蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

タンク洗いも大変だ

2006年01月30日 19時15分58秒 | 日本酒
気が付けば一月もあと2日。仕込みは23本終了、そのうち上槽も13本終了。約半分はお酒となりました。実はあと10日ほどで「甑倒し」なのです。その話はまた後日。
話は変わりますが…、仕込むタンクにしても貯蔵するタンクにしてもやっぱり中はきれいに洗わないといけません(まあ当たり前ですが)。熱湯を使ったり、薬品殺菌をしたりさまざまですが、タンクの中に入ってゴシゴシやるのはもちろんです。中は狭いし暗いしスベルしで結構大変です。水を扱うので寒い日は嫌なものですが、やっているうちに自分の動き(体温)で温まってきます(笑)。最近、もろみが出て行ったり、酒が入ったりで毎日洗っております。これが私の担当とはいえ、とほほ…です。
≫はしごをかけて電球もつけて準備万端!?

蔵っ子妻 粕はぎ!

2006年01月24日 20時56分17秒 | 日本酒
もうそろそろ1月も終わりですね。蔵入りして早や2ヶ月以上が過ぎ、仕込みの方も後半。皆さん大きな怪我、病気無くここまで来ております。もう一息だ、頑張るぞ~。
私は今年も上槽(しぼり)担当です。どちらかというと後半忙しいです。そして何が大変、って、しぼったあとの「粕」をはがす作業が大変なのです。以前の日記で書きましたが、ヤブタという自動搾り機の中に酒粕がたくさんへばりついております。これをヘラではがすのですが、2~3時間かかります。(はがした酒粕は粕汁なんかにすると最高!うまいよ!)
二人ペアで作業するのですが、今年は蔵っ子妻とやっております。汚れるし寒いしで結構重装備です。匂いが付くので化粧も薄化粧で、というか、すっぴん!?(写真は割愛)

酒屋の朝は早い!

2006年01月23日 06時12分18秒 | 日本酒
おはようございます。朝早いですが既にひと仕事終わっております。造り酒屋の朝は早いと言いますが、うちの蔵は特に早く・・・4時半から仕事です。蔵によって時間は違うと思いますが、結局、麹やもろみの状態に合わせ、且つ段取りよく仕事を組んでいくとこうなるようです。これが仕込みの時期は毎日続きますので、自然と就寝も早くなり(夜更かしなどできず)健康的(?)な生活となります。「早起きは三文の得」となりますか。しかし朝食前に仕事をすると、おなかがすいて朝食が本当にうまい!一日のスタミナのもとですから食は基本ですね。
≫昨晩は少し雪が降ったようです。外を写しても真っ暗ですわね・・・。

精米さんは一抜け。

2006年01月19日 21時14分33秒 | 日本酒
いよいよ大吟醸の仕込が始まりました。いわゆる「山田錦精米35%」という大変贅沢なお酒の仕込みです。お米の65%を削っているのですから、米粒も本当に小さいですし、また山田錦という酒米は大変良い酒米とされ、やっぱり値段も高い!蔵によっては酒を作らせてもらえないほどコストのかかるお酒です。感謝して本当にいい酒に仕上げなければ…。
さて、大吟醸の仕込は後半です。ということで、まず精米の作業はほぼ終わりです。精米したお米はすぐ使うわけではありませんので、精米さんは我々より早く蔵入りし、我々より早く仕事が終わるわけです。精米さんが家に帰るようになると、なんか一区切りついたなあ…と思います。
≫山ほど積んであったお米も残りわずか。もうひとがんばり!

2日目のもろみの表面(ツラ)は?

