森清 『怒らぬ若者たち』

2020-06-16 16:30:35 | 現代社会

このかたは、法政大学に入学しながらも2年で中退して、働きに出たようですね。

この本が出された80年に、日本ではまだ新人類などという言葉はなかったでしょうが、この頃は既に社会が豊かになり、それ故に戦中戦後直後に生きてきた人とは違う考えの若者が多くいたでしょう。

しかし、それは社会が変われば、人の考えも当然変わるという古今東西変わらぬ事実を見据えていたがゆえに、やはり中立的な立場でものを考え、そして論文を書いているのですね。

それは非常に大事な態度であると思います。

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何故なら、事には何事も良い面と悪い面があるわけで、こちらを採択すれば必ずうまくいき、こちらを採択したらすべてうまくいかないというようなことは絶対になりからです。

戦中戦直後の世代は、とにかく文句を言わずに働き詰めることがいいことのようになり、それに疑問をさしはさまずに働いていた人が多かったのは言うまでもないでしょう。

しかし、その世代より下の人が、大学へいき、卒業すると、そんながむしゃらなことは少なくなり、働くよりも余暇や趣味に生きがいを見出したいということを考える人が出てくるのを、この作者は多く見てきたのでしょう。

やはり自由がほしいという考えを持つ人が多くなるのは必然でしょう。

自由を謳歌したいがために、わざと大学を留年するなどという人が出てくるのを目の当たりにしたのも必然でしょう。

かつては怒ることが、エネルギーを発散する手段であったのが、この当時の世代の若者たちは、怒らずに趣味や自由や余暇にいそしんで怒らなくなったということですね。

それゆえに『怒らぬ若者たち』という表題を付けたのでしょう。

それがいいか悪いかという善悪二元論ではなく、その違う世代を比較して、互いにいいところと悪いところを吟味しながら、互いの向上や内容の昇華を狙うのが最適なのでないでしょうか?

確かに自由過ぎるのはよくないでしょう。

高校時代から、上の世代の人から大学の退嬰ぶりを聞かされてきました。

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そして大学に入学すると、その言葉通りで驚きました。

ほとんど講義に出ずに、年末だけ出て、そこでメイトからノートを借りてコピーしてそれだけ勉強する。

周りのコンビニは、そんな大学生でいっぱいでいつまでたってもコピーできない感じで(笑)

まあ私は全部出ていたのでコピーとは無縁でした。

こんな大学生が、社会に出たらどうなるんだ、ろくすっぽ仕事などできないで、中退してしまうんじゃ、などと思ってましたが、そんな心配は杞憂でした(笑)。

ただそんな大学時代を送っていたのは、ただ勉強が嫌いだったというだけであって、それが=仕事ができないということではなかったようですね。

自分で選んだ好きな仕事であれば懇親的になるのは当然です。

また自分の下の世代に対しても中立の態度で接するのが最適でしょう。

自分は苦労してきた。

だから苦労知らずの人たちは、私にかなうわけはない、と考えるのは早計で、私が彼ら彼女らに勝っている部分もあれば劣っている部分もあります。

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ですから、苦労してきた、だからなんでも自分が優っているというのは、あまりに短絡的な考えといわざるを得ないのです(笑)

ただ、あまりに自由過ぎるのもいけませんし、それをただ傍観しているだけでもいけないでしょう。

その自由過ぎることが問題で、どのような弊が出るのかを知ったら、それをふさぎとめる工夫をしないといけないでしょう。

そのためのこのような本なのですから。

また、自分が得てきたことも知恵として使用していかなくてはならないでしょう。

また自分の世代がすべてではありませんから、下の世代からも学ぶところは謙虚に学ぼうという気概を持たなくてはならないでしょう。

この本を読んでそんなことを考えました。

ただ、本というものは社会に存在する問題を良き方向へ向かわせるために存在するのですから、この本を1冊よんでもうOKだみたいな、快刀乱麻的な本は存在しないです。

いろんな本を読みふせていくことが大事であると思っています。

その一環として役立つ本であるということは保証したいです。

●この本は以下よりどうぞ!

