小此木啓吾 『シゾイド人間』

2016-04-29 20:03:02 | 現代社会

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現代人にとって心理学の学びは不可欠、と以前小此木啓吾氏『モラトリアム国家 日本の危機』という本を以前ににレビューしたときの感想が、この本を読んでよみがえりました。

人間は社会的な動物であるといいます。

社会とかかわって生きていかないといけません。

ですからどのようなかかわりかたがいいかという理論の構築が大事なのです。

この本では、現代における分裂性格を持った「シゾイド人間」について語られています。

その「シゾイド人間」は


1.人と人とのかかわりを避けようとし

2.自分の頭の中で考えていることや主観的なもの、知性と思考に価値をおいて感情が希薄で冷たい

3.Aという場面ではAと、Bという場面ではBという違った人格になる



こういう性質があるのです。

こういう心理的な傾向が現代人に普遍的にみられるようになったというのです。

表層的で一時的なかかわり方が一般的になっているのです。

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今の社会で暮らしていくためにはシゾイド的な人間でないと駄目であると小此木氏は言います。

こういうシゾイド人間は、苦しんだり悲しんだりするような関係を持たないような生き方のほうが傷つかないで済むのです。

純情可憐な恋愛よりも、セックスはセックス、結婚は結婚と割り切る人生でないと生きていけないと小此木氏は言います。


管理職に抜擢されるとパニックに陥るのです。


昨今急上昇しているフリーターの数も、このような感情を考慮すれば納得できるのでしょう。

私が、某喫茶店でバイトしたことがありますが、そこで50代の男性がバイトとして働いていました。

店長ではなく私と同じアルバイターだったのです。

その社長に訊いてみると、その男性に社員にならないかと訊いたら本人はアルバイトでいいということです。

なんとも不可解でしたが(笑)、本人はそれでいいのです。

その他、フリーターの人をいろいろ知っていますが、やはりこの男性と似たような精神構造をしていました。

フリーターよりも社員になった方がお金もいいのに…と理解ができませんね。

このようにシゾイド人間が増えているのは、日本社会全体が経済的に恵まれて自分の生活を犠牲にしてまで働かなくても過ごしていけるというところが大きいと思われます。

シゾイド人間
は携帯スマホを持っていても、ほとんど友人らしい友人もいないのが通常です。

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しかし、団塊の世代と言われる人たちから言わせれば、こんな精神構造の人は信じれないでしょうし、猛烈な怒りを感じるのではないでしょうか?

このようなシゾイド人間が増えたらどうなるか? 今後の研究が待ち望まれますし、自分も積極的に研究していきたいとは思います。

しかし、私はこのようなシゾイド人間が増えていくのは哀しいと思います。

自分の価値観で言いますが、浅く付き合うよりも、深く励ましあい喜びを分かち合ってきていく方が精神的に気持ちいですしね。

シゾイド人間の精神構造にはどうしてもなれないです。

そうならないために日々対人関係について考え行動していきたいと思いました。

このシゾイド人間のほかに、人間が赤ん坊や幼児期に親とどのような日々を過ごすことで、心の健康をもたらすことができるか?

また、どのような幼児期を過ごすと、性格異常者になったり非行になるかがつぶさに書いてあります。

それを知って人の親になるか、それを知らないで人の親になるかで全く違った人生を歩むことになることは間違いありません。

ですから現代人にとっては心理学の勉強は必須、と大学時代に思ったことは今も変わらぬ私のモラルであります。

何をどうすべきか、といった当為(=sollen)をこの小此木氏は語りません。

それは氏のどの著書でも同じです。 でも現代社会の内情を分析し、それによってどういう弊害が起きるかがわかった場合は、やはり読み手がどういうことを今後していかなくてはいけないかが明らかでしょう?

ですから、この本を読み、すべきことがわかったら、すぐにそれを行為に移すべきであると思います。

大事と思ったことについては、一度読んだだけでは忘れてしまいますから、何回も読んで、チェックをして行動に移す、こういうことが大事ですね。

このwebページは,表層的に書いただけのシゾイド的なものですから(笑)、その詳しい内実は本を読むことによって理解可能なことです。

良き親を目指し、良き社会を構築したいとお思いならこの本は非常に参考になるはずです。

そう思うあなたにこの本をお勧めします。


以下よりどうぞ!

シゾイド人間―内なる母子関係をさぐる (1980年)

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シゾイド人間―内なる母子関係をさぐる (1980年)

 



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『モラトリアム国家 日本の危機』


レスターサロー 『日本は必ず復活する』

2016-04-29 19:30:29 | 日本経済

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この本の著者であるレスターサロー氏は、大学時代に名を知って印象を強く持っていました。

そのマクロ的な視野を持っていてしかも分析が明晰であるという印象も、この本を読んでからも再認識できました。

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レスターサロー

この本は、98年に出されましたが、これからの日本経済を占ううえで、今も参考になる考えが提示されています。 日本は輸出立国ですが、アジア、アフリカ等いろんな国が輸出をしようとしている状況において、日本が輸入をこれからも長く伸ばしていくことは無理であるということがわかります。

こういった国の品は非常に安価で、日本のGDPがあまりにも大きすぎて対抗できない、ということですね。

違う経済政策の枠組みを構築していく必要があるということです。

日韓両国とも輸出主導の時代が終わったというのです。

そうではなく、内需主導の経済に移行すべきであるということです。

日本
90年初頭のバブルの崩壊で、不良債権の処理がうまくいかないで、それがもとで経済の閉塞が続いていたのです。

それをどう打開するか?

