蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

祝!21BY 甑倒し

2010年02月28日 21時28分35秒 | 日本酒
オリンピックも終わりに近づき、そして昨日、旭日酒造の今年の仕込みも
大きなトラブル無く終了いたしました。やりました。甑倒しです。

昨日の晩は、仕舞祝の宴があり、社長他社員のみんなと、蔵人全員参加にて
今年出来た新酒や、その他「じゅうじ旭日」三昧で盛り上がりました。
蔵入りから107日目。今年もいろいろと、大変なこと、良かったこと、
しょんぼりしたこと、???なこと、ありましたね。
しかし、またこの日を迎えられて良かったです。

この場を借りて、ブログの読者、また励ましのコメントをくださったみなさまのご支援に深く感謝致します。
ありがとうございました。

さて、豆知識ですが、冒頭の21BY(ビーワイ)とは、ブルワリーイヤーの略で、醸造年度のこと。業界ではよく使う言葉です。
この数字を見ると、今年の酒なのか、2年前造った酒なのかが分かります。

例えば、今年造ったお酒は全て21BY。22BYはまだ存在しません。
「今は平成22年だけど…」そうです。
酒造年度は7月1日から6月30日までの期間を差しますので、22BYとは、
平成22年7月から平成23年6月までとなります。

もうひとつ、例えば「ラベルに20BY、製造年月は平成22年2月」とあれば、
去年造ったお酒を一年以上貯蔵して、瓶詰め製品化したのが今月ということですね。
日付を気にされる方も、この点を知っておくと、あわてなくてすむかも、です。

ということで、BYの話の方が長かったですが、
本当に言いたかったのは「甑倒しだ~やった~!」でした。





仕舞仕事仕舞い(しまいしごとじまい)?

2010年02月26日 22時20分58秒 | 日本酒
昨日今日とうだる暖かさ。気温20度って、春一番って、もうちょい待って…。
まだ仕込み終わってませんけど~。

さて、昨日のことですが、麹の作業も終わりました。
麹造りは夜中の作業になることも多く大変、しかし酒造りでは最も重要。
気が抜けず、試行錯誤の毎日でしたが、いよいよフィナーレでした。



これは箱で麹を造る方法ですが、このように手入れをして空気を入れ、品温ムラをなくします。
「仲仕事」、「仕舞仕事」と、目標品温になると手入れします。

言葉通り、「仕舞仕事」で、ひとつの麹に対しての作業は終わり。
そして、昨日は全ての麹を造り終わってのいわば「大仕舞い仕事」でした。おめでとうございます。

酒母の仕事納めが日記になったので、麹の仕事納めも書いとかなくちゃね。
そうそう、写真も顔を写しとかなくちゃね。



写真写りが悪い?…いやそこまではご勘弁の程を…。

ついに「もと屋」さん仕事収め

2010年02月24日 22時12分29秒 | 日本酒
蔵入りから104日目。

昨日はついに「もと屋」さん、仕事納め。最終のもと(酒母)卸しがありました。

いやあ、今年もいろいろな酒母を仕込みましたが、年々無理なく、またある意味
「あなた(酵母)任せ」な仕事になってきたように思います。
生き物が相手ですし、100%満足とはいきませんが、達成感はありますね。
このあとのもろみの動向に期待です。

昨日、書こうと思いましたが、やれ仕事納め祝だ~とかなんとかで、夜晩酌が進んでしまいました…。
ひさしぶりにテレビでオリンピックなんかも見たりしながら。
カーリング残念でしたが、すごく面白いですよね。すっげー、とか言いながら、見ましたよ。

さあ、大仕舞(甑倒し)も近いぞ!ふぁいと~



タンクが無くなり、がら~んとしたもと場。

仕込みも終盤戦!

2010年02月16日 22時05分53秒 | 日本酒
今日は雪まじりの出雲でした。寒かったなあ。
ブログもしばらく更新しておらずすいません。元気でやっております。

さて、2月も半ば過ぎ。いよいよ今月で仕込みも終了予定です。

仕込、上槽、その他もろもろで蔵人全員忙しく動き回っております。

そしてもちろんうちの嫁さんも積極参加!
男性並みに(いや男性以上に?)頑張っております。

見よ、この櫂入れの勇姿!(携帯カメラなので写り悪~)



春になったら一段とたくましくなって、みなさんのお目にかかります。
乞うご期待!

