蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

天気予報どおり、寒い!蒸気もすごい!

2007年12月31日 19時36分48秒 | 日本酒
冗談じゃないよ~と言っていたら、来ましたね、寒さが。大晦日にかけて荒れるとの天気予報でしたが、あっぱれ、見事に当たりました。今日は雪でした。(年末ジャンボは外れました)

もと場の室温は、6℃。2日前が12℃だぞ。う~ん、極端だな~、寒すぎるぞ~。もちろん部屋自体に暖房など無いので、あきらめて仕事をします。お酒(酵母)にとってはまずまずの過ごしやすい環境のようです。

極端に寒い朝は、お米を蒸す釜場がとんでもなくモワモワになります。写真では分かりにくいですが、現実は蒸気で視界ゼロ。むりやり甑に近づいて一枚撮りました。これはちゃんと米の表面まで蒸気が通ったかどうかを確認しているところですが、蒸気が上がってるので見にくいわ、この淵は一瞬でやけどするくらいに高温だわ、で危険な箇所です。米蒸しの風景は毎朝ですが、「いかにも酒造り」という感じがします。蒸しあがったときはお米のいい香りがして自分は好きですね。明日もまだ寒いようで…、気合で乗り切ろう!

冗談じゃないなあ~ほんとに。

2007年12月29日 21時05分01秒 | 日本酒
今日は12月29日(土)です。世間一般には年末年始の休暇が始まったのではないでしょうか。働けることは幸せだけど、休みがあるのも嬉しいですよね。生活のメリハリがつきますから。あ~、何か懐かしい~。

しかし、何度も言うようですけど酒蔵は今が超多忙。製造、詰め口、セールス、事務、それぞれが分刻み、小走りする勢いで仕事をしています。みんな頑張ってるよね。

しかし、温かいですね~。明日から大晦日にかけて荒れるそうですが、今日のもと場の室温は12℃。待て待て、冗談じゃないな~、11月か~、大事な大吟醸様がいるのにそりゃないぜ。うちは冷房がないので自然任せ。出来れば8~9℃くらいにならんかいな。もちろん人間にとっては寒いけどね。温度を計り、状貌を観察しながら、「大丈夫か~、まだ湧くなよ~、焦るなよ~」と声をかけております。今晩は汲み掛けがあるので、12時くらいまで粘りますか。大吟醸の様子も見ながら。

大吟醸 登場!

2007年12月25日 21時23分59秒 | 日本酒
昨日はクリスマスイブでした。仕事はもちろん休みではなかったものの…、いろいろと考えた結果…、嫁さんとディナーにお出かけしてきました。製造計画を立てたのは私ですが、たまたまこの夜は作業が空いていたなあ(ラッキーだった)。このような日もやっぱり必要ですよね。

しかし一転、本日はいよいよ来たぞ「大吟醸!酒母仕込」です。おっす!頑張ります!旭日酒造の最高級のお酒となる大吟醸。経験は浅いですが、情熱を持って、酒母のお世話したいと思います。

写真の仕切られた奥の間に大吟醸が鎮座しております。普通、高級酒は小さい仕込み(要するに使用する原料米重量が少ない)となりますが、うちの蔵も例外ではありません。しかし、小さい仕込だと、それを仕込む桶もやはり小さくしなくてはいけません。『大は小を兼ねる』とはよく言いますが、酒造の世界はそういうわけにもいきません。大きすぎる桶だと、発酵が順調に行かない原因となるようです。
今晩は汲み掛け作業を深夜まで。ここで頑張らなくてどこで頑張る!と自分に言い聞かせつつ…(でも明日は4時半起き)。みなさん期待して待っていてくださいね。それでは。

