矢野暢 『日本の南進と東南アジア』

2019-05-12 22:21:45 | アジア経済

この本は、75年にかかれたものですが、非常に興味深い思いにさせられました。

やはりどんな本でも、学ぶものは多数あるのですね。

本を読むたびにそう思います(苦笑)

この本が書かれた時代前後には、東南アジアはどのように書かれていたか、どのような認識下にあったのか、がわかり好奇心が揺さぶられました。

明治期のアジアは、「理のない世界」ということを書かれていたそうですね。

「理のない世界」とは、猟奇の世界、奇習の世界ということですね。

ゆえに、侵略しようが征服しようが構わない、という認識だったようです。

ゆえに、東南アジアへの日本の政策はふしだらだったようです。

猛獣、毒蛇、裸の土民を連想し、ひどく不潔な土地柄を想像してしまうのが当然でしょうね。

今もそうですが南北という図式があり、は先進国、は途上国というように分けられてました。

南には、技術も文化も文明も存在しない、資源は豊富にあるが、ということでした。

旧帝国大学の系譜でも脱亜的風潮が闊歩していたようです。

しかし、SUPER JUNIOR、東方神起、少女時代といった今の韓流ブームを垣間見ると、時代の流れには驚くばかりですね。

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こういったアーティストは、日本のアーティストですらも達成しえなかったドーム公演まで成し遂げてしまうのですから…。

今も噂などの例からわかるように、当時の東南アジアの知識は、口承によるものだっただけに不完全、不正確、感情的なものにとどまっていたようですね。

これは心しないといけないでしょう。

異質文化の尊厳への敏感な感受性を取り戻すべし、ということでしょう。

並ながらこういった議論は大切という気がしますね。

20世紀中期東南アジアは近代化に着手しましたが、すぐに疲弊しました。

冷戦的な国際関係に寄生することで、政治的安定を獲得し、政治的近代化の目算を建てられたのだと、この本の著者である矢野暢氏は分析しています。

当時もいまも、日本は東南アジア産の食糧、農産物、原料の大口購入者です。

東南アジアの外交政策、決定過程が非常に閉鎖的で外交政策がごく少数の実力者による決定だったようですね。

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今もそうでしょう。

やはりアジア諸国の風土は政治的にも経済的にも困難である、ということは幾冊もの本を読めばおのずとわかるようになります。

気候がかなり暑い、過酷な土地柄や気候、識字率の低さ、それゆえの教育の不徹底、多言語によるコミュニケーションの不円滑性…こういった事が障壁になって経済発展が難しいということですね。

これは政治でも同様でしょう。

そういったことの詳細についても深く広く勉強していくことの重要性は誰もが認識しないといけないでしょう。

アジアの国の裕福な民族に生まれた人であれば、日本や欧米の先進国の言語を習得し、それらの国を対象とした機関や商業施設で働き大金を稼ぐことができるようになりますが、そうでない人たちは大金を手にすることは難しいですね。

所得の格差が広がってしまうのですね。

ですから普段何気なく行っている海外旅行でも、自分がそのアジアの国にいくことでどのような現象(経済的なものが主)が起きるのかといった事を考え探求しないといけませんね、理屈っぽいですが…(笑)

でもそういった事は重要と思うからこそ私はこの場で書いているのです。

矢野暢氏東南アジアの人々の発想や、思惟を縛る法則を学ぶことで円滑に思考することができるとしているのです。

日本人は東南アジアをいまだ性悪と規定し、場末と考えていると不満を書いています。

それに東南アジアは、多様性であることを心の前提にすることがいいでしょう、そのことを矢野氏も書いています。

「特定の地域に焦眉の課題性、あるいは病理をみる事こそ前提にするのがいい」と研究を重ねられた学者ならではの奥深い理論を展開されています。

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日本のような多民族でも、多言語でもない国においてはそういった障壁がないですが、いつも不参加であるとか、政治に関する無関心の人が多くなっては、このようなアジアでの障壁と同じことが起こるとまでは急進的なことは言いませんが、そのマイナス点については認識しておかないとダメでしょう。

