蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

本年もありがとうございました!

2009年12月31日 19時30分14秒 | 日本酒
大晦日です。寒いです。蔵っ子です…(ヒロシ風に)。

さて、本年も今日で終り。
酒屋は年末大忙しにて、ここ2~3日は特に戦争状態。

「新年を新酒で迎えたい」という希望もあり、なんとかかんとか
商品に仕立てるのがこれまた大変。
わかってはいるけど、なかなか蔵入りの日も早くならず、
搾るのがぎりぎりになり、急いで瓶詰め、ラベル貼り。
仕事盛りだくさんの中、頑張って動いてくれる社員、パートの
皆さんに感謝です。いまごろ、お客様は楽しんでおられることでしょう。

今晩も蔵人みんなで晩餐をし、労をねぎらいました。
しかし、明日も仕事なので(申し訳ないと思いつつ)、夜更かしせずに寝ることにします。
本年も拙い日記にお付き合い頂きありがとうございました。
また来年もご愛読の程宜しくお願い致します。

P.S 本日最後の仕事は「年末ジャンボ」の当選番号発表!の号外配り?でした。

祝!初しぼり♪

2009年12月27日 20時08分07秒 | 日本酒
蔵入り45日目。
今年初めてお米を洗ったあの日から…40日目。
ついに、待ちに待った初しぼりの日を迎えました~。

わくわくしますね。やっぱり。

初めてのしぼりは、フネ搾りとなりました。
フネもほぼ半年振りに動くわけで、きちんと動いてくれてとりあえずホッ。

お酒は…、社長に持っていき、神様にもお供えし(感謝の拍手パンパン)、
おやっつあんにも利いてもらったうえで、私達もきき酒。

いいんじゃないの~♪♪♪

初めは袋の目がつまっていないこともあり、ややにごったお酒が出ます。
だんだんと透明に済んできて、またフネも酒にこなれてくるのか、味が良くなってきます。(そう感じます)

さあ、上槽(しぼり)が入ってくると、また蔵仕事も忙しくなってきます。
またひとつ課題クリアということで、続けて頑張りましょ。



撮影位置が悪く…頑張っているけど、おやっつあんはお尻のみ。

お米の山

2009年12月23日 19時43分33秒 | 日本酒
蔵入り41日目。
酒蔵は年末大忙しの時期、配達はもちろん、造りも真っ最中。
忘年会や仕事納めの空気なんかないですね。働くよ~。

さて、たまには嫁さんを登場させなければ、ということで、
麹室で頑張る嫁さんの姿をどうぞ。



あっ、違いました。あの人は麹師さんです。
一面に広がるお米の大海原です。



写真写りはいまいちですが…(謝)。
種麹(通称「もやし」)を振っているところです。

そして、どどーんと。



しっかり揉み解して種麹を均一につけ、品温を一定に整え、
最後にお米を寄せ集め山にして、布で囲って保温します。
この200kg以上のお米の塊…。食べたら何日分だ?(考えるの止めとこう)

米の山の大きさは違えど、ほぼ毎日続く光景。
麹作り(前半)のひとコマでした。

蔵入り一番の寒さだが(出雲弁で「寒さです」)。

2009年12月20日 20時28分16秒 | 日本酒
蔵入り後38日目。いや~、寒い。
今期一番の寒さです。

もと場で5℃!いいですね~、酵母たちにとってもいいようです。
私は体にはこたえますが、作業のうえでは、氷を使わなくて良いとか、
思い通りの低温を保ちやすいとか、色々良いことありますね。

昨日の話ですが、吹雪時々晴れの中、水取りに行きました。
天気が良いと、鼻歌交じりで行ってきますが、悪天候の場合は、ちょっと厳しいです。



水源地のある場所は山すそ。少し雪が積もっておりました。



市内の方が吹雪かな?車から見ると、一部日も差しながらもどんより暗い。(この時まだ15時半くらい)
やっぱり山陽とはちがって、日本海側独特の冬の天候ですね。

ところで、ふと気づいたことが。

「寒い方が、体を動かして温まろうとするため、意外に仕事量も増え、手際良く働く」

蔵の仕事はこうですが、みなさんは如何でしょうか?