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怒らぬ若者たち (講談社現代新書 566)

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南原繁 『人間と政治』

2020-06-16 12:12:00 | 政治学

この本は昭和28年に出されたものですが、今も版を重ねて売られているから驚きです。

日本を代表する政治思想学者として著名な丸山真男氏と同じく、この人の名声がかなりの程度口づてに伝わり、大学の政治学の講義でも推薦されているのでしょう。

ただ私は、丸山氏の本は非常に難解で読みづらいので推す気にはなれないのですね(苦笑)。

しかし、講演の内容を中心に収められた『日本の思想』に関しては読めて理解できるので推したいですね。

しかし、南原氏の本は、読みやすく理解も充分できるので、ここで推したいですね。

この本が出された当時は、やはり戦争に日本が負けて、それまでの反省と回顧を中心になるのは必然でしょうし、それから先の展望にも当然なります。

やはり戦前の圧迫と搾取の実態をさらすのですね。

生活の欠乏から解放された新たな国際社会、世界共同体の建設にいそしむのが目標であったようです。

国民の勤労の権利と最低限の生活権を保証するのが眼目になっているのがわかります。

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過去の事実の人為的な改作、それは民族主義歴史主義に求めたゆえに、日本の軍国主義は暴走したのだといいます。

これは目の覚める分析の仕方ですね。

ゆえに日本民族は神的な種族に昇華した、ゆえに世界を同化しなければならないという思想になったのだといいます。

そこでおこなわれていたのは独裁的統制集団的組織化が行われていたのです。 その反省から国民主権を確立したことになります。

皮肉にも、このような立場があったにもかかわらず、日本には発生しなかったですが社会主義国では、この独裁的統制と集団的組織化が行われてしまったのですね。

その社会主義国は、また新たなファッショでしたね。

やはり違う形で歴史が繰り返してしまったようで悲しいですね。

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しかし、日本ではその戦前の反省からファッショ化はなかったですがやはり人類の脳内からその歴史が忘れられていては、また繰り返してしまうから注意が必要です。

その面だけでなく、近代科学への警鐘を鳴らしているのも興味深いですね。

この本では、「生産が人間のためになっていたのが、今では人間が生産のために」という文言が書いてあるのですが、ここを読んだときにまた当時はやった社会主義称賛の論文かと思いましたが、そうではなかったですね。

近代科学への無条件の信頼ではなく、楽観主義を批判しているのです。

これは私も同じ立場にたつものです。

やはりどのような事や物も、完壁なるものはないですから、それが暴走しないように目を張ってないといけないということです。

同じことは、日本の宗教や軍隊に対しても発しているのです。 宗教は神のためと同時に人間のためということを書いているのです。

やはりそこで導き出されるのは、戦前の現人神の思想でしょう。

それがエスカレートすることで、無批判になり、軍隊の暴走になってしまったのは頷けるでしょう。

軍隊に対しても同じで、戦争や軍備に対しても中立的な立場になるものです。

そこでも傍観主義、日和見主義でもいけないということです。

諸国家共同体の国際組織を確立していくことの提唱をしているのです。 と同時に国民の知性と道徳の確立を唱えています。

それも、この本の最初から最後まで一貫しているのです。

他の何か宗教を持ち込むべきであるとか単純な移植論で済ますのでもなければ、安易な傍観主義でもないのがいいところですね。

また新たに勃興していた社会主義思想にも安易に与してないのがいいところと思いました。

これは昭和28年に出されたものですが、中国の現実をみて圧制が行われているのを見て、批判的になっていますね。

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昭和40年代50年代においても、いまだに社会主義を真なりと信じて疑わずにいた学者や文化人がいたことを考えれば慧眼ものでしょう。

この南原氏は、単に海外で勃興した思想や運動のムーヴメントに対して、闇雲に模倣して、それを日本でも取り入れるべきであるという結論には達していないのが、共感できるところです。

それらの潮流は、その国々の様々なことが要因になって起こったのであって、その条件が違っている日本がそのまま模倣をすることで、打開策が開けるというようには考えてませんので、その安易な取り入れには賛同できないのですね。

であるからして、この南原氏の立場を支持するのです。

そういった面を垣間見ると、非常に奥の深い学者であり教授であったのがわかります。

やはりそういう奥の深い人を知識人として見習いたいのならば、この南原氏の本は非常に参考になります。

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人間と政治 (岩波新書)

