佐伯啓思 『倫理としてのナショナリズム』

2020-06-04 14:12:32 | 国際社会

この本は日本および、世界的な経済の内容がかなりの程度変容していることを思わせて、読み手の行動の経済に対するスタンスの変容をまで変えないと、自分自身が危うくなることをわからせてくれるのがわかります。

この本は2005年に書かれたものですが、今もかなりの程度、妥当する部分ばかりの本です。

これまでの日本の高度成長期の社会と今は違うのですね。

企業に入って、そこで働いて、年々上がる給料を当てにして企業に対する忠誠心でもって献身的になり、そこで社員たちと友情をはぐくみ、一緒に遊びもし、旅行にも行くということは団塊の世代までの話でした。

それが可能だったのは、アジアア.フリカの国々が産業で勃興していなかったからにほかなりません。

しかし、90年代からのグローバル化の中で、それが可能ではなくなったのです。

これらの国が、台頭してくることで、これらの国からの製品と価格競争をしていかなくてはならなくなったからでした。

それに、現代の人たちは、ほとんど買いたいものを買いそろえてしまい、買いたいものがない時代である事も手伝っているのでしょう。

ゆえに、流行が起こってはすぐに消えて、また別の流行が来てはすぐに消えということが頻繁に起こっているのです。

それの繰り返しではないですか? 経済が安定していれば、終身雇用、年功賃金などは可能でしょう。

しかし、自国よりも安い製品を出す国がたくさん出て来れば、そこと競合しなくてはならず、しかも自国に人がモノを買わなくなれば、雇う側も不安になり、終身雇用、年功賃金などは不可能になるのです。

きわめて不安定な社会に身を置いているのですね昨今は。

そんな中、どのような人が稼げるのかを佐伯氏はいかにあげています。

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   佐伯啓思

消費者の嗜好の多様性や心理の急激な変化に対応できる短期的なフレキシビリティということですね。

過去においては、大学進学の後は、「何を学んだか」が問われる時代であったのが、今は「だれと会ったか」が重要になっているということですね。

知識、情報がいかに大事なことか、ということが問われるからですね。

一般的な知識、情報等誰でも学べるけれども、人のつてによって得れる知識や情報は限られてくるのですね。

このようにお金を得ている人は、かつての企業戦士のように、組織人としての忠誠心や相互的な気配り、チームワークの精神などとは無縁ですね。

そして佐伯氏は、3つの層に分類しています。

第1層は、知的、情報的な操作を行う高度な市場化能力を持つ層。

この層に属す人は、市場の動向をいち早く察知して、自らの行動を市場の動向におわせていく。

きわめて高い所得を持つが、それを失うリスクも大きい。 第2層は、工業社会的な枠組みにある生産者や販売員、組織の従業員、サラリーマン。

第3層はニュープアー、ニートといわれる層ですね。

今、はやりのYouTuberにしろ、情報商材販売者にしろ、数カ月あるいは数日で一気に何百万ものお金を得ることが可能な時代です。

しかし、こういったネットによる流行などすぐに終わりますし、IDが削除されてしまったら、食い扶持がまったくなくなるのですから、注意が必要です。

そんな販売者たちのドキュメントが動画に上げられていますね。 一夜にして何百万ものお金が手元に入り、そのお金でタワーマンションに住むも、いきなり稼げなくなって、引っこしてアパート暮らしなどというものですね。

流行のはやり廃りのスピードが物凄く早いのですね。 そんな経済下においては、家のローンなど組むのはかなり危険な行為といっていいでしょう。

これまでの、階級論を出せば必ず、その階級間の対立が議論になるのですが、昨今の日本のこの階級においては対立がないのですね。

何故なら、どの階級に属していても、衣食住はどれも可能だからですね。 ゆえにならないのです。

これは、日本社会が素晴らしいのか、あるいは逆なのかはわかりかねますね。 論者によって違うでしょう。

前に楡周平という著作家が、2008年以降に起きた派遣切りに対して妥当という判断を下した本を読みました。

そこには、経済がグローバリゼーションゆえに不安定な中で、日本の製品だけを買ってもらえるわけではない。

ゆえに、派遣労働者を切るのは致し方ない、妥当であるという趣旨でした。

そこで、楡氏は、「派遣切りが不当とするならば、その人は日本の製品以外絶対に買わないという気概があり、それを実行できるのならその人のいうことは妥当であるが、それができないなら不当という資格はない」ということを書いていました。

