暖冬の予想が外れて、このところ氷点下すれすれの寒さが続いている。
半月前に南の諸島から導入した子牛らには過酷な環境なのかも知れない。
早朝それらの房を覗くと、真っ白な吐息を吐きながらひとかたまりに固まって座り込んでいる。
南の島では見られない光景だったに違いない。
これらの環境の変化から体調を案じているが、彼らは意外と元気である。
ビタミン剤の投与や導入時の抗生剤の効果もあろうが、青々とした乾草を多給していることもそれらをカバーして体調維持に繋がっているのであろうと判断している。
低温下でも昼頃になれば、僅かばかりの陽射しを求めて全頭が日向ぼっこのために屋外に出てくる。
気持ち良さそうな光景を目の当たりに、溜飲を下げながら彼らに向かってにんまりと触手を求めると一斉にそれに応えてくれる。
至福のひとときでもある。