昨日は、肥育牛の共進会効果について記述したが、同様に以前は子牛市場出荷前に子牛の品評会が行われていた。
最近は、その様な品評会の話は伝わってこなくなった。
しかるべき会場に子牛たちを引き出す手間や経費を考えると、その目的意図が不要に至ったのであろう。
それに、第三者的に言わせて貰うなら、係る子牛たちを審査して序列を付けても、子牛の競り価格には連動しても、育成後の繁殖や肥育成績に反映しない可能性を否定できないことも現実の問題であろう。
共進会や品評会がなくなっている現状からは、自らの子牛生産については、子牛市場での計量結果に基づいて、生時からのDG(1日当たりの増体量:《計量値-生時体重》/日令)、発育度(肩での体高値)、栄養度、競り価格などを市場名簿に記録して、自らの子牛が置かれているレベルを考慮することにより評価できる。
同時に、生産者仲間から、親牛を含め仔牛の飼い方について、具体的に尋ねるなど意見交換することが、良い子牛生産を推し進めるには、効率よい効果が期待できる。
加えて、購買者が競り開始前に、下見に廻る際、どのような子牛を一番欲しがっているかなどを積極的に聞くことも良いチャンスである。
その際、なかなか口を割らない購買者もいるかもしれないが、懇切丁寧に話してくれる購買者は必ずいるはずである。
聞けたら、一人でも二人でもしめたものである。
一方購買者は、子牛を名簿の情報に基づいて下見して、この牛は将来どのレベルに成長するかを直感的に判断しなければならない。
購買者の直感能力如何で肥育成績や差益に大きく左右される。
それらの結果が、競り価格として現れる。
それらの価格が、何故高いか低いかを市場名簿を通して様々に判断して、生産に生かして貰いたいものである。