ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

SUSAN MAUGHAN

2008年03月08日 | 女性ボーカルM
(英)PHILIPS/BL 7577/SUSAN MAUGHAN/SWINGIN' SUSAN/1963

このスーザン・モーンの本アルバムは本来ポップ・シンガーである彼女のLPの中で唯一ジャズ・テイストがあるアルバムだと思います。といってもガチガチのジャズ・ボーカルではなくポップシンガーがジャズのスタンダードを歌うという一つの括りから大きく外れてはいません。長い間, 本アルバムは英国盤という事もあり,また販売枚数も限られていた為か、ショップ等で目にすることは極めて少なかったように思います。ところが数年前に日本ビクターの魅惑のボーカルシリーズに24bitデジタル・リマスタリングされたCDが販売されて、彼女のボーカルを耳にした人も多かった事と思います。ただ僕のオーディオ装置のせいかどうかCDで聴く彼女のボーカルは乾いてしまったカステラのようにパサパサした感じに聴こえ、彼女のボーカルも奥に引っ込んでいてあまり得心できませんでした。やはりレコードで聴く方が潤いという要素が感じられてボーカルもイキイキと前に出てきて歌いますから聴き味がかなり違います。CDを聴かれて大した事ないと思われて, もし彼女を見限った人がいらっしゃいましたら是非レコードでもう一度彼女にチャンスを与えてあげていただきたいと思います。聴かれるとその印象はまた違ったものになると思います。
彼女は1942年英国ダーハム生まれらしいですが16歳の頃からプロとして歌っていました。彼女は62年に米国でヒットしたマーシー・ブレーンの“BOBBY'S GIRL”を歌い, それが欧州で大ヒットしてイギリスのトップ・シンガーになったという事です。僕はマーシー・ブレーンの同曲をラジオで何回か聴いた記憶がありますが非常に歯切れの良いボーカルだったように思います。このスーザンのボーカルも歯切れが良く元気に歌うスタイルでその辺りはよく似ているようです。本アルバムでの歌い口はその元気良さ、歯切れの良さ、よくスイングして歌う彼女の特徴がよく表れています。下は彼女の“BOBBY'S GIRL”のジャケット写真です。このジャケットの写真は彼女の若さや溌剌とした表情がよく分かりますし、何より美人である為に多少ジャズテイストが薄くとも多少脚が太めでも許せちゃうという結果になります。
A-1のA LOT OF LIVIN' TO DOは軽快な出だしの曲でノリの良いメロディーで冒頭から歌いまくっています。A-2のIF I WERE A BELLは彼女のジャジーな面が発揮されている1曲で僕のお気に入りの一つです。続くA-3のTHE LADY'S IN LOVE WITH YOUもスイング感に満たされて軽快に歌います。A-5のWHEN LIGHT ARE LOWを聴くと彼女の歌い口も年増女のような太いところがあるのだと気づいてこのままどこかのビッグバンドの専属歌手になっていればよかったのにと思います。A-6とB-1ではバックに参加しているTUBBY HAYESのソロが聴けます。B面でもTHE GYPSY IN MY SOULやOLD DEVIL MOON, THINGS ARE SWINGIN'とスタンダード曲が続きますが僕が好きなのはB-3, IT MIGHT AS WELL BE SPRINGで、ここでは彼女は少し発声を抑えて歌うのがお気に入りです。B-4のTHINGS ARE SWINGIN'も彼女のスインギィー度はますます調子を上げている感じです。彼女の声って発声を抑え気味にすると割りと太く低い声が強調されるんですが、そういうボーカルをもっと聴いてみたい僕です。

収録曲
A面
1, A LOT OF LIVIN' TO DO
2, IF I WERE A BELL
3, THE LADY'S IN LOVE WITH YOU
4, POPPA , DON'T PREACH TO ME
5, WHEN LIGHT ARE LOW
6, JUST ONE OF THOUSE THINGS
B面
1, THE GYPSY IN MY SOUL
2, OLD DEVIL MOON
3, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
4, THINGS ARE SWINGIN'
5, CA. C'EST L'AMOUR
6, GONE WITH A WIND