蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

ぞうきんがけ、最近やってますか?

2006年02月27日 21時05分08秒 | 日本酒
昨日は実に久しぶりのお休みでした!何をしたか?って、夜飲みに行って朝寝坊!(おいそれでいいのか?)
リフレッシュしたところで、本日も朝早くから張り切りました。この写真は麹室です。中にあった道具をみんな引っ張り出して、天井・壁・床とぞうきんがけします。種麹の胞子(抹茶粉みたいなもの)が桟等に溜まってますし、米粒も板のすき間に入り込んでいます。面倒ですが、来シーズンに向けきれいに掃除しておくのも大切なことです。
話は変わりますが、大会社やビル等では、契約業者が清掃に来たりしますよね。掃除って好きな人はあまりいないと思いますが、自分の仕事場を自分で掃除するのは大切なことだよな…、と思うのであります。(しかし今日丸一日かかった・・・ふう)

蔵人に向く人 (蔵っ子的意見)

2006年02月23日 20時03分34秒 | 日本酒
最近上槽が続きます。モロミを搾ると入っていたタンクも洗わなきゃいけないし、酒が入るタンクも洗っとかなくちゃいけません。また使用道具や通路等もてきぱきと洗います。
そこで、ふと考えるのですが、蔵人に向く人・・・とは、「お酒が好き」とか「ものづくりが好き」とかよく言われることではなく、ズバリ、「風呂・トイレ掃除が好き」な人である!と(勝手に)思うのです。学校時代にトイレ掃除でデッキブラシ持つと張り切っちゃったり、プール掃除とかで水を大量に使う時わくわくしたり・・・。そんな気持ちになったことありませんか? そんな貴方、以外にこの仕事向いてるかも。
いずれにしても酒造りにはとてつもなく大量の水を必要とします。水とうまくお付き合いしなければやっていけません。もちろん無駄使いはダメですよ~。

来た!大吟醸袋吊り斗瓶取り!

2006年02月20日 19時50分47秒 | 日本酒
いや~、ついにこの日が来ました。大吟醸上槽です。最も神経を使うお酒でしたが、なんとか搾れる状態までやって来ました。しかし搾ったあともその味の熟成等々、まめにチェックして最高の状態での商品化(瓶詰)をするのです。この点の厳しい目・判断は社長自らが行っています。(というわけでお手元に届くのはまだまだ先…)
さて「袋吊り」と言っても、「?」な方へ説明致します。この写真のようにタンクに酒袋を何枚も吊るします。中はもろみですね。その袋から自然ににじみ出る(滴り落ちる)お酒を下で斗瓶にうけるのです。そうするとギューっと力を入れて搾るわけではないので、ゆっくり且つやさしいお酒のしぼり方ということになります。(味わいも優しい?)
なんかでっかいソーセージみたいですね。 

斗瓶の「斗」=1升(1.8L)x10

2006年02月15日 21時17分13秒 | 日本酒
いよいよ近いです。何が?って、あの酒の搾りです。そうです、だ、大吟醸です。原材料に最高のものを使い、時間・手間をかけて造ります。価格が高いと言われることがよくありますが、それだけの味、香り…その価値があると自信を持って言えます!おめでたい日や良いことがあった日などに、奥の間から出してきて一杯楽しむ・・・なんていいなあ~。
さて、その大吟醸を搾るにあたり、この「斗瓶(とびん)」というものを使います。今日はその斗瓶をせっせと洗いました。(写真は水切中) 1斗とは量の単位で、1升の10倍です。つまり18リットルということです。ちなみに1石(こく)は1斗の10倍、つまり180リットル。慣れない単位ですが酒屋ではこれが常識。蔵見学するなら、覚えておいて損は無いかも。

肉体労働にこそ「チョコ」

2006年02月14日 21時05分20秒 | 日本酒
今日はバレンタインデー。私事ですが、チョコは…昔はぜんぜん食べませんでしたね。某菓子メーカーで働いてたこともありますが、その時より断然今の方が良く食べます。お酒好きは辛党と言いますが、肉体労働者は甘いものを体が欲するんじゃないかな・・・。
さてこれは火当て(火入れ)という作業です。ようするに生の酒を熱湯殺菌消毒などなどすることです。このグラグラ煮立つ釜の中に蛇管という金属製の菅を入れて、その中に酒を通すことで熱するわけですね。(全ての酒がこの方法ではありませんが) このとき酒の温度は60度以上、仕事場は熱気(蒸気)に包まれます。「火傷に注意!」の気を遣う作業のひとつでした。ふ~、今夜もまたチョコに手が伸びる…。

仕舞祝がありました!