※なんかまた怒られそうな予感…

ついに来た!最後の酒母仕込!

2010年02月09日 22時15分46秒 | 日本酒
蔵入り89日目。

ついにここまで来た…、最終の酒母仕込みです。あっという間か、長かったか。

すでに2月。今月で仕込みも終了予定だ。いわゆる「甑倒し」の日の予定も立った。
とはいえ、気を抜かず、怪我、大きなトラブル無く完走しなければいけない。
本当にもうひとふんばりのところまで来たぞ!

写真は、最後の酒母仕込櫂入れ風景です。



実は、昨日今日と、某教職の先生が職場体験で蔵入りしておりました。(写真左)
しかも、なんと、女性! いつもは男ばかりの職場において、とても貴重な華がありましたね。
朝早くからで大変だったでしょうけど、いろいろと経験でき、良かったのではないか、と。
また反対に我々も、新鮮な気持ち、優しい気持ちになれたひと時でした。

「蔵に女性もいいなあ♪(結論)」

ここのところ、上槽、仕込が続き、めっちゃ忙しいので、がんばらなきゃ。
ということで、この辺で失礼しま~す。おやすみやす。

2/13 追記
「今までも蔵にちゃんと女性がいたわよ!何さ!」(蔵っ娘 お怒りのコメント)

いえ…あの…その… 華が二つありました!(すいません - -;)



待望の「淡雪」搾りました!

2010年02月06日 22時15分19秒 | 日本酒
「1月も終わりですね」と書こうと思ったら、書きそびれ。
「今日から2月。2月も早いんだろうな」と書こうと思ったら、これも流れ。
「節分ですね。豆まき、近所のお寺では節分祭が…」これも書けずじまいで、

うーん、意志が弱いなあ、いかんなあ。

久しぶりの昨日のブログの冒頭に書こうと思ってたが、それも忘れ。(コラコラ)

さて、気を取り直して、今日は待望の「純米大吟醸 淡雪仕立て」の上槽ネタです。
外は寒く、ちらちらと雪が降り、まさに淡雪上槽にピッタリ?



袋吊りです。これ以上ない上品な優しい搾り方。これが「淡雪仕立て」の魅力です。

作業場は辺り一帯良い香りに包まれ、私達の手はお酒ですべすべ。(でも冷たーい)
この綿袋で吊るすことで、にごり酒も出来まして、のちに薄にごりとなるわけです。



はじめはとてもミルキーな色。これがまたたまらない旨さ。

去年仕込んでないので、期待もふくらみます。
フレッシュなのもいいけど、冷蔵貯蔵、少し寝かせて(味を乗せて)発売の予定です。
今しばらくお待ちくださいね。

かいいれは終わり10分にして成らず。

2010年02月05日 21時12分27秒 | 日本酒
大変ご無沙汰してしまいました。申し訳ありませぬ。
毎晩、パソコンに向かってはいるのですが…、他の仕事もあったりで、いやはや。
忙しい最中であることは間違いないですね。元気にやっております。

さて、今日も仕込がありました。
うちの場合は、かいいれ時間は20分~50分。
添、仲、留と言われる三段仕込によって、つまり、蒸米の重量によって、かかる時間も違います。
大きい仕込である普通酒の場合、以前のブログでも紹介しましたが、エアシューターと
いう機械によって、蒸米は空気の力でタンクまで送られます。
それを櫂棒で攪拌するわけです。



なかなか混じりません…。

若さに任せ(?)全力でかいいれすると、ものの数分で息切れします。(本当です)

なので、少しづつ、ペース配分を守って、しかし確実にかいいれします。
そして、大事なのは途中で怠けないこと。
怠けると、すぐ中心部分に蒸米のダマが出来、さらに大変になります。

まさに「かいいれは終わり10分にして成らず」

ここできちんと物量が混ざり、均一な目標温度になって初めて、仕込は完成なのです。

しかし、長時間の単純作業&上腕から腰にかけての労力…。

・・・たまに羊の数を数えながらかいいれします。(無心の境地です)