蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

あ~、米が多い~、うあ~。

2010年11月29日 21時21分47秒 | Weblog
こんばんわ。
今日の出雲は晴れ、時々曇り、雨あり、みぞれまであり、なにそれ?でした。

そんな中、いよいよ本仕込が始まっております。
本仕込とは、酒母を完成させたのち、その酒母に更に、米、麹、水を
加えていって仕込むこと。つまり物量が増えてくるわけです。

そこで、じゃじゃ~ん♪
(あんまりうれしいことじゃないけどこの効果音)



総米、約200kg・・・
米の海原・・・大平原か・・・。

このお米たちをひっくり返したり、もんだり、塊を崩したり、と。
そりゃ、手もたくましくなりますよね。汗だくだし。
今日は人数もいたし、元気よく仕事も出来たけど、
だんだん本格的になってきたぞ!ふんばらねば。



今年も元気に泡モコモコ。

2010年11月27日 22時05分32秒 | 日本酒
11月ももうすぐ終わり。
気温はやや寒いくらい?かな。まだまだ体は楽です。

さて、酒造りも順調に進み、酒母もいくつか進行中です。
今年は酒母担当ではないので、毎日世話焼いているわけではないのですが、
ときどきチラ見して、確認しております。

今日は「初もと卸し」
最初の酒母が出来上がりました。
中身を移動するための「ため」(オレンジ色のタルみたいなもの)を
用意しております。



そしてこちらは現在進行形の酒母。
こいつらは泡が高いのが特徴の酵母なので、



こうして、櫂入れしてしばらくすると・・・



こんな感じにモコモコです。
(あふれなくて良かった)

元気そうで、なんか安心、安心。

さて、明日は「初」初添えです。がんばります!

※「初添え」とは、三段仕込のうちの最初の仕込。本仕込の初めの一歩です。


ピンチはチャンス?

2010年11月23日 13時43分17秒 | 日本酒
今日は勤労感謝の日です。みなさんはお休みでしょうか。
蔵は順調に仕込準備に汗を流しております。

ことしはベテラン杜氏が引退したり、なんだりかんだりで
蔵方の人数が少ないです。今まで以上のチームワークが試されております。

私も普段セールスをしている人間と、初めての精米作業・・・。
仕事を分担しつつ、「素人精米」頑張っております。

いわゆる「ピンチはチャンス」なのか?
これまで分からなかった精米機の仕組み、動き、トラブル対処法・・・。
たった1ヶ月ですが色々経験させてもらっております。
仕事の中身を一部ご紹介。

精米自体は機械がやってくれまして、うちの場合は人間は糠を袋に詰める作業があります。



こんな感じ。たまってますね。糠といえどもこいつは白い。



スコップですくい、米袋へ。



ここで何の変哲もない棒。
この棒を何回か差すことで、粉状の糠が沈み、袋にしっかり入ります。知恵です。



20kg詰めて、袋を横に倒して、体重をかけて扁平にして、積み上げます。

作業自体は単純ですが、意外に時間をとられます。
体中は粉だらけになりますし。1月末まではしっかりかかりますかね~。がんばりま~す。






酒母を仕込みました。・・・もう第3号だけど。

2010年11月18日 21時37分23秒 | 日本酒
朝晩は冷えますね。さすが11月です。

さて、すでに初めての酒母は仕込んでおりますが、
今日はまた次の酒母を仕込みましたよ。

酒母はお酒の母であり、この工程では元気な「酵母」を
たくさん増やすことが目的です。
お酒の種類によって、物量は100L~500Lくらい。
そんなに大きなものを造るわけではないので、
仕込作業自体はそんなに大変なものではありません。

いわゆる助走みたいなものでしょうか。

しかし、明らかに、夏場には蔵にないものがそこにあります。

酒造りがスタートしたんだなあ、と実感。

写真は、蒸したお米を広げて冷ましているところ。「放冷」と言います。





柔らかすぎず、なかなか良い蒸しでないかい?


まず「櫂」より始める。

2010年11月14日 21時43分26秒 | 日本酒
蔵入り6日目。今日はとても爽やかな一日でした。
蔵入りして初めての日曜日。会社は静か…。

準備も着々と進み、米も洗った、米も蒸した、麹も出来た、というわけで、
明日はいよいよ「初」もと仕込み。
今年は私は一歩引いて、杜氏としての仕事をするため、100%もと屋さん、
とはいきません。なんか寂しいような…。
でも、すごい気になるし、俄然気持ちが入ってきました。いよいよスタートだね。

ところで、この時期は掃除、片付け、そして、道具作りも大事です。

今日は、もろみや酒母をかき混ぜる「櫂(かい)」を作ってみました。
というか、竹で作るのですが、一年経つと竹が割れてしまい、毎年、
作りなおす必要があるのです。



やってますね~。
のこぎり、カッター、彫刻刀、ドリルドライバー、紙やすり…。



用意した竹に頭の部分を差込みます。この時、穴のサイズを調整します。
竹の節で止め、頭の竹の空洞に木を打ち込み、抜けないよう竹串を差します。

K保君は仕上げ作業です。
節が手に当ると痛いので、滑らかになるよう削っています。



嫁さんも櫂の頭の部分を削っています。
日曜大工はお手の物なので安心して見ていられます。
男性仕事も何でも来い!の「何でもやりたガール」なのです。(もうガール違うか)

さあ、明日この櫂を使って、もと仕込♪


祝!平成21酒造年度 広島国税局清酒鑑評会 優等賞受賞!

