このかたは、法政大学に入学しながらも2年で中退して、働きに出たようですね。
この本が出された80年に、日本ではまだ新人類などという言葉はなかったでしょうが、この頃は既に社会が豊かになり、それ故に戦中戦後直後に生きてきた人とは違う考えの若者が多くいたでしょう。
しかし、それは社会が変われば、人の考えも当然変わるという古今東西変わらぬ事実を見据えていたがゆえに、やはり中立的な立場でものを考え、そして論文を書いているのですね。
それは非常に大事な態度であると思います。
何故なら、事には何事も良い面と悪い面があるわけで、こちらを採択すれば必ずうまくいき、こちらを採択したらすべてうまくいかないというようなことは絶対になりからです。
戦中戦直後の世代は、とにかく文句を言わずに働き詰めることがいいことのようになり、それに疑問をさしはさまずに働いていた人が多かったのは言うまでもないでしょう。
しかし、その世代より下の人が、大学へいき、卒業すると、そんながむしゃらなことは少なくなり、働くよりも余暇や趣味に生きがいを見出したいということを考える人が出てくるのを、この作者は多く見てきたのでしょう。
やはり自由がほしいという考えを持つ人が多くなるのは必然でしょう。
自由を謳歌したいがために、わざと大学を留年するなどという人が出てくるのを目の当たりにしたのも必然でしょう。
かつては怒ることが、エネルギーを発散する手段であったのが、この当時の世代の若者たちは、怒らずに趣味や自由や余暇にいそしんで怒らなくなったということですね。
それゆえに『怒らぬ若者たち』という表題を付けたのでしょう。
それがいいか悪いかという善悪二元論ではなく、その違う世代を比較して、互いにいいところと悪いところを吟味しながら、互いの向上や内容の昇華を狙うのが最適なのでないでしょうか?
確かに自由過ぎるのはよくないでしょう。
高校時代から、上の世代の人から大学の退嬰ぶりを聞かされてきました。
そして大学に入学すると、その言葉通りで驚きました。
ほとんど講義に出ずに、年末だけ出て、そこでメイトからノートを借りてコピーしてそれだけ勉強する。
周りのコンビニは、そんな大学生でいっぱいでいつまでたってもコピーできない感じで(笑)
まあ私は全部出ていたのでコピーとは無縁でした。
こんな大学生が、社会に出たらどうなるんだ、ろくすっぽ仕事などできないで、中退してしまうんじゃ、などと思ってましたが、そんな心配は杞憂でした(笑)。
ただそんな大学時代を送っていたのは、ただ勉強が嫌いだったというだけであって、それが=仕事ができないということではなかったようですね。
自分で選んだ好きな仕事であれば懇親的になるのは当然です。
また自分の下の世代に対しても中立の態度で接するのが最適でしょう。
自分は苦労してきた。
だから苦労知らずの人たちは、私にかなうわけはない、と考えるのは早計で、私が彼ら彼女らに勝っている部分もあれば劣っている部分もあります。
ですから、苦労してきた、だからなんでも自分が優っているというのは、あまりに短絡的な考えといわざるを得ないのです(笑)
ただ、あまりに自由過ぎるのもいけませんし、それをただ傍観しているだけでもいけないでしょう。
その自由過ぎることが問題で、どのような弊が出るのかを知ったら、それをふさぎとめる工夫をしないといけないでしょう。
そのためのこのような本なのですから。
また、自分が得てきたことも知恵として使用していかなくてはならないでしょう。
また自分の世代がすべてではありませんから、下の世代からも学ぶところは謙虚に学ぼうという気概を持たなくてはならないでしょう。
この本を読んでそんなことを考えました。
ただ、本というものは社会に存在する問題を良き方向へ向かわせるために存在するのですから、この本を1冊よんでもうOKだみたいな、快刀乱麻的な本は存在しないです。
いろんな本を読みふせていくことが大事であると思っています。
その一環として役立つ本であるということは保証したいです。
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