ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

RITA MOSS

2008年03月28日 | 女性ボーカルM
英PHILIPS/B07865R/RITA MOSS/INTRODUCING RITA MOSS/10inch

このリタ・モスというシンガーはあまりジャズ本などでは取り上げられていないように思います。存在が地味過ぎて目立たないのでしょうか?彼女は米国オハイオ州生れの黒人で幼少の頃からピアノを習い, 1949年にPARK AVENUEのレストランで演奏したのがプロとしての第一歩です。その後は英国や米国内のオンタリオ、クリーブランドで活動し、評論家のレナード・フェザーのコンサートにも出演したとライナー・ノートにはあります。彼女はニューヨークで活動しなかったので米国内で聴衆の耳にふれる機会が少なかったのかも知れません。本アルバムは彼女の英国PHILIPSでのデビュー・アルバムであると同時にソロ・アルバムです。これ以前に米国でのアルバムがあるのかどうか僕は知りません。このアルバムは彼女一人のボーカル及び演奏による収録になっているのですが彼女は歌いながら左手によりピアノを弾き、足でオルガンを奏で, 右手でボンゴを敲いています。二兎を追う者一兎を得ずという諺がありますが、彼女は4兔を追っているわけですが、それが決して器用貧乏になっていないのが彼女の素晴らしいところでしょう。彼女のボーカルは少し甘えん坊な歌い口でそこに可愛さも感じます、曲によっては裏声を使いますが、それは好き嫌いが分かれるかも知れません。溢れる愛情を切なく歌ったA-2のONE HUNDRED YEARS FROM TODAY、裏声を多用して独特の持ち味で聴けるA-4のTAKE THE“A”TRAIN、愛らしいボーカルが聴けるB-4のTHIS CAN'T BE LOVE、少し高い声でしっとりとゆったりと歌うA-3のI GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOODやB-5のDID I REMEMBERやを聴くと彼女のボーカルは聴き手のこころに響いてくると思います。

収録曲:A面 JUNGLE DRUMS/ONE HUNDRED YEAR FROM TODY/I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD/TAKE THE “A”TRAIN/THE BLUE ROOM/ B面 I ONLY HAVE EYES FOR YOU/LOVE IS HERE TO STAY/ BOPLIGATTO/THIS CAN'T BE LOVE/ DID I REMEMBER