加賀乙彦 『現代若者気質』

2020-05-27 21:06:41 | 思想

 この本は、昭和49年が初版といいますから、かなり古い本ですね。

しかし、この本が書かれたのは、戦争が終わってから30年近くが経っていた時のころですね。

この時代の大学生を中心に若者というカテゴリーに入る人たちの生態をつぶさに観察し、それに意味づけを与えているのがこの本ですね。

もちろん、この著者は大学の教授です。

ヒッピーだとか、レトロな喫茶店だの、アイスクリームだのといった、当時に生まれて、しかもこの著者が若い時分にはなかった文化の出現を目の当たりにし、それを批判的に論じるのではなく、しばらく観察したうえで、自分の若いころの精神性に通じるものを捉えながら、論じているのですね。

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確かに、この著者の若いころに比べて、弛んでいるのは致し方ないでしょう。

戦争というとてつもない厳しく辛いことを経験しなかった世代に、そんな厳しさを求めるのは酷というものでしょう。

そういった一連の作業の中で、当時の若者たちを肯定的にみているのがよくわかりました。

変化は必然であるというのは科学を生業にする人間ならば当然のこととして見做さなくてはならないのは当然です。

不変なものはないというのが不変であり、普遍なのですね(笑)

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それのみか、厳しい時代を過ごした人が必ずしも、すべての分野で優れているかというとそうでもないです。

私は大学生時代にかなり厳しく自分を戒めてきて、本をかなりの数読みましたし、講義もすべて出ました。

だからといって、後世に残すような研究が出せるかというとそんなことないですし(笑)、そんなに講義に出なくてもきちっとした理論を出せていた学生もいました。

それに、大学の講義にほとんどでなくても、卒業後かなりの営業成績を出して、ものすごい稼いでいる人もいます。

ゆえに、苦労してきたから必ずしも、凄いかといえばそんなことなく、人の能力を測る1手段でしかないのですね。

そこをはき違えてはならないのですね。

こんなに講義に出ない人ばっかりで、この人たちは社会に出て大丈夫なのなどと思いましたが、それは杞憂に終わっています。

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必ずしも全部大丈夫ではないですが…。

不変でないことが不変であり普遍であるということを前提として、その意味内容を探り、そこに意味付けをして、よからぬことと思ったら変えさせ、良いと思ったらそれをほめてさらに向上するように仕立てる、こんなスタンスがいいのではないでしょうか?

即刻に、すぐこれは自分たちの時代にはなかったからといって否定するのはいけないし、その人の人格を否定することになるからですね。

しかし、私は逆境に負けない主人公の漫画なり、小説なりを幼少時代に読んできた手前、どうしても村上春樹のような小説家の書くモノは好きになれなかったですね(苦笑)

また、意味不明な歌詞を歌っているビジュアル系バンドの音楽も好きになれなかったですね。

以上です。

●この本は以下よりどうぞ!

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現代若者気質 (1974年) (講談社現代新書)

 

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