下流老人ときくと、「本人の心掛けが悪かったからそうなったんだ。仕方ない。」とか「将来のことを見越して行動してこなかったから本人の責任だ。」といった考えが起こされそうですし、かくいう私もそうでした。
こんにちかまびすしく言われているように、「老後は年金だけでは賄えない。だから貯蓄しないといけない」といった事が盛んに言われていますし、それにもかかわらず、そういった行動、あるいはそれに類する行動をしてこなかった、だから本人が悪い、という論理ですね。 それは一面では、当たっていると思います。
しかし、そういった行動を積み重ねても、下流に甘んじざるを得なかった老人も多数いることを、実際の例を描写しているこの本を読んで、知りました。
老後の蓄えをして定年が終わった時点で、3000万円を蓄えた夫婦がいましたが、妻がガンにかかり、その貯金の大半をその治療に使ってしまってしまい、もう後がない人。
老後のためにと5000万円くらいの貯蓄をしていたが、親族がいきなり事故に遭い、その治療のためにその大半を切り崩さざるを得なくなってしまった人。 こういう例がたくさんあるので私は大いに驚きました。
「貯蓄をしていればいいんだ。」という考えが崩れた瞬間でしたね。
その他、老後に備えて多額の貯金をしていたにもかかわらず、想定外の事故が発生し、それから切り崩さざるを得なくなった老人たちの例は、YouTubeでいくらでも知ることができます。
ですから、貯蓄をしていればいいという考えは全部に通用しない、ということですね。
ただ年金だけで老後は豊かに暮らせるというのは、もう30年も昔の話であって、今や貯蓄も必要である。
そんなことは前から新聞や本でも言われていることであった。
それにもかかわらず貯蓄をしてこなかった人が悪い、あるいは年金すらも払ってこなかった人が悪いんだ、ということですね。
私の知り合いでもいます、自営業をしていましたが、それを始めて一切年金を払ってこなかった。
老後貯金が尽きてしまった。
それで困って国に相談して、生活保護を申請して、その申請が通って生活保護費が貰えるようになった。
その人は、辛い味付けが好きで、塩辛い物ばかり食べてきました。
しかし塩辛い物ばかりでは身体に悪い。
それを医者から止められていたにもかかわらず、やめなかった。
それゆえに下半身不随になり、車いすでの生活を余儀なくされ、その生活保護のお金は、老人ホームに払い、その本人は老人ホームでのうのうと生活しているという例です(笑)
これは、経済的にも健康面でも、将来を見越して、自分が何をすればいいか、自分はどういう事をして、どういう事をやめなければいけないかを全く考えずに、其の場だけで行き当たりばったりの生活をしてきた人の典型例ですね(笑)
こういう人を救済するために、我々が払ってきた税金が無駄に消費される。
だから、こういう人を救済するなんて…という論理がまかり通っているようです。
しかし、だからといってこれまでに人類が形成し構築してきたヒューマニズムの観点からして、こういった人たちを救済するのは当然ですが、しかし…と私は思うのですね。
しかし、老後になって想定外の事態が起こり、お金が無くなり、生活保護申請をする、そういう人が年々増えていることは確かでしょう。
2年前の日本政府が出した生活保護の額は、3兆8000億円だったようです。
これからその額が減るのか増えるのか…どうやら後者の見方の方が強いようですね。
老人の増加に伴い、これまでは、年金や健康保険に関しては、アルバイトや非正規雇用の人に関しては任意に任せてしました。
しかしそれではほとんどの人が払わないので、そういった人たちからも義務として払わせるように法律が3年前に改正されたのは記憶に鮮明になるところですね。
この著者は、いろんな老人たちの相談にのったり、実際に老人の家に赴いて世話をしたりといった行動を重ねてきた人ですね。
そういった人だからこそ、今日本がどのようにしないといけないかを切実に感じ、それをどのようにすればいいのか、を真剣に考え、その考えた内容をこの本で提示しているのですね。
その内容は、老人たちへの施策に対する配分の仕方の変更、累進課税、生活保護といった内容が主だったものですが、その内容は実際に現場に居合わせて、考えに考えて理論を構築してきた人のだけに説得力があります。
その内容を読みたい人は、読むのいいでしょう。
しかし、年金を受給してもらっている人は、40年以上掛け金を払ってきたにも関わらず、7万円弱しかもらっていないのが実情のようです。 しかし、生活保護を申請して通れば、13万円ももらえるというのです。
これでは、年金を払ってきた人がバカを見ている、というふうに思うのが通常でしょう。
勿論、年金をもらっている人でも、生活保護を貰っている、要するに年金+生活保護という形でもらっている例も当然あります。
しかし、このように申請すればだれでももらえるという形になっては、前例をつくり、金がなくなったら政府に頼めばいい、という甘えを国民に持たれたら、これから政府の出す額は大きくなるばかりです。