実にその通りですね。

実に不安定な社会にいるわけですから現代は。

そのことを踏まえたうえで、自分の事だけではなく、全体的な視野をもって妥当かを論じないとだめですね。

私も、そのような事態になったらカッと頭に血を登らせないで、それが妥当かどうかを判断し、どう考えても不当であるならば批判するなり、訴訟を起こすでしょう。

しかしやむを得ないというならば、違う仕事を見つけるでしょう。

今の職がいつまでも安定であるという保証などないですから、やはりどんな仕事にでも転職できるように身体的にも肉体的にもタフさを身に着けないことには話にならないのですね。

自分を社会全体から見て、どのような行動をするべきかを考えて、その妥当と思える行動を起こすべきなのですね。

かつてロバート.キヨサキ氏は、「これからは年金に頼っても駄目である。自分でキャッシュフローができる仕組みを作れ」という趣旨の本を書いていました。

それは非常に妥当な理論ですね。

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ロバート.キヨサキ

 

しかし、ならば自身は引退するべきではないかと思われてならなかったですね。

ご自身が、投資をしていくのをやめないならば、それだけパイが少なくなるので、それだけキャッシュフローを作れる機会が減るということですね。

だからやめて引退するべきでしょう彼は(笑)

そして、私が敬愛するこの佐伯啓思氏ですが、この人も教官からは引退されて年金をもらっているようです。

しかし氏ほどの執筆能力のある人はそうそういないのですから、年金などもらわずに、その印税で食べていけばいいではないかと思われてならないですね(笑)

の執筆能力があれば永遠に本を出し続けれるでしょう。

年金の資金が少なくなっているのはいうまでもないです。

その少なくなっている資金から佐伯氏ほどの人がもらう必要はないと思われてならないですね。

因みに、ロバート.キヨサキは年金システムには入ってないで、自分の力で食べていけるようです60歳をとうに超えても。

そのようなこれまでの常識にとらわれない生き方を模索して実行していく時代になっているのですね昨今は。

そんなことを考えてしまったのですねこの本を読んで。

●この本は以下よりどうぞ。

   ↓

倫理としてのナショナリズム―グローバリズムの虚無を超えて

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その他、佐伯啓思氏の本について紹介したページ

 ↓

『ケインズの予言』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474659998.html?1587307248

『アダム.スミスの誤算』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474626068.html?1587118718

『成長経済の終焉』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474439818.html?1586183374

『経済成長主義への訣別』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/451864238.html?1503236769

『さらば民主主義』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/450978583.html?1497756698

『反.幸福論』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/428518819.html?1445833705

『経済学の犯罪』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/426540927.html?1442938996

『西田幾多郎』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/409858456.html?1442739330

『従属国家論』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/421835004.html?1442739703

『科学技術と知の精神文化』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/418149998.html?1442739935

『正義の偽装』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/396634159.html?1442740341

『貨幣と欲望』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/375345171.html?1442740615

『日本の宿命』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/356624758.html?1442740994

『自由と民主主義をもうやめる』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/428055433.html?1445761232

『擬装された文明』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474927977.html?1588728115

『これからの世界を考える人へ』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/475327845.html?1590647929


石橋政嗣 『非武装中立論』

2020-05-25 17:16:45 | 国際社会

 何度か前に、武装非武装かということで、その是非を問い、私は非武装というのは幻想にしか過ぎないということを書きました。

やはり、人類が軍隊や兵器の作り方を知ってしまった以上、全部を廃棄する条約を交わして廃棄したとしても、絶対にその条約を破って軍隊や兵器を作る国が出てきてしまい、その結果、その違約した国が出てきたら元も子もなくなってしまう。

ゆえに幻想にしか過ぎないということを書きました。

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であるならば、何故またそのことについて書いた本について紹介する必要があるんだ、という疑問が浮かんできてももっともですが(笑)、私としてはどんな本でも学ぶべき箇所はあるという信条ですから、その本あら抜粋して、これからの日本や世界の行く先について考える必要はあるんじゃないか、という思いでいるのですね。