こういった事を読むと、やはり政治参加をすることの重要性を今も認識する必要があるでしょう。 こういった国では、多民族、多言語といったことが障壁になってコミュニケーションが円滑にならないのですね。

ゆえに統治もスムーズにいかない。

こういった障壁のほとんどない日本を含む先進国は、そういった国々に対する理解力を持たないといけないでしょう。

全体的な構造的な把握が大事ということですね。

こういった国々の社会学、文化人類学、心理学の勉強はもちろん、伝統的なコミュニケーション機能が、国の近代化を左右すると矢野氏は書いていますが、その通りでしょう。

それを歴史的に古くさかのぼって背景を探る必要性、政治構造の成り立ちについての政治社会学的な分析も必要とまで書いています。

タイの政治についても造詣のある矢野氏によれば、文盲率は5割から2割に当時少なくなっていったようですが、やはりそれでもそん状態では政治的には良くないでしょう。

西洋的な政治観で言えば。

それゆえに、無断工作の敢行が存続していたようですね。 政治哲学は効率的に縛りえなかったということですね。 ゆえに、強権的な制度的措置が有効だったようですね。

アジアは概して、カリスマ的な英雄が出て専制支配的政治文化が育つのが当然のようですね、それが今も存続しているのが現代でも同様でしょう。

軍部独裁ですね。

しかし、これは先進国の目で見れば、けしからなく映るでしょうが、これも精神国風に作り変えるべしなのかどうかは誰にもわかりませんね。

こういったアジア社会のこれからの展望に対して、実に考えさせられる問題ですね。

研究の余地がかなりの程度ですがありますね。 文盲率にくわえ特殊方言しか話さない民族が多い、ゆえに選挙が難しい。

制度的尊厳が認識されていないがゆえに、選挙権なし、そしてボイコットする反体制集団の勃興、そして不正選挙などの横行…こういった事を均すには多大な困難が待ち構えていることは明白ですね。

地球市民として考え探求していきましょう。

●この本は以下よりどうぞ!

   ↓

日本の「南進」と東南アジア (1975年)

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小此木啓吾 『モラトリアム人間の心理構造』

2019-05-12 17:47:12 | 心理学

この本を読むと、人間の心理というのは環境によって変わってくるということ、そして、そのことを踏まえたうえで、これから親になろうという人や既に親である人もこういった心理学について学び、そして子のしつけや自分に対する教育を施していかないとダメである、ということを認識した次第です。

この著者の小此木啓吾氏は、かねてより「モラトリアム人間」という独自の造語を作り、その定義する内容が多くの人に説得的に映り、センセーションを巻き起こしたようですし、今の現代人にとってそれの認識すべき重要性があると思わせたのでしょう。

昨今では、政治学者である白井聡氏「永続敗戦レジーム」という言葉がセンセーションを巻き起こし、この人の本が多くの人を捉えているようですね。 モラトリアム人間は、国家や社会や会社というものに対して渾身的に自分の人生をかける人が少ない、ということですね。

5から10年くらいの人生設計しか考えていないのですね。

結婚と就職以上の具体的な展望も考えていないのですね。

自と公、生と死、こういったことに具体的な答えを求めようともしない。

既存社会に順応しながら内的には抵抗観を抱き、結局は国家、社会には斜めの関係を続け、自己中心的な人間になるということですね。

学生運動、ストライキ、駆け落ちといった激しい自己主張がないということですね。

こういう人間は、モラトリアム人間という言葉を初めて上梓した『モラトリアム人間の時代』が書かれた78年以前には少数派であり、そういう人間がどんどん増えてったのをまのあたりにしたゆえに、急遽そのことを書かずにいられなくなったのでしょうね。

これはやはり、経済的な豊かさゆえにそうなるのはやはり必然でしょうね。

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環境変化によって、こういったモラトリアム人間の人間は増加していくのですね。

しかし、その増加がいいことであるとか、悪いことであるとかいった価値判断は、小此木氏はこの本でも他の本でもしていないのですね。

やはり科学は、できるだけ相対的にもの事を眺めて、そのうえでいくべき道を探すべし、ということでしょうか?