この本の著者は、生活保護はもらえることに引け目を感じる必要はない、ということを書いています。
そうでしょう。
この著者がいうように、これまで税金を払ってこなかった人など誰もいないのですし、その財源を受け取る権利は誰にでもあるでしょう。
しかし、だれにでももらえるという認識になってしまったら、それこそ国の財源は破綻してしまうでしょう。
そうならないように、国民の1人1人が、自分は何をすればいいのか、ということを考え、探し、行動していくことが必要でしょう。
この著者が、この本の最後の方で書いている、コミュニティーの形成、人間関係の構築の大事さを力説していたのは非常に感銘を受けました。
「この人を助けたい、援助したい」という気持ちを多くの人にもたれるような人間関係を作っておくことの大切さを力説しているのです。
それは行動であったり、金銭的なもの両方ですね。
また政府の施策だけに頼るのは私にあまりに説得力がないのですね。 かつて庶民派経済学者であった森永卓郎氏は、「政府がデフレをやめれば、国内の経済問題のほとんどは解決する」ということをいろんな書物で書いてきました。
しかし、それを政府はやめようとしない。
それは、政治家にしても官僚にしても、日本の政治のカギを握る人たちは、金持ちであることがほとんどです。
ですからその金持ち優遇の政策のためにデフレをやめようとしないのです。
デフレ下であれば、不動産や株、債券といったものが安く買える。
しかしインフレ下であれば、それが出来なくなる、だからやめようとしないのですね。
不動産や株、債券といったものは一般庶民にはほとんど無縁のものです。
それに財源が不足しているならば、そういった金持ちたちからたっぷりとればいいのですが、そういう施策はせずに、一般庶民からとるようにしている。
ですから今の日本の政治は金持ち寄りのものなのです。
「政府がデフレをやめれば、国内の経済問題のほとんどは解決する」と書いた森永氏の他にも、原田泰、上念司、岩田規久男といった庶民の立場にたった経済学者は登壇させないようにマスコミも工夫されてしまっているのです。
デフレをやめれば、当然年金の額も上がっていくことは間違いないでしょう。
しかし金持ち優遇の日本においては、それも期待できない。
そこで思いだされるのは、ロバート.キヨサキの言葉ですね。
「みんなが金持ちになるよう政治に期待するよりも、自分が金持ちになった方が早い」ということですね。
ロバート.キヨサキ
このニュアンスの言葉を、氏はいろんな本の中で書いていますが、中でも印象的だったのは、『あなたに金持ちになってほしい』という本ですね。
アメリカ国民にむけて「これから先、政府が年金を拠出するとなると、毎月アメリカがイラク戦争に使った額の半分を毎月出さなければならなくなる。そんなことが可能かどうかは普通の脳をもった人であればわかるはず。
年金に頼らずに自分の懐に毎月お金を振り込んでくれるシステムを自分で構築することが大事」ということを書かれているのを見て、私がこれこそが一番説得的だなあと思いましたし、これ以上の言葉はなかったですね、これまでいろんな本を読んできて。
そしていろんな本を通じて、労働に頼らずとも、お金を得る方法の数々について、いろいろな方法を提示してきたのですね。
そんな自分にはそんな方法はない、と思われるかもしれませんが、氏の本を読めばその方法の数々について知ることはできるはずです。 考え続け、そして探し続け、それがわかったらそれを行動に移してみることですね。
氏が、小学校のころ、氏が「金持ち父さん」と仰ぐ、親友マイクの父に、頭を使って方法を探せと言われ、いろいろ考えた結果、金持ち父さんの経営するコンビニにおいて、売れ残った漫画雑誌を店長からもらい受け、それを小屋にもっていき、毎号保存してその小屋を利用料を徴収してお金を得る、という方法を考え実行した氏を、金持ち父さんに喜ばれた、というエピソードを紹介していました。
また、私はいろんな音楽のCDや本の鑑賞をしてきましたが、いずれも「これはずっと鑑賞していきたい」と思ったものに関しては、保存していますが、これっきりでいいと思ったものに関しては、中古屋に売ってきました。
しかし、いずれも安く買いたたかれるのがおちでした(笑)
「こんなマニアックなものがこんな安く買いたたかれるの?」と残念至極でした。
古本屋では、新品価格で4500円くらいする分厚いマニアックで文芸的な要素もある学術的な本でも100円以下、高くても200円でしか買ってくれなかったのですが、Yahoo!オークションで出品すれば、1500円とか高い場合は2000円くらいで売れるパターンがたくさんあるから驚きです。
売る自分もオーケー、買いたい人も巷で買うよりも安く売れるからオーケー。
両方にとっていいのです。