それで、今回また紹介したいです。

非常にわかりやすい題名ですね、『非武装中立論』とは?(笑)

この著者の石橋政嗣氏は、旧社会党の党員だった人のようです。

社会党、あるいは共産党というのは、名の通りマルクスの起こした主義を信奉する政党なのです。

マルクスや、その主義を信奉したレーニンにしろ、以下のような信条であったようです。

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   マルクス

 

資本主義国は、国内では需要を賄いきれなくなって必ず他国へ侵略し、戦争を仕掛ける。

しかし社会主義を採択していれば需要を国内で賄いきれるから決して他国を侵略したり、ましてや戦争を仕掛けたりしない。

ゆえに社会党や共産党というのはえてして非武装中立を主張するのです。

しかし、第二次大戦後の歴史を垣間見れば、社会主義国も他国を侵略し戦争を仕掛けているのです。

ゆえにこういった教条主義は説得的でないので、その場その場で自分が妥当と思われる立場を支持する、あるいは妥当と思われることを考え出すのがいいと思うのですがどうでしょうか?

党の党員とはえてして宗教チックで、その党内で掲げられた主義や信条に対しては無批判になりがちで、それらが現状にそぐわなくてもそれを信じて疑わないまま月日が過ぎて、変な団体と外部から思われるようになってしまうのですね(苦笑)。

それは私としては妥当と思われないので、

私は全部の人の意見をくみ取りながら現状に投射して、妥当と思われる党や議員を支持し、その党なり議員に投票するという立場なのですね。

私が敬愛するロバート.キヨサキ氏も、そういう立場のようです。

絶対にこの党しか入れないという政党は存在しないし、その場その場で自分がいいと思った議員に投票するということですね。

その方が妥当ではないでしょうか?

非武装中立の立場の人は、法学者とくに憲法学者に多いですね、日本国憲法9条でそれを宣言していますから。

その非武装中立の立場の人の意見は、日本は自分から他国へ侵略するための軍隊は持ってない。

その軍隊は、他国から攻められたときのための最小限度の軍隊であるというが、仮想敵国の軍隊が大きくなればなるほど、こちらの軍隊も見境なく大きくなっていてしまう。

~という兵器は持たないと宣言していても、軍隊を持っている以上その宣言はいつしか撤回され持つようになる。

戦後にできた自衛隊は名の通り自衛のための軍隊であるというが、戦前の日本の軍隊にしろ自衛のために戦争を仕掛けてあの惨事を招いた。

日本の場合、ほとんどすべてこちら側の侵略によって戦争が始まっている。

第2次大戦終了までの2年間で、潜水艦が3193隻が、航空機の2225隻が被害にあっている。

今の精度の上がった兵器をもってすれば、戦争になればもっと甚大な被害を被ることは目に見えている。

それなのに、なぜ戦争をする準備のために軍隊兵器をもつ必要があるのか?

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食糧の60%、エネルギーの90%を海外に依存している日本が、いかなる場合にも戦争に訴えても意味がない。

軍隊兵器を作り、維持すること自体が資源の浪費であり、公害の元になっている。

そんな道を選ぶよりも、海外と友好な外交を展開する政策や教育を施す方が非常に有益である、というのですね。

至極もっともな議論ですね。

こういった非武装中立論者の書いた本だけを読めば、そちらの方の意見に与してしまいそうになりますし、当初は私もそうでした。

しかし、それでは公平の観点からして意味がないですし、実際、軍隊や兵器を所持することは必要という人の書いた本を読まない限り公平にはなりえません。

その作業をへて私は、所持することを妥当と判断しているのです。

その最たるものとして、PKOと憲法』を紹介しました。

※参考ページ

  ↓

PKOと憲法』の紹介ページ

http://hair-up3times.seesaa.net/article/475227230.html?1590391945

 

先にも書いたように、党員というのは宗教チックな部分があるもので、党内で掲げられていた主義や主張が時代にそぐわない、現実にそぐわないというのを見てもなかなか意見を変えないのですね。

日本共産党は、いまだに軍隊を持つべきではないと主張しているのです。

そのことは賛成できかねますが、しかし、私としては他の政策分野において共産党のいわんとすることには賛成できる事が多々あるので、共産党員に投票することもあります。

そういうスタンスが私は一番だと思うのですがどうでしょう?