2010年11月12日 20時54分51秒 | 日本酒
長いお題でスイマセン。
去る9日(火)。蔵入りのその日、うれしい知らせがありました。
もうひとつの話題として、すぐ掲載するつもりでしたが・・・(忘)

広島国税局の審査で優等賞を受賞致しました!やりました。

「吟醸酒」「純米吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」と4部門に分かれて
審査されるわけですが、「純米酒」の部で入賞でした。

☆ 他蔵の入賞状況等、詳しくはこちら (広島国税局 公式HP) ☆


私の感想は、「よしよし、と納得。」

正直、この純米酒の部門で取ってもらいたかった。
その希望がかなって、素直に喜びたいと思います。

品評会はコンテストであって、飲んで旨い酒とか、売れる酒とは
ぜんぜん違う、というご意見も多々聞きます。
これまで歴史ある同審査会ですから、いろいろと意味合いも違ってくる
部分もあるとは思いますが、このたびある一定の評価を頂いたことは
とても嬉しく思います。

そしてなにより、この純米酒は、私も好きで「旨い」のです。

それが何よりですよね。

現在、弊社HPでの販売はございませんが、もちろん対応させて頂きます。
またお取扱のある酒販店様がお近くにあれば、ご紹介させて頂きますので、
メール、お問合せはこちらまで → asahishuzo@jujiasahi.co.jp

燗が美味しいよ~♪


甑おこし?

2010年11月11日 21時28分31秒 | 日本酒
なんか急に寒くなりましたね。
格好だけはシャツにトレーナーにベストと、しっかり冬バージョン。
これ以上寒くなったらどうしよう?腹巻か?

さて、そんなこんなで蔵入り後粛々と掃除、準備を進め、
やや無理のある日程ながら、こうなりました。

「甑倒し」が蒸しが終了する日なら、

これは「甑起こし」?

甑が立ちました。例年にない早さです。蔵入り後3日目とは。(あくまでうちの場合)



リハーサルで蒸気を送り、湯を沸かしております。
お米を蒸す準備です。
去年の見習いを経て、今年は初めから「釜屋」として頑張るK保君が
かたわらで真剣に見つめております。
新鮮な感覚で、お米の蒸し加減について、これから毎日考えることでしょう。
わくわくです。

さあ、明日は初めての蒸しです。はりきって参りましょ。





平成22酒造年度 始動! いきまーす。

2010年11月09日 21時44分29秒 | 日本酒
いやあ、ついに来ましたね。今年の蔵入~~り!
少し晩酌のお酒がすすんだせいで上機げ~~ん。

今日は書きたいネタが2つありましたが、やはりこれ。
蔵入りでござる。ウキッ♪

自分も一年づつ年をとりますが、酒造年度もあっというまに一年。
もう22BYとなりました。(・・・・・)

蔵入りの日は、例年、酒造安全祈願をしてもらい、身の引き締まる思い。
これがないと、うまい酒は出来ないのだ。
神様に感謝、神様に安全、安心のお願いをするわけです。



「ニ礼、ニ拍手、一礼」

なんかこういうことも慣れで、もう自然と体が動きます。

ちなみに出雲大社は「ニ礼、四拍手、一礼」・・・ちがうもんだニャ。

そして御神酒。



「うーん、うちの酒だ~。旨い~」

ではなく、ありがたく頂戴致します。くいっと。

そして、これから忙しく働きます。
今日からみんなで泊りがけ。春が待ち遠しいな~(って早すぎ!)

頑張るぞ!

11月になりました!

2010年11月03日 18時13分58秒 | 日本酒
こんばんは。今日は文化の日でお休み。
いよいよ11月になりました。なってしまいました・・・。
蔵入りの日が近い!10月と11月では“えらい差”です。
ちょっと怠け気味であった蔵っ子日記もまたいっぱい書いていこうと思います。よし。

さて、今日は休みだったのですが、やっぱり気になり、蔵へ。



なにやらリフトの上にバケツが。
そして写真右端に白い長靴・・・。



そんな高いところでひなたぼっこか~。いや違うぞ。
嫁さん掃除してはります。
ぞうきんがすぐまっくろけになる~とぼやきながら。
(そしてそのぞうきんを下で洗うのは私の役目)

気にはなっていてもなかなかできないところです。
これで天井から綺麗な釜場。毎日の米洗いや蒸しをするところ。大事です。

こういうゆったりした時間の時に掃除するとはかどりますよね。