ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

HELEN CARR

2008年03月05日 | 女性ボーカルC
BETHLEHEM/BCP-1027/HELEN CARR/DOWN IN THE DEPTH ON THE 90TH FLOOR/10inch/1955年録音

今晩は以前に記事にしたFS盤の写真を10インチ盤に差し替えて書き足しました。最初にFS盤を聴いた時から本アルバムの収録内容が気に入って10インチ盤を入手しようとしていたのですが, 何とか納得できるものを昨年の初夏の頃に入手できました。僕の10inch盤のお気に入りベスト3の一つです。再発のFS盤よりも格段に音が濃くて音の輪郭が明確でどの音もイキイキとして躍動感があるように聴こえます。一番違うのはボーカルとドラムの音でそれゆえに躍動感が違うように感じるのでしょうか。彼女のボーカルの生々しさの違いを表現すると襖の向こうで歌う彼女と目の前で歌う彼女の程度の違いは少なくてもあると感じます。盤の状態も非常に良いのでいつまでも聴き続けていきたいアルバムです。同じ10inch盤のLUCY ANN POLKのも大好きですがどちらが好きなどとは、比べ難くまた比較の意義も僕にはありませんが。
いつ聴いても本アルバムは出だしのA-1のNOT MINEからしてノリがイイので最初から引き込まれますね。続くA-2のI DON'T WANT TO CRYのしっとりと女心を歌う曲で癒されてから, A-3のTULIP OR TURNIPもスイング感があって大のお気に入りです、DONN FAGERQUISTのトランペットが効果的に間奏に入るのも聴けますねぇ~。このあたりは曲順が絶妙に選ばれていると感心させられます。B-1のDOWN IN THE DEPTHSにおける彼女のボーカルのしっとり感と艶やかさといったら僕は恍惚として聴入ってしまいます。続くB-2のYOU DRIVEING ME CRAZYはバックのドライブ感と彼女のボーカルとが実によく合っていてこれも聴けますねぇ、DONN TRENNERのピアノ・ソロに続いてCHARLIE MARIANOのサックス、DON FARGERQUISTのトランペットとソロが続くのも嬉しい仕上がりの曲です。
(以下は以前の記事の一部です)
彼女は1922年ユタ州ソルトレークシティ生まれで,本アルバムを録音しその後に同じレーベルから12inchLPで“WHAT DO I LOVE YOU”を吹き込んでから数年後に38歳で亡くなったらしいです。旦那さんのDONN TRENNERがピアノを務める本アルバムはどれも渋い曲ばかりです。彼女の歌い口は洗練された可愛さと思います。その歌い口は少しビバリーケ二ーに似たところがあるようにも思えます。そういう可愛いというか可憐とも言える声ですが落ち着いた歌い口に引き込まれます。バックの演奏も良く、それぞれのソロも楽しめます。ジャケットの写真は夜の高層ビルのとある一部屋にだけ灯がともっています。この灯のある一部屋が90階の部屋だと思って聴いています。またこのジャケット洒落たデザインではないでしょうか(?)

パーソナルは, Helen Carr(vo), Don Fagerquist(tp), Charlie Mariano(as), Donn Trenner(p), Max Bennett(b), Stan Levey(ds)
収録曲
A面
1, NOT MINE
2, I DON'T WANT TO CRY
3, TULIP OR TURNIP
4, MEMORY OF THE RAIN
B面
1, DOWN UN THE DEPTHS OF THE 90TH FLOOR
2, YOU'RE DRIVING ME CRAZY !
3, I'M GLAD THERE IS YOU
4, MOMENTS LIKE THIS

GABY NOVAK

2008年03月04日 | 私的Rare盤
RADIO-TELEVIZIJA BEOGRAD/LP-II-508/GABY NOVAK/PEVA GABY NOVAK/10inch/1960