自分が心底尊敬する人、あるいはものすごい説得力のある著作家でも、その人の主張することのすべてが妥当とは思えないし、反対しなければならないところはあるでしょう。

やはり完璧な人などいないのですから当然でしょう。

その人のいうことの大半は、賛成としつつ、矯正しなくてはならないところは矯正してもらう、そんなスタンスが望ましいのではないでしょうか?

非武装中立は幻想にしか過ぎないと思っていても、やはり読んでみるとそれなりに妥当する部分は多々あるのです。

ですから、これからの日本の行方を論じる際には、必ず非武装中立論者の意見をきく必要があるのは間違ないのです。

イエスマンだけを、自分の周りに囲いたがる社長に出くわしたことが私はありました。

とにかく、その社長は自分の意見と合わない社員がいると対立し気まずい雰囲気になる。

それに耐えられなくてその社員はやめてしまう。

あるいは気に入らない社員がいると即刻クビにする。

そんなことを何度も繰り返すうちに、還暦近くなっているにもかかわらず、その社長には社員が1人しかいないなんていう茶万じみた例を知っています。

自分に反対する人がいれば、それは自分をより高次に引き上げる判断材料になるということがわかっていないのですね。

資本主義か社会主義かといったら、当然資本主義が妥当でしょう。

91年のソ連の崩壊、それによる世界的な社会主義国の崩壊が雪崩のように起き、今や社会主議国4か国しかない事実を観れば当然そうなりますね。

また、社会主義国は、共産党一党独裁が当然になり、権力の座に就いた人のだれもが無批判になり、それを矯正する手段がないまま誤った政策がとられそのまま経済が崩壊するということは歴史的経験から明らかです。

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こういった事例から、今や国が社会主義を採択するのは誤りですが、社会主義の理念として取り入れる場合、説得的なのはどういう立場でしょうか?

資本主議を中心としつつ、それに社会主義の理念を取り入れるのが妥当ではないでしょうか?

これまで、列挙してきたように、累進課税協同組合というのは社会主義によって創造されたものなのです。

ですから社会主義のものはすべてダメというようには考えないのです。

そういう資本主議を中心としつつ、それに社会主義の理念を取り入れているというのが、北欧諸国の多くの国で政権党になっている社会民主党なのです。

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そのことを忘れてはならないでしょう。

その社会民主党にしろ、完璧ではないですから、そこは心してウォッチングしていかなくてはならないでしょう。

そんな論法をとっていきたいなというのが私の立場です。

●この本は以下よりどうぞ!

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非武装中立論 (1980年) (社会新書〈3〉)

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奥宮正武 『PKOと憲法』

2020-05-22 17:48:52 | 国際社会

武装か非武装か?

これは今となっては不毛な議論かもしれないですが、どちらかに割り切らないといけないときに迷っている人に読んでほしい本ですね。

私は、大学が法学部だったこともあり、いろんな法学者の本を読みました。

宮田光雄、渡辺洋三、小林直樹といった人たちの本ですね。

そこに書いてあるのは、やはり自衛隊は違憲であり、安保は廃棄しなければならないという趣旨の本をいくつか読みました。

そのために、それらの本の影響を受けて、私自身も自衛隊は全部解散させ、安保条約も破棄しなければならない、という意見にいました。

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しかし政治学者自衛隊についての意見をめぐる本を読むことで、その自分の考えを変えていくことになりました。

確かに、憲法で軍隊を持つことは認められないけれども、主権国家である以上は必要である、ということに変わっていったのです。

やはり法学者は、法の順守に価値観のバイアスがかかっていますから、やはりその法文に書いてあることをまず守らせることに使命を向がちです。

しかし政治学者は、国家の全体的な位置を確かめた上で、行くべき道を模索するがゆえに軍隊は必要という結論になるのですね。

ゆえに、意見が平行線をたどってしまうのですね。

であるからして、法学者の人は、軍隊を持つことを是とする立場の人の書いた本を読むべきであるということを、即座に思いましたし、政治学者は、軍隊を持つことを非とする立場の人の本を読んだうえで、両者の意見を汲んだうえで結論を出すべきだと思ったものです。