確かに、古本屋の方も、自分の生活費や、店舗の家賃、光熱費、人件費等を考慮に入れて、買い取りの値段設定をしてきたのだと思いますが、それでもこのオークションを使えば、売る方と買う方両方が店舗で売買するよりも得をするのが認識されだしたので、これから中古屋は廃れていくでしょう。
このネットオークションの恩恵を受け、良き気分に浸っています。
老人のかたで、自分には売るモノがないと思われがちですが、押し入れや倉庫にいって根ほり探せば、思わぬ大金が得れるものが出てくる可能性があるのは確かです。
しかし、どのようなものが売れるのかと問われれば、「自分で勉強してください」としか答えようがないです(笑)
また、物事を成就する方法、金を稼ぐ方法などを、冊子やEブックにして販売する方法、商品を紹介してその手数料を得るアフィリエイトやドロップシッピング、こういった方法などを駆使していけば、金をゲットできる方法などいくらでもあるのです。
労働に頼らずに、詳細に言えば、会社に入って働かなくてもお金を得れる方法はいくらでもあるのです。
確かにこれだけでは、生活費をまかなえない、と反論されそうですが、確かにそれだけでは生活はおぼつかないですが、であるならば、何かバイトをしながらでも並行しながら行くのがいいでしょう。
また株やFXの投資や短期トレードなど、をよちよち歩きの段階から始めて、行動を積み重ねてお小遣い稼ぎ、あるいは大金を稼ぐ、といった事をしていくのがいいでしょう。
いずれも、その道について勉強や研究を重ねる、ということが大事であることは間違いないです。
ただ単にネットビジネスや、トレード、投資等の行動に入ったからとて誰でもうまくいくかどうかは保証の限りではないのです。
やはり勉強や研究を重ねる必要があるということです。
老後、年金を貰っても生活費には程遠い、だからということで始めたのか、老夫妻の経営する某簡素な蕎麦屋さんに入って、冷やしタヌキそばを注文しました。
すると出てきたのは、市販の蕎麦をゆでて、市販のつゆをかけただけの代物でした(笑)
しかもわさびは、スーパーの切った刺身についてくる四角いわさびでした(笑)
こういった店では、来た人が再来するわけはありません。
でてきた人は、あそこはいい加減な店だと、いろんな人に吹聴するでしょう。
そして店が閉店してしまうのです。
国に老後を頼らない、という気概は立派ですが、あまりにも勉強不足すぎです、この店の人たちは(笑)
300円くらいで、本物の味が『小諸そば』で食べれるのですから、そんな市販のモノで済ました店が繁盛するわけはないのです。
ネットを利用してお金を稼ぐにしろ、リアルビジネスを始めるにしろ、行き当たりばったりの行動ではダメで、勉強を重ねて行動し、そして勉強を更に重ねていかなくてはならないのです。 それでもうまくいかない場合は、労働を続けるか、生活保護を受けるかしかないでしょう。
自分で描いた将来が、必ずしもうまくいくかどうかなど自分で予見できるわけはないのです。 かくいう私も、生活保護を受けるようになるかもしれないです(笑)
それでも貯金はしていますし、年金も収めています。
私はこれまで本というものは、良き社会を創造するためにあるということを主張してきました。
そのために問題点を探し、その良き社会のために自分は何をすべきかを考え、行動することが大事である、ということを書いてきました。
ですから、良き社会の創造のために、労働し、年金を納め、貯金をする。 それだけでは足りないのが事実でしょう。 そういった事だけに、国民の全部あるいはほとんどがしていては、国の財源が足りなくなるのは明白です。
ですからそういったものだけに頼らずに、自分で財源が作り出せるなら作った方がいいのは明白です。
ですから、それを日々作りだせるように努力を積み重ねているのです。
年金を貰わずに生活している人が年々増えているのは事実ですし、自分もそうなれるようにしているのです。
その国に頼らずに財源を確保するだけでなく、先にかいたように、思わぬ病気に罹患する、といったことで老後が破たんしてしまった例もあるように、ではどうすればガンにかからないか、を本などを読んで行動する。
食品や、日用品、またはレントゲンで診察を受ける事でもガンにかかりやすくなるらしいことを知って驚きました。
また認知症の患者もおおくなっていますが、認知症は、遺伝子組み換えの小麦粉で作った製品を食べるとなりやすくなる、ということを知って驚きました。
こういった多岐にわたることをいろんな本を読んで、知り、そして行動していくことが大事であるということは間違いないでしょう。
老後の貯蓄だけでは想定外である病気や事故が起きたときに足りなくなってしまう、ということは、先の例からも明かでしょう。
それは切実な下流老人の現状を見れば、その思いは強くなります。
その思いを強くして、行動することの重要性を認識することは何よりも大事でしょう。
人生には多岐にわたる学びが大事なのです。
その多岐にわたる物事の一環として、この本をお勧めします。
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