祝? 初雪。

2009年12月17日 20時45分45秒 | 日本酒
蔵入り35日目。
今年は暖冬かな?と思ってたところ、やっと来ました寒気団。
7時前の天気予報をみんなでテレビで見ながら、「おー、明日は一日雪ダルマじゃの~」なんて。やっぱり気になります。

同じ島根県、某迷?杜氏さんのブログにも、寒気団歓迎!のネタが載っていましたが、
確かに正直、嬉しい部分は多いですね。酒造りは寒い方が良い、ですね。

仕込みも順調に進み、純米吟醸酒や大吟醸酒といった「特定名称酒」の仕込みも始まりました。とにかく低温でゆっくり仕込み、上品且つ味良し、切れ良し、呑み口良しのお酒です。最近は特にこのようなお酒の人気が高まっています。(確かに旨い…)

こちらは山田錦の精米歩合45%、酒母麹米です。
酒母仕込に備え、出麹され(完成し)スタンバイしています。





単純に玄米の半分以下の大きさですから非常に小さいです。
この一粒一粒についた麹菌(菌糸)他、生成された酵素、栄養素が、これからの酒母の出来を左右します。
毎度毎度ですが、これから先どうなるのか、酒母仕込の時はわくわくしますね。

あっ、忘れてましたが、今日の出雲は初雪が降りました(祝)!
明日も4時半起き。寒いし早く寝よ~。





仲仕事、仕舞仕事。

2009年12月12日 19時22分00秒 | 日本酒
山ごもり30日目。いや、蔵入り30日目。
世の中は年末モード、あるいはクリスマスで、華やかな感じ。
しかし、酒の世界は、配達は超多忙&仕込みは真剣勝負の時期で、感覚が違いますかね。
7年目ともなると、特に考えることもなく、もはや当たり前の緊張感があります。

さて、酒造りにおいて、いろいろ大切なポイントはあるのですが、やはり、

「一麹 (いちこうじ)」

麹の出来が、お酒の出来を左右します。とっても重要です。

麹は2日かけて出来上がりますが、その中の作業工程に、
引込み、床つけ、盛り、仲仕事、仕舞仕事… と、絶妙なタイミングで人間が判断し、仕事をする場面があります。
難しく言えば、その時々の温度帯の時間に各ホニャララ酵素が活発に増殖し…。
とにかく、このタイミング、やり方などが蔵のノウハウでしょうか。




嫁さんが頑張っています。只今、箱麹の仕舞仕事です。
固くなった麹を、手でほぐします。すると、空気(息)をすって、また品温が下がります。



すばやい手の動きです。いい香りがしています。

この「仕事」を、きちんとやることが良い麹をつくる絶対条件です。
夜中にやるところもあるとは思いますが、麹の状態に合わせて人間が仕事をします。
こういったところが、時間を決めて勤務できないところでしょうかね。







「限定吸水」とは?

2009年12月09日 20時52分25秒 | 日本酒
なんとなく寒くなってきた出雲です。
水道をひねると、たまに「あれ、温かいな」と思う事があります。外気が冷たくなったんでしょうかね。

さて、水仕事の多い酒蔵ですが、米洗いはまた特に水の量を必要とする仕事です。
また質にもこだわりますので、やはり水道水などは使いません。

洗米の主な目的は、糠を除きさばけを良くすることで、また浸漬は「蒸し」工程にて良好な蒸米を作るために、とても重要な作業です。それゆえ、色々な方法および機械があり、これらは企業秘密的な部分も多いです。



10kgずつ洗って、水に漬けます。時間を計って、水から上げて、水を切ります。
この時の重量から、どれだけ水を吸ったか(吸水率)、が分かって、この数値を理想値に持っていくために、いろいろ思案します。

長時間水に漬けているものもあれば、大吟醸のような精米歩合の高い米(つまり小さい米)などは、時間をシビアに見なければ、「あ~吸い過ぎで柔らかくなってもーたー」となり、良い酒にはなりません。そういうお米の浸漬の仕方を「限定吸水」と言います。
「限定吸水」を必要とする米洗いは、より忙しく、難しく、大変なのです。



白い米粒は吸水完了。透明なものはまだ十分吸水してないお米。(見えるかな?)
見た目も大事だけど、時間はもっと大事かな。米の条件も同じじゃないので…難しい。

バブリー本家の泡あり酵母。本領発揮!