ということはやはり歴史に学ぶほかないでしょう。

アメリカは、クライスラー社の救済をしました。

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債務超過の金融機関を、整理信託公社が整理します。

クライスラー社が倒産したら貯蓄金融業界が崩壊してしまうので、5500億ドルを納税者が負担したのです。

経済を成長軌道に戻すには、不良債権を整理するほかないのです。

元利の返済額が資産の基本的な生産性を上回っている場合、どんな優秀な経営者でもこの問題を解決できない、サロー氏はいいます。

それは、債務の元利を返済できる資金を生み出せないことに問題があるのです。

経営不振になっていた日本企業のハワイのホテルは、受けていた融資の15%の価格で売却されたようです。

このような売却だけでなく、経済を軌道に戻すには経営者の入れ替えが不可欠であることは言うまでもないでしょう。 資本主義が機能するには利益を確保できなければならないのです。

日本の住専問題でも、納税者のお金が使われましたが、やはりそれは成長軌道に戻すには致し方なかったのでしょう。

このことについてはいろんな研究をして、その打開策、健全な経営をしていくためにはどうすればいいかを研究していかないといけませんね。

住専のような国の機関だけでなく、一般の店の経営でも、浮かれずにバブルがはじけたらどうしようという、先を見越した経営をしていくことが必要ですね。

日本の不良債権はアジアへの貸し出しでさらに不良債権化になっているのです。

アジアのマイナス成長において、日本のアジア向け輸出は急減しているのです。

1997年のメルトダウンにおいて、インドネシアは80億ドル、タイは100億ドル、フィリピンは40億ドル、韓国は190億ドルのマイナスを記録したのです。

また、シンガポールや香港のような危機に陥っていない国もマイナス成長になっていたのです。

金融グローバル化の時代において、政府による効率的な管理などありえないのです。


アルゼンチンやメキシコ、中欧やロシアも経済の立て直しが必要だったのです。

アルゼンチンやメキシコは経済の立て直しのために輸出で1000億ドルが必要なのです。

こういったマイナスの成長の時代に自国問題を輸出で打開しようとすれば通貨切り下げ競争になってしまうのです。 途上国のほとんどが赤字になっていたのです。

世界経済全体の成長率が2%から2.5%の時代に、一国が15%の成長を達することができるか?

無理に決まっていますね。

このような世界情勢下において日本は、8年にわかる景気低迷、過剰設備が極めて多く、金融市場が崩落してきたのです。

90年の崩壊時に日経平均株価が40000円弱だったのが、98年には14000円になっていたのです。

輸出で打開するにはGDPが大きくなりすぎていることも打開するには無理ということです。

サロー氏によれば、不況になって輸出を伸ばして抜け出すことができないのであれば、自己資本を充実させて不況に耐えられる財務をつけるしかない、といいます。

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不動産税制、日影規制、建築基準を改正し1戸の住宅の広さを大きくすれば住宅ブームが起き、消費財の需要が上がり国全体の消費が上がるというのです。

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日本の問題点は、減税すべき時に増税し、財政支出は生産の刺激ではなく地価の下支えに主眼が置かれている。

地価の下がっているのだからインフラの整備には絶好の時期だが、土地収用法の発動に消極的なために短期間に買収できない。

景気刺激効果が薄い公共事業が地方で施されている。

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ということです。

これは印象に残る視点だと思います。

私が住む東京では、キュラーズハローストレージといったトランクルームがブームになっていて、その空き状況をネットで検索するも、まんぱんなところが多いです。

やはり家の中に、必需品を全部収めるには今の住宅事情では解決できない。

あまりに狭すぎるということがわかります。

ネットで検索すれば、次から次にほしいものは出てきて、買いたいものが出てくる。

サロー氏がいうように、日本には経済的に優秀であると思います。

勤勉で貯蓄率も高い、よき商品を創りだす能力も高い。

ならば問題点をよき方向へ改善して、不況を克服することが日本にはできるのは言うまでもないです。

国内においては、住宅事情を改善する、これは慧眼だと思いました。

しかし、サロー氏が目指す改善法を実現するためには、法律だけでなく東京一極集中も改善されなくてはいけないでしょう。

地方には仕事がないために、いろんな人が日本に来て、職の安定を求めています。

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そうなれば、人が東京に集中しすぎて、住宅を広くすることはできないでしょう。

この本を読んで、そのことに賛同できた不動産の経営者さんは、政府の規制成立を待っていないで、1つの戸を大きくしてもいいのでないでしょうか?