2006年01月17日 20時49分05秒 | 日本酒
忙しい日々が続きます。店頭では、先日搾ったお酒が新酒として発売になりました。お客様の反応が楽しみであると同時に、不安な一面もあります。美味しいと思ってもらえるだろうか?買ってくれるだろうか?日々の仕込を思うとなおさらですね。頼むぞ~。(近日ネット通販開始予定)
さて昨日UPしたもろみの写真ですが、2日目にはこんな感じになってます。表面に水を吸ったお米が浮き上がっているのが見えます。(昨日の日記と見比べてみてね)またこの米の層の下には、発酵によるガスが発生しており、櫂を入れるとブスブス…とガスが出てきます。とりあえず酵母も元気で順調ってことかな?また分かりやすい変化が現れたときにご紹介しましょう。

只今 19/27

2006年01月16日 21時20分31秒 | 日本酒
蔵入りして早や2ヶ月。あっという間ですね。また大相撲もやってるし…。ということで、今現在の進み具合は19/27です。つまり、「27本仕込む予定のうち19本まで仕込んだ」ということになります。3分の2は終わったってことですね。基本的に「仕込日」とは三段仕込の最後「留添(留仕込み)」の日を言います。もうこれ以上麹も蒸米も入らない、という日ですね。あとは酵母に任せて発酵を見守り、表面の状態を気にしたり、温度に気を配ったりするのが人間の仕事です。写真は本日仕込の19本目のモロミ表面です。さて明日はこれがどうなってるでしょ~か?

酒蔵でECO(エコ)

2006年01月15日 18時50分12秒 | 日本酒
今日は晴天! さて、本日のテーマは「酒蔵の仕事から環境問題を考える」です。今回は「ビンのリサイクル」。私もあまり意識してなかったのですが、蔵元はきちんとビンを回収してまた使っているのです!みなさんがビンでお酒を買った場合、町の小売店(一般の酒屋さん等)に返せば、そのビンは蔵元に戻ってきて、きれいに洗われて、また使われるのです。(全てとは言い切れませんが)確かにガラスビンを砕いて他ガラス製品で再生されるのも良いですが、そのまま元の使い方ができるのならこれがBEST!実際は回収や洗瓶の手間もかかるし大変なことです。でもこういうことを継続していくこともまた大切だと思うのです。ECOです。
≫写真はビン掛け台です。洗った後の水切り&乾燥に大助かりです。

きれいな「水」を孫の代まで残しましょう

2006年01月13日 22時02分45秒 | 日本酒
酒造りでは水は大変重要です。仕込水はともかく、米洗いに使う水や、桶や櫂などを洗う水にも気を遣います。質ももちろんですが量も必要になりますので、やっぱりきれいな水の豊かな国でないと日本酒造りはできないなあ、と感じてしまいます。蔵元の立場からも地球環境汚染を防ぐ運動をしなければ!(ちょっと大げさ?)
写真は仕込水です。とある場所より酒造に適した水を汲んできております。わざわざトラックで取りに行かないといけないので大変です。周りの自然が残されてて、井戸水や裏山からの山水等が使えるところはうらやましいですね。しかし見てください!この青冴えした見た目!これが上等の証し!?

麹のお話し②

2006年01月11日 19時50分47秒 | 日本酒
今日も麹の話をひとつ。昨日の日記のように、温かい麹室で種麹をつける作業のあとは、写真のように蒸米を毛布でくるみます。酒造用とかいう特別のものではなくて、我々が寝るときに使う普通の毛布です。これは蒸米の保温と、乾燥を防ぐためですが、このまま8~10時間くらい手をかけずほっときます。ちょくちょく中の状態を見るわけにもいかず、思い通りの麹を造るには長年の経験と勘が必要かな、と感じます。このあともいくつか作業がありますが(ちょっと省略)麹の出来=酒の出来を左右する重要な作業でもあります。しかし、この「麹」という漢字。今でこそ覚えたけど、一般の人は書けないだろうな~。学校で習ってないぞ。(多分)

麹を造る部屋は”夏”

2006年01月10日 20時01分36秒 | 日本酒
寒い冬に酒造りは行います。それは何かとお酒(もろみ)にとって都合が良いからですが、唯一温かい場所があります。それが麹を造る「麹室(こうじむろ)」です。中は麹菌の繁殖のために、常に約30度に保たれていますので、その中での作業はちょっとすると汗がでます。よく裸でやっている写真とかありますが、あれは冗談ではないです。(うちではそこまでする人はいませんが)
特に寒い日は、言われなくてもみなさん作業開始時間より早く麹室の中に入って行きます。仕事はすすんでやるもんですから、ね。別に他に理由なんて・・・。
≫よく見る風景ですね。蒸米に種麹というものを振りかけます。