まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

ひとり酒は嫌いですか

2012年02月08日 | 日記

約束の日を一日間違えて「ひとり酒」になってしまった。
相手に電話すると「あれ、明日だけど・・・」
仕事の約束を間違えることはあっても酒の約束を間違えたことなどなかった。
「ああ、俺もとうとう老耄の兆しが・・」といささか慌てた。

でも落胆という訳ではなく、「やれ嬉しや!」とばかり夜の巷へ・・・
帰りの地下鉄をわざわざ途中下車して昔の行きつけの店を覗いた。
最近、こういうパターンが非常に多い。
外で誰かと飲んでも、すぐにまた一人で飲みたくなってしまう。

孤独癖なのか被虐趣味なのか、それとも単なるアル中なのか・・・
私が「ひとり酒が好きだ」というとあからさまに驚いたような顔をされるケースが多い。
「淋しいでしょう」「一人でのんで面白いですか」などと言われる。
私だって皆とワイワイ飲む酒は好きだが、一人で飲む酒も大好きなのだ。
誰に気を遣わなくていいし、自由だし、酒のペースも自分なりに調節できる。
一人で酔いが回ると、孤独は深化し、想念は縦横無尽に頭の中を飛び回る。

そんなことを考えていたら注文の「お刺身」が到着。
寒ブリにスルメイカ、どれも甘くてトロトロで美味しかった。
左下の丸いプニュとしたのは「イカのわた」の焼酎漬け、これが滅法うまかった。
新鮮だからだろうが野趣あふれる深い味だった。

以前、何かのアンケートで「ひとり酒が好き」という人が75%だった。
女性の場合はちょっと下がって63%だったがそれでも多い。
そんな筈はないだろうと大いに訝しんだが、待てよ・・・とも思った。
みんな職場や家庭でさまざまなストレスを抱えながら生きている訳だから
たまには人に気を遣わずに、自由に気ままに飲みたいのかも知れない。

そう言えば温泉旅館でもレストランでも居酒屋でもデパートの総菜売り場でも
最近は「おひとり様」仕様が増えていると言う。
時代はいよいよ「ひとり酒」に向かっているのかも知れない。

アジは海中でも生け簀の中でも常に群れているけど
ひょっとしたら「ひとり」で泳ぎ回りたいことだってあるのではなかろうか。

ああ、昔はよく食べたなあ・・・
クジラだって意外に「孤独」が好きなのかも知れない。

店内の客は三組ほどで妙に空いている。
ガハハと笑いあう不動産関係者、ママと常連客らしい中年カップル。
私のすぐ後ろに「ひとり酒」のオジサンがいた。
文庫本を読みながら二本目のビールをクビリ、ゴクゴク・・・ひとり酒の達人か。

最後は「エイヒレ」を注文して日本酒をもう一本。
ひとり酒も佳境に入って来たが、ほどほどで切り上げた。
明日から仕事で三日間、京都へ。
一人で行ってみたい店が何軒かあるのだが果たして・・・