牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

導入牛の運動

2008-11-19 19:43:29 | 肥育


導入後数日経てば、写真のように運動場に解放させる。
今月上旬に奄美諸島から導入した去勢牛群である。
導入牛は導入後3~4ヵ月間運動場に出して、足腰を鍛えている。
今朝は降雪があってもいいような寒波が押し寄せた。
周囲の山々も一段と色づき、本格的な冬の訪れである。
写真の牛らは、約半月の間に、20℃前後の気温差に見舞われたことになる。
運動場に出す牛たちは、運動量が多いため、意外と寒さには強い。
しかし、運動量が少ない舎飼いの牛らは、気温の変化のために風邪などに罹りやすい。
そのため、肥育牛舎は、寒風を塞ぐための冬囲いの作業にかかった。
新築牛舎はその備え付きであるが、従来からある畜舎は、どちらかといえば、夏向きの畜舎のために、冬囲いが必要となる。
開いたままの窓を閉めたり、北向きをコンパネで囲ったりが主な作業である。

主題は、導入牛を運動させる必要があるか否かである。
運動させることによるエネルギーの浪費があるために、効率の高い飼育法ではない。
されば、なぜ?ということになる。
日常運動させることは、①健康維持と基礎体力および強健性を養う②足腰を強靱にする③斑のない食欲を促す④性格が温順となるなどである。
導入時から仕上げまで、舎飼いの場合より、疾病率は明らかに少ない。
疾病率が低いことから、仕上げまで順調に増体する。
2ヵ月毎に素牛を導入しているが、春夏秋冬約80%が運動場付き育成舎で育成している。
神戸肉のように、枝肉重量が470kg以内とされている場合は、運動をさせる必要はない。
九州産で、増体能力が高い場合は、その能力を遺憾なく発揮させるには、運動が功を奏することになる。



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2 コメント

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やはり健康第一! (Piyo)
2008-11-20 17:59:29
(´∀`)/
先日、
駆虫や生菌剤に関してコメントしましたが、
適度な運動も頑強な牛を育てる必須条件のひとつと考えています。

毎日ではないのですが、
運動場に出した時の牛達のはしゃぎっぷりを見たらストレス発散になっていない筈がないとの確信があります。
見ているこっちまで嬉しくなってしまいますね。

さらに雨の日の運動はいいシャワーにもなり、
少々の汚れなら落としてくれますし。

(`∀´)/
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piyoさんへ (kuroiusi)
2008-11-20 19:21:49
牛を放牧場で育てれば、舎飼いで飼うより下痢などの疾患は少ないとされています。
大部以前、その様な比較試験をしたことがあります。
親も子も一過性の下痢はありましたが、その後は問題がありませんでした。
草地などの土壌に含まれる様々のミネラル等の効力があると解釈したものです。
強健で足腰の強い子牛が育つはずです。
牛本来の生息環境は、草原であった訳です。
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