蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

もと卸し 第1号!

2008年11月29日 23時00分24秒 | 日本酒
眠~い。外は寒~い。本日最後の仕事。蔵っ子日記。

今日は、第一号酒母が完成しました!去年より「いい感じ」です。まだ酒が出来てないのに「いい感じ」と思うのは、完成した時の成分と、香り・状態とかの見た目と、温度の途中経過かな。あまり無理なく育てられたし、いい子であったように思う。これからもろみとなるわけで、あと25日ほどすると搾れるわけで…。楽しみですね。

これはコシヒカリのお酒。ふと、過去の作業メモを見ていると、2006年(18BY)にもまったく同じ日にコシヒカリのお酒をもと卸ししておりました。しかも第一号。というか、11日に蔵入りしてるし、まったく今年と一緒じゃないか。面白いな~。

写真は後続の酒母たち。手前の子は泡たってますね~

本日「も」 酒母仕込み。

2008年11月27日 21時45分03秒 | 日本酒
今朝の気温、もと場 12℃。そんなに寒くないな。朝の仕事をしながら肌で感じる。雨が降り出す…、「そうか雨か、やっぱりな」、晴れの日のほうが大体寒い。

今日は酒母仕込みの日でした。「も」と書いたのは、ひと冬に何回も酒母は仕込むからです。1本仕込んでも、それができあがるまでにどんどん後続の酒母も仕込みます。4日に一回、酒母を仕込む。そうすると、2日に一回、もろみを仕込む計画になります。これを「半仕舞い(はんじまい)」と言います。(ただし、1個の酒母で2本分のもろみの酒母を取る場合=これを「2個もと」と言います)

これに対し、連続して2日に一本づつ酒母を仕込むと、毎日、もろみを仕込む計画になります。これを「日仕舞い(ひじまい=ただし出雲弁では“ふ”じまい)」と言います。

量をたくさん仕込んでいた昔は日仕舞いの蔵が多かったようです。毎日仕込んで、毎日搾って、毎日粕はいで…、想像しただけで大変そうだ…。(写真:酒母掛米 放冷中)

暖気樽でエクササイズ

2008年11月24日 19時04分58秒 | 日本酒
白鵬が勝ちましたね。蔵入りして初めての大相撲も無事終り、急にまた星取表や番付に詳しくなる日々です。年配の人は本当に相撲好きですね。(蔵だけか?)

さて、酒母も何本か仕込みました。もと場では、酒母タンクが並び、それぞれにちがう表情をしております。自分の世話も、それぞれに異なります。あるものは電気毛布や電球で保温に努め、あるものは冷やしたり、温めたり、写真は60℃ほどの「暖気樽(だきだる)」を酒母の中にどっぷりと肩まで入れているところです。つまり温めている最中です。

昔は木製の樽でしたので、中にお湯を入れていたそうです。お湯ですから当然冷めてくるので、場合によっては湯の入れ替えがあったそうですが、これは伝熱で一定の温度を保ってくれるので便利です。ただし重い(40㎏以上はある)ので、もちあげるのは大変です。でもひと冬で出したり入れたり…、80回以上やるのかなあ…、おかげで腕力がつきます。

祝!初酒母仕込み!

2008年11月21日 23時36分22秒 | 日本酒
今日は、いよいよの、初酒母仕込みでした。

みなさんの協力を得て、なんとか、酒母仕込が出来ました♪

一人の力は知れてますが、やっぱり同志です。ありがたいですね。

数人で協力して仕事をするすばらしさ!これですよ、これ。

ますますもって、がんばらねば! という気持ちになりました。

とかいいながら、今まで「初酒母仕込み祝」で、代官町に呑みに行ってまいりました♪

一般の方(飲食店店長含む)の日本酒・焼酎に関する意識の違いなど、面白い話、他愛もない話をしてきました。

詳しくは書きませんが、そうですよ、そうなんですよ。なかなか難しいですよ。

でも頑張って、みんなに知ってもらいたいなあ、と思って帰ってきました。

焼酎ですが、魔○とか、佐○「麦」とか呑んできました。満足~。

麹米が出来ました!

2008年11月20日 19時17分53秒 | 日本酒
「寒い!」この一言に尽きる。
全国ニュースでも異例の寒さに見舞われたところが多かったようですが、昨日晩なんか嫁さんとホームセンターに買い物に行くと、なんと「吹雪」。出雲ってえらい(大変な、の意)ところやな~とつぶやく…。

さて、蔵入り10日目。

昨年より早いペースで初めての麹米が出来ました。準備が順調に行った成果でしょうか。
まあまだ始まったばかり、焦らず、雑にならず、ひとつひとつ確実にやっていかなければ…。次の工程は「酒母仕込み」いよいよ私の出番ですね。がんばるぞおおおおおおおおおおおおおおぉ。

幸いにも昨年と同じメンバーで酒造りも始まりました。
各人が自分の持ち場をしっかりやりつつ、更に今までやってなかったことにもトライしています。掃除、壁ぬり、大工仕事、補強工事、雨漏り工事…と、みんなが良くしていこうと思う気持ちが、結局会社や酒の質を向上させるんですよね。これって大事ですよね。

個人的には、少し今年は清潔感をテーマに頑張ってみようと思います。
ということで、長靴も新調しましたし…他にも?


初蒸し、ではなくて「初甑(はつごしき)」が正解?

