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椋神社の秋季例大祭 秩父吉田の龍勢 

2018-10-19 13:06:27 | お祭り
10月14日(日)、秩父市下吉田の椋(むく)神社で秋季例大祭が行われ、五穀豊穣や天下泰平等を祈願し「龍勢」が奉納されました。

「龍勢」は、松材をくりぬいて作った火薬筒に黒色火薬を詰めてタガを掛け、竹製の矢柄を長く取り付けたもので、全長は20m程あり、代々伝承されてきた農民による手作りロケットを打ち上げるもので「農民ロケット」とも呼ばれています。また、この「龍勢」は今年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された事もあり、例年以上の盛り上がりを期待できそうです。

「龍勢」の打上に入る前に、椋神社について少し紹介します。
延喜式内社で、祭神は猿田彦神、武甕槌神、天児屋根命、経津主命、比売神、応神天皇など25柱が祀られているようです。
社伝では、日本武尊が東征の折に創建、神殿の造立起源は和銅3年(710年)のようです。
椋神社大鳥居。

椋神社拝殿。

また、明治17年11月、悪徳金貸しや政府の悪政を批判し、貧民の救済を訴えておこした日本近代史上最大の農民蜂起「秩父事件」に於いて、秩父困民党として三千余名に及ぶ農民が決起集会を行った場所です。
秩父事件百年の碑と秩父事件百年像。
 

いよいよ、龍勢の打上となります。
こちらは、龍勢を打上げる櫓(発射台)です。

今日の天気は、朝方まで雨が残り、昼頃には雨が上がり、その後は青空が見えてくるような感じです。
打上は、8:40~ 17:00(但し、11:00~11:50の間は椋神社祭典のため休止)まで、15分間隔で30本の龍勢が打ち上げられます。

最初は、コマ送り的に龍勢の発射から見てみましょう。
導火線に点火され、矢柄(ロケット)が櫓から発射します。

威勢良く登り龍です。

ぐんぐん登って行きます。

背負物と呼ばれる落下傘や唐傘が矢柄から離れて行きます。
 
矢柄に繋がっている落下傘が離れてきます。
 
矢柄に繋がっている落下傘が開き、矢柄が優雅な落下となります。

花火玉等の仕掛けが空中で鮮やかに展開されます。
 
大成功、本当に綺麗です! 優雅です!!
 

さあ、もう一度別の龍勢で見ましょう。
     

櫓にロケットの打ち上げ準備が整うと合図があり、会場の中央に位置する「口上櫓」の上で「口上(こうじょう)」が述べられます。
「口上」とは、打ち上げられるロケットの特徴、製造流派、奉納者などを、独特の節回しで紹介し、「五穀豊穣 」「天下泰平」「家内安全」など、皆様の祈りを祈願するとともに、椋神社(むくじんじゃ)に御奉納する意を奉上することです。
この口上がとても良いんです。
櫓からの合図。

口上櫓。(こちらは、2011年に撮ったものです)

今回は、龍勢ばかりを撮っていましたので、以前に写した写真で龍勢を補足しています。

もっと、優雅に舞い降りる龍勢を見てみましょう。
 

  

途中で小雨が降りましたが、天候は回復に向かい、午後には青空が見えてきました。
    

龍勢の打上は、成功ばかりではなく、ロケットがうまく上がらず、途中で爆発しまうことがあります。
龍勢はロケットの原理で飛んでいるため、燃焼が早すぎたり、ガスが一度に出すぎてしまうと吹ききれなくなり、「筒っぱね」という失敗に終わります。

こちらは、「筒っぱね」ではありませんが、落下傘が上手く開かず矢柄が落ちてしまいました。

失敗に終わったからといって、それで終わりではありません。口上櫓の上で、口上を述べられた方が力強く「来年も頑張ります!」との言葉を述べられると、見物客からエールの拍手が起こり奉納者と観客が一体となります。

それでは、しつこいようですがもう一度コマ送りで龍勢を見てみましょう。
       

今年の龍勢は、まだ10本程残っていますがそろそろ帰る時間となりました。
最後は、帰り道で出会ったきれいな花達をまとめてみました。
キバナコスモス。

キバナコスモス(黄花コスモス)が好きな蝶。何んと言う名前の蝶でしょうか?
 
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)と蝶。こちらは、上の写真の蝶とは種類が違いそうです。

マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)。

アオツヅラフジ(青葛藤)。
 
ミゾソバ(溝蕎麦)。

シロバナサクラタデ(白花桜蓼)。

ダリア。

キク(菊)。


秩父は、朝晩とても冷え込むようになってきました。
ミューズパークのイチョウ並木もそろそろ紅葉に染まって来るようです。
そして、12月3日は「秩父夜祭」、秩父はまだまだ楽しめそうです。
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