皇居ランナー

仕事で大手町に出かけた。
その帰りに皇居のお堀端でちょっと一服。



ここの風景は結構気に入っている。
お堀の水面に映るビル群のフォルムと皇居の緑が美しく調和して
何とも都会的な雰囲気だ。



途中で仕事をぬけて来たらしいカップルが
先程から楽しそうに喋っている。
ねえ、もう３０分以上経つけど、仕事大丈夫なの？



皇居のお堀端と言えば、今やランナーたちのメッカだ。
いつの頃からこういう状況になったのか・・・
終業後の夕方にはあっちのビル、こっちのビルから
ジョギング姿に着替えたサラリーマン、ＯＬが続々と湧いて出ては
押すな押すなの大騒ぎらしい。（見たことはないけど・・）
そのマナー悪さや傍若無人な走りっぷりに眉をひそめるムキも多く
実際、通行人との接触事故などトラブルもあると聞いた。



界隈の勤め人が「仕事帰りにひと汗かいて・・」なら分かるが
わざわざ電車を乗り継いで走りにくるランナーもいると言うからわからない。
日本人特有の「みんなで走れば怖くない」という集団心理なのか？
確かに一周５キロのコースは信号もなくて走りやすいし
周囲の景観もいいから人気があるのは頷ける。
最近はそれを見込んでシャワー設備などを備えたスポーツショップも増えているらしい。
それにしても・・・である。



本来、走るという行為は「孤独」なものだと思う。
気分転換、運動不足解消、シェイプアップ、限界への挑戦。
走る動機は人それぞれだろうが、誰かと一緒に走る意味は何なのだろうか？
わが公園にもジョガーは数多くいるが、ほとんどが一人だ。
中には毎朝、ご夫婦で仲良く楽しそうに走っておられる光景も見るが
それはそれでむしろ微笑ましい。
まるで流行に遅れまいとするかのように
我も我も・・と集団で走る姿にある種の「退廃」を感じてしまう。



ふと見ると、白鳥が「孤独」にスイスイと泳いでいた。
なんとも凛々しく見えてしまった。



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