しかし、法学者のかたは、やはりそれなりに軍隊を持つことを是とする立場の人の書いた本を読んだことはあるのでしょうが、やはり法学者という立場ゆえに、法学に関する情報の方がいつしか多くなり、自分の意見を変えられないのではないか、と思うのですね。

しかし、この本の著者である奥宮正武氏は、その両者の意見をくみ取ったうえで、自分の意見を出しているのですから説得力があります。

この本の中で、いろんな法律に関する論を長々とのせていますから説得力があります。

そういう人であってこそ、本物のの知識人だなと思う次第です。

この奥宮氏の言い分は以下です。

日本は衣食住すべての分野において自給自足などできない。

非武装中立を採択してしまったら、他の国はどこも日本を相手にしてくれず、非常に貧相な生活を強いられることになるだろうということです。

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その生活に甘んることが国民全員が飲むことができるなら、その採択をすることができるがそんなことは不可能ですね。

 

そういう非武装中立の国としてコスタリカが挙げられますが、日本とは経済力や世界的な影響力を考慮に入れてみれば、日本の採択すべき参考にはならないということですね。

また永世中立を宣言したかつてのスウェーデンや、今のスイスですが、これらの国は重武装中立なのです。

これには驚きました。

しかし、これは奥宮氏の意見として妥当性は高いですが、しかし不明なのは、日本のような世界に冠たる大国が非武装中立を採択した結果こうなったというような経験理論がないのですね。

ですから、これがどれだけ妥当するかは確かではないですが、しかしこれまでの研究の結果を考慮すると妥当性は高いといえるでしょう。

非武装中立をすべきであるという法学者の意見をみると、軍隊をすべて解散させて、条約もすべて廃棄した後、他国が攻めてきたらどうするかという質問に対し、攻めるだけ攻めさせよ、ということを書いていました。

これでは攻めてきた国の暴虐の限りをつくさせ、多くの死人が出るではないか、というように思ってしまいますね(笑)

こちらの方の立場の人の理論も経験理論でないゆえに、妥当性を論じることは難しいですが、それでも妥当性は低いと思われてならないですね。

宮田光雄、渡辺洋三、小林直樹といった人たちは優れた法学者ですが、こと軍隊のことになるとどうも説得力がない気がしますね。

確かに、軍隊を持つことによってのマイナス点は存在していることは確かです。

自然環境が壊れる、資源の浪費、軍人による婦女暴行などマイナス点はあることは確かです

よろしいと私が思われるのは、やはり軍隊を保持しながら、それらを良き方向へ変えていく努力を重ねるということでしょう。

その際に参考になるのは、法学者たちの指摘してきた軍隊や条約に関するマイナス点ですね。

それらを参考にしながら議論を進めていくことが重要でしょう。

やはり、人類は核を含めた兵器の作り方を知ってしまった。 ゆえに、全廃条約に調印したとしても、違反する国は絶対に出てきてしまう。 ゆえに全廃はできないのであって、やはり軍隊を持つことは認めなければならないでしょう。

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相手を責めたら自分も殺される、という危惧を持たせることが一番大事であることは言うまでもないですね。