そんなことを考えてしまいました。

ここに提示されているサロー氏の考えが、今の日本の政策に反映されているとは思えませんが、今後の日本経済を占ううえで参考になる論が展開されていることは間違いありません。

興味の湧いた方はこの本を読むことをお勧めします。

日本は必ず復活する  

 

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日本は必ず復活する




高橋弘 『素顔のモルモン教』

2016-04-29 18:47:08 | 宗教と社会

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つい最近、出勤途中でモルモン教徒の人たちと出会いました。

4人の西洋人の男性でしたが、自転車に乗り、いずれも20歳前後の人たちで、帽子をかぶり、半袖Tシャツを着て、ネクタイをつけていて、爽やかな感じを充分に人に与える雰囲気を擁していました。

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そして、非常に気さくな人たちで、「通勤の途中ですか?」と、あちらから声をかけてきてくれまして、人なつっこい人たちでした。

4人の青年たちのどれもが、イケメンで女性を虜にするに充分なカッコよさがありました。

現世にあきれをきたして遁世したいがために、呪術的な宗教にあこがれてそういう宗教に入ったがために、マニアックで、オタクっぽい感じがして、見るからにいやだなあと思わせるような宗教人とは全然違いますね(苦笑)。

この人たちを見て、懐かしくなり、この本を買って読むことにしました。

それが、この『素顔のモルモン教』です。

この宗教を知ったのは、10年以上も前に東京新宿の新大久保という駅の周辺で歩いていた時に、2人の西洋人の青年たちから「キリスト教について話しませんか?」と言われて、私は、大学で政治学を専攻的に学んできたことから、これまでの世界史を見るにつけ、政治でもキリスト教が世界を動かしてきた事実はわかっていたので、どういうものか興味のあった私は、「いいですよ」と言ってその2人の青年たちと喫茶店で話すことにしました。

その時、「あれっ!」と思ったのは、2人ともイチゴジュースを頼んだことですね。

普通、西洋人ならば、コーヒーを頼むのが普通なのになぜ?と不思議でした。

それで、その時に、いろいろ話を聴いていくうちに、この人たちがとにかくこの宗教こそが自分たちの誇りなのだ、という感情をひしひしと感じることができました。

その時、この宗教に入ろうという気にはなれなかった私は、それから私の電話番号を教えて、これからも話そうということになりました。

その時の別れの際に、その宗教がテキストにしている『モルモン書』を無料でいただきました。

それから、その人たちが私の家に来て、伝道をしに来てくれました。

そして、たまにその宗教の教会のある新大久保駅近くの「ウェンディーズ」で会って話をすることもありました。

その時に、その教会では、タバコ、酒、茶、コーヒー、カフェインを摂ることを禁忌にしていることを知りまして、あの時2人の青年たちが、コーヒーでなくイチゴジュースを飲んでいたのかがわかりました。

しかし、タバコは私も嫌いですから吸うなと言われなくとも吸わないですが、茶や酒を飲むなと言われたら、どうしても守る自信はありません(笑)。

日本文化の中では、お酒は欠かせませんし、お茶は毎年寒い季節になると風邪をひきかける私は、すぐさま飲むことによって風邪をひかずに済んでいるノです。

お茶に含まれるカテキンが風邪の菌を殺してくれるのです。

ですから、いくら宗教で禁止されているからと言ってやめるわけにはいきません。

この宗教に入れるか自信はほとんどありませんでした。

その後、その「ウェンディーズ」で会って話す約束をして、その当日急遽会えなくなってしまった私は、その教会に直接電話して、相手の日本人の信者さんに、いけない旨を伝えたら、「わかりました!その旨伝えておきます。お電話ありがとうございます!」と非常に元気よく挨拶してくれたので好印象が残りました。

宗教に入って生きがいをもっている人は、こういう人の心を大事にするその宗教の信者さんたちの魅力にぞっこんになる1つの理由なんだな、ということがわかりました。

そういう魅力にとりつかれて、歌手の斉藤由貴さんケントデリカットさんもモルモン教の人だということです。

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斉藤由貴さん

斉藤由貴さんは、モルモン教の旦那と結婚して子供もいるようです。

しかし、いくら人の心を重んじる人たちばかりとはいえ、酒、茶、コーヒー、カフェインを摂ることをやめれるか、と言われたらそれは私には無理です(苦笑)。

それに、キリスト教の歴史をみればわかるように、はじめはキリスト教は1つであった。

しかし、利害、確執、解釈の違いで幾千もの団体に分派してしまったキリスト教のうちの1つであるこのモルモン教だけが、他のキリスト教団体と違って断然に優れているという確信が持てなかった私は話を聞くだけで、どうしてもこの教団に入る気にはなれなかったですね。

何回か、西洋人の伝道師さんたちが私の家に来て講義をした後、「次の日曜日にバプテスマがあります。来てもらえますか?」と言われましたが、私はちょっと待ってくださいとしか言えませんでした。

バプテスマとは、その教会に入信する際に、全身を白い服に替えて、全身を水につかって洗礼を受けることです。

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その伝道師の1人であるカナダ人の青年が、カナダに帰るということで、私に対する伝道は最後になってしまった某日、これまでのお礼を込めて、近くのレストランに招待してご馳走をしました。

しかし、その後、いくらその宗教の教本を読もうとも、「この宗教に入ろう!」という気になれなかった私は、そのカナダ人の伝道師の代わりに私の伝道の係になった人から何度か電話をいただきましたが、「すみません。用事があるので…」というような言い方をして断り続けたら、電話がかかってこなくなりました。