しかし、こういった本を読んで、どのような道がいいのかを思った人は、自分が望ましいという道のために、日々行動していかないとだめですね。

もしも、モラトリアム人間の増加していなかった以前の社会が望ましいとするならば、その以前の社会の悪しき点もやはり列挙しないといけないでしょうし、また逆にモラトリアム人間が多い社会の良き点もあるはずですから、その点も同時に列挙しないといけないでしょう。

小此木氏は、やはり相対主義を勧めているのでしょうか。

望ましい主義でしょうか。

やはりかなりのカリスマ的な人間の出現を待たねば、モラトリアム人間の増加しているしている社会においては、逆戻りすることはできないとみるのが常道なのでしょうか。

そんな気がしますね。

しかし問題点を浮き彫りにして、その点を読んだ人が認識し、それを良き方向へもっていくように行動するのが望ましいとするならば、やはりモラトリアム人間の欠点を認識する必要がありと、小此木氏は考えたからこそ、こういった本を多数上梓したのでしょう。

人間は、成長するにつれて、新しい自分の生き方、価値観、社会的役割を身に着け、自己変身せねばならないものです。

その過程で親が、挨拶、しかり、忍耐といったものを教えないといけないのはもちろん、そういった行動を自分であらわさないことには、子は健やかな精神を身に着けることもできないでしょう。

こういった事をするとやはりうるさがれるのは必至ですが、その反面、社会に出て行くに際し、重要な「制限」を認識することができるのですね。 自分という個人を尊重し、社会や人民との調和を教える必要があるのは当然ですね。

やはり親自身が苦労をしないといけないのですね。 それを身をもって体現しなくてはいけない。

しかし、父親が大学教授や医者、芸術家といった一般サラリーマンとは違う、1日中家にいて稼げる稼業についている場合そういう健全な精神を子供が身に着けるのは大変なことなのですね。

「親が楽して生きている。なら自分も楽して生きていきたい!」というような世界観を子供が持ってしまうのは必然ですね。

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私が中学校の頃、男子生徒で親が大学教授の人がいて、いつもかったるそうな顔をしていました(笑)

その男子生徒は、まじめに生きることがバカバカらしくなり、何をやっても途中で放り投げるのが常でした。

親からの遺伝で、やはり偏差値は高く、70近い偏差値の高校にいったにもかかわらず、どうしてもそういう世界観から脱することができずに、高校1年で退学してしまったようです。

この子に限らず、親が大学教授ゆえに、「親が楽して生きているのに何で自分は頑張って生きなくてはならないの!」という世界観から抜けれずに、退学してしまうパターンはおおいですね。

SOHOやネットビジネス、ネットワークビジネスなど、出勤せずとも稼げる職業がこれから多くなるでしょうから、そういう職に就く人は、子がそうならないように、家で仕事をするのは家でなく、ファミレスや喫茶店でするようにしましょう。

そして、普通のサラリーマンと同じ時間に家を出るようにしないとだめですね。 そうでなくては、「親が楽しているのに…」という世界観を子供が抱いてしまうからですね。

しかし、大学教授やそういった職業についている人からすれば、「私は決して楽などしていない。自分にはすることが山ほどあるから仕方なく家でしているんだ!」という反論が出そうですが、その通りですね(笑)

しかし、家で滞在していることで、子供はそういう誤解をしてしまうのですから、サラリーマンが家を出る時間には自分も家を出て、子供が登校した後に家に帰ってくるのがいいでしょう(笑)

やはり、そういった科学的な分析、この本では心理についての分析をしているのですから、そういった事を学んでいく必要性は大いにあるのではないでしょうか?

