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スウェーデンの総選挙の結果

9月19日、この日は第3日曜日。

スウェーデンでは、4年に一度、第3日曜日がスウェーデン社会にとり、とっても大切な日となる。

そう、総選挙の日。

国会議員のポストを、どのような政党がどれだけ獲得できるのか、この日の選挙で決まるのだ。

結論を先に言えば、現政権同様、保守ブロックが、革新ブロックを抑えた。

すなわち、今後4年間は、これまでの4年間同様、穏健党が軸となり、保守系の政党と連合を組み、政権運営にあたる。

ただし、保守ブロックだけでは、過半数に足りないので、対抗するブロック=赤緑連合から一党を取り込み、多数派を組織しなければならない。

常識的に考えて、環境党(=緑党)が、保守ブロックと連立する可能性が高い。

というか、環境党を取り込まなければ、不安定この上ないので、必ず連合するのだが、取り込む過程で、多くの<取引=交渉>が行われるであろう。

 

各党の得票比率と議席数をブロックごとに見てみよう。

 

赤緑連合=157議席

・社会民主労働党 30.9%(113議席)

・環境党        7.2%(25議席)

・左翼党        5.6%(19議席)

 

保守連合=172議席

・穏健党       30.0%(107議席)

・国民党        7.1%(24議席)

・中央党        6.6%(22議席)

・キリスト教民主党  5.6%(19議席)

 

特筆すべきは、スウェーデン民主党という極右政党が5.7%(20議席)も獲得した点である。

スウェーデンは、とりわけ、移民・難民を受け入れる優しい国家であったが、スウェーデン民主党はそうした政策を真っ向から否定する。

ヨーロッパでは、どの国も一定数の極右勢力が一定の力を持ってきたが、ついにその波がスウェーデンにも押し寄せた格好だ。

 

穏健党党首フレデリック・ラインフェルト(私は、ベビーフェイスのそらまめ君と呼んでいる)率いる保守ブロックが、このスウェーデン民主党と連立を組むことはないと思うが、

気にしなければならない党が誕生したことがとても気になる。

 

これまで、保守ブロックが連続して2期8年政権を担当することは、

この70年ほどの間で、なかったように記憶している。

私の記憶は不正確であるから、自信がない。そのため気後れしている。

 

高齢者ケアの分野では、ますます市場原理が強くなり、民間委託が進むであろう。

競争原理が必ずしもケアの質を高めるわけではない現実がある。

その事実が分かっていても、<選択の自由革命>を推し進めるのであろうか。

 

それにしても、福祉国家建設の原動力となってきた社会民主労働党はどうしちゃったのか?

社会民主労働党の党首、モナ・サリーン(私は、スウェーデンの八代亜紀と呼んでいる)はかってのカリスマ性がなくなってしまったのか?

 

 

 

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