明るい兆し
東京のオフィス市場では、「安全への逃避」の現象が。
2011年3月に発生したマグニチュード(M)9.0の東日本大震災の記憶がまだ鮮明に残るなか、
東京では最新の工学技術や設計を採用した新築ビルに移転する企業が増えているという。
これらのビルは、
東日本大震災と同等ないしそれ以上の巨大地震から
入居企業を守るために最新の技術を導入している。
東京をいつか襲うであろう「ビッグ・ワン(大地震)」への懸念が、
不動産の投資や開発、賃貸契約の判断に影響をもたらしている。
例えば、日本の建築基準が大幅に強化された
1981年以前に建設された物件を検討する投資家はほとんどいない、
と専門家は指摘。
その一方で、
新築物件は予想以上の速さで入居が決まっている、
こうした新しい需要のおかげで最新式のビルの所有者は
賃料引き上げが可能になっている。
このトレンドは、
ハリケーン「サンディ」の被害を受けたニューヨーク市で
今後起こる現象の前触れかもしれない。
ニューヨーク市では既に中心街のオフィスビルの所有者が
競争力を強化するため洪水への備えを固めようとしている。
不動産のデータによると、
築1年未満の東京都心のビル、
しかも最新耐震技術が使われている物件は、
古いビルよりも平均40%高い賃料を提示している。
この数字は東日本大震災の直前に比べて10%ポイント以上アップ。
東日本大地震は
、震央から240マイル(約380キロ)離れた東京には重大な被害はもたらさなかったが、
大きなビルも激しく揺れ、同時に市場心理をも動揺させた。
都心の高層ビルは地震発生から数分間揺れ続け、
椅子が床を走り、従業員たちが動揺したという。
資産運用会社のT.ロウ・プライス・グループは最近、
都心で転居先を1984年築の建物から、
近くにある築5年のオフィスビルに移転する予定だ。
東日本大震災の際、
地上20階にある現在のオフィスにいて揺れを体験。
このため、新しいビルの低層の階に移りたくなったと言う。
「われわれの転居先ビルは、
耐震強度という観点から日本でトップ10に入るビルだと保証された」と述べ、
転居先は7階だそうだ。
調査によると、
オフィス移転を検討する上で重要な要素は、
より良い耐震構造を挙げた企業は35%に達した。
大震災前の2010年の調査では15%だった。
一方、古い物件は苦戦している。
背景にはオフィス市場が金融危機後、
歴史的にも執拗に高い水準にとどまっている空室率にあえぎ続けていることがある。
今年9月の時点での空室率は8.9%に達している。
これは金融危機前の07年11月の時点の2.49%を大幅に上回っている。
テナントの考え方が震災後大きく変化し、
安全と従業員の保護に高い優先度を置いていると指摘。
海外の投資家は最近、日本の不動産への関心を高めている。
日本経済が停滞している中で、
不動産価格の急騰への期待は小さいものの、
投資家たちが最近、
日本の不動産について高く評価している点がある。
主な原因は投資収益が大きいことだ。
都心の近代的なオフィスを購入する投資家は
年間5.5%のリターンを期待できるという。
ベンチマークとなる日本の国債10年物の利回りは0.8%未満で、
利回りスプレッド(差)は比較対象となる不動産市場の中で最大だ。
プライベート・エクイティ(PE=未公開株)投資会社のMPGAは、
東京の市場が安定性とリターンの堅調さによって
魅力的な投資先になっていると指摘。
「香港、シンガポールなどの成熟したアジアのどの市場でも、
これほどの利回りスプレッドは上げられない」と述べ、
「われわれは積極的に東京での資産獲得拡大を検討している」と付け加えた。
東京における投資の様相は、
ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの多くの都市と異なる。
こうした都市では、建築や流行の観点から、
比較的古い建物が高く評価される。
これに対し東京では、
不動産開発会社がビルを壊しては最新技術を導入して建て直し、
より大型でより安全な建物に入れ替えている。
「1981年より前(筑後30年以上)に建てられた
古いビルに入居を希望する人は皆無だ」と
という事のようだ。
東南海地震が懸念される関西中部圏でもこの傾向があるのかも??
規模は小さいが最近プチ家主さんが増えているのもうなづける・・
銀行預金が無いに等しい0.2%未満・国債が0.8% 株の長期低落ではねぇ???
リスクの少ない不動産投資で5%となれば・
誰でも考えるわなぁ~