そして戦争に訴えることではなしに、自分の国が良き生活を送るためにいい方法を各国が模索することの方が重要であることはいうを待たないです。

戦争に訴えて得た結果と、戦争を経ないで得た結果の方がいいと思えるような関係を考えて、各国の市民が考え行動していく方がいいということですね。

そういう道も当然ながらこれまで多岐にわたって研究されてきたことはいうを待ちません。

やはり賛成と反対の意見がある場合に両者の意見をくみ取りつつ、中立を最初は決めながら双方の意見をくまなく考えながら結論を出すということが非常に大事ですね。

そういう論法をこの本では展開されていますから参考になります。

この本は234ページで本としては普通の量ですが、非常に奥が深いですし、それでいて読みやすいタッチで書かれていますからどなたにでもおすすめできます。

日本の行方を決めるうえで参考になればということでお勧めします。

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PKOと憲法―国際社会の中で問われる日本

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岡倉古志郎 『死の商人』

2020-05-20 16:54:33 | 国際社会

 死の商人とは、聴きなれない言葉ですが、戦争をする兵器や軍艦などを製造して販売しお金を得る人たちのことです。

これは古今東西いるということですね。

J.Pモルガンは南北戦争時に、鉄砲を製造販売することで大きな利得を得ました。

また、日本の大倉喜八郎は、大倉財閥の始祖ですが、神田にある大倉鉄砲店を開業し、明治期に大きな利得を上げました。

またノーベル賞で有名なアルフレッド.ノーベルダイナマイトの発明で有名ですが、それの販売で大きな利得を上げたのです。

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またシュナイダークルーゾーの社長であるユージン.シュナイダーフランスの兵器トラストで大きな利得を上げました。

そして、サー.バジル.ザハロフは、この本で「死の超セールスマン」として書かれています。

その凄さは、ロックフェラーやモルガンに匹敵するほどであるといいます。

その彼と、機関銃王といわれたハイラム.マキシムが手を組んで、大きな利得を上げました。

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 ハイラム.マキシム

その機関銃は従来の速射砲をはるかにしのぐ性能だったようです。

そのマキシムの会社が、普仏戦争第一次大戦、日露戦争、バルカン戦争等において、兵器や軍艦の製造と販売で大きく儲けたのです。

まさに軍需景気によってですね。

またドイツの会社であるLGファルベンがナチスの宣伝活動、新聞、ジャーナリストや政治家の買収などに投資し、その投資額が数百倍になって返ってきたということを書いています。

またデュポンは、ダイナマイトからナイロンにというように、いろんな分野で製造と販売を手掛けてきたのがわかりました。

プラスチック、ペンキ、マニキュア、塗料、香水、織物、染料といった具合にです。

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この会社はエルテール.イレーネ.デュポンによって創始されました。

しかし、この会社は第二次大戦のときでさえもダイナマイトが25%を占めたくらいだったようですね。

また、三菱財閥は岩崎弥太郎氏が創始したようですが、明治時代の西南戦争時に投資をして資本金の5倍もの見返りを受けたようです。

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これに挙げた、死の商人たちは、いずれも共通点があり、徹底した資本主義の精神で儲けてきた、ということですね。

当初の契約を厳守させ、たとえ商品に欠陥があってもその契約通りに裁判まで使用して払わせたというようなことですね。

大倉喜八郎彰義隊に収める契約だった兵器を、いい値で提案があったということで、政府に売ってしまったということですね。

ユージン.シュナイダーはフランス人でありながら、宿敵であるドイツに兵器を売って侵略主義を助長させたということです。

利益のためなら敵も味方も関係ない、ということですね。

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また共通点として、最初は商人から出発し、それから戦争を経ることで、資本家、そして独占資本に成長していったということです。

これらの商人たちの成長過程の詳しい内容はこの本に書かれていますし、これらのほかに死の商人の例は多く例示されていますし、その詳しい内容について読んでみたい方は、この本を買って読むのがいいでしょう。

このように、戦争をすれば儲かる業界が存在するということです。

その業界の人たちが、政府とつながって戦争を起こそうという意図を読み取らないといけませんね。

そのニュアンスをこの本からくみ取れれば読む意義が非常にあると思います。

その最たる例が、アメリカなのです。

貿易赤字を長年垂れ流し続けているアメリカは、ドルの暴落を抑えるために、無理やり戦争を起こそうとしてきたのです。 それが中東への戦争なのです。

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しかしそんな倫理に反する商売が許されるはずもありませんし、そんな方法で赤字がなくせるはずはないのですし、そのことを認識したうえで、日本人アメリカの意図を読み取らないといけないですね。

歴代の日本の政府は、アメリカに反対することなく付きしたがって来たのです。 それを繰り返さないためにも、一般国民も知的武装をしていかないといけないでしょう。

「戦争と経済」の本質を捉えた本はたくさんありますが、ここでは、この本を勧めておきましょう(笑)

これを読んでわかったのは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオだけが情報の元ではないということですね。

このような本を読んで、重要な知識として蓄えて、それを武器にして知的な武装をしていかなきといけないということですね。

それに現在はネットも発達していますから、そこも情報源にしていくことで、また知的武装になることは間違いないです。

ただし、どの場合においても、玉石混交の時もありますので、それについてはきちんと取捨選択の脳内革命を起こさなくてはならないことも断っておきましょう。

やはりお金にならなくても、いつまでも勉強は続けていってもらいたいものです。

●この本は以下よりどうぞ!