申し訳ないとは思いながら、そうするしかなかったです。

この人の本を読みたい、という気になるのは、その著者の話をちょっと聞いているだけでなります。

また、このアーティストのCDを聴きたいとかいう気になるのは、ラジオ等でちょっとだけその音楽を聴いているだけでなるのです。

そういう経験から、この宗教に入りたい、という気になるかどうかは、その伝道師たちの話の端々だけでなるはずです。

しかし、実際にはそうはならなかった。

今も、このモルモン教に入ってないことを後悔はしていません。

いただいた「モルモン書」もいまだ読破せずに、棚においてあります。

自分は入りませんでしたが、宗教に入っている人たちの、人の心を大事にする態度には瞠目すべきものがありますし、そういう人たちとこれからも人生を歩んでいきたいと思います。

モルモンではないですが他のキリスト教に入っている私の友人と、そのキリスト教の人たちの宅に招かれ、初めてなのにも関わらず、夕食をご馳走していただき、話をしてくれた時には感激しました。

会ったこともない人にここまで丁寧にしてくれるとは…と思わざるを得なかったですね。

宗教にぞっこんになってしまう人は、やはりまずその宗教団体内の人たちの人となりに惚れるのではないか?

そんな気がしてならないのです。

しかし、その宗教団体内の人たちの人となりがいいからと言って、それがそのままその宗教を称賛するということはやはり戒めなくてはならないでしょう。

そのことは、私が入った創価学会(とはいっても私は10年近くこの宗教の会合にはいってません.笑)やモルモン教の内部事情を調べていくうちに明らかになりました。

今回は、モルモン教を中心にそのことを書いていこうと思います。 この『素顔のモルモン教』は、非常に読みやすい文で書かれています。

ですから非常にわかりやすくもあるのです。

モルモン教は、アメリカジョセフスミスという人が創始したキリスト教です。


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ジョセフスミス

1820年
に父なる神とキリストが青年ジョセフの前に現れ、1823年にはモロナイという天使がジョセフの前に訪れ、古代アメリカに関する記録の埋蔵場所を示しましたというのです。

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1827年ジョセフが、その古代アメリカに関する記録の埋蔵場所にあった金版を翻訳し、それが元で『モルモン経』ができたのです。

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そして1830年にペテロ、ヤコブ、ヨハネがメルセデク神権をジョセフに与えた、というのです。

そして、その年の8月ニューヨークのファイヤットにモルモン教会を設立し、82年に2つ目の教会である「エノク共同体」を設立するのです。

ジョセフの生きた時代は、迷信や魔術も同居した時代だったのです。

予言、降霊術、水晶占い、ダウリングが流行っていたのです。

ジョセフ
は魔術で地中の財宝がどこにあるか探すというビジネスをしており、それが原因で詐欺で捕まったこともあるそうです。 空想と現実を混同する夢想家であったようです。

モロナイ云々は作り話か見た夢を語っていたという説もあるくらいです。

統一協会の創始者である文鮮明も、同じようなことを語っていましたね。

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文鮮明

自分のもとにキリストが現れ啓示を示した、それがもとで今のキリスト教会である統一協会を設立した、というのです。

しかし、ジョセフはモルモン教を設立する前に、メスジスト教会に通っていたようで、全くの無の状態からキリスト教会を設立したのではないようです。

ですから、天使やキリストが来た云々は信憑性が薄いですね。

腕を麻痺した夫人がジョセフのもとを訪れ、キリストの名によって癒されるように命じたらたまたま腕が動いたようで、それがきっかけでその夫人はモルモンに入ったようですが、盲人や足が萎えた人が、同じようにジョセフを訪れ、それをお願いしても、そのままであったようです。

まあ宗教なんてこんなものなのでしょうか?(笑)

また「エノク共同体」においては、信者にはもてる財産はすべて奉納させ、必要なものは再び分配したようです。

罪を犯して悔い改めないなら追放して、財産は教会のものにしたようです。

なんかオウム真理教みたいですね(笑)。

その後、ミズーリ州インディペンデンスこそシオンの国が建設されるべきということで、この地に進出しますが、地域住民と摩擦が大きくなっていったようです。

そうでしょう。

いきなりやってきて、これまでと違う風俗習慣を始めるのですから当然の帰結です。

モルモン教徒による暴行、放火、殺人、略奪が横行したようです。

それが原因で、この地を追い出されてもモルモンのシオン軍200名による奪還計画をしていたようです。

しかし、私には不思議なのですが、モルモンの人たちは、「自分たちは神からの選民なのであり、神の法に従っているからこそ、この世の法律や秩序に従う必要はない!」という考えを誰しもが思っていたようですね。

その他、イリノイ州にも伝道にいき、そこで、モルモンの人間なら殺人や窃盗をしても釈放できる、という人身保護条例を作ったりとあらゆる悪事を働いてきたようです。

これで逮捕をまぬかれてジョセフは、イリノイ州はもちろん、合衆国も彼の見方であり、自らの僕であるという幻想を抱くようになったのです。

ユタ州
では、人口の70%モルモン教徒であるからして、司法、立法、行政をモルモンに掌握されているので、連邦政府にとって非常に重要な砦になっているようです。

これを見ると、創価学会公明党も同じような事情になっているのがわかりますね?

