福田電撃辞任： 麻生－公明陰謀説？

個人的には、やっと辞めてくれて有難う、というところだが、それはさておき、
今になって思えば、もしや、福田を辞任に追い込むシナリオを描いた人間関係の中に、麻生－公明党というつながりと思惑があったのでは？と。

たとえば、太田農水大臣。あの人の入閣は麻生の押しがあったからという説もあるが、それが事実であるとしたら、「なんで？」と思っても勘ぐりすぎでもないのだ。太田入閣を聞いて、そこに「アリの一穴」を感じたのは、私だけではあるまい。「なんでこんな危うい人を」と。そして、案の定、「うるさい」発言に事務所費問題。まさに「危うさ」は現実のものになったわけだが、それを予見できぬほどの音痴でもあるまい、麻生も。いかに政治センスは乏しいとはいえ。

つまり、最初から福田を否応なく辞任に向かわせ、自らが政権を手中にするための、仕掛けが太田入閣だったのでは？というわけだ。

一方、公明党も、福田で来る総選挙を戦いたくない、戦えない。支持母体からの突き上げも厳しさを増すばかりだ。しかも来年の都議選を軸に総選挙の時期をめぐる思惑をある。となれば、福田には早々にやめてもらい、総選挙を戦いやすい首班を担ぎあげたい。安倍を嫌って麻生を支持するというのは、両者のイデオロギー的な類似性を見れば確かに矛盾だが、政権政党たり続けたいという願望を成就するためには、イデオロギーではなく、誰を担げば勝てるか、あるいは政権を失わない程度の負けにとどめることができるかという点が重要になる。支持母体の声を背景とした自党の要求をのんでくれさえすれば、麻生でもOkということになる。であるならば、景気対策、テロ特を含めた国会対応でじわじわと福田に圧力をかけて、政権放棄に追い込む。

かくして麻生ー公明の利害は、福田辞任、麻生内閣で解散・総選挙というシナリオになる。

麻生にしてみたら、政権獲得という夢が実現する。福田が辞任すれば、太田問題も消えて、自分にそのとばっちりがくることもなくなる。幹事長で総選挙を戦うよりも、首相で戦うほうがベターでもある、彼自身にとっては。厳しい選挙になるし、結果は少しも楽観できない。ならば、負けて幹事長としての責任を追及され、加えて自民党が野党になり、政権獲得の機会を失うよりは、政権を獲得できるうちに確実にそうしておきたい。　つまり幹事長就任は、最初から総選挙前の福田辞任・政権獲得を前提としたものではなかったのだろうか。

公明にしてみても、総選挙で政権が維持できるかどうかさておき、少なくとも福田で戦うよりは安全パイということになる。もっとも、下野ということになれば、自公連携を解消し、新たな政権党にすり寄ればよいのだ。こうもり戦術にはいささかも躊躇しない、それがあの政党だが。

とにもなくにも、麻生と公明党の目下の利害は一致するところが大きいはずで、もしかしたら、福田改造内閣直前に、麻生と公明の間でポスト福田のシナリオが描かれ、それが今結実しようとしているのではないだろうか。