今日は冬至、とくれば柚子湯~

2007年12月22日 21時49分36秒 | Weblog
2007年もあと10日。世の中は年末大売出し?、忘年会?、大掃除?まさかまだ休み始まってないよね。酒蔵は忙しさがピークです。
今日は「冬至」でした。現代人(というか都会の人)はあまり気にしていないかも。私たちは(見事な)田舎ですので、今日は柚子湯に晩御飯はかぼちゃを頂きました。これって健康に過ごせるように、との日本の風習だそうですが、「柚子湯」と「冬至」の組み合わせを調べてるとこんなことが書いてました。

「湯治(とうじ)」と「冬至(とうじ)」の語呂合わせ。もうひとつおまけに、健康体であればなにかと「融通(ゆうずう)」がきく、とのこと。う~ん、うまい!あっぱれ。

しかし言葉遊びだけでなく、血行促進や美容効果、その他体にいい確かな根拠もあるようです。こういうことも今流行の日本の常識でしょうかね。

とはいえ、冬至を待つより世の中はクリスマスを待っています。さて、蔵人はそれどころじゃないけど…、どうしょうかなあ。(写真:蔵より徒歩3分にあるスーパーの電飾)

もと場小学校へようこそ。

2007年12月19日 19時48分06秒 | 日本酒
気がつけば12月も19日。蔵入りして何日目でしょうか。1ヶ月以上たってますね…早い…。
いろいろとハプニングはありますが(例えば、櫂入れ中、櫂の先っぽが抜けるとか)蔵の仕事は順調です。私、もと屋も続々と酒母を仕込んでおります。

写真はもと場の様子ですが、今朝はタンクが4本立っております。それぞれに仕込日が違い、そのため状況も違います。私のする作業も違っております。例えるなら、そう、小学校のようなもの。

まず一番手前。小学校3~4年生。自力で温かくなって発酵頑張って!と言いたいところですが、少し品温が低いので、電灯で手助け。あたためてやりましょう。二番目は泡が見えます。やんちゃざかりで5年生。目を離すと暴走します(笑)品温は20度程度。最高にアツい時期です。三番目は入学したて。今は暖気樽に誘導され温まってます。近所の先輩にだまってついて行く感じ。そして奥のタンクは卒業式目前。本日午後に「もと卸し」。この場所からサヨウナラです。しっかり遊んで勉強していい感じ(成分)で卒業となりそうです。担任としてはホッとしてます。

こういった感じでいろいろと様子を見ながら世話しております。比較的余裕が出てきたのか、なんか面白く感じますね(ひとりごとは多いですが)。しかしこの後はいよいよ緊張の大吟醸!不安?さあ来い!って感じ?。


それが当たり前。

2007年12月16日 21時35分51秒 | 日本酒
今日は雪か?と思ったけれど、みぞれどまり。

蔵の生活は、とにかく寒い。仕事場は基本的に暖房など効いてるはずも無く、今は仕込蔵で10~12℃、通路なんかは風が通ってより肌寒い。何よりも体を動かして寒さに勝つ、これが当たり前(?)。

世の中いろんな常識がありますが、蔵に泊り込みで仕事をするということは、トイレ、バス、洗濯機等共同ということ。風呂は杜氏さんから(役が上の人から)順番に入ります(当たり前)。洗濯も各自が自分でやります(当たり前)。店(会社)が休みのときは食器の洗物も自分たちがします(当たり前)。掃除だってそうです。最初は「大の男が…」と思うところもありましたが、皆さん当たり前にやっています。いわゆる古い会社スタイル、小さい会社だからこその「いいこと」もありますよね。仕事ばっかりで「家事」が出来ないような男性は今の時代ダメでしょう。その点蔵人生活はいい修行になりますよ。

と、アピールさせて頂きまして。この業界、深刻な人材不足なんで…若人よ来たれ!

旭日酒造 杜氏の勇姿!