その宗教が支持する政党に票を入れてくれと頼めば、ほとんどの信者は入れてくれる。

だから、その宗教団体をバックに形成されている政党と懐柔をするとその政党にとっては都合のいいことが起こるのです。

ですから自民党は公明党と懐柔をしているではないですか?(笑)

そこを見破らないといけませんね。

ですから、人口の70%モルモン教徒であるユタ州は、連邦政府にとって非常に都合のいい州なのです。

連邦政府のすることがすべて悪いとは思いませんが、そのことを頭に入れておかななくてはいけません。

連邦政府の都合のいいように利用されるだけで終わってしまう、ということです。

このモルモン教の内情を探っていくと、やはり批判せざるを得ない場面というのは多々出てきます。

モルモンの創始者であるジョセフスミスは、自分と意見の合わない人は、どんな優秀な人でも、絶対的な指導体制確立のために、追放するか、抹殺、暴力でだますという処置をとっていたようです。

また、ユタ州にあるモルモンの大学であるブリガムヤング大学においても、幹部と意見の合わない教授は、解任されるということです。

これもまた組織の弊害を象徴していますね。

創価学会の長である池田大作も、自分と意見の合わない人は組織から追放してきました。

そのことは、『カルト創価の終焉』で詳しく書いてあります。

また、極真空手の大山倍達総裁が亡くなって、総裁の遺言で2代目に指名された松井章圭氏も、館長になってから、自分と意見の合わない人はたとえ自分の元師匠であろうが元先輩であろうが、容赦なく除名にしてきました。

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松井章圭

ジョセフスミスにしろ、池田大作にしろ、松井章圭にしろ、こういった人たちのやり方に不満をもって、それらの組織から脱退して別の組織を作っていった例は限りありません。

こういう事を鑑みると、賢人独裁というのは不可能なのかな、という気がします。

組織論について書かれている本を読んだのですが、20人以上の会議ではうまくいかないということを知りました。 20人くらいがちょうどいいのであって、それ以上となるとうまく機能しない、というのです。

それでもうまく機能するためには、相当なカリスマ性を秘めた人が長になっていかないとだめなのかなあという気がします。

そういう長は、人との心の触れ合いを大切にし、何歳になろうが常に勉強し続けるという謙虚な姿勢を持ち、最大多数の意見を代弁するような意見の持ち主でないといけないようです。

その3つを兼ね備えたのがほかならぬ大山倍達総裁にほかなりません。

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大山倍達総裁

このかたと比べるとあまりにも松井章圭氏は、大勢の人が属する組織の長としてレベルが低いなという気がしてなりません。

同時にジョセフスミス池田大作も!(笑)

組織のレベルのひくい長による政治によって組織のレベルが落ちる。

または、それ故に有能な人材が去ってしまうという弊害のほかに、無意味、不本意な規律ができてしまうということもあげれると思います。

先に、モルモンにはいったらコーヒー、タバコ、茶、カフェイン、酒を摂ったらいけないという規律があるのですが、これはそんな科学的な裏付けがあるわけではないようです。

当時高価だった紅茶、タバコ、コーヒーをたしなんで、お金をモルモン教徒の人が浪費してしまうのを危惧した、という説の方が有力である、ということです。

その証拠に、ジョセフはワインやコーヒーを楽しんでいたという記録もあり、ジョセフの部下であったブリガムヤングはワインでビジネスをしていたという記録もあるようです。

某キリスト教団体に属していた人で、自分の子供が交通事故にあって急遽輸血が必要になってしまいましたが、その人の属するキリスト教団体が輸血を禁忌としていたため、輸血を拒否し、あえなくその子供が亡くなってしまったという忌まわしい事件がありました。

何故、輸血をその団体は禁止していたか?

そのキリスト教団体が創始されたころは、血液型というものの概念がなく、血液型が違う人間の血液を輸血したら死んでしまう、ということが知られていなかったので、そこをうまく聖書の利用して輸血してはならない、という決まりにした、というのが有力です。

もちろん、真偽のほどはわかりませんが。 それと同じようなものだと思います。

人の言葉でなく、神の言葉である、ということにすれば誰もがその決まりを守るでしょう。

そして、モルモンが創設された当初は、黒人は神に呪われた人種である、として一切モルモンの上位会員になれなかったのですが、1978年この決まりが覆されました。

こういう不可思議な決まりができるのも解せませんが、それを長の気まぐれですぐに変わる、というのも解せませんね。

こういうところも宗教に否定的にならざるを得ないところです。

また初期のモルモンの指導者は1人を除いてすべてフリーメイソンであったということもやはり忌避したくなる事実ではないですか?