2009年12月07日 21時42分24秒 | 日本酒
蔵入り25日目。
なんとなく寒い日でしたが、まあ、もう12月ですから。当たりマエダの…

さて、今日も酒母のお話。

11月30日のブログで泡が出ている写真を載せましたが、実はあれは「泡無し酵母」
アルコール発酵をする酵母の種類のことですが、「泡無し」があれば当然、「泡あり」もあります。もともとは泡ありが主流でしたので、泡無しの方が新しいということになります。

じゃじゃーん。明らかに泡のこんもり度(?)が違います。



そして、これに櫂を入れると…泡が落ちていきます。
まわりの泡の跡が、その高さを物語っています。15cmはあるかな。
意外に迫力あります。



酒母は量も小さいのでこの程度ですが、もろみになるとすごいです。
またそのときは写真を載せますね。

祝!初留(はつどめ)。

2009年12月05日 20時32分27秒 | 日本酒
こんばんわ。今日は大荒れの日本海側。
朝はすばらしく良い天気でしたが、昼過ぎからどんより、強風、雨あられ?、とにかく荒れた天候となりました。これが日本海側の特徴でしょうか。

さて、蔵入り23日目。
本日は、仕込第一号の留仕込の日でした。コシヒカリで造ったお酒です。この時期に留仕込をしておかないと、なかなか年内に搾る日程にはなりません。さあどうなることやら。

留仕込みともなりますと、三段仕込の最終仕込。水も麹も蒸米も、量は最大です。
手作業(人海戦術)というわけにもいかず、蒸米については、「エアシューター」という機械を用いて、仕込桶まで機械で運びます。

①蒸しあがったお米を放冷機に投入。(放冷機=蒸米を冷却する機械)



②冷まされ、流れていく蒸米。



③さあ、スタート。強烈な空気の力で送られます。



④ホースの中を移動中(暗くてごめんね)



⑤仕込蔵の中。出口が見えた。



⑥仕込桶の中にダーイブ!



櫂でかきまぜられて、あーれー。という感じで、仕込が終了します。
今日の蒸米も、しっかり冷まされて、パラパラとしていて、とてもいい感じ。
何はともあれ、めでたしめでたし。

遅いぼ(ぞ)! すいません…御歳暮です。

2009年12月01日 20時57分04秒 | 日本酒
今日から12月です。
師走です。師も走る、です。この言葉はまだ活きているのだろうか?
先生方もなんか一年中走ってる感じもしますが。

さて、あまり更新されていない我が社のHPですが、
さすがに「御歳暮商品」は更新しないと、怒られます。

これから寒くなってくると、やっぱりお酒、燗酒♪
こころも体も温めて、しかもよく眠れる睡眠薬(?)、一日の疲れを癒す
癒し系飲料としても、日本酒はおすすめです。
贈り物だけでなくて、是非ご自分用にもご利用下さい。

というわけで、ちょんぼし(出雲弁で「少し」の意)紹介。

まずは「寅」年ですから。



なかなか味わいの良い純米、そして本醸造。やっぱり燗酒だね。
慶祝ラベルで新年にピッタリ。



「純米大吟醸」…これにはかなわんかな…。
燗酒にして味わっても良いけど、軽く冷やして、贅沢な香りを楽しむも良し。
ちょっと高価?、でもやはり良いものです。

その他にも、実は良い商品が載せてあります。
詳しくは → 「蔵元厳選 御歳暮商品」ページへ 
今が呑み時、是非どうぞ!



「ぼくも注文待ってるニャー!」(って、君、虎なんですけど)