心理学は、精神分析学者や精神科医だけが読めばいいのではないことは明らかでしょう?

また、現代のモラトリアム人間に対する警鐘として、以下のことが書いてありました。

モラトリアム人間の時代以前は、困苦欠乏に耐え、思い通りにならない多くの現実に対する敬意の念を多くの人が持っていたのは事実でしょうね。

戦争時代には「欲しがりません勝つまでは」だったのが、現代では「もっと欲しがってくれ」というように変化しています。

過保護に育てられた人は、傷つきやすく依存攻撃反応をするのが通常になってしまっています。

機械化によってあまりに短絡的にもの事が進むゆえに、その構造についての考察がなく、しかも自己の行動の結果に関する判断や予測の能力の欠如が目立つ、ということですね。

これは、個人の資質によって変わてくるのですが、それは現代の機械化の趨勢によって進んでしまっているのでしょうか?

またテレビ、エアコン、航空機、自動車など人工的な環境に当たり前になっていると、生きる上で、従い、戦い、打ち勝つべき自然というものについて生活感覚を失ってしまっていると看過しているのです。

これは現代人の誰もが心すべきことでしょう。 そういった自然的な感覚を失ってしまっていては、人の痛みも解からないで終わってしまうでしょう。 そういう環境に溢れた都心よりも、そういったものが少ない田舎の人たちの方が人情に溢れているのは明明白白ですね。

そういった面で、自分を客観的に観るためにもやはり心理学の本を読み、日々行動すべきことは行動していかないとダメでしょう。

そのことを認識していきたい人はこの本を是非とも手に取って読んでいただきたいですね。

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モラトリアム人間の心理構造

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堺屋太一 『千日の変革』

2019-05-04 15:29:25 | 日本経済

 この本は、日本が膨大な貿易黒字積み上げていた当時、どのような対応をすべきか、ということを論じた本ですし、非常に今も示唆に富む理論が盛り込まれています。

全世界での輸出の5%を占める黒字を計上したのは、28年のアメリカと80年のサウジアラビアだけといいます。 

その2つを上回る規模の記録を当時の日本はしていた、というから驚きです。 

この事実を垣間見させていただくと、日本を学歴社会に仕立てあげようとした日本の為政者たちの思惑が功を奏した、というような気がしますね。

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日本は資源小国であるがゆえに、資源を輸入してそれを基に製品を作り、それを対外に輸出してお金を儲けることでしか生き残ってはいけない。

その物づくりには大変な技術がいる。

その技術のためには、物事を科学的に分析して抽出する理論がいる。

その技術を得るためには、多額のお金がいる。

そのために、メーカーのみならず、省庁や大学からお金を出してもらう必要があります。

そのためには、国民が必死に働いて税金を納めてもらい、そして誰もが子弟を大学に行かせて、そこでもお金を出してもらう。 それによって莫大な金の出資が可能になったのですね。

それがまさに功を奏した、と私は見ているのです。

しかし、大学に出す授業料は、それに見合った額ではないのは明白です(笑)

1コマだいたい3000円くらいの額になりましたが、そんなに高額でもそれに見合った額であるとはそうそう思えませんでした(笑)

