ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

女性添乗員MONICAさんですョ!のアルバム

2010年05月10日 | 女性ボーカルW,Y,Z
独TELEFUNKEN/BLE 14206-P/MONICA ZETTERLUND/THE EUROPEAN ALL STARS 1961/

『ハーイ、皆さま、お疲れさまでした。会場へお急ぎのところ申し訳ありませんが、記念になるので8ミリで撮らせてくださいね。このスナップ撮影が終わったら皆さまのお楽しみのワインパーティですから、もうしばらくのご辛抱ですことよん。(独り言で)わたしも早く飲んでリラックスしたいわぁー』とでも言ってるのか、変わり種ジャケットとも言える本アルバムです。このアルバムは, OSAKAの廃盤専門店でレコードを物色しながら店主と話を交わしていたのですが2枚ほどピックアップしてカウンターへ戻ると、店主の足下からこんなんもあるんですよと出てきた1枚です。恥ずかしい話、最初に見た時にジャケットの女性がMONICAとは一瞬では分かりませんでした。どっかで見た事がある人だなぁ~という程度で、立ち姿がどことなくあまり洒落てない感じの、本職ではない女性添乗員に見えました。MONICAだって事はアルバムを手にしてすぐ分かりましたけど。それでジャケット裏の収録曲を見るとMONICAが4曲歌っているように表記されています。じゃ、これもっていう調子で頂戴したアルバムです。他にも足下から出現したアルバムを複数枚この際と通天閣から飛び降りたつもりで頂きました。店主とMONICAの話をしていると彼女は2005年に寝タバコが原因で火事になり焼死したのですが酒も好きで酒代をかなり消費していたらしいです。ですから火事の時も相当飲んでいたんじゃないかと思われます。店主の所でもMONICAの所蔵アルバムを数回にわたり買い取ったという事ですが、MONICAの友人からアルバム代は全部酒に消えてしまうから、あまり金を渡さないでくれと言われたというエピソードも聞きました。

本アルバム、タイトルがTHE EUROPEAN ALL STARS 1961ですからヨーロッパの主なジャズメンが勢揃いして演奏を繰り広げる内容のアルバムです。さながらヨーロッパ・ジャズ選手権といったところでしょうか。参加メンバーは、ノルウェー代表のERIK AMUNDSEN(b), スエーデン代表ARNE DOMNERUS(as), MONICA ZETTERLUND(vo), 英国代表RONNIE ROSS(bs), ドイツ代表ALBERT MONGELSDORFF (tb), オーストリア代表HANS KOLLER(ts), ベルギー代表SADI(vib), フランス代表 MARTIAL SOLAL(P), デンマーク代表WILIAM SCHIOPFFE(ds), ユーゴスラビア代表DUSKO GOJKOWIC(tp), イタリア代表FRANCO CERRI(g), トルコ代表MUFAY FALAY(tp), スペイン代表TETE MONTOLIU(p)の名前がありますが、僕の知らない人が多くいて、実体は知らん分からんとギブアップです。僕は英語もよく分かりませんがスエーデン語となるとアラビア語と同等に理解不能ですので国表記違い等あるかも知れません。その際にはご容赦下さい。
本レーベルのTELEFUNKENといえば高品質の真空管やマイクというのが僕のイメージで、ECC83と言えばTELEFUNKENと、これを凌駕するECC83は未だにないと思っています。MULLARDのECC83も及ばずという感じです。アンプの雑音で悩んだらTELEFUNKENに換えたら即座に悩み解消というぐらい信頼されている真空管ですが偽物も多いのがTELEFUNKEN。残念なのは、未使用の小っちゃなECC83一本が1万円以上はします、最近はもっと値が上がってさらに高価になったんじゃないかな?。これはマランツ#7の必需品ですね。TELEFUNKENを使うか現行ロシア製のを使うかでオリジナル盤とコピー盤ぐらいの違いは生じると思います。但し抜け道はあって、同じTELEFUNKEN製のECC83でありながらFISHERブランドならTELEFUNKENブランドと比べると今なら約半額で入手できます。またECC83チューブ底のダイヤ・マークがないと真正じゃないとか言われていますが、本当でしょうかね??ダイヤ・マーク入りが真正品という説に疑問は持ちませんが、ダイヤ・マークがないのはすべて真正品ではないと言えるのでしょうか?これからも学習を続けていきたい部分です。

本アルバムの内容に戻るとA面はビッグ・バンド編成の演奏から小編成のトリオまで編成を変えてチャーリー・ミンガスやモンクの曲が収録されています。MONICA のボーカルはなくインストでの演奏のみとなっています。B面には5曲が収録されているのですが、がです。ジャケ裏の曲目紹介では5曲中4曲でモニカ(vo)と表記されているのですが、実際は1曲のみでMONICAが歌っているという事で、盤に収録された内容と表記内容の大きな違いがありMONICAのヴォーカルのみに期待していると肩透かしを喰らいます。MONICAの円熟したヴォーカルはAM I BLUEでのみ聴けます。インストではTETE MONTOLIUの軽快なピアノ演奏が印象に残ります。MONICA抜きならTHAT OLD DEVIL LOVEが各人のソロも聴けて嬉しい内容でした。アルバム全体を通して聴くとそれぞれにちゃんと出番があって12カ国13人それぞれに聴き所はあるアルバムです。アルバムの収録曲を聴きながらMONICAの添乗員風立ち姿ジャケットを眺めていると音楽に国境はないんだと何だか楽しくなってきます。

収録曲/side1/1, HAITIAN' FIGHTSONG/ 2, GONE WITH THE WIND/3, HITTIN' THE BLUES/4, BLUE MONK/ side2/1, AVERTISSEZ-MOI/2, AM I BLUE/3, THAT OLD DEVIL LOVE/4, 3+3/5, HIGH NOTE/

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
monica (tempo)
2010-05-15 23:24:22
モニカ目当てで入手しましたが、モニカが1曲しか収録されていなくてがっかりした記憶があります。テテも確か1曲でしたね。
ジャケットが好きですし他の演奏も聴きどころ満載なので今は気に入ってます。
返信する
Beijing滞在中 (kuiren)
2010-05-16 11:39:24
tempoさん

こんにちは、コメントありがとうございます。

今日、帰国したかったのですが飛行機の便がとれず明日になってしまいました。

このALL STARSはモニカ目当てで買った僕もちょっと残念な思いはしましたが、他の演奏も楽しめるので後悔はしませんでした。モニカ以外では、特に小編成でのインストが好きです。
レア度はかなり高い一枚なようですね。

帰国したらまたアップしますので、よろしくお願いします。
返信する