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高福祉、エコロジーで世界の先端を行っている北欧、特にスウェーデンは注目されるに必然の国でしょう。
特に高福祉の面ではそうでしょう。
日本では、老人の人口が増え、さらに医学の向上で寿命が延びれば、必然的に国の負担が大きくなります。
そしてさらに個人のそういう部門での負担も大きくなるのも必然です。
そのためにその先をいっている北欧、特にスウェーデンに注目がいってましたし、私も注目せざるを得なかったです。
これまで、エコロジーの面で素晴らしい政策を実行してきた北欧については、いろんなその方面の本を紹介してきましたから、それはそれらのページを見ていただくことにして、今回は、高福祉の面について特化した本として、『スウェーデンスペシャルⅠ』を紹介したいです。
★
飯田哲也 『北欧のエネルギーデモクラシー』
http://72405615.at.webry.info/201502/article_9.html
福田成美 『デンマークの環境に優しい街づくり』
http://72405615.at.webry.info/201611/article_6.html
高福祉を実現するというと必然的に必要なのは高負担ということです。
要するに、税金が非常に高いということです。
所得税は、55年から漸次上がっていき、今や56.3%なのです!
しかも付加価値税(消費税)は、25%もの高率なのです!
しかし、それがなぜ可能だったか、という疑問が必然的にわいてくるのです。
私の好きなスウェーデン人ギタリストであるイングヴェイ.マルムスティーンは、その高負担に悲鳴を上げてアメリカに移住しています。
イングヴェイ.マルムスティーン
しかしそういう例は稀ということです。
それは以下に紹介しますが、その高負担ゆえに、大学はスウェーデンでは無料なのです。
高校卒の3分の1が大学に進学するのだそうです。
来るべく高齢化社会に対して日本政府は何もしない優柔不断で、創造性がなく前例踏襲主義だという批判があります。
しかしスウェーデンでは、
1. 国民の意志を効率よくくみ上げる制度的な工夫がなされている。
2. 徹底した情報公開
この2つが高福祉を実現できている理由であることがわかりました。
それゆえに国民からの反対もなく、また革命も起こらずにいるということですね。
その2つの内容についてはこの本を読んでいただくことにして、とにかく高福祉のあるべき姿を体現している政策をしているのです。
その内容を日本も真似すればいいじゃないか、ということをすぐに思ってしまいますが、これまで築き上げた法律や慣習を変えるには長い年月がかかるのは必然ですし、すぐには変えられないのです。
ですが、遅々とではありますが、それに向かって行動していくことは必要ですし、その内容については脳内から忘れてはならないですし、その内容について学んだ国民も自分にできることは何かを考え行動していかないといけないでしょう。
前に、佐々木力という人の『科学技術と現代政治』を紹介した際に、佐々木氏が、「環境資源問題の根本的解決の方向を探っていくとどうしても現在の資本主義経済の枠組みでは不十分であることは明白です。」という言葉を紹介しましたが、まさにその通りなのです。
違う枠組みを模索しないといけないのです。
その際に参考になるのが、やはり北欧諸国なのですね。
北欧諸国を勉強していくと、共通にみられるのが、どの国も社会民主党が政権党なのですね。
これは驚くべきことです。
しかし、中国やロシアや他の旧社会主義政党のように、武力で国を制圧あるいは社会主義政党が他の党との戦争に勝って第一党になったのではなく、選挙によって第一党になったのですね。
これは驚くべきことでしょう。
これは単なる「社会主義」ではなく、社会主義の理念を導入しつつ、政府に権限を大幅に引き上げつつも、国民の生活やエコを最優先に考えながら、そのために人類が重ねてきた叡智を最大限に利用して、それを情報公開し、教育を徹底したがゆえに、国民の支持を得て政策を実現できているということですね。
政府に権限を大幅に引き上げるだけでうまくいかなくなり、多くの国民の不満が募りに募り、ついに革命が起きて政府が転覆されて仕方なく資本主義に移行した社会主義ではないのです。
スウェーデンや他の北欧諸国では、社会主義政党の政府のイニシアティブが強いながらも支持を受けているのは、これまでの歴史を勉強して、人類の犯した轍を踏んでいないということですね。
それを国民がわかっているのですね。 スウェーデンでは、1920年に230人中97議席を獲得し、選挙で樹立された世界初の社会主義政党になったのでした。
また、36年には社会民主党が112議席を獲得し、その際に大蔵大臣になったエルンスト.ウィグウォッシュが舵を取り、公共事業の拡大、輸入抑制、雇用拡大をし、景気回復をもたらしたのでした。
しかし、それだけではなく、戦前戦中においても見事なかじ取りを政権党が行い、労使関係の調整、労使関係環境の整備をしていきました。
また、医療、年金、弱者保護の制度的枠組みもこのころになされたといいます。
戦後、戦場荒廃の欧州においてスウェーデンの工業製品の需要が殺到しました。
60年代にはこの国のGDPはOECD加盟国中3位になったようです。
これはなぜか?