2008年11月18日 20時55分37秒 | 日本酒
暖かくて良い感じです、とか言ってノホホンとしてたのがいけなかったのか、今日は一転してめちゃ寒い日でした。気象庁の発表は知りませんが、出雲は「初雪」だったぞ…、確かに白いものが降ってました…おお寒。

さて、今日は昨日洗ったお米の蒸し、つまり「初甑」また「甑起こし」とも言いますか。とにかく朝早くから蒸気が上がり、いよいよ始まったな、と言う区切りの日でもあります。朝早くてもワクワクしながら仕事に向かいました。

約1時間ほど蒸気をかけ、蒸しあがったお米はふっくら、つやがあり、良い匂い。にぎると軽く固まりおむすびが出来ます。べたついてはいけないし、芯が見えたりするような固いものもダメです。始めよければ…、と言う言葉もありますが、この蒸しの出来具合は重要です。

朝、従業員さんが出社の際に蔵内を通ります。「良い匂いだね」と言われて、ただの挨拶ではありますが、お互いに笑顔がこぼれます。酒蔵では通常の風景ですが、こういった香り、雰囲気を体験できるのは幸せかな、とも思います。

しかし今日は寒いので早く寝ようと思います。ではあっさりと、おやすみなさい~。


初米洗いです!

2008年11月17日 19時34分00秒 | 日本酒
ひさびさに買い物で外を車で走ると…、道路に落葉が多くなりましたね。
なんとなく秋が過ぎ、冬が近づいている実感が。しかし気温はまだ暖かいです。
釜場でお湯を使うと暑いくらいですね。

さて、蔵入りからみんなで「がっしょ」で掃除、準備を行い、本日は「初米洗い」の日でした。日も良く大安♪ 一発目はコシヒカリでした。このお酒が意外に旨いんですよね~。年内に上げる(搾れる)予定で頑張りますか!

何でも初めての仕事はワクワクしますが、初米洗い、初蒸し、初出麹、初もと立て、初もと卸し、初添え…、ときりがないのでこのあたりで。ちなみに「初」がつく晩は、(気持ちだけ)お祝いの晩酌なのです。ふふふ。

※「がっしょ」とは出雲弁で「一生懸命」「全力で」の意味です。

(写真)洗ったお米を水に浸す(浸漬)しているところです。

広島国税局清酒鑑評会の結果は?

2008年11月13日 21時16分45秒 | 日本酒
蔵の合宿生活が始まりました。まだ仕込が始まったわけではないので、朝も早くありませんが、すでにみんなと寝食を共にしております。酒造りには(特に)連帯感は大事!だと思うのです。これははじめてからずっと心に思うことです。しかし周囲の人々の協力があってできること、これもずっと前から思うことですね。感謝です。

さて、本日は「広島国税局 清酒鑑評会 結果発表&表彰式」の日でした。
毎年、秋(といっても11月…)に開催されるのですが、時期的に蔵が始まり、杜氏さんや私は出席は無理。社長自ら出かけられました。

結果は…

「純米酒の部」で「優等賞」でした。祝!
≫平成20年 広島国税局清酒鑑評会 優等賞受賞者名簿 は コチラ

4部門あったのですが、ひとつ入賞するだけでも大変だな、と実感。
個人的には純米酒が好きなので、良いのが入ったな、と嬉嬉。早速祝杯か?

いろんな蔵の事情、酒業界・お客さんの流れなどで、多様化しているこの業界。
鑑評会入賞はすばらしいことですが、結果だけにとらわれず、自分たちの理想とする酒をしっかり造っていきたいですね。毎年がチャレンジですね。

改めまして蔵入りです。おめでとうございます!

2008年11月11日 23時42分24秒 | 日本酒
本日は平成20酒造年度の蔵入り日です。ついにやってきました。
会社の中は特に慌しく、(たまたまですが)工事関係者や、業者、お客様、注文などが集中。瓶洗い等の作業も遅くまで頑張っておりました。

今日は大安。毎年蔵入り日は良い日を選びます。そして今年は11月11日。「1」が並んで、なんか始めるには気持ちが良い日でしたね。

今日は何の記念日?意味も無くインターネットで調べてみると…。

「おそろいの日」「ミュージカルキャッツの日」「コピーライターの日」「きりたんぽの日」「磁気の日」「おりがみの日」「ポッキー&プリッツの日」「鮭の日」…と良く分からないけど色々あります。

それぞれの日の由来等はコチラを見てね → 日本記念日協会 「今日の記念日」

まあ「サケの日」つながりで、蔵入り日には最高か?違うか?
今年も頑張って完走目指します!

酒造安全祈願に行ってまいりました。

2008年11月10日 21時05分23秒 | 日本酒
めっきり寒い、今日この頃。
そばまつりが終り、報告しなきゃ、と思いつつも、そばを写したカメラがどっかいってしまい現在に至る。その後、間近に迫る蔵入り日が頭を支配しつつも、去りゆく自由な日々を惜しみつつ飲み会などに参加していました。そしてついに…。

本日は、佐香神社にて酒造安全祈願が行われました。半年振りに再会する蔵人の面々。そして杜氏さん。皆さん元気そうで何より…これから厳しい毎日をともに過ごさねばなりません。最後まで健康で、そして良い酒が出来ますように…。

みなさんが揃い、いざ始め。こじんまりした拝殿に座し、宮司さんの太鼓の音が響きます。その後、粛々とお祈りを始めます。「…杜氏として勤むる、原田の…、麹師として勤むる…、という感じで一人ひとりの名前も奏上されます。もちろん気持ちが入ります。
佐香(さか)神社は、出雲国風土記に出てくる社で、神様に酒を造って振る舞ったとされる由緒ある社。酒(さけ)の語源ではないか、との説もあるそうです。専門家ではありませんので詳しくは分かりませんが、特別な地で酒を造っている感覚はあります。正直嬉しいですね。

さて明日からいよいよ蔵入り。ついにきたか…。