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死の商人 (新日本新書)

 

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K.V.ウォルフレン 『ブッシュ/ 世界を壊した権力の真実』

2020-05-19 16:42:53 | 国際社会

 この本は、ウォルフレン氏の毎度のことながらの、アメリカの政治批判です。

日本の政治の批判ではないからといって読むに値しない本ではないということは断っておきましょう。

地球市民として、脳内に入れておかなくてはならない事柄がたくさん詰まった本であり、それ故にその知識をもっていくか行かないかで、地球の命運が決まるといっても過言ではないでしょう。

周知のように2001年の同時多発テロによって、アメリカのWTCが崩壊しました。

それによって3000人近くのアメリカ人の命が奪われたのです。

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その実行犯であるアルカイーダと、その首謀者であるオサマ.ビンラディンを匿っているという理由でアメリカは、イラクに戦争を吹っ掛けたのです。

ですが、国際政治学を学んだ人はご存じのように、テロを戦争によってなくすことはできないのです。

封じ込めることしかできないのです。

それを承知でアメリカがやった。

政治学の権威であるアメリカがやった。

それはなにゆえにか。

ここが焦点であるはずですが、これは私が敬愛する著作家であるウォルフレン氏も的をついた理由を解明できてはいなかったようです。

一番、的を得た解明をしているのは、リチャード.コシミズであると思いました。

リチャード氏によれば、アメリカの年々積みあがる財政赤字、貿易赤字を放置していたら、ドルが暴落してしまうのですね。

そこへきて、イラクが石油決済をユーロに変えたのですね。

それではドルの需要が減ってしまう。

そこで、「イラクがビンラディンを匿っている」という嘘をでっちあげて、イラクを攻めたのですね。

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そこでイラクを占領して即座にしたことは石油決済をドルに引き戻したということですね。

非常に卑怯ですね。

もちろん、ビンラディンはアルカイーダの人物でもなんでもなく、ブッシュの一族とつながりのある家系であることは今や明白の事実なのです。

その他、石油や麻薬の利権を取り戻すためであったとか、WTCにアメリカが起こした金融犯罪の証拠が隠されていたがゆえに、そこを隠蔽するためにあそこを壊したのです。

もちろん、飛行機が突っ込んだだけであの巨大なビルが壊れるはずもないのです。

それは、物理学を学んだ人ならだれでもわかることです。

あれはビルの内部に、いろんな装置をつけて爆破させたのです。

その詳細については、ネットその他本などで、その詳細を調べていただくほかないですね。 ここでは概念的なことしか話せません。

それであの戦争に突入したのです。

しかし、そこまで分析が及ばなかったウォルフレン氏は、冷戦終結後、アメリカがソ連という大きな敵がいなくなったことで、軍産複合体を維持し活動させる大義名分がなくなったがゆえに、攻める相手を作ったということですね。

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K.V.ウォルフレン

ならばその軍産複合体を縮小すればいいのですが、大きくなりすぎてつぶせななくなってしまったようですね。

その重役たちは、やはり政権と密接にかかわった人たちですから容易にはいかないようです。

それで維持し、仮想敵国を作り、そのために軍産複合体を維持しているということが、ウォルフレン氏の分析であるようです。

その敵国として、アメリカはイラン、ニカラグア、リビア、北朝鮮を挙げているようです。

そしてアメリカでは新政権が誕生すると、各省庁の幹部は総入れ替えになるのです。

日本とは全然違いますね。

その際に、政府が電話を盗聴したり、法手続きなしに市民を管理したり、個人の財産をひそかに取り調べたり、テロリストの者だと判断されれば財産が押収できるようになってしまったようです。

