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大学教授キョトンC日々アラカルト便り!!
カレマのアレマ(その2)
スウェーデンの介護スキャンダルの話の続き。
2011年11月2日のDNによれば、
ストックホルム近郊のイエルフェッラコミューンで、
民間会社カレマが運営を委託されている介護の付いた特別住宅
Tallbofov(タルボホーヴ)では、
清掃担当スタッフが解雇されていた。
人件費カットのためである。
さらに、深刻なことに、入居者のベッドが壊れてしまった後、カレマはベッドを買い変えず、
6か月間にわたり、床にマットを敷いた状態にしていた。
入居者は、そのマットの上で寝かされていたのである。
コストカットのためである。
いくら現場の介護スタッフが正しい判断ができても、
会社自体が<儲け第一主義という痛い価値観を持っていれば>、
こうした事件は発生してしまう。
民間委託は、お隣のデンマークも含めて、1つのトレンドになっているし、これを廃止することはできないであろう。
とするならば、応募してきた組織の運営計画を、委託期間の運営費の多寡だけではなく、
<ケアの質>を重点的に審査しなければならない。
でも、これが
コミューン議会議員で作る委員会では、困難な作業となる。
やはり<抜き打ち訪問大作戦>しかない。
コミューン職員、コミューン議会議員、コミューンから委託を受けた覆面研究者など、第3者が
いつでも、
どこでも、
アポなしでチェックできるようにする。
滞在時間も無制限。
丸1日チェックしてもよい。
常に、外部の目が入るようにしておけば、カレマのような<不埒な会社方針は採れなくなる>。
スウェーデンだけではない。
北海道でも酷い<高齢者虐待事件>が発生した。
日本でも常に発生している。
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昨日のアルコール
缶ビール 小 1本
今朝の血圧・脈拍
右・・・113-83-71
左・・・129-87-68
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実は以前、ある行政マンに事前に通告する理由を聞いてみたことがありますが、その方曰く「準備する側も大変だろうし、自分たちもスケジュールを調整するためにです」と。随分と親切だなぁと思いましたが、これだと不正は暴けないですよね。
そういえば、民間委託の話で思い出しましたが、昨年末に出た経産省のあるレポートに、「日本では軽度(要支援1~要介護2)の要介護者にも保険で介護サービスを提供しているので、民間企業が育たない」という内容がありました(この資料、4月のミーティングの際にお渡しいたします)。軽度の要介護者には介護保険を適用せず、すべて民間に委ねるべきであるとでも言いたいのでしょう。こうしてみると、省庁間の認識にはかなりのズレがありますよね。
仮にこうなると、儲け第一主義の企業が大量に参入し、日本でも介護スキャンダルが続出するでしょうね。
忙しすぎて、全て忘れそうです。
このレポート詳しくは分からないのですが、ご紹介のセンテンスだけ見ても矛盾を孕んでいますね。
日本で第2のコムスン事件が発生しないことを祈っています。
韓国では、こうした介護スキャンダルはあまり聞かないですね。
ちっちゃな不正はあるようですが、虐待事件はどうなんでしょうか?
経産省のレポート、実は私の論文が引用されており、変な使われ方をしているので、話題にしたわけです。詳しくは4月のミーティング際に申し上げます。
経産省レポート、是非拝見したいです。
日本は家庭内の高齢者虐待が2万を超えていて深刻です。
先生の論文是非お願いします。
高齢者虐待のことも「儒教思想と介護思想」について書いた拙稿において少しばかり取り上げただけのものです。ということで、あまり参考にならないと思いますが、折角ですので、お持ちいたします。