇願しているのです。

この方のスタンスを私は支持します。

やはり、ただその宗教の教義について学んでいれば、それで万端ということでは決してないのです。

それで万端というのであれば、何故、その宗祖の死後、その宗教団体の長がその宗教の教義を誤って曲解したり、知的あるいは精神的に怠惰になり、また無慈悲になってしまい、それに信徒たちが失望してその団体から抜けてしまうということが往々にしてあるのか、ということですね。

それは、その長の内実を分析する必要があるのです。

その人の生活、これまで得てきた情報、生きてきた人生の内容をつぶさに構造的に明らかにしたうえで、どうしていけばいいかを自ら勉強し、それを実生活で行動していくかにかかっている、ということですね。

その宗教に入って経文をあげ、そして勉強していけばそれでいい、というような簡単なものではないのです。

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また、その信徒団体にも、そういった人たちが出てくるのも必然です。

先に、宗教に入る人たちは、心優しい人たちが多いということを書きましたが、例外は多数あり、やはりどんな宗教団体でも、無慈悲で人の心を疎んじる人は多くいるものです。

ですから、その宗教に入れば充分、万全という論理には私は与さないのです。

しかし、人類救済を掲げて浄土真宗をおこした親鸞の思想は、今も多くの人を捉えていますし、その団体の数々は存続しています。 鎌倉時代の昔におこされたものであるにもかかわらず。

それゆえに、その思想をつたえるべくその内容を現代社会において、いかに生かすかをメルマガとして発行しているひとがいて、それゆえに興味を持ち、この本を選び、そして読み、ここに紹介した次第です。

その慈悲心の深さに触れたい人には、お勧めの本です。

●この本は以下よりどうぞ!

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親鸞思想に魅せられて -仏教の中の差別と可能性を問い直す-

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佐藤唯行 『アメリカ.ユダヤ人の政治力』

2019-09-11 11:47:02 | 陰謀論

アメリカにおいて現在いかにユダヤ人が暗躍して政治を決定しているかということを詳らかにしています。

世界で1290万人いるユダヤ人のうち、43%がアメリカにいるということです。

また、アメリカがおこなっている海外援助の5分の1(30億ドル)がイスラエルにわたっているという事実や、世界で3番目に多いユダヤ人がいるロシアからのユダヤ人難民の受け入れの多さ、全米大富豪の400人のうち26%がユダヤ人が占めている(85年当時)という事実、また上院の11%と下院の5.1%がユダヤ人であり親イスラエルのブロックを形成している事実、また84年レーガンの対イスラエルの援助を無償にした事実などを明らかにしています。

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しかし、それはアメリカWhite Anglo Saxon Protestantの国であるという通念を信じている人にとっては興味深いことでしょう。

しかし、私が常に注目しているネットジャーナリストであるリチャード.コシミズ氏によって、アメリカはWhite Anglo Saxon Protestantの国ではなく、ユダヤ人が支配している社会であるということは既知の事実だったので、私にはそんなに衝撃的な事実ではなかったですね。

これまでの歴代大統領が、プロテスタントの人間という流布された言辞が誤りであり、いずれもすべてユダヤ人だったのはコシミズ氏の探求によって明らかです。

勿論、レーガンもユダヤ人だったのです。

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  レーガン大統領

ゆえに、ユダヤ人や、その国への援助を最優先にするのは当たり前であり、必然なのはわかります。

コシミズ氏が、もしかしたらこの本も参考にしてアメリカはユダヤ人によって支配された国であるということを研究するきっかけになったかもしれないですね。

しかし、こういった本を手がかりにして、多くの人が真のアメリカを理解する一歩になればとも思います。

そんな本として、これを勧めます。

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アメリカ・ユダヤ人の政治力 (PHP新書)

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相場均 『異常の心理学』

2019-09-11 10:39:05 | 心理学

科学が発達していなかった時代においては、やはり魔女のような存在が本当にいると信じられていたことが如実にわかります。

そういった人間の異常な心理について学ぶことができて、この本をよんで興味深かったですね。

キリスト教においては、天国に行くことを至上の目的にしていたのです。

クリスチャンがその天国に行くことを妨げる悪魔を忌み嫌うのは必然でしょう。

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ゆえに、悪魔や異教は罪になったのでした。

アラビアや中央アジアからの異教やまじないも同様の扱いを受けていたのですね。

違う教えや、教理に合わない行為は、ヨーロッパにおいては600人が焚刑になったようです。

その悪魔への思いへの感情がエスカレートし、あざ、こぶ、傷を持っているだけで、魔女扱いされて刑に処せられたというから怖いですね。

その魔女は、箒にまたがり、どんな遠くへでも行き、どんなものにでも化け、男女の区別なく犯すという噂までたてられたようです。 また狼に変身し、生き血を吸うということまでも。

