先日の先代幸四郎の「寺子屋」に続き、「一本刀」のDVDを拝見。
昭和59年のものだそうで、大中村(好きな役者でした)、故大成駒でそれぞれ、駒形にお蔦。それから脇は、播磨屋に、当代勘三郎。それから、懐かしいーあのしゃくれ顔、故延若。
おそらく、お蔦は大成駒のニンではないのだろう。むしろ故梅幸の方があっていたはずと想像してみるが、それでもさすがは、大成駒。今どき、あれだけの雰囲気を醸し出すお蔦役者がいるだろうか。設定された時代からタイムスリップしたか芝居絵から飛び出してきたようなお蔦。今ならせいぜい神谷町くらいか? だが、神谷町のニンでもない。
大成駒の芝居はまごうことなく近代歌舞伎だったのだろうが、「ラマンチャ」役者などとは違い十分な時代味があった。こうした味わいを出せる役者が、昨今実に少ない。玉三郎になるとすっかり近代いや現代だ。以前は時蔵に期待したものだが、正直、今のところは期待外れのままだ。やはりお蔦のニンではないが、故宗十郎のあのなんともあっけらかんとした、きっと江戸の頃の芝居はこうだったに違いないと思わせるような芸風の役者はもういない。
そして大中村の駒形。体の小ささはいかんともし難く、大柄な播磨屋と組んだ場面は滑稽ですらあるが、やはり巧い。私は晩年しか知らないのだが、数少ない舞台のうちに、何度笑い、泣かされたことか・・・。
当代勘三郎の若さとともに、かの名優たちの不在に、時の流れを否応なく実感させられた。
昭和59年のものだそうで、大中村(好きな役者でした)、故大成駒でそれぞれ、駒形にお蔦。それから脇は、播磨屋に、当代勘三郎。それから、懐かしいーあのしゃくれ顔、故延若。
おそらく、お蔦は大成駒のニンではないのだろう。むしろ故梅幸の方があっていたはずと想像してみるが、それでもさすがは、大成駒。今どき、あれだけの雰囲気を醸し出すお蔦役者がいるだろうか。設定された時代からタイムスリップしたか芝居絵から飛び出してきたようなお蔦。今ならせいぜい神谷町くらいか? だが、神谷町のニンでもない。
大成駒の芝居はまごうことなく近代歌舞伎だったのだろうが、「ラマンチャ」役者などとは違い十分な時代味があった。こうした味わいを出せる役者が、昨今実に少ない。玉三郎になるとすっかり近代いや現代だ。以前は時蔵に期待したものだが、正直、今のところは期待外れのままだ。やはりお蔦のニンではないが、故宗十郎のあのなんともあっけらかんとした、きっと江戸の頃の芝居はこうだったに違いないと思わせるような芸風の役者はもういない。
そして大中村の駒形。体の小ささはいかんともし難く、大柄な播磨屋と組んだ場面は滑稽ですらあるが、やはり巧い。私は晩年しか知らないのだが、数少ない舞台のうちに、何度笑い、泣かされたことか・・・。
当代勘三郎の若さとともに、かの名優たちの不在に、時の流れを否応なく実感させられた。