スウェーデンが小規模経済であるがゆえに産業構造の転換がスムーズにいったからだとうう説明がなされています。
高付加価値、高生産性、技術集約的産業に転換したのです。
この本を読んで初めて知ったのですが、スウェーデンでは、著名な国際的企業が多くあるということですね。
例を挙げますと、SKF社、エレクトラクス社、アルファラバル社、アセア社、エリクソン社、スウェディッシュマッチ社、サンドヴィッグ社、ボルボ社、サーブスカニア社と多くあるのです。
高負担を国民に強いながら、経済発展を達成する、非常に理想的な政治の姿ですね。
前に、『北欧のエネルギーデモクラシー』において、 「デンマーク工科大学のニールスマイヤーと8名の研究者が、小規模分散型のエネルギー技術を導入するエネルギー政策を発表し、その内容は、地域熱供給を導入することで社会全体のエネルギーを合理的に効率的に利用するということ。 これにより、18%のエネルギー需要は伸びを見せながら、経済成長は70%もの伸びを見せた」という事例を紹介しましたが、エコロジーでありながらも経済発展は可能ということがわかりました。
ということは、一見両立しないと思われていたものでも工夫次第では可能ということでしょう。
人類の積み上げてきた叡智を総動員すれば可能ということではないでしょうか。
それができないのは、評論家や大学研究者の意見を取り入れて政策に反映させる機能が日本には存在しない。 つまり、真の政府が存在しないという日本の政治機構に問題があるのでしょう。
これを改革していくのは、やはりこれからの一般の日本人の価値観と、これから社会をよくしていこうという気概、そして勉強し続け、そしてよいと思ったことに関しては日常生活で行動していくことに求められるでしょう。
模範となる政策を学び、それについては積極的に賛同していく、というスタンスも同様ですね。 このようにスウェーデンについて勉強していくといいことづくめのパラダイスのように思えてきます。
しかし、実際に自分がスウェーデンに足を運んで、実際を見たわけではないので、本だけ読んで称賛するのは慎まないといけないでしょう。
これから可能ならばスウェーデンに足を運びたいなあと思ってます。
裏の面、つまり問題点をも考察していかないといけないでしょう。
当然ながらスウェーデンでは医療、老人介護、児童保護は公共部門で遂行されます。
しかし、それに授かる人の数が多くなれば、必然的に入院日数が短くなる、長い待ち行列、サービスの低下、患者の非人間的な扱い、患者虐待という問題がスウェーデンでも起きているというのです。
その問題点を間然すべく、スウェーデンでは、いろんな財政や医療において改善をする政策を現在模索していることがこの本を読んでわかりました。
その模索がうまくいかなければ、いずれ高福祉高福祉の一部をスウェーデンやその他北欧諸国は手放さないといけなくなるのかもしれません。
こうなるのが必然ということが分かったのなら、私たちがすべきなのは、人に頼らずに、いつまでも健康でいられるように日々努力していくこと。
国に頼らずに自分で生活していけるように金銭面でのコーディネイトをしていくことではないでしょうか。
そのためには、いろんなジャンルの本を読んで、その本に書いてあることを日々実行していくことが大事なのは言うまでもありません。 そういうスタンスをかの有名なロバート.キヨサキは提唱しているのです。
キヨサキ氏は年金プランに加入していない、ということです。
非常に強気ですね!(笑)
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