私は文系の大学でしたが、理系の大学ならもっとするでしょう。

1コマ4000円くらいに理系なら吊り上がるでしょう。

そんな値打ちは…ないでしょう(笑)。

そう思う人は私のみならずいろんな人がいて、現代の大学の効用度をパーセンテージにした人がいて、その割合は5%ということでした。

それが正しいかどうかは、人によって賛否のわかれるところでしょうが、大体あっているのではないでしょうか。

この厳然たる事実をみて、大学への進学云々は考えるべきでしょう。

その当時のアメリカは完全に貿易赤字でした。

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毎年千数百億ドルの赤字でした。

それのみならず、2000億ドルの財政赤字でした。

それに、民間負債も85年当時170%にも及んでいたようです。

これでは国内が上手く運営できるわけはなく、資金不足のみならず理論の不足でしょう。

アメリカの国民教育の重要性も説かれなくてはならないでしょう。

国内の需要に見合った供給力を持つように努めるようにアメリカがしなくてはならないでしょう。

それを怠り、為政者たちが私腹を肥やす金融論だけが発達していたのが当時、および昨今のアメリカといっていいでしょう。

決して当時かまびすしかったジャパンバッシングだけでは解決にはならないですし、ジャパンバッシングも一部だけ正しいのであって、すべては受けいられる性質のものではないのですね。

輸出の膨大な伸びは、日本だけに原因があるのではないのですが、その原因を日本に求めるべき点があったのは確かでしょう。

16から23%の貯蓄率が80年代の日本にはあったのは凄いことですね。

しかし、当時は設備投資が停滞し、物財需要伸び悩みそれが海外への輸出に向かてしまっていたのですね。

そこでいろんな策がとられたのは言うまでもないですね。 アメリカ市場にかわる市場を提供するということですね。

円高ドル安誘導もその1つですね。

話がそれてしまいましたが、これだけの貿易黒字を堆積した日本が岐路に立たされたのですが、そこでは近視眼的にならずに、広い視野に立って議論を進めていくことが必要でしょうね。

これは、自分の問題としてとらえる必要があるのです。

貿易関係に従事している人や、政治家や官僚、総理といった人たちだけの問題ではなく自分の問題として捉える必要ですね。

何故なら、海外に輸出することで自分の生活が成り立っているわけですから日本は。

ただ輸出すればそれでOKではなく、その後どのような対応をしていくべきなのかを、情報を集め、そして行動していくのが大事なのですね。 必ず問題点はおきます。

その問題点を見つけるには、やはりこういった本を読まなくてはいけない。

だからこそ学生はいっぱいこういった本を読まなくてはならないでしょう。

そのモラルに、この本を読んだ大学生時代と今でも何ら変わりはありません。

こういう貿易黒字を計上していく日本において日本人はやはり海外とくにアメリカ製のモノを率先して買うべきなのではないか、そんなことを思ったのです。 当時の総理大臣だった中曽根康弘氏もテレビに出てアメリカ製品を買うようにアピールしたといいます。

また邱永漢氏も、率先してアメリカ製品を買うと氏の本で書いていたのを思いだします。

また出雲市長をつとめた岩国哲人氏も、アメリカ産の木材を輸入して、省庁の建物を作る材料にしたということを氏の本で読んだことがありますね。

こういった行動に駆り立てさせるためには、やはりいろんな本に接することが大事なのですね。

仕事に頑張る…結構なことでしょう。

しかしそれだけでは良き社会を作ることはできないのは明白です。

確かに、日本国民がアメリカ製の製品を買うという行動だけでなく、売るアメリカ側も対応すべき点があるはずですね。

それは、ただ作ればいいというアメリカのメーカーの粗悪な経営状態を指摘したビル.トッテン氏の本などをここで紹介してきました。

また円高になっても外国製品の値段が安くならない、という日本の制度についても批判が内外からあったのも事実です。

こういった市場提供によって2%の輸入増加があったようですが、それだけでは不均衡の是正は無理とまで言っているのは、この本の著者である堺屋太一氏ですね。

壊滅的打撃が日本にないとダメだそうです。

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しかし、それが2010年の3.11東日本大震災によって叶いました。

それ以降、4年連続で貿易赤字を計上しました。

そういったいろんな議論を摂取し、吟味を重ねながら日本国民も行動していく必要があるのでしょう。

その他、石油の輸入増加、公共投資といった方法を提示していますが、どれも決定的な方法にはならなかったのですね。

しかし慧眼の堺屋太一氏の論ずるところでは、日本は工業においては大国ではあるけれども、工業以外のモノの生産や流通、消費のあらゆる面で最適ではない、ということを言っているのです。

