蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

バブリーな感じ。

2009年11月30日 20時53分08秒 | 日本酒
蔵入り18日目。11月も本日で終りです。
今月はなんとなく慣らし運転って感じ。朝も夜も余裕があるので、
体調も万全。これからこれから。

さて、私の担当、酒母室では、今年初めての速醸酒母(酒母の種類のこと)、
普通酒用 仕込み第2号 がいい感じになってきました。

先日のブログでも書いたように、おだやかだった液面が、写真のように
ブクブクと大きな泡で覆われております。
この時期は、櫂を入れるとボコボコボコボコ、とガスが大量に抜け、
また顔を近づけると、すごくいい香りがします。強烈です。



それに加えて、この時期の味が旨いんです♪
ひとことでいうとヤク〇ト。まさに「乳酸菌飲料」って感じ。

ここから、例年だとあふれるほどに上がってきますが、
あふれるのは勘弁なので、少しおとなしめになってほしいな、と
思いながら見ています。いづれにしても順調で、まずは一安心です。




うまかった、ししなべ。

2009年11月27日 21時46分58秒 | 日本酒
蔵入り15日目。
今日はおやっつあんの差し入れにより、「いのししなべ(すき焼き風)」の晩餐であった。いのししってめったに食べれませんよね。どんな感じ~?、と思いましたが、とても旨かったです。いのししと純米燗が、と~っても良い感じでしたよ♪

さて、私の仕事はと言うと、もと屋はしっかりスタートしております。
予定を順調にすすみ、もと場も賑わってまいりました。



半年すると、なんとなく忘れかけていて、手探りで世話します。
「去年はどうだったかなあ…」帳面を見ながら、ぶつぶつと。

やることは大きく変わりませんが、基本をきっちり、今までよりも酒母の気持ちになって、細かなお世話が焼ければ、と思っております。



これは暖気操作が終わった速醸酒母。
昨日まではおとなしかったですが、今日は泡も縁の方に見え始め、プツプツと言ってます。いいかんじです。
ここから、劇的に変化してきますよ。たのしみだね。


仕込水を取りに行く、の巻

2009年11月25日 20時58分09秒 | 日本酒
「天気がぐづついてます…」と書いたので、神様が機嫌を損ねたのか、
今日は素晴らしく良い天気。ぽかぽかでした。

そして、今日は近くの山まで仕込水を汲みに行きました。(といっても私ではないですが)

良い(美味い)お酒の条件はいろいろあります。

原料米(酒米)の種類、主に香りに関係する酵母の種類、全てに関わる麹の出来、杜氏・蔵人の技術、蔵元のノウハウ、そして「水」。その他にもいろいろ。

全てとは言い切れませんが、水については、成分にこだわり、遠方まで汲みに行くことも当たり前です。どこの蔵も同じようなことをやっています。
しかし、自社の井戸や裏の山水、隣の川の水、などが使えるところは本当にうらやましいです。美しい環境を保つことが、良い酒を生むとても大切なことだと思います。
仕込水だけを飲み比べても、その地域(蔵)の味わいの違いはなんとなく納得します。
それぐらい違うものです。正直ビックリします。

まあしかし、ぽかぽか陽気の時に外に出るのはいいものです。
写真のようにタンクローリーを載せて、何往復かするわけですが、これも良い水、良いお酒のため。どうってことはありません(ただし今日みたいに天気が良ければ…本音)




なんとなくぐづつく天気(読みにく~)

2009年11月24日 21時25分58秒 | 日本酒
蔵入りすると天気予報(気温)が気になるもので、新聞やニュースを必ずチェックします。我々の体調管理はもちろんですが、酒母やもろみの温度管理にも欠かせません。
晴れると布などを干してもすぐ乾くし、ありがたいことが多いですが、今年はいまいち天気が良くないようです。

さて、蔵の準備も大きな支障も無く進み、先日、大物の「放冷機」をセットしました。
とても重たいもので、普通に「こんなものわざわざ片付けたりせず、常置しとけや~、」と思いますが、スペースの問題もあり、うちの蔵では仕方ないのです。毎年のことで、なんか位置が微妙にずれている気もしますが…。

この機械は意外に優れもので、その昔はどんなに量が多くても、気温に任せて、蒸米を地べた(布の上)に広げ、手入れによって冷ましていたものを、強力に熱を吸い込み、屋外に放出し、短時間でお米を冷ましてくれるわけです。動いている最中は、話し声も聞こえないくらい大きな音もしますが、まあ、働いている証ということで。

杜氏さんが洗浄機で洗っています。なぜか毎年この担当はおやっつあんなんだよな。





初酒母仕込 & ひしゃく作り?