また魔女であると噂を立てられた人は、ちょっと変わった行為をするだけで、また変わった出来事があるとその責任を問われ、また証明もなく噂でも魔女扱いをされたようです。

そして裁判が行われて、刑に処せられたようです。

魔女の観念はドラキュラ、吸血鬼、人狼でしょう。

こういった当時の魔女による通念化が、こういった今受け継がれる怪物やホラーのキャラを生み出したのは興味深いですね。

しかし、非人道的な行為への反省からか、または科学の発達のためか、16世紀には魔女裁判は廃止されたようです。

大いなる進展ですね。

しかし、幽霊、悪魔、魔女といったものの存在は完全には否定できないのが実情です。

私の中では(笑) やはり、山の中の暗闇に1人でいることなど出来ないですし、それは何故かといわれると、そういうものの存在を信じているからですし、これまでの人のきいた話では、そういうものに遭遇した経験談はたくさんあるのですし、それを幻想とか幻聴の1言で片づけるのは否定したい態度ですからね。

それに、この本でも書かれているように、紀元前4000年には呪術や占星術によってあらゆる悩みや災難を解決していた手段でしたし、京都の大雲寺には精神病者を収容する施設があり、そこで精神的に蘇生した人が大勢でたことで、大勢の人が押し寄せたようです。

しかし、そういったものの存在だけを先にありきでことを論ずるのではなく、先に科学的な論理をもってするのが王道と思うのですね私は。 本をたくさん読むとそういう立場に必然的になってしまうのですね。

そういう人が多く出てきたのが現代といっていいでしょう。

1841年にアメリカのニューイングランドにおいて、ディスク嬢が精神病院を各地につくったようですね。

これも大いなる進展ですね。

また、精神医療という画期的方法に応用したのがオーストリアのフランツであり、アントンでありメスメルであるということをこの本で知りました。

やはり物事を科学的に奥深く考え、分析し、構造的に明らかにして、それを快方に向かわせる、あるいは治療する、そういうのが王道であるということでしょうね。

しかし必ずしも、科学で全部が解決できるということではないですね私の立場は。

宗教的な力によって完治できたという例もやはりたくさんありますし、まあエクソシストによって体内にいる悪魔を祓ったという例もたくさんありますからね。

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やはり両方を肯定的にみる事が大事なのでしょうね。

しかし、こういった悪魔や霊などを引き合いに出して、自分たちと違う人達を排斥するという態度は、やはり人間の弱さに起因するのでしょう。

集団心理ですね。

自分の置かれた事態が、自分たちにとって危険なものであったり、不利を招くものであったりする場合には群衆化し、運動暴発になるということですね。

いったん群集行動が引き起こされると今度は、正しい情報が流されなくなり、伝達されなくなり、デマや流言飛語ばかりが幅を利かすようになり事態はますます収拾のつかないものになる、ということですね。

それが人種差別であったり、民族問題に横たわる問題の最大の原因ではないか、という気がしますね私は。

そういった事は、政治学を専攻していた私としては、何か地政学的な視点だけではなく、こういった群集心理までをも学ばなければ要点は見えてこないのではないかと思われてならないのですね。

民主的態度のもとで、しつけられ健全に自我形成され、成熟し物事を正しく判断しようとする態度が形成されているならば偏見の心理的な基礎はそれほど強いものではなくなり、むしろ世間一般の人たちが偏見をしても、その偏見に抵抗するだろう、といいうことをこの著者は書いていますし、私は全くの信頼を置くのですね。

ですから、そういうものの考えを醸成するには、こういったたぐいの本をたくさん読むことが大事でしょう。

自分の中にある心の性質を掴み、それを自分の理性の好ましい方向へ向けていく必要があるのですね。

そういった物事を深く探り、良き方向へ向かわせるのが科学の役目なのですし、そういう科学を学ぶのが大学という場なのですから、高校時代まですぐカッとなっていた人が、その癖を治せずに大学を卒業してしまっていては大学へ行った意味がなかったといわざるをえません。

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しかし、そういった差別や偏見をし、それを矯正する教育を施してもなくならない人は、必ず古今東西存在します。

それがサイコパスといわれる人たちですね。

そういう人には諦めの態度で接するしかないようです、残念ながら…。

物事を深くほりさげて世の中を観ていきたい人にはお勧めの1冊です。

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異常の心理学 (講談社現代新書 184)

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