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外山滋比古 『知的創造のヒント』

2020-06-14 17:06:30 | 科学論

外山滋比古氏は、非常に明快かつ分かりやすい筆致の文章を書くので好印象の著作家でした。

これまでファンになった著作家は、やはりそういう人の出ないと勧めれる気が起きませんから、注意が必要です。

ルイ.アルチュセールや、ハイデガー、丸山真男といった人たちの本は非常に難解で読みづらいです(笑)

ゆえに理解も不能であるばかりか、勧めることなどもっとできない話しです。

しかし、非常にやみやすい本でかつ明快な本は非常に勧めたくなるものです。

この外山氏は、この本で知的な独創力のある論文の書き方のヒントを明記しているのですね。

そのためには、日ごろから丹念な作業が必要ということですね。

そういう文を書くのは、寝させる、温める、という一連の作業であるということです。

これから連想するのは、やはり酒の醸造法と過程は一緒であるということになります。

よい着想の得れる決定的な瞬間をただ待っているだけではなく、日ごろから努力を惜しんではならないということですね。

そのためには、考える習慣を持つことの重要性を説いています。

ノウハウ技術だけで、快刀乱麻で物事が上手く運ぶことはないのです。

ここを読んだときに、現代の情報商材を思い起こしました。

これだけのことをすれば月100万円が得れるといううたい文句で売っている情報商材を何十万で売っているのを買って、それを実際にするも全然稼げない。

それは2つの理由があって、1つはそういう謳い文句で情報弱者を釣って大金を振り込ませる詐欺であること。

あるいは、もう1つは、実際稼げるけれどその買った人に情報の準備のないことがあるため、という2つの理由があるのです。

やはり技術だけで一気に稼げるなどということはないのです。

この本は77年に出された本ですが、現代にも通じるものがありますね。

一度脳内に入れた知識が、そのままでとどまっている状態で良しとするのが日本の教育であるとされていましたが、それでは知的な論文など書けないと外山氏はいいます

自分の頭で考えることによって違う形に変形しているのがいいということです。

これは、ショーペン.ハウエル『読書について』という本を紹介した時にも同じことを書いてありましたね。

自分の頭で考えろ、読書に逃げるなということですね。

※参考ページ

  ↓

ショーペン.ハウエルの『読書について』を紹介した頁

その考えるということですが、いろんなテクニックがあるようです。

取捨選択や、忘却といった様々なノウハウが書いてあります。

興味ある方は読むのがいいでしょう。 先に、知的、独創的な論文書くというのは醸造ということを書きました。

個々の着想や思考が有機的に結びつきあって人を酔わすことができる。

醸造はカクテルをつくることではない。酒でないものに化学反応を起こさせ、アルコールを発酵させることである。

これは外山氏の言葉ですが、やはりこういった一連の作業を垣間見ると、高校までの勉強法への批判になってしまうのが大学教育に携わる人の運命でしょう。

文章を書こうとうなってもいいアイデアは浮かばないのは誰しも経験することでしょう。

そうではなく、馬にまたがったり、トイレにいったり、床にはいっているとき、散歩している時、眠れぬ時などに着想がわいたりするのが、研究結果で明らかになっています。

ゆえにそういう人たちは、いつもポケットに小さなノートを用意して、アイデアが浮かんだらいつでも書けるようにしているようです。

それでも大丈夫、自分は思いついたらいつまでも覚えていられるから、という人はそんな工夫をする必要はないでしょう。

それは自分のスタンスで決める事でしょう。

やはり論文を書くという個人プレーでは、おのれの力を知ることが一番大事ですね。

探しても無くなったと思ってあきらめていたものが、いきなり出てきた。

あるいは専門外の本を読んでいたら、このアイデアが使えるんじゃないかといった感じで閃いたということをセレンディピティというのですが、この楽しさも説いています。

専門外のことを、いろんな違う分野の学者を集めて討論させる。

そのことで、ハーバード大学はよき閃きをえれて優れた学者を輩出したということです。

それはそういった知的専門家だけの話ではなく、経営コンサルタントや各種コンサルタントにも必要なスタンスでしょう。

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こうこうすれば必ずうまく事が運ぶという頭でいるのは、石頭か傲慢というのでしょう。