確かにそういう面で当たっていることはあるけれども、これだけ末端消費材があふれているにもかかわらず流通、消費の面で最適ではないと書かれると、えっと思わざるを得ないですね(笑)

確かに、日本は住居が狭いために、買えるものも買えないままでいると指摘したレスター.サロー氏の言葉も想起させます。

そしていろんな流通経路でものが流れてくるがゆえに、本来の値段よりも大幅に高くなっている、と指摘したウォルフレン氏の言葉も浮かび上がります。

しかし2000年代にインターネットが、大幅に国民に浸透し、今やだれもが1台持っている携帯.スマホでもモノが買える時代ですから、その部分では堺屋氏の不満だった部分はどうなったかを詳らかに論じた文が読んでみたいですね。

ただ、人口の東京一極集中によって、また建築件数の諸外国に比べて物凄く多い建物によって土地や家賃の高騰によって経済大国にふさわしい物財の堪能が出来ていないというのも当たっているでしょう。

そして物財のみならず、サービス部門での経済的な増強も推しているのです。

そうですね、確かに物財を買うことだけではいつかは行き詰ってしまいますからね。

その詳細については本書を読んで確かめていただきたいですね。

●興味を持った方は以下よりどうぞ。

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千日の変革―日本が変わる社会が変わる (PHP文庫)

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小尾敏夫 『ロビイスト』

2019-05-01 15:42:28 | 政治学

この本は、アメリカロビイストといわれる人たちの生態を詳らかにしていますが、それが凄い勢力となっていることをこの本を読んで知りました。

警戒すべきは、ウォール街の動向だけではないのがわかりました。 この人たちは、自ら選挙でバイパスしながら、ワシントンの政官界を牛耳る1大勢力になっているのですね。

全米商工会議所は議会対策として、ロビイング、法案作成、選挙支援をおこない、審議の膨大な法案の半分以上はロビイストが作成するまでになっているんだそうです。

会員から50万通の手紙を集め、賛成する議員、反対する議員を色分けし、後者に集中砲火を浴びせるのだそうです。

地方支部や態度未決定者の地元に、情報流しておくのだそうです。

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産軍複合体は、政府が唯一の市場であるために、食い扶持を得るために、世界のどこかで戦争を越させる必要があるのです。

ゆえに、戦費肥大の一方、ペンタゴンは軍需産業で潤い、天下りの天国であるそうです。

こういった事の増長にもロビイストが1役買っているのは言うまでもないですね。

日本へのコメ輸出にしろ、日本からの日本酒輸入にしろ、ストップをかけさせるようにロビイストがどのように働きかけて、どのような結果になったかという裏の歴史をこの本で初めて知ることができました。

これはもともと、アメリカ社会のために発足したものであったはずですが、これがエスカレートして、いつの間にか、その行動をすることが自己目的になってしまっている観は否めないですね。

日本においても、医師会、建設、農林団体が選挙母体になっているパターンは珍しくないないです。

票田のお世話になるのですね。

特定の業界と結び付き、政治資金になるのです。

その見返りとして、予算補助金要求、陳情の圧力を官庁にするようなことはよくあります。

こういった人情めいた話をきくとそれでいいのか悪いかは、そのパターンによりますし、一概には判断つけようもないことはよくあります。

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しかし、ことロビイストのパターンにしろ何にしろ、自分のやっていることがあまりに自己目的化していくと、全体の政治を見るのに片手落ちということになりがちですね。

そうではなく、政治に自分の身や時間をささげることは、マクロ的に考えてどのような反響を生むか、どのような意義があるのかを吟味しながら行動していくことが大事でしょう、何よりも。

そんなことを目覚めさせてくれる本であるなと思いました。

●参考までにこの本をどうぞ!

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ロビイスト―アメリカ政治を動かすもの (講談社現代新書)

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