ヒューマニズムとは、人によって定義は違うでしょうが、私なりに定義づけすると、人がどのように生きるべきか、人や社会とどのように関わるべきか、そして行動していくべきかを探求していく学問としておきたいです。
その私見を書いてらっしゃるのがこの本ですね。
この本の著者である式部久氏は、私にとって初めての著者ですが、非常な感銘を受けました。
ヒューマニズムという言葉から想起されるように、いろんなこれまでの哲学者、思想家を勉強していらっしゃって、その内容について描写していらっしゃいますが、単なる受け売りではなく、自分がこれまで経験してらしたこと、考えたことについて吟味に吟味を重ねて出した経験理論を書いていらっしゃるので非常に感動しました。
知識人としてのあるべき姿を単元していらっしゃるなと思いました。
ゆえに、この式部氏のこのほかの本を読みたくなって検索をかけるも、この本しか出てこないのは残念でした。
私が大学受験の勉強のために通っていた予備校の国語の先生で非常に社会全般に造詣が深い先生がいまして、2人とも大学でも教鞭をとっている聞きまして、あとになってその2人の名でネット上の本屋で検索をしても2人の名は出てこないのですね。
本を出してらっしゃらないのですね。
非常に残念至極でした。
それと同じように残念でした。
人と接するにはやはりきまりがないといけませんね。
会社であろうと学校であろうと、その他いろんな組織の中で生活するには、規則がないと前に進めません。
やはり私にとって、その内容については幼少のころから関心事でした。
その疑問に答えてくれるものがこの本に書いてありました。
ドイツのカントを引き合いに出されています。
「意思が自分で自分に対して立てる法則に基づくものでなければならない。
つまり、各人は自らが立法者であると自覚しなければならない。
各人が自ら立法者として普遍的な法を自分に課すること、あるいは普遍的な法に自律的に従うことによって理想の社会が可能になる。」
と共感の意を表しています。
また、ソクラテスを引き合いに出して、
「吟味のない生活は生きるに値しないとソクラテスはいった。
吟味がすなわち哲学なのである。
単純な命令文だけからなるものではなく、何らかの理由を付したものであろう。
自らが良いと判断したところに従って生きるとは、自分の主観を満足させれば、良いということではない。 お互いに喜び合える世界を作ることが必要なのである。」
というところは非常に共感のできる場面であり、この本を読んだかいがあったと心から思った瞬間でした。
まずは最初に先人の言った事を素直に受け入れて行動する。
そしてそれが本当に良いものであるかどうかを考え、試行錯誤して答えを出し、そこから良かれと思った事については、そのまま行動し、いけないと思った事については変えなくてはならないということですね。
それはやはり守破離ということですね。
どんな道にでもこの姿勢は大事ですね。
それをこの著者は体現していらっしゃるのですね。
昔、『愛の貧乏脱出大作戦』という自営業の飲食店で全然儲からない店の店主が、売れている飲食店へ修行にいき、そこで習ったノウハウを自分の店で展開する、という番組がありました。
それは全部で180店舗以上の店が展開されましたが、今も営業を続けているのは50店舗足らずのようです。
それは、閉店してしまったお店は、売れている店の模倣をしているだけで、更に自分でできることはないか、自分でできるメニューはないか、自分ができるサービスはないかという情報摂取を店主が殆どしないからですね。
逆に今も営業できているお店は、やはりそういう積極的な情報摂取を自分からして、それを行動に移しているからですね。
勿論、売れていた修行先のお店の店主や社長も、日々研鑽を重ねて、更なる新メニューの開発やサービスの向上やマーケティングの促進に力を入れていますね。
一度売れている日々があったからそこで終わりではないのですね。
この例からもわかるように、常に向上心をもって勉強に励むことが必要なのですね。
何も自営業者でなくても。
大学なり高校なり、最終学歴が終わったからとてそれで勉強は終わりではないのです。
まして、偏差値の高い大学を出たからとても勉強は終わりではないのです。
家族や友人や職場の人間関係はもちろん、自分の勤める会社のこと、社会全般のこと、いろいろな分野にわたって、これでいいのかどうかを常に考え続け、探索し続け、吟味をして変えるべきものは変える必要があるでしょう。
そのためにはいろんな角度でモノを観ないといけないですね。
本を読むなり、人と対話をしたりといった具合に。 それも本を読むといっても、2冊や3冊読んだだけで足りるものではないのは言うまでもないでしょう。
何百冊も読まなくては。
それでも足りないかもしれないですね(笑)
だからといっていつまでも情報収集だけして、行動にできないのではだめですね。
いつか必ず割り切って裁断を下し、行動に移さなくては。 それが間違った結果をもたらしたら、そこは素直に間違いを認めて矯正しなくてはいけません。
宗教に入ってそれで満足し、そこで学ぶことだけで満足してしまう人は警戒が必要です。
確かに、宗教で学ぶ内容には慧眼モノのことはよくあります。