経営に苦しんでいる人に単なる上から目線でアドバイスするのではなく、どのような状態か、どのようなことをしてきたか、いくら使ったか、どれだけ売り上げをあげればいいかといったことをキャッチボール式に会話をしていく。

そのことで最高の道が開けるのでしょう。

もちろん、一度知識を得たからといって、そのまま怠惰でいいかというとそうではなく、コンサルタントも経営者も両方、更に知的な昇華に務めなくてはならないのは言うまでもないです。

また、知的創造のために、面白い本との付き合い方、つまらない本との付き合い方等など、いろんなノウハウが書いてありますから、これは知的創造をしていきたい人にはうってつけの本だと思います。

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知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

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森島恒雄 『魔女狩り』

2020-06-13 23:18:50 | 心理学

魔女狩りという事実は、非常に興味の深い事柄です。

このような惨事が、人間の歴史のなかで何故起きてしまったのか?

という本源的な疑問からやはりその内情を知りたいと思うがゆえに読んでしまいました。

これは13世紀フランスに始まり、全キリスト教国に広ろがり、アメリカにまで到達するのですね。

その歴史の中で、数十から数百万の魔女が裁判にかけられ殺されてしまったということですね。

その手段は絞殺や火あぶりなど多様だったようです。

その行使した主体は、一般人ではなく、法王、国王、貴族、大学者、裁判官、文化人といった人たちが煽り、行使していったということですね。

魔女ではなく、色魔や女色魔に対する迷信はアッシリアバビロニア時代からあったようですね。

ローマ帝は、呪術を禁止する法令まで出したようです

これは驚きです。

現代において、このような法令が出たら、狂気の沙汰と取りざたされるだけで終わるでしょうが、当時の社会では真面目に取りざたされていたのですから。

魔女狩りの端緒は、やはりキリスト教の腐敗が最初にあるような気がしてならないですね。

その腐敗によって免罪符の売り付け、聖餐礼、祈りや喜捨の形骸化といった事が起こっていたのです。

宗教改革は南フランスを中心に起こったのですね。

その勢力をインケンティノスが討伐に向かわせたのです。

その討伐のすえの異端審問において、異端審問の罪状に魔女な文言がちらつき始めたのだといいます。

同時期のイギリスでは、司教が悪魔を礼拝しているということで問題になりました。

そして1323年には、法王ヨハネスが魔女狩りを強化令を出したのです。

またジャンヌダルク裁判の例を見てもわかるように、魔女狩りは政治の道具としての1手段になったのだということがわかります。

これは、『人種差別と偏見』という本でも明らかにしたように、人種差別を経済的利益を得るために、金持ちの農場主や会社の社長といった雇用者がプロパガンダとして使ったことからも明らかなように、魔女狩りも政治的手段として使われるようになったということですね。

人類が胸に留めておかなくてはならない歴史的な事実ですね。

※参考ページ

  ↓

『人種差別と偏見』を紹介した頁

 

災厄、不幸、戦争、政治が魔女たちに結び付けられて、犠牲になってしまったのです。

16~17Cペストの大流行の時代ですが、これも魔女の所業に帰せられたようで、またらい病やてんかん、自然災害も同じだったようで全くもって人間は罪深いですね。

そもそも魔女として摘発された人は、どのような人だったのかということですが、やはり容姿や素行がの人たちとちょっと変わっている、あるいは悪魔を信じているといった事だけで、噂を立てられ密告されたようです。

魔女と認定されたらその人から財産を没収するということまで行われていたようです。

経済的に国がいきづまると、このような暴挙に出ないといけないのかと思うと、これもまた人間ひいてはキリスト教の罪深さを思い知らされますね。

このような魔女狩り

そして魔女裁判が公然と行われていたのは、科学の発達の度合いが現代ほど進んでいなかったのも理由の1つですし、やはり古代からの文書が読まれていたこともあり、これらの宗教的なものが中心に読まれていたことでよりどころの最大のものだったことが最大の理由ではないでしょうか?