このアルバムは旧ユーゴスラビア現在のクロアチアのアルバムです。本アルバムが同国初のレコードと言われていますが, 真偽の方はどうでしょうか?東欧の国の中では唯一ソ連軍に力を借りずに独立をした国だとも読みましたが、そんな事よりも東欧は美人の多い地域として知られています(行った事はないのですが)、いろんな人種の血が古くから混じり合っているのもその美人を輩出している一つの理由でしょうか。本アルバムのギャビー・ノバックもその美人の一人だと思います、しかもそのボーカルも何とも言えない可愛い色気があって天は二物を与えたとしか思えません。このアルバムの存在を知ってから入手するまでには相当な時間を要しました。売買が成立してからはクロアチアへ送金したのですがこれがまた僕もバンカーも経験がなく多少やっかいでした。でも送金は一日で相手方に届いていました。それから1週間後には手にする事ができたのです。本当に素早い配送で少し驚きました。僕の経験ではブラジルやチリやスエーデンの配送や連絡は今まで全てキチンとなされました。このクロアチアからも的確な配送でとても感じが良かったです。余談ですが反対に頼りないのが多いのはアメリカ・英国・イタリア・スイスあたりが僕とは相性が良くない場合が多いです。
彼女の事は例によってほとんど知りません。ジャケット裏のライナーノートもクロアチア語の為に英語よりもさらに難解でお手上げです。ただ彼女はユーゴの女性ジャズボーカリストの草分けのようです。このアルバムではCARAVANやMESEC KAO IGRACKA(月影のナポリ) ,SOMEONE TO WATCH OVER ME等のお馴染みでもあり懐かしくもあるジャズ及びポップスの曲を全てユーゴスラヴィア語(今はクロアチア語と言うのでしょうか)で歌っています。このクロアチア語全く意味が分からないのですが、何とも滑らかな言語で妙に艶めかしいような印象を受けます。その艶めかしい言語で可愛くスイングしながら聴かされると、まず並の聴き手はノックアウトされるのではないでしょうか。ただ再生音は極端に悪くはないのですが良いとは言えません。所有盤は高音でチリつきがあります。旧ユーゴスラビアでそんなに何千枚もプレスされていないと思えますのでどれも似たようなものかも知れませんが。パーソナル各人の楽器名称も分からないのが二つありましたがネットでクロアチア語翻訳で調べたところ, BUBNJEVIがDRUMSで, KLAVIRがPIANOでした。どうせ覚えられるわけがないですが。本アルバムでの僕のお気に入りは軽快で充分にスイングしているA-1のLEARNING BLUESととても可愛く愛くるしく歌っているA-4のSOUVNIRS、それに懐かしいB-4のTINTARELLA DI LUNAあたりですが、その他の曲も充分に聴けますですよ。ユーゴスラビアといえど侮れない女性ボーカリストです。女性ボーカルファンであれば聴けばまずハマるんじゃないでしょうか。

STIPICE KALADJEREのオクテットによる伴奏ですが名前を挙げるとSTIPICE KALADJERE(tuba), B.HOHNJEC(altsax. flu, clar), O.DEPOLO(ts, clar), B.FRANCISKOVIE(ts), I.NOSETTIG(trb), N.KALODJERA(p), R.MILOSAVIJEVIC(b), S.GLOJNARIC(ds)

収録曲
A面
1, TO JE BLUES (LEARNING BLUES)
2, KARAVAN (CARAVAN)
3, NETKO BDIJE NADAMNOM (SOMEONE TO WATCH OVER ME)
4, PRODAVACICA USPOMENA (SOUVNIRS)
B面
1, PONESI (OH, VENUS)
2, LJUBAV I POLJUPCI (LOVE AND KISSES)
3, U PROLJETNO VECE
4, MESEC KAO IGRACKA (TINTARELLA DI LUNA)

INGE BRANDENBURG

2008年03月03日 | 私的Rare盤
(独)DECCA/DX2145/INGE BRANDENBURG/HERZLICHSYT, INGE/7inch/1960