2009年11月22日 22時03分29秒 | 日本酒
なにやら寒い出雲地方。まあ11月だし、ちゃんと冬支度はしといたほうがいいみたい。
めっちゃ元気ではありますが、やたら鼻水が出ます。

さて、今日は、待望の初酒母仕込。

本音で「始まってしまった…」という感じ。

走り出したら、なかなか止まれない。
一日一日違う作業工程があり、その積み重ね(足し算)ですから。
モノづくりというものはそんなものかもしれませんが。

そんでもって、時間の合い間を見て、大工さんになってました。
私だけでなく、蔵の人はみんななんでも出来る、というか、大工さんや
電気屋さんにはすぐ変身します。
ひしゃくや、櫂棒、デッキブラシや、タオル掛など、その他道具を
手づくりで作ってしまいます。自分でやってみると意外に楽しいものですが。



蔵にあった古い竹と、おやっつあん持参の新しい竹を使ってみました。
まあ出来栄えは微妙ですが、大事に扱うようにはなるでしょう。嗚呼、良き事かな。

いよいよ出番か!?

2009年11月21日 20時24分19秒 | 日本酒
蔵入り9日目。
いろいろと準備も順調に進み、明日は「初酒母仕込」の日。

酒母といえば…、今年も私が担当なので、ついに出番!って感じです。



こちらは明日の酒母仕込みに使用する麹です。
こうやって乾燥させている状態を「枯らし」と言います。
う~ん、まさに枯山水庭園のような文様が…。(関係ないわね)



こちらは明日の仕込みに使用する桶です。
容量が600Lくらいの小さい桶なのですが、酒母はその昔、壺で造られていたことから
「壺代(つぼだい)」という別称で呼ぶことが多いです。

こういったものを洗浄し、消毒し、所定の位置にセットし、仕込水その他もろもろを
もれなく準備して、明日を迎えるわけです。初めてはやはりわくわくしますね。
(増えてくると、慣れて、且つ、忙しくてバタバタですが…)

これからこの部屋の中に次から次へと酒母がやってきて、出て行くわけです。
何か今までとは違う目標を持って、頑張って出来ればと思います。いざ!

初甑。

2009年11月19日 22時54分46秒 | 日本酒
愛想の無い見出しですいません。

昨日は「初米洗い」でしたので、当然、今日は「初蒸し(初甑)」となるわけで…。

またこの光景がやってきたか、の安心感と期待感。いずれにしても良い気分である。

晩御飯は、祝だ~となるところ、今日は私は宴席。

先般行われた夢フェスタの慰労会にて、お酒を呑んで気持ちよか。

というわけで、今日はこのくらいにしておやすみなさ~い。

P.S 男子バレー2連勝、すごいね!

初米洗いでした

2009年11月18日 21時50分06秒 | 日本酒
本日も寒い出雲地方。
蔵入り6日目にして、無事、初めてのお米を洗うことが出来ました。何よりでした。

蔵入りに「大安」を選び、初米洗いも「大安」を選びました。
酒蔵の仕事は、すこしだけ、こんなところにも気をつけます。
気持ちの問題が大きいのかもしれませんが。

この大安とか仏滅とかは、「六曜」という暦注のひとつだそうな。
よく知らないので調べてみると、

「大安」は、「たいあん」が一般的な読みで、何事においても吉、だそうな。

「先負」は、「さきまけ」ということで、午前中は凶、あとはよろしい。

「先勝」は、「さきがち」は反対に、午前は吉だが、午後が凶らしい。

そして、「赤口」は「しゃっこう」「せきぐち」などと呼ばれ、あまり良い日ではないそうだが、
午前11時から午後1時までの間は良いそうな。お昼ごはんに好物が出る日かな(笑)。

などなど。

まあ占いのひとつなので、信じる信じないは個人の自由でしょう。
ゲンかつぎにこだわる人は、いろいろ利用してみてはいかが。

新聞に掲載されたのだ。

2009年11月15日 21時29分52秒 | 日本酒
蔵入り3日目。

今日は会社としては休日なので、蔵の中も静か。電話もそんなに鳴ってない。
こんな日は蔵仕事ははかどります。せっせと準備に励みました。

そんななか、今朝の山陰中央新報朝刊に、私達若手?の記事が載りました。
女性きき酒師I原さんの「Sun-In酒楽探訪」のコーナー(第一回目)。
前もって取材に応じていたわけですが、ちょうど蔵入り後の掲載となり、杜氏他蔵人たちとその話題で盛り上がりました。やはり自分が働く蔵の話が新聞等に載ると、単純に嬉しいものです。

簡単なお酒や蔵の紹介ではなく、人にスポットを当てた温かい記事だったので、自分達の目指すところ(出会いや人と人とのつながり、縁を大事にして、お酒を楽しんでもらう)にピッタリで、すごく良かったかな、というのが率直な感想でした。とてもありがたいことだと思います。

さあ、これからも記事の内容に恥ずかしくないよう、「和」「輪」を持って、今期の造りに励みますワ!

充実した一日。

2009年11月14日 21時05分50秒 | 日本酒
蔵入り2日目。

朝一番で、初米洗いの日にちをみなさんに伝えたところ、

「・・・準備、間に合うか?」との声。

私は、「目標があったほうがいいですから」とか何とか言いながら・・・。

しかし、やる時はヤル。これが蔵人精神である。

それからというもの、皆さんは今日一日、とても忙しく、めまぐるしく、働いたのだそうな。
めでたしめでたし。(市原悦子さん風に)

(心の中で、みなさん、急なスケジュールですいませ~ん…謝)

写真は、麹蓋を洗浄後、大釜で煮沸消毒しているところです。