また現代でも当てはまるのは、人間の哀しいサガですね。

このような魔女が実際にいると一般的に信じられていた時代においては、自分も魔女と認定されないように、疑いのある人を密告したり摘発したりして身に災厄が降りかからないようにするなどということをしてしまう危険性は誰にでもある気がします。

そしてそれが本当かどうかもわからないのに、この場合魔女が自在するあわからないのに、少ない情報や事例だけで一般化して、それを信じて疑わない人間のサガですね。

そうならないように、このような人間の歴史の一端をこのような本を通じて知ることが出きるのですから、それをこれを読んだ人はこれから自分の生活の中で戒めていかなくてはならないでしょうし、そういう人が身の回りにいたら注意を喚起してあげないといけないですね。

また生贄を探し、それを弾圧したり、命を取ることで自分の利益にするという思考法は、現代でも存在するのですから、それも戒めないといけないですね。

政治的にも、経済的にもです。

それは以前に紹介した『異常の心理学』という本を紹介した時にも明らかにしましたし、これを読むことは参考になります。

※参考ページ

  ↓

『異常の心理学』を紹介した頁

 

こういった歴史を俯瞰すれば明らかなように、キリスト教はこれまでさんざんな悪業をしてきた。 style="color: #993366;">であるからしてキリスト教は、存在するに値しない百害あって一利なしというような意見が出るのも致し方ないでしょう。

キリスト教が広まったということは、それなりの魅力があるからでしょう。 style="color: #993366;">あの聖書を読んで、やたら難しい逸話や挿話があって、意味が分からないですし、牧師さんがいないと理解できないのでは時間の無駄です(笑)。

そんな手段をえらぶよりも、もっと直接的な表現をしている科学的な本を読むのがいいでしょう。

それの方が、すぐに読めて、たくさんのことを学べるのですから。

それに、宗教とは人と社会との良好な関係を模索する道と思っていますから、私は人とのコミュニケを大事にしていますし、自然に対しても限りなくエコな生活を心がけて、行動しています(みずを少なく使う、エコな洗剤を使う、生ゴミは土にすべて埋めるetc)。

そして、その行動に矯正する点がないかといつもただすように情報を得ています。

そんな姿勢があるのだからキリスト教に入らなくても、他の宗教に入る必要もないと思っています。

私にとって、宗教とは本を中心にした、人やその他、情報媒体でいいということです。

その際の重要情報を得れる手段としてこの『魔女狩り』はおすすめです。

●この本は以下よりどうぞ!

  ↓

魔女狩り (岩波新書)


宮田光雄 『きみたちと現代』

2020-06-12 21:07:40 | 大学論

この著者の宮田光雄氏は、私が大学時代に新書を読んで知りました。

その新書の名は『非武装抵抗国民の思想』というものでした。

その題名の趣旨からいってわかるように非武装中立を趣旨とする内容でした。

その是非は、いろんな本の読み足りなさがあったのでわかりませんでした。

しかし、その時思ったのは、その新書がかなりよれているということでした。

その初版を調べると、1971年というではありませんか!

そんな昔に本を書いた人が、2019年の新刊書を宣伝する新聞を読んだら、また新刊を出すというので驚いたのです。

その宮田光雄氏の経歴を調べると今年92歳になるというではないですか!

ということは新刊を出したのが91歳ということになりますね。

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こんな高齢でも本を出す?凄い活力の持ち主だなあと思わざるを得なかったですね。