フリーメイソンから影響を受けていたので、モルモンでは死者のバプテスマ、エンダウメント、アーロン神権といった儀式もフリーメイソンそっくりだそうです。

また西欧社会では禁止されている一夫多妻制もモルモンでは維持されているのです。

また、信者からの収益っでモルモンは、不動産、株、大学、保険会社、病院、ホテル、新聞、ラジオ、テレビといったものまで買収し、大きな利益を得ているということです。

普通のモルモンの人たちはつつましい生活を送りながら、指導者たちは確実に裕福になっていったということです。

モルモンは1つにまとまっているのかと思いきやさにあらず、ジョセフスミスの息子を長にたてて「復元末日教徒イエスキリスト教会」という宗教団体もあるときいて驚きました。

こういった内実について一般のモルモン教徒はしっているのでしょうか? このように本にアクセスすればだれでも事実を知ることができるのになぜか知ろうとしない、何故か?

モルモン教は、「イエスキリスト末日教会」という名でもあるのです。

その教会のホームページにアクセスすると、ジョセフスミスの爽やかな雰囲気漂う英雄のような肖像画をたくさん見ることができます。

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しかもその内容をつぶさに読んでいくと、モルモンについて良いことしか書いてないのです。

これではモルモンに良い感情が芽生えて当然だと思います。

信者はそれがモルモンのすべてであると思っているのです。 宗教に入る人の特徴は、人との心の交流をとても大事にしているということがあげれると思います。

それについては称賛したいと思います。

しかし文字を読むのが苦手という人がほとんどです。

そこで思いだされるのが、ウィリアムジェイムズという哲学者の言葉です。

彼が曰く、

「この世は2つのタイプの人間がいて、1つは、この世界を多元的に捉える人。

この人は、リンゴもいいし、蜜柑もいいし、バナナもまずくはないし、パイナップルも結構だ。

その間に序列をつけるわけではないし関係をつけるのでもない。

いろんなものが並列状態にある、というふうに捉える立場の人。

もう1つは、この世界は最後は1つの絶対的な価値に収斂していって、その体系の中に諸々のモノがちりばめられている、というふうに捉える立場の人。 この2パターンに分かれる。

後者の方が圧倒的に多い。」

ということです。

これは真実と思います。

後者の人にとって、本1冊読むだけで気持ちが悪くなり非常に骨の折れる作業だということです。

宗教にぞっこんになる人は、人との心の交流を大事にしている。

これは間違いありません。

しかし、物事を深く探求していく好奇心がないために、あるいは本を進んで読む力がないために、その宗教で言われていることしか勉強しようとしない。

聖書等を読んで、その宗教について勉強するだけで精いっぱいなのですね。

ですからモルモン教についての黒い歴史について読むべきといっても読もうとしないでしょう。

モルモンの伝道の内容について勉強するだけで精いっぱいですから。

しかしそれだけでは真実を確かめるには足りないのは明白でしょう。

モルモンについてよいことしか書かれていない機関紙だけを読んでいても、その内実について知ることはできません。

創価学会も同様で、その創価学会についてよいことし書かれていない機関紙しか読んでいなければ、真実はわかりようがありませんが、その機関紙に書かれている「創価を批判する輩は、嫉妬の輩だ!すべてデマだ!」という言葉だけをうのみにしているのです。

創価学会の人たちは、好奇心がまるでありませんから、では実際に創価学会を批判している人の本を読んだり、話を聴いたりという具体的な行動をしようともしないのです。

モルモンの人も同様に、モルモンについて批判している人の本を読んだりするのは非常に骨の折れる作業であり、それゆえにモルモンについての黒歴史を知ることがいつまでたっても知ることができないでいる。

それゆえに、その宗教に対して無批判になってしまっているのです。

これでは、その宗教の長たちの思うツボです。

宗教になることによって、どういう歴史が積み重ねられてきたか?

それはこの本を読めば明白です。

そうならないようにするためには、やはり宗教というものにしてはいけないのです!

イエスキリストの教えに感銘を受けたのなら、イエスキリストの言葉を書いた本を読めばいいのです。

日蓮という僧侶の教えに感銘を受けたのなら、日蓮が書いた本を読めばいいのです。

そういった本に感銘を受けて、人に勧めたくなったらその本を人に勧めるだけでいいのです。

それを宗教団体にして,機関紙を発行したり、献金を募ったり、という過程でその宗教の長の懐が肥やされ、自分の身からお金が搾取されたり、ひいては信者が悪事を働くということになってしまうのです。