2006年02月11日 20時50分20秒 | 日本酒
11月に蔵入りし約3ヶ月。途中誰もリタイヤすることなく無事この日を迎えました。昨日は「甑(こしき)倒し」。最後のお米を蒸し、その甑を片付けることからそう言われております。そしてそれを祝って蔵元が「仕舞祝」(祝宴)をしてくれました。感謝ですね。昨夜は店の社員さんとも合同でお酒を飲みました。蔵と店とで一緒に飲んだり、ゆっくり話したりする時間がなかなか無いので、そういう意味でも良かったなあ。
お互いの作業のために作業時間をずらしたり、片付け等協力したおかげで今年もいい酒が出来ています。まだまだ搾られるのを待っているモロミはたくさんありますので気は抜けません。今日も仕事だ、日記も続くぞ!(宴会の写真は…無い、残念)

酒粕は体にいいらしい!

2006年02月08日 20時45分56秒 | 日本酒
出雲は今日も雪でした。蔵内を歩いて移動すると寒いので、ちょっと駆け足で移動したりして…。本当に走るくらい忙しいときもあるけど。
今日は店は瓶詰め、蔵方は仕込み、米洗い、タンク洗い、粕はぎ等と盛りだくさんでした。仕事は別れてしますので、私としては粕はぎがメインでしたね。ところで酒粕は「カス」というにはもったいないくらいに栄養価の高い食べ物です。ある先生によると、美肌効果や血液サラサラ、ガン予防、糖尿病の症状を和らげる等々いいことたくさん!粕汁なんかにすると美味しいし言う事なしです。でも最近は清酒の消費量も減って酒粕も不足気味…いざ買おうと思ったら高いようです。はがしてるだけでお肌ツルツル?
≫今の時期、目にするのはこんな板粕ですね。

祝!最後のもと(酒母)おろし

2006年02月06日 20時30分56秒 | 日本酒
お酒の仕込みは、「酒母(もと)」を仕込んで、その酒母を元に「もろみ」を仕込みます。例えていうなら、酒母が下ごしらえで、もろみが調理本番でしょうか?(この例えは正しいのか?)以前、精米さんが一抜け、と言う話を書きましたが、その次はこの酒母(もと)を造る「もと屋さん」が一仕事終わった形になります。蔵人それぞれが主担当の仕事がありますので、その仕事が無事終わると務めを果たしたな、という気持ちになります。そしてみんなの仕事の結集が旨い酒を生み出すわけです!
ぼちぼち部屋も掃除され、道具類も洗われて片付けが始まっています。もう少しだなあ…
≫写真は酒母タンクが無くなってさっぱりした酒母室(入口)。

新酒「丙戌(ひのえいぬ)」好評発売中!

2006年02月05日 20時39分36秒 | 日本酒
今日も寒かったですね。早く風呂に入って温まりたい気分です。今日はこの日記の場をお借りして、先日発売になった新酒を宣伝させて頂きます。毎年初しぼりの純米酒はコレ!と決まっております。干支ラベルの純米吟醸です。しぼりたて(この時期)はフレッシュな味わいが楽しめ、少し寝かせてても(4~5月ごろ)味が落ち着き米の旨みが増して美味です。早速、近所の日本酒ファンの方が飲んで「美味しかったんでもう一本」と再購入して頂きました。こういう小さなことがうれしかったりします。数量限定!(300本、にごり180本)本当におすすめです!
≫詳しくはHP「商品紹介」ページへ

昨日は節分、やっぱり寒っ!

2006年02月04日 21時28分56秒 | 日本酒
2月になりました。このところおだやかかなぁ、と思っていたら、いきなりの雪!氷は張るわで、やっぱり寒っ!
お酒造りは寒い方が良い、とはよく聞く話ですが、結局モロミの品温が10℃~5℃くらいになることによります。いちいち冷房きかしたり氷使ったり、はたまた暖房器具を使用すのも大変ですからね。
写真は「モロミ投げ込み型冷却器」です。幅は約100cmです。このホースから銀色の本体に冷水を送ります。するとその冷温が銀色のファン等に伝わり、そしてモロミに伝える、といった仕組みです。「熱伝導」ですね!そういや、理科で習ったよなあ…。