私も高齢になったらこの宮田教授のようになっていたいなあと思わざるをえないですね。

この本は、宮田氏がいろんな高校で公演をおこなった内容を本にしたものですね。

それを聞いて、高校生向け?と思われるでしょうが、そんなことはなく、非常に示唆に富む内容で、大学生や一般市民にも是非とも読んでもらいたい内容が書いてあります。

まず、日本人が本を読まなくなってしまったことを嘆いているのです。

1ヵ月に平均して1.4冊しか読んでいない現状を嘆いているのです。

知的関心や知的好奇心のなさに嘆いているのです。

テレビやステレオを友人とする人間があらわれていることも嘆いているのです。

この著者はクリスチャンでもありますから、その人との心のつながりをいつも大事にしているのでしょう。

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ゆえに、そういう事態を嘆くのだと思います。

そういう人間こそが、宗教に帰依するのですね。

逆に、そういった心の通い合いに興味のない人は、そのような事態になっても嘆くことはしないでしょう。

何故、宮田氏が、現代人が本を読まなくなったことを嘆いていたのかといえば、国民こそが歴史を動かす主体であるということを理解していたからでしょう。

そのために、文学、芸術、偉人伝の大事さを学び、それを現実生活で生かせということをいわんとしていたのはよくわかります。

これは社会学者であった清水幾太郎氏も直截的な言い方で書いてあるのを見たことがあります。

また桑原武夫氏『文学入門』で同じことを書いていましたね。

※参考ページ

  ↓

桑原武夫 『文学入門』

やはり漫然とした生活では、ほとんど学ぶことは少ない。

そうではなく、文学はもちろん論文でもいいので、いろんな媒体からいろんなことを読んで学び生活に生かすことをすることで、社会がよくなるということがわかったので、私はこれらの立場の人たちに共感を示しますし、これからも維持します。

本を読むことに意義は、その社会をよくするための教訓を学ぶということでしょう。

外国からの干渉を受けることなく、しかも対外的な紛争無しで再軍備を遂げたヒットラーアウトバーンフォルクスワーゲンという世界にまたがる乗用車を創ったのです。

しかし、この人の党であるナチスは、第二次大戦での悲劇を引き起こしました。

その悲劇は、ナチを支持したドイツ民衆にあったのです。

そのかかわりを無視でいないのです。

歴史的責任の重さを認識しなくてはいけないのでしょう。

こういった事は大学で講義されてもおかしくはないでしょう。

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このような事態がまたひきこされる事も、ありうるでしょう。

やはりそうならないように、国民が意識しなければならないことでしょう。

バブルは必ずはじけるという歴史的教訓があったにもかかわらず、90年にはじけてしまったのですから、やはり人類の歴史とは恐ろしいものですね。

やはり成り行き任せではいけません。

戦後、政治の主体は国民になりましたが、どのような行使の仕方でしょうか?

やはり選挙…それだけになってしまいますね。

しかしそれだけではない、ということでこの本の中で書いてあるのです。 それは本書を読んでいただきましょう。

その趣旨はやはり市民が主体的になって政治にかかわるということでしょう。

多数決で物事を決まってしまうのが常ですが、その際も少数派の意見をとことんまで聞くのが大事でしょう。

そのことで最大多数の幸福が実現されるのですから。

そのために、正々堂々と異なってもいいから意見を誰もがいい、それに基づいた行動をとることが大事なのですね。

これは大学の政治学でも充分に講義に値する内容ですね。

その行動ですが、手仕事と農業こそが人間に営みの基本と考えていたシュヴァイツァーの偉人伝を数十ページにわたって説明して、その意義について講義した内容が書かれています。

やはり、いくら崇高な理想を掲げていても行動に移さないといけないのは、これまでの人生経験や、読書の結果わかりました。

その内容について知りたいと思ったかたは是非とも読んでほしいですね。

しかし蒸し返しになりますが、この宮田光雄氏の息の長い執筆生活には恐れ入ります!

90歳を超えていまだに本を出し続けているのですから。

このかたは法学者であり、クリスチャンであり、それのみかいろんな分野にわたって本を書いています。

いろんなマルチな人間であることがわかります。

また言語学者である外山滋比古氏も、私が大いに感銘を受けた人ですが、今年97歳になる方です!

それでも3年前に本を出したのですから、ものすごい天晴ですね。

繰り返しになりますが、私がこのように高齢になってもこのような活力を生かしていたいですね。

宮田、外山両氏に共通するのは、専門に閉じこもらず、いろんな分野に関心をもって勉強しているということ。

そして、文字を実際の生活で生かすことに務めているということでしょう。

お二方とも、専門以外にも健康学のような分野の本を読み、それを実行し、自分のスタンスに合わせるように工夫し、そして探求しながら守破離の離の境地に至っているのでしょう。

でなければ、このような高齢になっても本を出せるはずはないですからね。

このお二方を見習ってこれからも生きていきたいと思います。

まずはこの宮田氏の本をお勧めします。

市民を目指す者として非常に勉強になります。

●この本は以下よりどうぞ!

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きみたちと現代―生きる意味をもとめて (岩波ジュニア新書 (17))

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