サッカーJリーグもいよいよクライマックス。
J1はW杯最終予選の後に残り3試合、
J2は週末の最終節で、リーグ戦最終順位が確定。
J2に関しては“その後”に
3位から6位のチームによる「J1昇格プレーオフ」が開催されるから、
リーグ戦の順位は最終順位で、実はそうではない。
今シーズンの昇格枠は、例年どおりの3枠。
昨季までは3位までのクラブに「自動昇格」の権利が与えられていたが、
今季は3枠目の昇格条件に変更。
3位から6位までの4クラブがトーナメント方式の「J1昇格プレーオフ」に参加し、
トーナメントで優勝したクラブに“3つ目の昇格権”が与えられる。
J2の現状を整理してみよう。
第38節にして早々と2位以内を確定させたヴァンフォーレ甲府は、
圧倒的な強さでJ2を制し、1つ目の自動昇格枠を手に入れた。
したがって、残る昇格枠は“自動昇格枠”と“プレーオフ枠”がそれぞれ1つずつ。
この2つの枠を争う戦いが、11日の最終節までもつれ湘南が手にした。
京都、大分、横浜FC、千葉の4クラブにJ1昇格の可能性。
7位以下にはシーズン途中に監督交代を強いられた東京ヴェルディ、
シーズンを通じて魅力的な組織サッカーを構築したファジアーノ岡山、
さらに昨季のJ2で旋風を巻き起こしたギラヴァンツ北九州と続くが、
いずれも「プレーオフ圏外」。
今、大きな注目を集めているのは昇格プレーオフ。
プレーオフのレギュレーションは次のとおり。
年間順位が低いとプレーオフで大きなハンディがあり。
3位から6位までの4クラブが1マッチで勝敗を決するトーナメントを戦い、
準決勝は3位クラブと4位クラブのホームで、
決勝は“中立地”である国立競技場で開催。
それぞれ90分間の試合で、
準決勝、決勝とも同点の場合は年間順位の上位クラブが勝者となる。
延長戦やPK戦は実施されないため、
つまり年間順位を3位で終えるのと
6位で終えるのとでは天と地ほどの差がある。
ちなみにこのシステムは、
世界のスタンダードとなりつつある。
昇降格に関するシステムは世界各国でも様々な方法が採られているが、
例えば、欧州4大リーグでは次のようなシステムが採用されている。
リーグ戦の結果を反映せず“最後を盛り上げる”ことの意味とは?
イングランド・スペイン・ドイツ・イタリア等はこのシステム。
残された最後の昇格枠をめぐって4クラブがトーナメント方式で戦うのだから、
史上稀に見る激闘が繰り広げられることは間違いない。
ただし気になるのは、
どんなに年間順位の優位性を保つ工夫を凝らしたとしても、
「リーグ戦の6位クラブが3位クラブを逆転する」可能性があることです。
1年間に及ぶリーグ戦の結果をそのまま反映することなく
“最後を盛り上げる”ことに、果たして大きな意味があるのだろうか?。
懸念するところの「6位が3位を逆転する可能性」については、
昨シーズンのイタリアでまさにその大逆転劇が起こった。
一発逆転という日本人が好きなエンターテインメント性は十分だが……。
13もの勝ち点差を文字通りの一発逆転でひっくり返すのだから、
そこに特別なドラマがあることは間違いない。
おそらくJリーグも、J2リーグそのものを活性化させる
一つの手法としてこのシステムを採用したのだろう。
何のためのリーグ戦か、何のためのエンターテインメントか。
しかし、
すべての改善策の目的が「リーグ全体のレベルアップ」にあることなのか。
近年、かって無いサッカーブームに乗って
Jリーグはクラブ数を着実に増加させてきた、
その結果として生まれたのは低レベルでの実力の均衡、
危うい経営状態を抱えたクラブの増加。
名門と称されるクラブがJ2降格経験なく居座っていること、
さらにJ1が“本命不在”のリーグになっている現状も。
もちろん、
次々に改善策を打ち出す柔軟な姿勢は必要。
しかし、その目的が一時的なものでは・・。
目指さなければならないのは、
しっかりとした基盤を作り、
着実なレベルアップを図ること。
そう考えると、20年目のJリーグは急ぎ過ぎている気がする。
J1昇格の残り1枠を懸けたプレーオフは、
果たしてどのような結末を迎えるのか。
何のためのリーグ戦か、
何のためのエンターテインメントか?
そこんとこを考えながら
その行方を見守りたい。
ガンバレ!!京都サンガFC