その弊害は、モルモンや創価学会に限らずいろんな宗教であります。

「私の宗教ではそんなことはありえない!」と反論される人がいるかもしれませんが、「ではその根拠は?」と問うと、その論拠は非常に浅いのです。

文字も数字も何もないのです。

私は創価学会に入りましたが、その内容に感銘を受けたことがないので、会合等にいかなくなって7年になります。

しかし、創価学会に入るように人に勧められたのは、私が人の心を重んじる人の像が映ったので、その資質があり、創価に入るべきと判断されたのでしょう。

その通り、私は人の心を重んじる人です。

小学校、中学、高校、大学、職業、その他いろいろな団体でかかわった人たちといろんな交流を続けています。

最近、創価学会のある人が入院されて、そのことをいたみ祈る創価学会員の姿をみました。 それに感銘を受けてまた創価学会に…という気持ちが芽生えてきました。

でもそこはこらえて、宗教団体には関わらないと決めて、毅然とした態度で気持ちを放しました。

宗教に入る人は、心を重んじる良い人が多いのは確かです。

だからその宗教団体を辞めろなどとは言いません。

その宗教団体で知り合った人たちとは、いつまでも交流を続けていくのはいいことであると思います。

しかしその宗教団体の機関誌を定期購読したり、 そこにお金を寄進したりすることはやめなくてはいけません。

その宗教の長を中心に悪事に使われてきたのは明白だからです。

それはこの本を読めば、モルモンについては明白です。

確かにウィリアムジェイムズの言うように、いろんな本を読む人は少数派です。

でもそこであきらめてしまっては敗北主義でしかありません。

少しでもモルモンに疑問を感じている人がいるならばこの本を読んで目を覚ましてもらいたいものです。

何度も読んで規範となし、毅然とした行動をとることをお勧めします。

本は、読んだ人をよき行動にむかわせるのが目的に存在しているのだからです。

決して現状維持を目的にしているのではないからです。

周りのモルモンの良い人たちと交流して、また機関紙を定期購読を続けたり、教会にお金を寄進したり、ということがないようにしたらいいでしょう。

私は、創価学会の「聖教新聞」の購読を解除しましたし、年一度の寄進もやめました。

そういう毅然とした態度がいいと思います。

●モルモンの内実について知りたいかたは、簡潔で分かりやすい文体で書かれたこの本をお勧めします!

素顔のモルモン教―アメリカ西部の宗教 その成立と展開

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素顔のモルモン教―アメリカ西部の宗教 その成立と展開

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福本潤一 『カルト創価の終焉』






五島綾子 『科学ブームの構造』

2016-04-10 12:05:41 | 科学論

  以下のサイトは、あらゆる本、食品、飲料、美容製品、家電製品、パソコン、ソフト製品、乗用車、バイクとあらゆる日常で必要な製品が網羅されているサイトです。

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この本は、健康や清潔、利便性といったもののブームの内奥を知ることができる両書であると思います。

こういったもののブームはそのブームが終わってみると、その根拠がはっきりしていなかったことも多々あるのだといいます。

マイナスイオンのエアコンや、海洋深層水のウォーターがブームになりましたが、それは全部が全部称賛すべきものではないようです。

やはり、プラスとマイナスの両方の面を持っているようです。

この本では、害虫駆除でつかわれたDDTについて書いています。

これは、害虫駆除と食糧増産に役立つものとして世界中で使われたものですが、その後、多くの研究者たちからその散布による人体や環境への悪影響について警鐘が打たれ、それによって人体への吸入、皮膚からの吸収、消化による経路を通しての中毒の害、DDT散布により鳥や魚が大きな打撃を受けているという調査報告が出され、そして南極のペンギンにもDDTが残留していることが発覚し、ついにDDTの全面禁止になったのです。

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DDT散布の模様

 

このDDTが、どのような特徴がある化合物で、どのような経緯で市場化されたのか、はこの本を読んでいくと非常に興味深くなりましたから,是非とも読んでいただきたいです。

しかし、当初DDT「これによって害虫のいない新世界が実現される!」とまで喧伝されたのです。

しかし、研究家たちの研究により悪影響の部分が多いことが暴露され、ついには全面禁止になるのです。

しかし、良い面もあることは確かです。

このDDTによって、戦争が大規模におこなわれていた19世紀において、戦争による死者よりも昆虫媒介性感染症死者のほうが10倍も多かったようで、DDTの使用によって大きな効果を上げれたことは間違いないですし、ジャガイモの大害虫であったコロラド羽虫に空前の効果があったようです。

DDTが市場化された1940年代の初めから60年代の初めまでに、穀物の増産は2倍弱になったことは称賛すべきでしょう。

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DDTが人体や環境に悪影響があるとわかったことによって、いたずらにそこだけを批判するのは私は好きではないですし、そういった悪影響のまったくない農薬を自分は作れるのか?といわれれば全くできません。

ですから批判だけするのはやぶさかではないのです。

むやみに批判するのはいいですが、「ならDDTをなくしたらどうなる?」という質問に対して、明確な答えが出ればいいです。

しかしないならば、むやみに批判すべきではないでしょう。

しかし、DDTに替わるものとして、除草剤であるET-751が開発され、これはDDTの3000分の1で効果があることがわかったのです。

そしてピレスロイド誘導体というものも開発され、これはDDTの500分の1で効果があるものと判明したのです。

DDTの全面禁止に踏み切った先進国ですが、アフリカ東南アジアにおいては毎日3000人がマラリアで死亡しているのです。

そのためにやむなくDDTを使用せざるを得ないようです。

そして次の章では、ナノテクノロジーの内奥について書かれています。

ナノテクノロジーとは、10億分の1メートルの次元で物質を操作する技術のことです。

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この技術についてもやはり警鐘を鳴らし続ける研究者がいることは確かです。

ナノ材料には不確実性がつきまとうのは事実のようです。

ナノテク材料について環境、健康、安全の面で予測される危険性に対して多分野にまたがる横断的な研究があるのです。

やはり人工物が自然の中に、大量に廃棄されれば自然に同化されるまでにかなりの時間がかかることはこれまでの歴史からして明白です。

しかし、これも負の面だけでなく、良い面があり日常生活に恩恵を受けていることは間違いありません。

ナノ材料は、「コロイド化学」に結びつき、それによってナノカーボン、酸化チタン、銀粒子、酸化ケイ素を生み出し、生活用品、化粧品、ヘルスケア、住宅産業において多大な恩恵を受けていることは確かです。

これもむやみに批判はしたくないのが私の立場です。

大学や企業の工学者は、技術の持つ効用と利便性を最大限に生かし、リスクを最小限にする役目を負っているのです。

彼らは多くの知識を持ち、多くの情報にいつも接している、だからこういった専門家にだけ任せていればいいか?

