岩国哲人 『出雲発 日本改革論』

2020-05-01 08:50:55 | 現代社会

私の知り合いの実業家が、この岩国さんと知り合いだったこともあって興味あって、この本を読ませてもらいました。

このかたは、国会議員を務め、出雲市長にまでなったかたなのですね。

私はつねづね社会科学は、社会をよくするためにあるということを念に思っていました。

ゆえに、多くの人がこれを学んで、そして社会にある問題点を良き方向へ持っていくために行動することが望ましいと思っていたのです。

何も科学は大学生だけが学ぶものではないですから、一般人も読むべきでしょう。

この岩国さんは、国内はもちろん、海外や国際問題にまでで精通しているひとであることがこの本を読んでわかりました。

ロッキードやリクルート、佐川とスキャンダル続きであったにもかかわらず日本は自民党が政権を維持している、衆議院議員は官僚が3割を占めているが故の弊害や、政治資金が先進国中最高であったが政治資金規正法はザル法であるとか、非常に事情に精通しているのみならず、問題点に透徹しているのがわかりました。

精通しているのみならず、問題点を良き方向へ持っていくために自分が日々行動しているからこそ素晴らしいと思いました。

やはりこの人の他の本を読んだときにも気付いたのは、地方の活性化に気をもんでいるということですね。 あまりに東京に人が集まりすぎている、ゆえに地方経済が疲弊してしまっている。

これは異常ですし、生活上も、政治上でも、その他いろんな面でいいはずはないです。

そのために岩国氏は地方の活性化、魅力づくりに積極的に取り組んできたのですね。

地方に職、娯楽、文化、選択の自由を据えれば、地方に民族移動が起こるということを確信を持って取り組んできたのですね。

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     岩国哲人

 

大学や企業の移転や誘致を必死に取り組んできたようです。

当時、短大の79学と大学の106学が東京にあったのです。

しかし、この岩国氏の県である島根では3校しか大学がなく、島根から85%の人が県外にいってしまっていたようです。

そのために、年間150億円が県外に出て行ってしまっていたようです。

この事実をみて、東京などの首都圏に来ている大学生、あるいは専門学生はどう思うでしょうか?

県外に出るだけでなく、そのまま県外ほとんどが東京でしょうが東京で就職をする。

そのことで便利な生活であることは確かですが、地方の経済が疲弊してしまうのです。

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働く人、物を買う人、そこでサービスを買う人等が多ければ多いほどその経済にとっていいのは言うまでもないのです。

そのことは、脳内ではわかっているけれども、人づきあいや仕事に忙しくなるとついそういった事を忘れてしまう。

そういった弊害について大学で勉強することはあっても、試験がおわるとその知識は雲散霧消してしまう。

そうならないためにも、やはり科学に関する本やこういった本を主体的に読むことをお勧めするのです。

そういう人が多ければ多いほどいいのは言うまでもないのです。

前に紹介した『やさか仙人物語』では、まさにそういうことをお勧めしている本なのです。

※参考ページ

     ↓

『やさか仙人物語』について書いたページ

http://hair-up3times.seesaa.net/article/211333974.html?1588288472

 

またこの岩国氏が凄いなと思ったのは、国内、海外、国際とあらゆる事情について情報収集しているなと思ったのです。

アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカといろんな国の事情について収集しているのです。

それのみならず、そこから出てくる問題点について自分でできることはないかと、結び付ける努力を惜しまないところが素晴らしいと思いました。

ODAの額は日本は先進7か国中最下位だったようですが、そのために自分ができることはないか考え、アフリカやアジアの国の水のパイプラインを作ることを構想していたようですね。

また、この方は、出雲ドームの建設に着手したようですが、これは3600平方mのようですが、米国産の松の木で作ったようです。

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  出雲ドーム

 

それは日本のアメリカからの黒字減らしに少しでも貢献できるためにということでしたようです。

そのことでアメリカのパーカー公使が来てさんざん感謝あれたエピソードを紹介しています。

このことで、岩国氏は地方の分権は霞が関のメンツにこだわらずに地方に任せるべきだということを書いておられますね。

その他、行政の出前サービス(土日働くのを年1回だけする)、福祉カード導入、農業の公有化といったことを実現しています。

また、草の根の海外との交流を忘れていません。

中国韓国の人たちと文化、学習、技術、水稲生産の分野で交流を実現するための催しの開催をしているそうです。

また、塩治公民館を建設し、そのことで来場者が14000人から28000人に倍増したようです。

これは元禄時代の建築様式にしたようで、多くの古来の地方に魅力を感じる人を魅了したようです。

また出雲文化伝承館、屋敷、流庭園、独楽庭といった建設も紹介しています。

また、環境問題についても意識を持っていて、リサイクルを募りそのことで、500余トンの紙がリサイクルにまわったようです。

これで、11000本の木を切らずに済んだということです。

これら岩国氏の着手してきたことの詳細についてはこの本を読んでいただくのがいいでしょう。

このように岩国氏の問題意識は、いろんな分野に多岐にわたるのです。

そしてそれを自らの問題として捉え、それで自分ができることはないかを常に考え行動している、あるいは人にも呼び掛けている。 そのことで社会がよくなることを願っているのです。

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岩国氏のしたことだけではすべての人の要望に応えられるわけはないですから、そのことで批判を浴びることはあるでしょうけれども、氏の本を読めば知らないところで、これだけのことをしているんだと納得することは間違いないでしょう。

このように社会がなってほしいと思いながら、その規範を本なりに書く。

しかし当の本人はほとんど、あるいは何もしない。

これでは説得力はないのです。

自分が行動するのでなければ。

しかし、そういう人とは違って、岩国氏は行動している。

これは素晴らしいことであると思いました。

自分の身の回りだけでなく、広く日本社会、あるいは海外、そして国際社会と広い視野でもって問題点をみつけ、その中で吟味して自分にできることはないかを考え行動する。

これこそが市民というものでしょう。

そういう行動を日々している岩国氏こそまさに冠たる市民だと思いました。

こういう市民を生み出すことが社会科学あるいは大きく科学の目的であるということを今一度心にインストールしていってほしいものです。

そのことに頷けた人には是非とも読んでほしい本です。

●この本は以下よりどうぞ!

  ↓

出雲発 日本改革論―政治を変える、地方が変わる

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