まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

猫のお宿があった

2012年02月07日 | 日記

世の中「犬派」と「猫派」のどちらが多いのだろうか・・・
公園を見る限りは「犬派」が圧倒的に多いのだろうと思う。
犬の散歩は日常だが、当然のことながら猫を散歩させる人は見たことがない。

野良猫は勝手にひとりでお散歩している。
普通、野良猫は警戒心が強くて、近づくとすぐに逃げるが
この猫はなぜか自分からノコノコとやって来て足元にまとわりつく。

  「ねえ、オッサン、遊ぼうぜ」
  「え、遊ぶって・・・どうやって遊んだらいいのかな」
  「お菓子とかパンとか持ってねえのかよ」
  「うーん、生憎、ジョギングの途中だからさあ」
  「チェッ、しけたジジイだなあ」
  「ジジイって、キミ、ちょっと言葉遣いが・・・」

しばらく足元で甘えた声を出していた彼は、やがて諦めたように立ち去った。
そんな体験は初めてで、柄は悪いが誠に人懐っこい猫とお見受けした。

この猫は警戒心からか常に間合いをとってこちらを見ている。
何かくれないかな・・・と期待しつつも、すぐに逃げる用意をしている。

こいつなんか遠くからカメラを向けただけで激しい唸り声をあげる。
石を投げたりする輩もいるから、よほど人間嫌いになってしまっているようだ。

人もそれぞれなら、猫もそれぞれである。
この猫はせっかく陽だまりで居眠りをしていたのに起こされて不機嫌。
でも、逃げようとはしない。
迷惑そうな呆け顔でポヤーンとこちらを見ている。

笹が生い茂るブッシュを歩いていたらコップが落ちていた。
いや、落ちているのではなく置いてあるという風情。
見ると水も入っている。
なんだろうなあと思って見ていると黒い猫がサッと目の前をよぎった。
驚いて笹藪の奥を覗いて見ると・・・

一瞬、ホームレスの方の住まいかと思ったがちょっと小さすぎる。
そうか、なるほど・・・「猫のお宿だな」と思い至った。
この周辺で猫にパンくずをやっているお年寄りを何度か見かけたことがある。
どこのどなたかは知らないが微笑ましい光景だった。
この寒空に猫の身を案じて「ねぐら」を建築されたのだろう。
炬燵で丸くなるのが得意な猫だから今年の寒さは相当に堪える筈だ。
ブルーシートならぬグリーンシートの鮮やかさに人の温かさを感じてしまった。

しかし、すぐ近くの木にはこんな看板が・・・
罪のない命を無慈悲に捨て去る人間がいるかと思えば
その縁もゆかりもない小さな命のためにわざわざ「ねぐら」をつくる人もいる。
世の中とはそういうものだとシニカルになりつつも
無性に腹立たしくなって来た。