くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

播磨屋の老い

2010年06月19日 | Weblog
昨晩の鬼平犯科帳スペシャル、久々の新作に期待しながら見たが、正直いっていまいち。


何がいまいちなのか? 脚本がである。あの終わり方がなんとも消化不良だ。原作を覚えていないのだが、原作がそうなら仕方ないとしても、いまいちの掘り下げであった。

まあ、それはさておき、播磨屋も今年で66歳? 台詞に老いを感じたのは私だけであろうか? 芝居での播磨屋の魅力は、人物描写の妙や、台詞にある。鬼平でも台詞のうまさが光るが、播磨屋独特の低音に「老い」を感じたのだ。

他の出演者も歳をとったものである。特に女優陣。

役者は老いて更に芸を上げるものである。物故者では先代(13代)仁左、先代羽左。存命中であれば、藤十郎、トミー、そして最近見ない(多分舞台ではもう見れない)ジャッキー。70にしてさらに大輪の薔薇を舞台に割かせることは役者の世界では珍しいことではない。

私が、播磨屋の老いに淋しさを感じたのは、そこに自分自身の老いに気付いたからなのかもしれない。

が、それとともに、播磨屋の芸を継ぐ者がいないという事実があるがゆえなのではないだろうか。初代が一代にして作り上げ、当代が見事に引き継いだ名跡と芸がいずれとだえるかもしれないと思うと、文字によってではなく、命から命へと受け継がれていく芸というものの儚さを痛感せざるを得ないのである。

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