そしてサウジアラビアの支配エリートの統治の仕方は、以下のようです。

人権はほとんど守られてはいないし、学校を通じての反欧米のプロパガンダをやめる努力はほとんどされてないのです。

それがアメリカの利益と分かちがたく結びつけられているのです。

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この地を攻めたり、支配する口実になるのです。

何故、アメリカがあんなにも戦争をしたがっていたかは、戦争と経済の関係について描写した本を読むことでわかるでしょう。

その詳細は他の本に譲りますが、戦争をすることでアメリカが儲かるのです。

巡行ミサイルを1発打つことで、100万ドルが入ってくるようです。

また、アメリカの巨大建設会社べクテルは、イラク復興で数億ドルを儲けたということです。 このように戦争をすることでアメリカが儲かるのです。

ましてや、貿易赤字によってドルの需要がちいさくなっている現状においてはなおさらアメリカは戦争を吹っ掛けたいのです。

しかし、それだけでは間に合わないからこそ、日本にドルの買い支えを迫っていたのです。

それに日本の為政者たちは容易にのんできてしまったのですね。

またグローバリゼーションは貧しい国々がいつまでたっても物質的な幸福の最下層から抜け出せないシステムであることは間違いないです。

IMF世界銀行の構造調整プログラムはアメリカが競争に直面せずにお金を手に入れることが出きるわけで、外貨を吸い寄せ富裕層が投機バブルに金をつぎ込むシステムです。

他国との金融関係や政治関係も操作しているのですね。 しかし、この分析も当たっている部分も大きいと思います。

こういったウォルフレン氏の分析は、リチャード氏の講演やブログや本を読むことで更に深まり納得のいくものに変わると思います。

ウォルフレン氏は、ベンジャミン.フルフォード氏とも対談集を出しています。

やはり世界観が似ているからこそ対談集を出すのでしょう。

そのベンジャミン.フルフォード氏リチャード.コシミズ氏は対談集はもちろん、一緒に講演を何度もおこなっているのです。

やはり、立場が脱米ということでも一緒、のみならず世界観も一緒なのでしょう。

ならば、ウォルフレン氏のファンは、そのリチャード氏の本を読むなり、ブログを読むことをお勧めします。

やはり何事も、1冊の本だけで真理に近づくことはできないのです。

ゆえに複数の本を読み併せることで、それが叶うのです。

ダイエットも、それに関する本を20冊くらい読んで、初めて成功に近づくといわれたことがありまして目の覚める思いがしたものです。

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もちろん読むだけでなく行動もしなくてはならないのはいうまでもありませんが(苦笑)

こういった本の読み併せによって確かな世界をみる脳を養い、そして世界市民としてなすべきことが浮かび上がってくると思うのです。

片務的な知識だけでなく、いろんな面から情報を矯正し、確かなものに変えていく努力を怠ってはいけないでしょう。

その一面として、といってもかなりこの本は分厚いですが(300ページ超)、読むことで確かなものに変えることができると思います。

そんな世界観に共鳴できる人にはおすすめです。

●この本は以下よりどうぞ!

  ↓

ブッシュ/世界を壊した権力の真実

その他、ウォルフレン氏の本についてレビューしたページは以下です。

   ↓

『いまだ人間を幸福にしない日本というシステム』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/404153213.html?1442740078

『日本に巣食う4つの怪物』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/411025348.html?1442739448

『アメリカからの独立が日本を幸福にする』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/416108583.html?1442739522

『偽りの戦後日本』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/419390846.html?1442739842

『アメリカとともに沈みゆく自由世界』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/403562125.html?1442740154

『この国はまだ大丈夫か』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/403116925.html?1442740217

『怒れ!日本の中流階級』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474007969.html

『年収300万円時代 日本人のための幸福論』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/376743327.html?1442740414

『独立の思考』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/369324554.html?1442740685

『快傑ウォルフレンの日本ワイド劇場』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474352719.html?1585742051

『日本という国をあなたのものにするために』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474704991.html?1587528849

『民は愚かに保て』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474836111.html?1588163649

『アメリカを幸福にし、世界を不幸にする不条理な仕組み』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/474944528.html?1588731312

『支配者を支配せよ』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/475035819.html?1589182011

 

 

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