という命題が存在しますが、私はそうではないと思います。

ブームというのは、多くの人の心を捉えて初めてブームになるのです。

しかし見た目や名称、内容があまり多くの人の心を捉えられなければブームにはなりえません。

ですから、ブームが下火になると研究費が削られ、本当にいいものであってもブームにならずに終わってしまうのです。

ですから、ブーム=必ず良いものとは言えないのです。

また、3.11による原発事故があってそれ以降の放射線被害が多大に宣伝されても、原子力ムラという既得権益にしがみつく人たちによって脱原発にはなっていないのです。

ですから、専門家たちがしたことだから、それは無批判でいいということにはならないのがわかるでしょうか?

また健康や清潔、利便性といったものでも、やはり収益をあげれないと国の機関であっても存続はできないのです。

ですから、そういったもののブームにフィクションや神話を作り出す場合もあるのです。

先の、DDTも人体には無害と言われていましたし、「これによって害虫のいない新世界が実現される!」とまで喧伝されました。

しかし使用して初めて有害性が暴露されることは多くあります。

アスベストや紫外線は当初無害であるといわれていましたが、のちに有害であることがわかり、アスベストは現在使用禁止になっています。

ですから、国の機関が許可したからとか、専門家が開発したものだからとかいう理由で、無批判でいることは愚かであることがは明らかです。

物事にはやはり良い面と悪い面の両方があるので、その良い面をみながら、同時にマイナスの面はないかといつも危惧しながら、内奥を情報を集めながら研究していく姿勢が、一般市民には大切であることは間違いありません。

そういった姿勢の中で、自分のしたことが誤りであるとわかったら、その時は素直に誤りであることを認め、修正すればいいことです。

私は、建設現場でクリーニングのバイトをしたことがありますが、そこで耐火被覆の吹き付けをしているエリアにマスク無しで入ろうとしたところ、「マスク無しで行っちゃだめだよ!」とそこのエリアで働いている人に言われました。

そこで私は「アスベストは現在使用禁止になっていますよね?だから耐火被覆の材料にも入ってないですよね?だから大丈夫なんじゃないですか?」といいました、するとその人は、「アスベストは最初無害と言われていた。だけど今は有害なのがわかった。今使っている耐火被覆の材料にも後になって有害とわかるかもしれない材料が入っているかもしれないでしょ。」と言われ私は目が覚めました。

こういう心の態度が重要なんだなあとわかった次第です。

やはり専門家の言葉だけを信じているのはやはりよくないことで、一般市民もやはりできる限り情報に接していく必要があるでしょう。

大学、研究機関、大企業によって健康や清潔、利便性のある製品は開発されているのがこの本で分かりました。

しかし大学に入学するに際し、文系の大学では初年度でだいたい100万円前後かかり、その後3年間は80万円前後のお金がかかります。

それを、自分が受ける講義の回数で割ると、だいたい1つの講義につき2000~3000円ものお金がかかるのですね。

理系ではもっとお金がかかりますから、もっとその額は大きくなるでしょう。

しかし、1講義につき、その講義の先生が2000~3000円のお金を受け取っているかといえばそんなことはなく、大学での研究費や先生方の退職金等に充てられていることは間違いありません。

しかしこれだけ多額のお金を収めていながらも、多くの学生は講義にほとんど出ません。

年末だけで…(笑)。

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ということは、親御さんが出してくれた大学へのお金のほとんどは、学生が元を取ることなく、大学が儲けて研究費等に充てられていることになります。

ということは、研究によって作られて市場に出た製品は、大学が研究費に充てたお金と製品に乗せられて消費者が払ったコスト料金で賄われたことになりますから、大学に子供を行かせた親御さんたちは、二重にお金を払っていることになります。

二重の献金をしたことになりませんか?

ちょっと不条理な気がしました(笑)。

この内奥を知ったあなたは、親御さんの苦労を知り、元を取ろうと頑張って大学での授業は全部出て、図書館を利用して、その他ネットを利用して、あらんかぎりの勉強をしましょう!

そんなことを考えてしまいました(笑)。

こういった面だけでなく、物事の内奥を知るために絶えず情報に接していく必要性を認識できました。

それはどのようなことかをいろんな人にも実感できる良書として、この本をお勧めしたいです!

この本は以下よりどうぞ。

〈科学ブーム〉の構造――科学技術が神話を生みだすとき

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〈科学ブーム〉の構造――科学技術が神話を生みだすとき

 

 

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