大澤武男 『ユダヤ人ゲットー』

2018-12-31 22:06:57 | 歴史学

キリストは、弟子たちの1人に裏切られ、磔によってユダヤ人によって殺されたのは有名な話です。

それゆえに神を殺した者(Gottesmorden)というレッテルを長年貼られてきたのです。

ゆえに、ユダヤ人は、キリストを殺した罪悪な人種であると、長年言われてきました。

その苦悩の歴史はこの本を読めば明らかです。

ユダヤ教徒とキリスト教徒との結婚を4世紀もの間禁じられたとか、いろんな職業から締め出されたり、プロパガンダによって戦闘意識の的にされたりといわれぬ迫害を受けてきたことがわかります。

これは民間だけでなく、知識人たとえばアウグスティヌスによって、「キリスト殺しの共同責任を負わせるべし」といった言論による迫害も起こったといいます。

またユダヤ人は、禁忌のみならず科学的な思考をもった宗教団体であるゆえに、流行病にもかからなかったようです。

それゆえに、罹った人たちから言われぬ嫉妬的な迫害を受けることもあったのだといいます。

300を超える場所で。

いろんな職業から締め出されたユダヤ人は、合貸業を営み、特に質屋になったのだといいます。

そこから古物、雑貨商が生まれました。

こういった職業はキリスト教のモラルに反するがゆえに、更に迫害を受けたのだといいます。

それのみならず1460年にフリードリッヒ3世によって、ついに隔離ということになったのでした。

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ここは、汚物や排水にまみれた防壕地でした。

それが4世紀をへて、ようやく解放に向かうのでした。

それまで、その経済力を蓄えてきたユダヤ人でしたから、18世紀の宮廷ユダヤ人にドイツは依存し、居住強制から解放され不動産物件の購入、所有を許されるようになったのだといいます。

16世紀 絶対主義体制下、富国強兵とそのための財政的裏付けとなる重商主義 ユダヤ人の大々的なチャンスになったのでした。

フランクフルトのユダヤ人ゲットー出身のロスチャイルド家は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアにまたがる国際金融資本です。

諸国政府、王侯貴族を相手とする大金融業による世界の銀行界に君臨しているのです。

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アメリカ、イギリスの首相、また政府要人たちのすべてはユダヤ人であることは明らかです。

また、これまで社会主義を牽引してきた元首たちのすべてもユダヤ人でした。

ユダヤ人は、少数派を装うことで自分たちの斯業を遂行してきましたから、この本にかかれていることがすべて事実とは言えないでしょうが、一部事実は書かれている…そんなふうに考えながら読むべきではないでしょうか?

例えば、ナチスによるユダヤ人大虐殺にしても、ねつ造であることが判明しています。

これは、初めてきく人には意外と思われがちですが、詳細についてはその部門について調べていただくほかないですね。

しかし、少数派であって、しかも迫害を長年受けてきたということはある程度事実ではないかと思われるのです。

また、国際ユダヤ資本は非常に金の観念が発達していて、不動産を持たず、貨幣や金属で蓄えるのが常套の手段のようです。

ゆえに、アンダーグランドで暗躍し続けることができた、ということの帰結になるのでしょう。

こういった国際間にまたがって暗躍し続けるために、わざと少数派、迫害を受けてきた民、神を殺した者といったレッテルを自作で演出してきたのかもしれません。

はっきりとは断言できないですが、そういう可能性をいだきながらユダヤ人に関する知識には触れていかなくてはならないのではないでしょうか? そんな気がしますね。

全ての事柄は1冊の本だけで全貌はわかりません。

いろんな本を何十冊、何百冊と読むことで明らかになるのです。

ですから、ユダヤ人について全貌を知りたければいろんな本や雑誌、インターネットでしらべながら、真実の探求をしていくべきでしょう。

この本では迫害を受けてきた面が強調されていますが、それも事実でしょう。

しかしそれが全部が全部真実ではないことは明らかですから、いろんな情報を得て明かにしていく努力が必要でしょう。

●まずはこの本をどうぞ!

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ユダヤ人ゲットー (講談社現代新書)

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『論争.中流崩壊』

2018-12-16 23:06:35 | 現代社会

 この本を初めて読んだときに、衝撃を受けました。

私が、大学在籍時代に、日本は世界に稀にみる平等国家で、持てるものと持たざるものの所得差が、世界で一番小さいということを本で読んで知っていたからです。

しかし、それから日本は平等国家ではなくなっていったのです。

格差社会の到来ですね。

世界で稀に見る平等国家であることを知っていたのと同時に、社会学の講義において、「東大に行く人の家庭は、行けない家庭の所得差がある。教育においてかける金額の差があるがゆえに、東大に行けるかどうかが決まる。」ということも知っていました。

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これがのちになって、開きになっていったのですね。

この『論争!中流崩壊』においても、そのことが言及されています。

いまや私立中学を出るような家庭でなければ、東大に行けないというのです。

家庭は幼稚園から高校まで949万円がかかり、そうでない家庭つまり幼稚園から高校まですべて公立でいった場合には515万円で済むようです。

しかし後者ではまず東大に行けないというような社会になってしまったようです。

私が敬愛していた大学時代の国際政治学の教授は東大にいきましたが東京の公立高校出でしたし、同じく東大出である森永卓郎氏も東京の公立高校を卒業したようです。

しかし、現代ではそれはかなり難しいことのようです。

このような教育費にかかる経費の差は、ほぼ親の職業によって決まってしまうようです。

当時、東大にいった人の親の職業は、医師弁護士大企業の幹部の人だったようです。 この本が書かれた当時、ホワイトカラーの人の平均と、ブルーカラーの人の平均は1.4倍でホワイトカラーの人の方が高かったようですし、今もそうなのでしょう。

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それがそのまま、職業の開きになってしまうのでしょう。

こういった家庭環境の差が、「個人の形成にかかわる社会的、文化的環境の差となって表れる」とこの本の章を書いた人は言っています。

また、ホワイトカラーかそうでない人の差は、不平等な既得権益と書いています。 競争に参加する意欲も失われると書いています。 統計をみれば確かにそういうように思えて来ます。

しかし実際はどうなのでしょうか?