しかしそれだけでは足りないですね。
もっと多角的にみないと。
宗教にぞっこんになってしまう人は、文字嫌いな人がほとんどですね(苦笑)
ですから、そこではなされることや書かれている内容を読むなり聴くなりするだけで精一杯で、それが本当に正しいのかどうか、他にもいい内容のものはないのか、といった探究心がないのが通常のパターンですね。
それでは、単なる無批判主義になってしまう危険性があるのですね。
事実、創価学会の人たちをみると、そこで言われている内容の吟味などまずしていないですし、創価学会が母体になってできた公明党がこれまで日本の国益に反する決定を数々してきたにもかかわらず、それに対する批判をしたのをみたことがないですね(笑)
ですから私は、宗教にぞっこんになることの危険性を指摘しておきたいのです。
宗教にぞっこんになってしまう人のスタンスとは基本的に心が違いますから、私は今までぞっこんになった宗教はないですね。
「幸福の科学」の総裁の大川隆法氏の本をこれまでいくつか紹介してきましたが、それは大川氏を宗教者としてではなく、著作家としての慧眼さに一目置いているからですね。
大川氏は、いろんな情報に接して自分の頭で吟味をするように信者に訴えています。
大川隆法
私が好きになれないのは、前例主義ですね。
これまでやってきたからこれでいいと、何の疑問も抱かず、何の工夫もしないで漫然と行動していく、ことですね。
確かにその前例は、それなりに論拠があるからこそ規則になりルールになったことは間違いないですが、場所や環境が変われば不適合になる場面というのは往々にしてあることは間違いないのです。
わたしはコーヒーを嗜みながら本を読むのが好きですが、ある喫茶店では私をはじめ他のお客さんが入店しても何の挨拶もしない、なんていうのがあります。
私が商品をレジにもってきても、「コチラでお召し上がりですか?」なんていうことしか言わない店員がほとんどなのには参りました(苦笑)
まず最初に「いらっしゃいませ!」でしょうと言いたくなりました。
そこの店員さんは「習ってないんです」といいたいのでしょうが、そんなの言い訳になりません(笑)。
ですから、日々の探索は続けていかなくてはならないですね。
いずれ、リアルビジネスを始めようと思っている私には大事なスタンスですし、継続していきたいなと思っています。
人と人との良き関係の構築がヒューマニズムの根幹ですが、ここには注意が必要です。
心理学を学ぶと、人との良き関係を構築したいと願う人と、そういった事に全くの無関心の人がいるということを知りました。
ゆえに、ヒューマニズムについての勉強の好きな人は、前者の人でしょう。
後者の人には、そういった事を話してもまるで関心がないのです。
ですから、前者が後者に対してアプローチをしても全く意味がないでしょう。
ですから、ヒューマニズムを高尚させたいと思っている人は、前者だけにアプローチする必要がありますね。
後者にアプローチしても意味がないです残念ながら。
ですから、前進していくにはヒューマニズムを学ぶだけでなく、心理学も学んでいかないとダメであるなと思った次第です。
そのたいろんな学問もです。
そういった姿勢こそがやはり真のヒューマニズムなのでしょう。
最近私が出た大学の学費をネットで調べてみました。
驚いたことに私が大学に入学した時の初年度の納入金と今のそれを比較すると、何と30万円も高いのですね。
私が在学中の授業料を、全履修科目の数と講義数でかけて割りました。
すると、1時間半の1つの講義でかかるのは3000円ということになります。
しかし、今のそれはそれどころではなく4000円はするでしょう。
1コマの講義で4000円…実際大学の講義を受けてみると明らかですが、そんな価値はないことは明らかです(笑)
興味深いデータをみたことがあるのですが、大学で学んだ内容を活かせる割合は5%というのをみたことがあります。
そうでしょうね、まあ評者によってその割合は変わるでしょうが、そんなに多額のお金をかけてもそれくらいしか現実の社会に活かせられないのですから無駄もいいところですね、大学は。
しかも昨今は、就活の際に大学の名を書かせないパターンも多く出てきているということを聞いたこともあります。 ですから、私は大学にはいかない、ときっぱりと決めている人もいるくらいです。
1コマの講義で3000円…こんな高いなら元を取らなくては、と意気込んで私は履修しない講義でも潜り込んで受けて、必死にノートをとり、それを今も保有しています(笑)。
いい加減な講義しかしない教授も多くいますから、大学は無駄の多いところです。
逆に素晴らしい講義をしてくれる教授もいましたが。
それらよりも、この2000円足らずのこの本の方がよほど学ぶところはあると確信しています。
必死にヒューマニズムについて学び、より良き人生を生きたい人には是非とも読んでほしい本ですねこれは!
●この本は以下からどうぞ。
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ヒューマニズムの倫理
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