2007年12月15日 20時48分36秒 | 日本酒
最近どんよりした天気が続きます。晴れたと思ったら、雨、あられ。やっぱり山陰だね。
12月も折り返し地点、そろそろ何(雪)があってもおかしくないが…。

本日は「蔵っ子日記」始まって以来でしょうか?杜氏さんのビシッとした姿を写真に収めましたので、堂々と公開させて頂きます。ビシッとした、といっても、もちろんスーツ姿ではありません。仕事の姿です。櫂入れをしております。
現在の杜氏さんは、私が蔵に入ったときから見てくれている杜氏さんで、酒造一筋47年!しかも旭日酒造一筋!本当に頭が下がります。嫌なこと、大変なこともいっぱいあっただろうけど、酒を守り、会社を守ってきてくれてます。夏場は農業をされており、お米や野菜、本当に美味しいものを作っておられます。モノづくりの精神が体に染み付いてますよね。方言はきついし、都会のことは良く分からないそうですが、温かみ、人間味があります。私は酒造りという大変な世界に飛び込みましたが、杜氏さんのおかげでとても助かってます。本音で感謝。

機会があれば、日々の会所場(休憩所)で聞いている旭日酒造の今昔物語をお聞かせいたしましょう。へぇ~x100?。面白いですよ。

珍しく、2ショットで。

2007年12月13日 20時01分59秒 | 日本酒
今日はせわしかった。機械トラブルもあるし、仕事も多かったし、この日になぜか集中しましたね。杜氏さんもお疲れのようです。(私はチョコレートに手が伸びてます)

「蔵っ子嫁は元気ですか?」というお便り、問い合わせが続々来ておりましたので、今日は貴重な2ショット画像をアップしました。この作業は「麹室」に「蒸米」を入れ(この作業を“引き込み”という)、それから均一に広げて目標温度まで下げつつ、麹菌をつける作業をしているところです。

この日の米の量は175kg!かなりのボリュームです。ひっくり返して熱を逃がしては(右嫁図)、全体の温度を温度計等で確認(左私図)します。なんたって麹室の中は30度。半そででも汗が出るくらいの状態です。やっぱり経験が何よりで、嫁さんもさまになってきてます。たくましい筋肉もついたそうで、喜ぶべきや悲しむべきや。


年越しは「十旭日」で。

2007年12月11日 21時09分16秒 | 日本酒
今日は仕事が盛りだくさん。初添え、仲添えと仕込が2本。麹も引き込んだし、酒母もまた1本(といっても1/2)卸しました。そして初めての粕はぎ。これがなかなか時間がかかって午後いっぱい。ふ~っ、はやく寝ねば。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、昨日HPに「2007~2008 贈答用商品」をUP致しました。毎年もう少し早くしなきゃ…と思うのですが、なかなか…。年末、忘年会、また御歳暮、新年のご挨拶、新年の家族揃っての食事に、是非、「十旭日」をよろしくお願い致します!
大吟醸もちろん美味しいけど、純米酒がいいですよ♪ ぬる燗などぴったり、ぬくもります。日本酒で血行を良くしてポカポカ。美容にもいいですから。是非お試しを。

「2007~2008 贈答用商品のご紹介」ページはこちら

念のため、干支「子」ラベルのお酒もありますが、新酒ではございませんので。あしからず。

よーし、仕込第一号 上槽!

2007年12月10日 22時26分57秒 | 日本酒
本日、めでたく、仕込第一号上槽致しました!(祝)

まずは普通酒となるお酒ですが、出来はまずまず、いい感じです。早速、社長さん、杜氏さんに利いてもらうべく持っていきます…、が、その前に神様(酒造の神様「松尾様」)にお供えです。これからも無事搾れるように祈っておかねば。

精米→洗米→蒸し→麹→酒母→もろみ→上槽と続く工程、それぞれがベストの状態に持っていって次の工程にバトンタッチです。まるで駅伝のようです。また全てがベストでなくてもフォローしあいゴールする、これもまた大切なことです。当たり前だけど自分たちで造ったお酒はやっぱり美味しく感じますね。この瞬間がたまらんですね(この黄金色の輝きが)。

さて、みなさんに新酒としてお届けできるのはまだ少し先ですが、そのときはまたこのブログ上で発表させて頂きます。取り急ぎご報告まで。