格差社会が到来してはきましたが、そのことで生きる意欲すらも失っている人ばかりがあふれているかというとそうでもないですし、そんなに収入のない人でも、それなりに生きがいを持って生活しているように見えます。

それは、幼少の頃から不自由なく過ごし、買いたいものがほとんどないのが現状ではないでしょうか? ゆえに格差社会が到来してもそれほど、というかほとんど危機感などないのでしょう。

このような格差社会の到来は、やはり誰もが満ち足りた社会によって引き起こされるのは言うまでもないでしょう。

この本では、日本は「効率性と平等性の両立にあったが今はもうない」と書いてありますがその通りでしょう。

やはり満ち足りた社会においては、インセンティヴを働かせないことには誰もが働かなくなります。

所謂、成果主義ですね。

この成果主義については、同じ会社内での足の引っ張り合いになる、あるいは上司へのおべっかの巧妙な人間が得をする、という意見がありますが、それはどの会社でも起こるものではないですから一概には言えないでしょう。

でも趨勢として成果主義に行かざるを得ないのは必然でしょう。

トヨタは2000年から個人の能力や成果が賃金に反映されるようにしたようですし、日興証券は、基本給が600万円で成果能力で6500万円にもなるように変革したようです。

そういった趨勢は、86年のサッチャー政権のイギリスで、金融自由化がなされ、また91年以降の規制緩和、市場経済の徹底をはかったアメリカのそれ以降の社会をみればわかります。

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やはり満ち足りた社会においては自由化をいろんなところでしていこうという雰囲気になってしまうのでしょう。 その結果においての格差社会の到来です。

しかし、このような格差社会を生き残るのは、即、ホワイトカラーだというのは早急に過ぎるような気がします。

高校しか出ていない主婦が大好きなエアコンの清掃を生業にして、会社を立ち上げて経営していったところ、仕事が凄くまい込んできて、ひと月に100万円を数えるほどになったとか、高校を中退して鳶職になり、社員を20人前後抱えるようになり、ひと月に100万円以上も得ている親方もあります。

また先進国の常として、多くの人が肉体労働を嫌がりホワイトカラーになろうとする。

ゆえに、そういう労働についたがゆえに、引く手あまたになり、月収も普通のホワイトカラー以上のものになったという例もいくらでもあります。

こういった例は枚挙にいとまがないのです。

親の職業の差があっても、自分が出た最終学歴だけでもなく、今は情報を得て、それを吟味して行動していった人もまたお金持ちになっているということですね。

この本が書かれた年以降、ロバート.キヨサキの本が流行った、あるいはネット上で金儲けの方法が容易に検索できるような社会になったことがあるでしょう。

しかし、単にそれだけで金持ちになれるわけでもなさそうです。

情報弱者であってはならないのです。

単に金儲けの本や情報冊子を読んで、その内容を行動するだけでなく、いろんな情報にアクセスし、いろんな本を読んで、自分のしたいことを矯正していきながら行動していかなくてはならないのは言うまでもないことです。

この本が書かれた2001年当時は、ネットが今のように闊歩していなかったゆえに、親の職業で、あるいは出た大学で決まってしまうのでは、というような論調になってしまったのは致し方ないでしょう。

この本の某章において、「入学選抜の多様化、奨学金制度の拡充をすべき」という論調が書いてあったのには苦笑を禁じえませんでした。

大学の勉強は、科学の勉強であり、科学は社会を良きものに変えていために何をすべきか、ということを考え、行動していくためのものです。

そういったものを勉強するのは非常に大事ではありますが、それを勉強したところで高給を得れる職業につけるわけではないのです。

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高給を得れるためには、偏差値の高い大学にいくことではなく、自分のできる範囲で、どのようなことを生業にして、そこからどのようなことを行動していくか、ということを徹底的に勉強していくことが最大の焦点ではないかと思えてならないのですね。

それはこの本が書かれた2000年も今も変わらないでしょう。

今は、一般的な家庭の収入は下がり、逆に大学に入り卒業するまでのお金は上がっていっているのが現状です。

私が入った大学の初年度の納入金は30万円近くも上がっているのを最近確認して驚きました。

それゆえに、卒業後もそのためにかかった奨学金を返すのに苦労したものの、それが適わない人が大勢出る奨学金破産なる言葉が出てきたのは驚きました。

そのようなことまでして大学を卒業する必要性はあるのかどうか疑問に思います。

だが趨勢として、ホワイトカラーの方が収入が多いようなのは統計から明かなのでしょう。 でも現実をみて、ホワイトカラーだけが高給をとれるわけではないことは明らかです。

この本は現実を分析した本として秀逸ですが、そのまま雷同するのは危険と思います。

しかし、自分がどうなりたいか、お金持ちになりたいか、普通の人で満足か、どちらを選びたいかは人によって自由です。

どちらを選ぶにせよ、行動するに際し、数値の分析や趨勢を知るにはうってつけの本であることは事実です。

●参考として読むにはいいでしょう、この本をお勧めしたいです。

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論争・中流崩壊 (中公新書ラクレ)


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