この本は94年に書かれ、96年にでた本ですが、これまでの日本は、年功序列、終身雇用の社会でしたが、これから先は、それが崩れていくということですね。
当時も続く不況のさなかにおいて、それ以外の要因、例えば満足社会、少子高齢化、アジア社会の勃興といった理由によって、それが維持できなくなる、ということですね。
その内容についてはつまびらかになり、ここで書く余裕はないですから、この本を買って読んでいただくほかないでしょう。
これこれこういうわけでということがかなりつまびらかに論じているのです。
その奥深さにダウンさせられるほどです。
本の題名のように、社縁が中心ではなく、縁を自ら作り出すことが重要な社会になる、ということですが、今の社会をみるとまさにその通りではないでしょうか?
ただ、年功序列、終身雇用の会社は今もあることは間違いないですが、かなり少数派であることは間違いないでしょう。
そしてどのような社会になっていくのか、ということをつまびらかに予測し、それを堺屋氏は論じているわけですが、それがことごとく当たっているわけですね。 その内容をみると私のみならず誰でもがびっくりするでしょう。
堺屋太一
それはなぜ可能なのかといえば、いろんな学問に精通し、その研究熱心がゆえに、その分野の専門家以上の透徹した理論をみちびだす能力にたけているからですね。
氏が、前に出した『東大講義録』をよんだときに、あまりにもすごい透徹した理論、例えば歴史家でさえも分からないような歴史の理論を展開しているのですから私は驚きました。 彼が歴史にも通暁しているからでしょう。
やはり歴史は繰り返す、ということわざ通り、人の行動様式は古今東西そんなに変わるものではないし、共通する行動様式がある、ということですね。
歴史を研究し、このような事態になったときに人類はどういう行動をするか、という歴史から学んだ理論を抽出して、どうすべきかということを彼は毎回論じているわけですね。
その際、失敗したのは、うまくいかなかったのは、こういう行動にしなかったからだ、という抽出した理論を導き、どうすればいいかを論じているのですね。
それは日本史からでもあるし、他のアジアの国からのもあるし、西洋からのもあります。
それだけ歴史の大事さに、バイアスが堺屋氏にはかかっていますから、いつも彼の著作を読むと歴史について書かれたページ数が多いんですね。
しかし、その抽出した理論には説得がありますから、やはり飛ばして読むことなどできないのですね。
その内容については読んだ人の行動を促すことを主眼としているのは間違いないでしょう。
社縁ではなく、縁を自分ではぐくむ社会ということですが、そのために必要なのは、やはり人の心に武装をしていく準備、とその他行動をする、何らかの行動をすることを促しているのは間違いないでしょう。
抽象的で分かりにくいでしょうが、やはりいろんな本を読み、行動していくことの重要性をこの本もまた促しているのは間違いないでしょう。
確かに、学校を含めた政府はもちろん、会社の管理者たちも行動を促さないといけないでしょうが、やはり一番大事なのは読んだ人でしょう。
でなければ、この本のように、一般人向けに売るわけはないのですから。
そのことにピンときた人は、この本並びに他のいろんな本を読み、心の矯正を軌道修正して、行動を今までの常識から外していくことをお勧めします。
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