今晩は別のアルバムをアップするつもりで昨日から用意してたのですが、某ebayでウォッチしていたINGE BRANDENBURGの“独”CBS/IT'S ALLRIGHT WITH MEが1700ドル超でROC国の方に落札されていました。拍手!美盤とはいえ凄い価格です。もうちょっと1400ドルぐらい安く300ドルぐらいならと漠然と考えていたのですが、あっという間に600ドルを突破してあとは野となれ山となれイケイケどんどんでした。僕には全く手が届かないものでした。それでアップするアルバムを急遽変更して彼女のEP盤にしました。このEP盤はCBS/IT'S ALLRIGHT WITH MEに収録されていない4曲が収められています。HERZLICHSYTとはドイツ語で“温かい”という意味らしいですが、このEP盤の彼女のボーカルは先に挙げた12inchLP盤と比べるとより柔らかい歌い回しのように感じます。一番の聴き物は何といってもB-1のALL OF MEだと僕は思います。HELMET BRANDTのバリトンサックスのグロテスクとも思える音で始まるのですが、こういう出だしのALL OF ME はこのEP盤でしか聴いた事がないように思いますが(?)。A-2のLOVER MANもお気に入りです。但しこのジャケットの写真は彼女に気の毒に思えます。だって僕にはミック・ジャガーの妹のようにしか見えないのですが、如何でしょうか?A-1はオーケストラ伴奏でそれ以外は少しメンバーに変更があるようですがHELMUT BRANDT(b), HEINZ NIEMEYER(ds), GUNTHER SCHEMMLER(p)といったメンバーに曲によってギターが加わったりトランペットやヴィブラホーンが加わったりしています。

収録曲:A-1, DON'T TAKE YOUR LOVE A-2, LOVER MAN B-1, ALL OF ME B-2, THERE'LL NEVER BE ANOTHER YOU

ROSEMARY SQUIRES

2008年03月02日 | 私的Rare盤
MGM/E3597/ROSEMARY SQUIRES/MY LOVE IS A WANDERER/1957

ずっと以前に本アルバムを日本ポリドール盤で紹介したのですが、MGM盤を入手したので全面的に書き換えました。彼女のMGM盤は入手したいなと思うようになって数年は見かけなかったのですが昨年末に二度海外で見かけることができました。最初に見た時は“おぉ~、これが青のロージーと言われているアルバムMGM盤かぁ~”という気分で初めてデートした時のような気分でした。価格(安くはなかったです)は?送料は?などと自分で確認して所用でパソコンを離れ、しばらくしてもう一度確認しようとするとそのアルバムはもうどこかへ消えていました。売れたのか、売り手が自身で取り下げたのかは判りません。こうして初めて見かけた“青のロージー”はいなくなりました。それから数ヶ月後に某ショップから連絡がありWANTSで依頼していた本アルバムが入荷しますがまだ必要ですか?という内容でした。まだ僕は見放されてはいなかったのだと救われたような気持ちで即決でいただきました。その後に再び海外で消失したアルバムの同じセラーからもう一度本アルバムを見かけましたしたが(信用なし)時既に遅しで、さらに昨日頃から国内の某サイトにも出品されていますがこれは相当高額で出品されているように思います。
彼女は1928年イギリス・ブリストル生まれでライナーノートによると彼女は子供の時からタレントとして活躍、20歳になった時に初のプロとしての仕事をしました。バンドシンガーとして実力をつけソロとなってからもBBC放送のラジオやテレビで活躍したという事です。彼女の声はA面最初のMY LOVE IS A WANDERERの冒頭の彼女のボーカルを初めて聴いた時は回転数を間違えて聴いているんじゃないかと一瞬思えるほどに幼いようなキュートな声質です。でもそれがやがて彼女の持ち味とわかってくると、今度は彼女の大人の女性として持つ甘さや落ち着きが感じられ, 適度なハスキーボイスが心地よくなってきて, さらにキュートさが増してくるでしょう。
再発盤の写真も撮り直して載せてみました。オリジナルはいわゆる額縁ジャケットですが再発のジャケットは一枚仕立てとなっていいます。ジャケットの色感などは再発の常で少し色が濃いようです。再生音は日本ポリドールの盤もMGM盤もあまり変わりがないようにも思えますが、ポリドール盤は高音が強めに入って、MGM盤に比べると音が若干硬いというか金属的に感じます。MGM盤はそれに比較すると自然な音色のように僕には思えます。

FRANK SQUIRESの指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, MY LOVE IS A WANDERER
2, JUST ANOTHER DAY WASTED AWAY
3, APRIL HEART
4, WHER LOVE LIES WAITING
5, EARLY AUTUMN
6, WHEN YOU KISS BACK
B面
1, MEAN TO ME
2, SUMMER IS A-COMIN' IN
3, SATUEDAY FREINDS
4, LAZY MOON
5, MY WAYWARD HEART
6, I'LL GET BY